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Dechenaux, B.*; Brovchenko, M.*; 荒木 祥平; 郡司 智; 須山 賢也
Annals of Nuclear Energy, 223, p.111555_1 - 111555_11, 2025/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)The safe retrieval of the fuel debris generated during the Fukushima Daiichi nuclear accident poses a number of challenges, among which an important one is to ensure the criticality safety of the recovery operations. At the heart of the problem lies the intrinsically heterogeneous nature of the problem, and the appearance of complex and disordered media whose neutronic properties are difficult to accurately characterize and reproduce in neutron transport simulations. Typically, a similar, simpler, problem is encountered in the modeling of assemblies with missing fuel rods. In both problems, the availability of experimental facilities capable of validating both the nuclear data and the simulation schemes in heterogeneous configurations is crucial. The modified STACY installation has been specially designed to provide and carry out critical experiments, allowing for highly non-uniform configurations, that will directly support fuel debris recovery operations, but can also be used for other experimental programs. The present work describes a method to consistently and orderly sample non-uniform core configurations in the modified STACY facility, and proposes two critical heterogeneous core configurations. They have the advantage to present a high sensitivity to the water thermal scattering law, whose importance was found to be more significant for more heterogeneous configurations. The proposed experiments will contribute to the exploration and validation of heterogeneous critical systems.
小嵐 淳; 永野 博彦*; 中山 理智*; 安藤 麻里子; 永岡 美佳
Chemosphere, 389, p.144715_1 - 144715_11, 2025/11
放射性セシウム(Cs)汚染は、特に森林生態系において長期的な課題となっている。土壌微生物が
Csの運命を左右する役割は未だ不明な点が多い。本研究では、有機層と鉱物土壌における微生物、有機物、粘土鉱物の相互作用に着目して、微生物による
Csの保持を評価した。その結果、微生物による
Cs循環によって有機層中に生物利用可能な
Csプールが維持されていることが示された。この微生物の関与は、有機層中の
Cs放射能濃度が低下するにつれて減少した。鉱物土壌では微生物による
Csの保持は最小限であり、粘土鉱物による固定化を間接的に促進する役割が示唆された。有機層における微生物による
Cs保持は、地域、森林の種類、沈着後の時間に関わらず、
Csの利用可能性によって制御されていることが明らかになった。これらの知見は、ヨーロッパと日本の森林における有機層における
Csの残留性の違いを統一的に説明する。
入澤 恵理子; 加藤 千明
Corrosion Science, 256, p.113173_1 - 113173_16, 2025/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)This study investigates the corrosion behavior of extra-high-purity Type 316 austenitic (316EHP) stainless steel with reduced impurity segregation at the grain boundaries in a liquid lead-bismuth eutectic (LBE) at 530C to evaluate (1) the resistance of the steel to intergranular oxidation in the LBE with oxygen saturation and (2) its dissolution corrosion resistance at lower oxygen concentrations than the equilibrium oxygen potential of magnetite. Under oxygen saturation conditions in the LBE, 316EHP generated protective uniform oxide layers without severe intragranular oxidation. Compared with the case of the conventional 316L stainless steel, enhanced Cr diffusion along the grain boundaries in 316EHP considerably improved the intergranular-oxidation resistance of the steel. However, in the LBE with a low oxygen concentration, 316EHP exhibited high susceptibility to dissolution corrosion, thus undergoing a rapid intergranular attack particularly for short exposure durations, and island-like ferritic particles were formed for long exposure durations. Future studies should explore the optimal oxygen concentrations for oxide scale formation and the long-term corrosion behavior of the steel in dynamic LBE systems.
森下 祐樹; 山田 勉*; 中曽根 孝政*; 菅野 麻里奈*; 佐々木 美雪; 眞田 幸尚; 鳥居 建男*
Radiation Measurements, 188, p.107502_1 - 107502_7, 2025/11
被引用回数:0福島第一原子力発電所の廃止措置では、アルファ核種を含む配管の汚染検査は重要である。アルファ粒子の外部からの測定は非現実的であるため、検出はアルファ核種によって放出されるガンマ線を測定する方法がとられている。そのため、低エネルギーガンマ線を検出するためのフォスウィッチ検出器を開発し、実験的に検証した。検出器はエネルギー付与特性を考慮して設計され、YAP:CeまたはHR-GAGGシンチレータとBGOシンチレータの組み合わせで構成され、信号増幅には光電子増倍管を使用した。異なるガンマ線エネルギーを入射したとき、1層目と2層目のシンチレータ内のエネルギー付与の違いを示すことができた。この違いを識別し、低エネルギーガンマ線と高エネルギーガンマ線を効果的に識別することができた。
志風 義明
Radioisotopes, 74(3), p.273 - 287, 2025/11
従来法では無人ヘリコプターに搭載されたコンプトンカメラシステムの測定データの解析を改善するための対策として、無人ヘリコプターの位置と姿勢角の安定な期間のデータを利用した。ただし、これにより解析に使用されるイベント数が減り、統計的な精度に向上の余地を残した。それゆえ、今回は測定したイベントデータを全て補正して使用した。前回の解析で固定した2層のシンチレータ座標は、イベント毎に刻々と変化する位置と傾きを補正したものに置き換えた。統計精度と空間分解能を向上させるために、補正されたイベントを使用してガンマ線画像を再構成した。ガンマ線強度の再構成画像の精度の向上を評価するために、地上の測定結果を比較した。改善された統計の効果に関して、改善後には残差二乗和(RSS)の減少が認められ、地上測定値との良好な相関によりこの方法の有効性が示された。また、RSS値の比較では、従来法から改良法への変更に比べて、測定値の平均化する範囲の拡大の方が、より効果的であり、地上測定値との相関がより良好であることを確認できた。
廃炉環境国際共同研究センター; 横浜国立大学*
JAEA-Review 2025-025, 90 Pages, 2025/10
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和4年度に採択された研究課題のうち、「障害物等による劣悪環境下でも通信可能なパッシブ無線通信方式の開発」の令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、障害物が多い環境での無線通信システム実現を目指し、基地局やセンサノード(SN)、位置特定アルゴリズム、電磁波遮蔽領域に対応する無線エリア形成手法を開発した。以下に主要な成果をまとめる。高機能アンテナを用いた方向探知性能評価として、3点法を活用した位置推定性能を定量評価した。また、センサ情報の復調システムを構築した。SNは、周波数走査型アナログ方式と周波数固定デジタル方式を開発し、通信可能距離が68m、無線充電では6mで1
2V充電を3
15分でできることを確認した。また、1,000Gyの放射線照射によるダイオード特性変化がないことを実験的に確認した。位置特定アルゴリズムの研究では、多重波電波トモグラフィーイメージング法を検討し、高分解能測定系を構築して実験室環境での有効性を確認した。原子炉建屋のCAD図面を用いたシミュレーションで必要なノード数や配置を検討した。電磁波遮蔽領域への対応では、パッチアレーアンテナと導波路アンテナを組み合わせた複合アンテナにより、SNとの通信距離を評価した。現状では通信可能距離が1.5m程度であることを確認した。
廃炉環境国際共同研究センター; 岡山大学*
JAEA-Review 2025-022, 51 Pages, 2025/10
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和4年度に採択された研究課題のうち、「耐放射線プロセッサを用いた組み込みシステムの開発」の令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、集積回路に光技術を導入した10MGyのトータルドーズ耐性を持つ耐放射線光電子プロセッサ、集積回路のみで実現する4MGyのトータルドーズ耐性を持つ耐放射線プロセッサ、同4MGyのトータルドーズ耐性の耐放射線メモリ及びそれらに必要となる1MGyのトータルドーズ耐性を持つ耐放射線電源ユニットの4つを開発する。そして、現在までに10MGyのトータルドーズ耐性を持つ耐放射線光電子プロセッサ、4MGyのトータルドーズ耐性の耐放射線メモリの2つの開発に成功した。マンチェスター大学とはロボットやLiDARに対する耐放射線プロセッサ、耐放射線FPGA、耐放射線メモリ、耐放射線電源ユニットの面で連携し、これまでにない高いトータルドーズ耐性を持つ耐放射線ロボットを実現していく。また、ランカスター大学とは耐放射線FPGA、耐放射線電源ユニットの面で連携し、放射線の種類、強度を正確に特定できるセンサー類を開発していく。
廃炉環境国際共同研究センター; 北海道大学*
JAEA-Review 2025-021, 63 Pages, 2025/10
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和4年度に採択された研究課題のうち、「汚染可視化ハンドフットクロスモニタの要素技術開発」の令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、「
汚染可視化ハンドフットモニタ」及び「
・
汚染可視化クロスモニタ」の装置開発を目標としている。
線シンチレータ材料として、令和4年度に引き続きAD法によるZnS(Ag)厚膜作製及び希土類錯体について検討した。AD法による厚膜作製においては、ZnS(Ag)単独粉末及びZnS(Ag)/アルミナ混合粉末によるAD成膜体について、シンチレーション特性評価を実施した。その結果、
線に対する発光量は令和4年度から向上した。また、希土類錯体をポリスチレンに分散させた膜を用いて、市販プラスチックシンチレータ(サンゴバン製、BC400)よりも最大で12.5倍大きいシンチレーション強度を得た。
線撮像技術の開発においては、新規シンチレータの評価を重点的に行った。AD法によるZnS膜については5分測定で、希土類錯体については1分測定で
線の分布を確認できた。ホスウィッチ用シンチレータの開発では、La-GPS多結晶体薄板の製造工程における、成形用金型、焼結条件、切断工程、アニール条件、研削/研磨工程を最適化し、50mm角のLa-GPS多結晶薄板をほぼルーチンに製造する工程を確立した。また、
線検出用材料として、十分な性能を発揮できることを確認した。
・
汚染可視化クロスモニタの開発では、現場での使い勝手も含めた改善点を抽出・改良型の装置に反映した。さらに、試作したクロスモニタの基本性能を評価し、
線エネルギーと位置分布情報を得た。ホスウィッチ検出器の評価試験では、検出器出力波形の全積分と部分積分から、
線と
線を明確に弁別することに成功した。
廃炉環境国際共同研究センター; 京都大学*
JAEA-Review 2025-020, 74 Pages, 2025/10
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和4年度に採択された研究課題のうち、「3次元線量拡散予測法の確立と線透過率差を利用した構造体内調査法の開発」の令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。我々は核ガンマ線の方向を完全に決定し、光学カメラと同じ全単射によるガンマ線画像(線形画像)が測定できる電子飛跡検出型コンプトンカメラ(ETCC)を実現、今までに世界初の銀河拡散ガンマ線の直接観測及び1Fでは1
3号炉建屋群を含む1km四方の撮像による約100か所のスペクトル同時測定と敷地全体を覆うスカイシャインの撮像にも成功し、さらには京都大学複合原子力科学研究所の原子炉建屋内の3次元線量測定などの革新的な成果を出してきた。本研究は前研究の成果を基に、(1)サブmSv/h環境での3次元放射性物質飛散検知・予測システムの構築、(2)ETCCのMeV以上のガンマ線撮像能力を生かし透過性の高い
Csガンマ線を利用した炉建屋内の3次元透視Cs分布測定法を開発及び1Fの炉建屋周辺からの測定、(3)数mSv/hでの動作を実現し、炉建屋内で同測定法の開発を行う。そのために令和5年度は、シミュレーションに基づくサブmSv環境での軽量遮蔽設計手法の開発及びETCCへの遮蔽を搭載した。同時にJAEAのFRS施設で高線量場を用いて、(1)の遮蔽能力の検証、同時にETCCデータ収集系、画像処理系の検証実験を行う。その結果を反映した改善をETCCに施した後、令和6年3月に1F内の炉建屋群全体を異なる2方向から測定する3次元線量測定を実施した。この測定でETCCの能力の検証と1F全域の3次元線量分布を今後求めていく。また、ETCCで炉建屋を数方向から計測を行い、建屋内部線量のCTスキャンの可能性をシミュレーションで検証、4方向から測定で複数のホットスポットの分布が求められる可能性が出てきた。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京科学大学*
JAEA-Review 2025-016, 143 Pages, 2025/10
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(以下、「1F」という。)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「福島原子力発電所事故由来の難固定核種の新規ハイブリッド固化への挑戦と合理的な処分概念の構築・安全評価」の令和3年度から令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、1F事故で発生した多様な廃棄物を対象とし、固定化が難しく長期被ばく線量を支配するヨウ素(I)、核種のマイナーアクチノイド(MA)に注目し、これらのセラミクス1次固化体を、さらに特性評価モデルに実績を有するSUSやジルカロイといったマトリクス材料中に熱間等方圧加圧法(HIP)等で固定化した"ハイブリッド固化体"とすることを提案する。核種閉じ込めの多重化、長期評価モデルの信頼性の向上により実効性・実用性のある廃棄体とし、処分概念を具体化する。潜在的有害度及び核種移行の観点から処分後の被ばく線量評価を行い、安全かつ合理的な廃棄体化法、処分方法の構築を目的としている。最終年度の令和5年度は、廃棄物合成から処分検討までの全サブテーマを結節させ、ハイブリッド固化体概念の有効性を提示した。多様な廃棄物としてALPS、AREVA沈殿系廃棄物、AgI、廃銀吸着剤、セリア吸着剤、ヨウ素アパタイト等と多様な金属や酸化物マトリクスとの適合性を、本研究で提案した迅速焼結可能なSPS法で探査後にHIP法での廃棄体化挙動を調べる方法により調査し、多くの廃棄物にとりステンレス鋼(SUS)をマトリクスとしたハイブリッド固化体が優位であることを明らかにした。さらに、核種移行計算をベースとした廃棄物処分概念検討を実施し、1F廃炉研究において、初めて廃棄物合成から安全評価までを結節させることに成功した。
廃炉環境国際共同研究センター; 工学院大学*
JAEA-Review 2025-013, 111 Pages, 2025/10
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和3年度に採択された「世界初の同位体分析装置による少量燃料デブリの性状把握分析手法の確立」の令和3年度から令和5年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、少量燃料デブリの取り出し把握に必要な直接的なデータを世界で初めて取得して評価・検討を行うことを目的とする。SEM-EDS等やTEM-EDSでは、同位体識別やPu、Bの分析ができない。一方、ICP-MS等のバルク分析では微小視野での情報が欠落する。つまり、既存の方法では、燃焼率指標情報(NdとUの組成比)、中性子毒物Gdや中性子吸収物質Bの存在比などの局所分析データを含めて燃料デブリ性状を把握するための分析手段がないことが大きな課題である。令和3年度は、JAEA大洗研究所へ導入した同位体マイクロイメージング装置について、高線量試料に対応した装置整備を主に進めた。令和4年度には、JAEA大洗研究所にある同位体マイクロイメージング装置の整備を行い、ウラン含有実粒子の分析に成功した。令和5年度は、工学院大学にあるプロトタイプ機を用いて、今後大洗研究所の装置に反映できるように、一連の分析ルーチンを自動化・遠隔化するための開発を完了した。JAEA大洗研究所では、手動操作を含むが、共鳴イオン化により実粒子からCsの各同位体を分析することに成功した。再委託先の名古屋大学においては、共鳴イオン化におけるイオンビームスパッタによる電子状態の差異を検討するために装置改良を行い、イオンビームによってスパッタされた中性粒子から共鳴イオン化の信号を取得することに成功した。連携先のJAEACLDASでは、重要核種であるNdやGdの最適なイオン化スキームについて実験的に調査し、提案されたイオン化スキームについて、工学院大学の同位体マイクロイメージング装置で同位体比やイオン化効率の検証を行った。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京科学大学*
JAEA-Review 2025-012, 96 Pages, 2025/10
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和3年度に採択された「福島第一発電所2、3号機の事故進展シナリオに基づくFP・デブリ挙動の不確かさ低減と炉内汚染状況・デブリ性状の把握」の令和3年度から令和5年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、シールドプラグ下高線量の原因究明、事故時のCs移行経路や、Csの構造材付着・堆積状態の解明及び先行溶落したと推定される金属リッチデブリ特性評価を行うため、事故進展最確シナリオ評価に基づく材料科学的アプローチを行った。Cs分布評価の不確かさ低減については、炉内のCsの化学形態について実験と計算の双方より、酸性・塩基性酸化物の組み合わせによる安定度の評価を行い、金属表面でのCsの化学的付着形態、Cs-Fe-O系、Cs-Si-Al-O系の安定度などが示され、Csの移行経路の考慮、PCV内部コンクリート残留Csの除染の重要性が示唆された。金属デブリの酸化変質評価については、熱力学的・速度論的実験により、ジルコニウムの極めて安定な酸化物生成挙動とRPV内溶融促進挙動及びステンレス含有元素の酸化膜形成における役割が示され、固液複相流体の粘性調査も併せて、金属デブリ流下挙動及び取り出し時の留意点が示唆された。これらの知見に基づく事故進展プロセスの総合評価として、水蒸気雰囲気で表面が酸化した鋼材へのCs化学吸着形態を同定し、吸着形態が鋼材の酸化度によって変化すること及びCsOのトラップ化合物種と酸化物浸透深さを考慮すべきことを明らかにするとともに、固体系金属デブリは水蒸気酸化及びFe
O
反応相形成によって支配されること及び溶融金属デブリは酸化によりZrO
が優先形成し、表面と内部の酸化度の差異から固液流体の凝固プロセスでスレート状構造を作りやすいことを明らかにし、蓋然性の高い事故進展シナリオ構築に寄与した。
萩原 大樹; 渡辺 勇輔; 小西 博巳*; 舟木 泰智; 藤原 健壮; 飯島 和毅
Applied Geochemistry, 190, p.106490_1 - 106490_10, 2025/10
被引用回数:0Radiocesium (Cs and
Cs) was sorbed on minerals and transported to river systems due to the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident. Recently, the authors have reported that mafic minerals sorb
Cs equally or more strongly than micaceous minerals in fine sands. We characterized mafic minerals and elucidated their weathering using electron microscopy to determine whether they can sorb
Cs. The surface of hornblende particles is weathered and altered to vermiculite. The surface of micas is less weathered than that of hornblende, indicating the
Cs activity concentrations of highly weathered mafic minerals are higher than those of micas in part of sampling site. The results indicate that the effects of
Cs sorption for hornblende depend on the weathering product at the surface.
Luu, V. N.; 谷口 良徳; 宇田川 豊; 勝山 仁哉
Nuclear Engineering and Design, 442, p.114222_1 - 114222_15, 2025/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)For near-term application, coated-Zr alloy claddings show potential for enhancing safety by providing better oxidation resistance and minimizing hydrogen absorption under design-basis accidents (DBA). This benefit could extend the burnup and operational cycles of fuel rods. In assessing safety, reactivity-initiated accidents (RIA) are considered as one of the DBA conditions. The current safety criteria for high-temperature oxidation failure, one of the failure modes linked to RIA, are defined by peak fuel enthalpy values that range from 205 to 270 cal/g. This wide variability presents challenges when attempting to generalize criteria for modified-Zr alloy claddings with superior oxidation resistance. Therefore, it may be more relevant to apply failure criteria based on embrittlement mechanisms, such as oxygen concentration in the -Zr phase. This study aimed to assess the failure based on both peak fuel enthalpy and cladding embrittlement by analyzing previous NSRR experiments conducted with conventional materials using the RANNS fuel performance code. The findings suggest that the failure criteria associated with cladding embrittlement can provide a rational evaluation of failure behavior compared to the existing criterion based on peak fuel enthalpy. The local failure criterion leading to the formation of through-wall cracks during quenching is consistent with Chung's proposal (NUREG/CR-1344):
-Zr thickness of
0.9 wt% oxygen is less than 0.1 mm, and this corresponds to approximately 35% BJ-ECR.
佐藤 俊; 脇山 義史*; 高橋 史明; 高田 兵衛*
Science of the Total Environment, 1000, p.180380_1 - 180380_14, 2025/10
福島第一原子力発電所(FDNPP)の事故から10年が経過したが、福島沿岸域の海水中Csの濃度は事故前に比べて高く、継続的に
Csが流入していることが考えられる。本研究では2012年以降において、FDNPPからの
Csの直接流入量と、河川経由での
Csの流入量を比較した。直接流入は、FDNPPが実施した海側遮水壁の設置などの流出対策により、2012-2014年の17.5TBqから2019-2021年の0.6TBqへと明らかに減少した。それに対し、河川からの流入は、2012-2014年の2.2TBqから2019-2021年の2.0TBqへとわずかに減少した。また、FDNPP周辺の沿岸水への全
Csフラックスに対する直接流入の割合は、2012-2014年の89%から2019-2021年の23%に減少した。事故初期に比べ、福島沿岸域の海水中
Cs濃度変動に対する河川経由での流入の寄与が大きくなっており、特に大量出水時にはより顕著な影響が生じることが示唆された。福島沿岸域における
Csの長期的な動態を正確に予測するには、さまざまな環境要因と人為的要因を併せて考慮する必要がある。
廃炉環境国際共同研究センター; 大阪大学*
JAEA-Review 2025-019, 95 Pages, 2025/09
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「アルファ微粒子の実測に向けた単一微粒子質量分析法の高度化」の令和3年度から令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、燃料デブリ取り出しの際に発生するウランやプルトニウムを含むアルファ微粒子のリアルタイムモニタリングに向け、単一微粒子質量分析法の高度化を目的とした。リフレクトロンを内装した改良型ATOFMSを新たに製作し、模擬アルファ微粒子を用いて試験を実施した。得られたTOFスペクトルでは、Zr及びUとそれらの酸化物のイオンピークが検出され、Zrと
Uの2価イオンも検出された。
U
のイオンピークの質量分解能は1,700となり、
Pu
を分離するのに十分な分解能を有していることを確認した。ナノ微粒子の肥大化濃縮法では、アルファ微粒子の水溶液捕集装置、減容装置、超音波アトマイザ装置、オンラインドライヤー装置等で構成される肥大化濃縮装置を製作して条件の最適化を行った。模擬アルファ微粒子などを用いた試験により、最適化条件ではATOFMSで測定可能な粒径0.4-0.8
mの肥大化微粒子を主として生成することがわかった。微粒子の分析により、肥大化過程においてナトリウム、ケイ素、鉄など装置の構成元素を取り込んで肥大化することがわかった。肥大化装置の効率は4.5倍と見積もられた。改良型ATOFMS装置ならびに濃縮肥大化装置を開発した結果、調べた実験条件における検出下限濃度は、
Uが7.0
10
Bq/cm
、
Uが4.2
10
Bq/cm
、
Puが1.3
10
Bq/cm
と評価した。これらは空気中濃度限度より低く、当初の目的に到達したことを示している。
原子力科学研究所 工務技術部
JAEA-Review 2025-018, 83 Pages, 2025/09
工務技術部は、原子力科学研究所及びJ-PARCの水、電気、蒸気、排水等のユーティリティ施設、原子炉施設、核燃料物質使用施設等の特定施設(受変電設備、非常用電源設備、気体・液体廃棄設備、圧縮空気設備)並びに一般施設の機械室設備の運転、保守管理を担っている。さらに、建物・設備の補修・改修工事及び点検・整備業務、電子装置及び機械装置の工作業務を行ってきた。本報告書は、令和5年度の工務技術部の業務実績の概況、主な管理データ及び技術開発の概要を記録したものであり、今後の業務の推進に役立てられることを期待する。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2025-015, 73 Pages, 2025/09
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「福島第一原子力発電所の廃止措置における放射性エアロゾル制御及び除染に関する研究」の令和3年度から令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、英国研究者との協力の下、高度な粒子検出及び特性評価システムとエアロゾルの分散制御を同時に組み込んだ安全なレーザー除染システムの開発を目指している。エアロゾル分散制御については、単純な機械的封じ込めフードから光学レーザーシールドに至るまでの新しい封じ込め方法を共同で調査する。日本側は、レーザー切断及び除染用途での放射線リスクを低減するため、ウォーターミストとウォータースプレーの利用に基づく放射性分散制御方法を開発する。英国側から提供されたエアロゾル粒子のデータに基づき、エアロゾルスクラビングの効率を高める可能性を調査する。また、エアロゾル粒子とウォーターミスト粒子の間の引力向上させるための電荷付与の効果を確認する。英国側は、エアロゾルのレーザー閉じ込め法を開発しており、スプレースクラビングにおいてエアロゾル粒子とミストの凝縮を改善するための実験を行う。エアロゾル除去技術と戦略の開発は、包括的な実験と計算研究によって実行される。実験はUTARTS(東京大学エアロゾル除去試験施設)で行われ、レーザー除染や切断とスプレー操作の同時作業等を検証する。また、CFDモデルのより適切な検証を実行できる高空間分解能データを取得するためエアロゾル測定を実施する。検証済みのCFDモデルは、効果的で安全な除染及び廃炉計画を作成するために、様々なレーザー操作シナリオで確認する。最終年度においては、実スケールでの作業及び除染効果を検証するため、モックアップ試験を実施し、本研究により構築した除染システムを評価検証する。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2025-014, 86 Pages, 2025/09
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究および人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「燃料デブリ取り出しのための機械式マニピュレータのナビゲーションおよび制御」の令和3年度から令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、未知環境での衝突対応のための機械的可変インピーダンスアクチュエータを用いたロボットマニピュレータの開発および効率的な探査・廃止措置のための人工知能を使った制御手法の構築に取り組む。従来調査では困難だった開口部から奥の領域における調査を行う他、先端部のグリッパーでペデスタルの底部に存在する小石状の燃料デブリの回収を目指す。ペデスタル内部の環境制約に対応するためのマニピュレータ機構と遠隔操作システムの開発に取り組む。令和5年度は、マニピュレータのナビゲーションアルゴリズムの開発とマニピュレータの制御性能の評価実験ならびに現場の使用シーンを想定した実証実験に取り組んだ。令和4年度の成果等に基づき、CVT-VIAの構築検討を行い、機械式インピーダンスアクチュエータに反映した。また、駆動のためのモデル構築や制御アルゴリズムの設計構築および評価手法の検討を行った。マニピュレータの制御性能の評価を行った。また、シミュレーションモデルとの比較を適宜進めた。また、模擬環境としてJAEA楢葉遠隔技術開発センター等を活用し、実証実験を行った。英国チームや外部アドバイザとの隔週ミーティングなど密な連携のもと、研究を推進した。年度末には、共同ワークショップや東京大学とミュンヘン工科大学(TUM)主催の国際ワークショップにて、プロジェクト紹介の口頭発表を行った。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2025-008, 134 Pages, 2025/09
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「ジオポリマー等によるPCV下部の止水・補修及び安定化に関する研究」の令和3年度から令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本課題は令和5年度が最終年度となるため3年度分の成果を取りまとめた。燃料デブリ取り出しを行うためには、PCV水位制御のためドライウェル下部の止水や補修を行う必要がある。そこで本研究では、改良したジオポリマー等によりジェットデフレクター等を止水し、併せてドライウェル下部を補修する施工法を実験及びシミュレーションにより評価した。また、ジオポリマーにより被覆される燃料デブリ性状を把握した上で、廃棄体としての長期寿命を評価した。この結果、ジオポリマーを活用することにより、施工から廃棄物管理までを考慮したPCV下部の止水及び補修工法が可能であるとの見通しを得た。