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Nguyen, H. H.
Annals of Nuclear Energy, 230, p.112171_1 - 112171_13, 2026/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)本研究では、炉心中心部の燃料集合体は溶融して燃料デブリとなる一方、外周部の燃料集合体は損傷を受けていない状態にある、部分的に損傷した原子炉モデルの中性子特性に、減速材と燃料の体積比、燃料デブリの形状、および損傷した燃料集合体の数が及ぼす影響を調べた。調査は、SerpentコードとJENDL-5ライブラリを用いて実施した。結果、燃料デブリが損傷のない燃料集合体に囲まれている場合、k
は燃料デブリの形状に基づいて2つのグループに分類できることが示された。逆に、燃料デブリが損傷のない燃料集合体に完全に囲まれていない場合、燃料デブリの形状はk
にほとんど影響を与えない。さらに、燃料デブリに出入りする中性子数の関係によって、燃料デブリの形状がk
にどのように影響するかが決まる。
O
solution熊谷 友多; 日下 良二; 高野 公秀; 渡邉 雅之
Journal of Nuclear Materials, 625, p.156553_1 - 156553_7, 2026/04
被引用回数:0U-Zr酸化物固溶体は、重大な原子炉事故時に形成される燃料デブリ中に一般的に含まれる相である。本研究では、放射線分解により生成する主要な酸化剤である過酸化水素に対するU-Zr酸化物固溶体の耐性を研究した。過酸化水素との繰り返し接触により、ウランの溶解は初期に進行するが次第に抑制され、ジルコニウムの溶解はより緩やかに進行した。ラマン分光およびX線回折により、表面の化学変化は限定的であり、ウラニル過酸化物の生成もわずかであった。表面に酸化還元活性サイトが存在するとした反応速度論モデルにより実験結果を再現した。解析の結果は反応活性サイトの表面密度は低いことを示唆した。これらの結果は、U-Zr酸化物固溶体の高い耐久性が保護被膜の形成によるものではなく、表面の酸化還元反応性の低さ自体に起因することを示唆する。
Batsaikhan, M.; 大場 弘則*; 狩野 貴宏; 赤岡 克昭; 若井田 育夫*; 岩田 圭弘; 坂本 寛*
Journal of Analytical Atomic Spectrometry, 21 Pages, 2026/00
被引用回数:0This study presents the development and application of a fiber optic laser-induced breakdown spectroscopy system designed for remote, in situ analysis of nuclear fuel debris at Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (FDNPS). The system was deployed for the first time in a hot cell under high radiation to analyse an actual Boiling Water Reactors spent fuel sample as an exemplar of FDNPS fuel debris. The system successfully identified the main fuel components along with several long lived fission products and related markers such as Sr, Cs, Mo, Ba, and Rb. The emission intensity of the Ba, Rb, and Cs near the periphery region was slightly higher than at the center of the fuel. This indicates a higher concentration of these elements in that area.
福田 航大; 柴 茂樹*; 岩橋 大希*; 郡司 智
Journal of Nuclear Science and Technology, 14 Pages, 2026/00
被引用回数:0To proceed with the fuel debris removal at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (1F-NPS), it is important to evaluate the potential impact of unexpected criticality events. The purpose of this study is to clarify parameters that can have a significant impact on the site boundary dose due to the criticality of the fuel debris at 1F-NPS. Criticality, kinetics, and dose calculations were performed using a set of analysis conditions for 1F-NPS. The results showed that the impacts of specific input parameters on the site boundary dose were much larger than others. Even when these high-impact parameters were assumed to be very large or small, the site boundary dose did not exceed about 0.1 mSv under conditions considered in this study. The findings contribute to confirming the effectiveness of criticality countermeasures and to supporting the planning of efficient debris removal. To further improve the generality of the conclusions, additional analyses that consider 1F-NPS-specific criticality scenarios, such as continuous inflow of water around the fuel debris, would be necessary.
廃炉環境国際共同研究センター; 大阪大学*
JAEA-Review 2025-040, 111 Pages, 2025/12
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和5年度に採択された研究課題のうち、「革新的分光画像解析による燃料デブリの可視化への挑戦とLIBSによる検証」の令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究の目的は、ハイパースペクトルイメージング(HSI)とレーザー誘起ブレークダウン分光(LIBS)を組み合わせ、炉内物質を俯瞰的に認識・特定する技術を開発することである。HSIは100色以上のスペクトル情報を解析し、様々な物質の分類に既に応用されているものの、材料組成を直接評価できない。そこでHSIとLIBSを組み合わせることにより、正確かつ広範囲の炉内物質可視化技術となりうると考えた。本技術の実証のためには、適切な模擬炉内物質を準備し、そのトレーニングデータを取得・蓄積する必要がある。本研究では、標準物質の作製とHSIデータ解析を国立大学法人大阪大学、ウラン含有物質の作製とHSI/LIBS測定を日本核燃料開発株式会社(NFD)、LIBS開発をJAEAが担当する。英国側からは、ストラスクライド大学、英国国立原子力研究所(NNL)、ランカスター大学が本プロジェクトに参画している。標準試料の組成を過去の実験と熱力学計算結果から決定し、UO
複合試料やコンクリートなどいくつかの試料を作製した。HSIデータをNFDに設置されたハイパースペクトルカメラを用いて取得し、スペクトル角マッパー(SAM)、線形判別分析(LDA)等によりある程度物質を分類できることを確かめた。LIBSについては、遠隔操作技術開発の一環として焦点距離の自動最適化技術の開発等に取り組んだ。
Dechenaux, B.*; Brovchenko, M.*; 荒木 祥平; 郡司 智; 須山 賢也
Annals of Nuclear Energy, 223, p.111555_1 - 111555_11, 2025/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)The safe retrieval of the fuel debris generated during the Fukushima Daiichi nuclear accident poses a number of challenges, among which an important one is to ensure the criticality safety of the recovery operations. At the heart of the problem lies the intrinsically heterogeneous nature of the problem, and the appearance of complex and disordered media whose neutronic properties are difficult to accurately characterize and reproduce in neutron transport simulations. Typically, a similar, simpler, problem is encountered in the modeling of assemblies with missing fuel rods. In both problems, the availability of experimental facilities capable of validating both the nuclear data and the simulation schemes in heterogeneous configurations is crucial. The modified STACY installation has been specially designed to provide and carry out critical experiments, allowing for highly non-uniform configurations, that will directly support fuel debris recovery operations, but can also be used for other experimental programs. The present work describes a method to consistently and orderly sample non-uniform core configurations in the modified STACY facility, and proposes two critical heterogeneous core configurations. They have the advantage to present a high sensitivity to the water thermal scattering law, whose importance was found to be more significant for more heterogeneous configurations. The proposed experiments will contribute to the exploration and validation of heterogeneous critical systems.
廃炉環境国際共同研究センター; 東京科学大学*
JAEA-Review 2025-026, 72 Pages, 2025/11
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和4年度に採択された研究課題のうち、「マイクロ・ナノテクノロジーを利用したアルファ微粒子の溶解・凝集分散に及ぼすナノ界面現象の探求」の令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。安全で合理的な燃料デブリ取出しを進めるためには、デブリ加工時に発生するアルファ微粒子の溶解や変性挙動の把握は不可欠である。本研究は、金属酸化物ナノ粒子の凝集、溶解、変性挙動を熱力学的・速度論的に解明しうるマイクロ・ナノデバイスを創出すると共に、数理科学と組み合わせることで、アルファ微粒子の溶解・凝集・変性プロセスのメカニズム解明と反応モデル化を実現することを目的としている。具体的には、(1)ナノ粒子溶解特性評価、(2)溶解ダイナミクス分析、(3)凝集ダイナミクス分析、(4)表面微構造解析、(5)数理科学的モデリングの5項目を日本側・英国側で分担し、互いに有機的に連携しながら推し進める。令和5年度には、模擬燃料デブリ微粒子(UO
メカニカル微粒子、UO
ケミカル微粒子及び(U,Zr)O
微粒子)のバルク及びマイクロ溶解試験を実施し、これらナノ粒子の溶解挙動に与える粒子サイズ、反応時間、H
O
濃度の効果について解析することに成功した。特に、(U,Zr)O
デブリ微粒子では、H
O
濃度に応じてZrの触媒反応の進行度合いが異なり、H
O
濃度に依存してガス発生量とU溶解量が変化することを明らかにした。また、ナノ粒子分散液と反応溶液とを瞬時に反応させ、動的な凝集・溶解挙動の評価及び溶出したUを定量することができるマイクロ流体デバイスを構築し、マイクロ流路内でのH
O
処理によるUの凝集・溶解速度を算出した。英国側研究者と連携を密にして研究を進め、所期の目標を達成した。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京科学大学*
JAEA-Review 2025-012, 96 Pages, 2025/10
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和3年度に採択された「福島第一発電所2、3号機の事故進展シナリオに基づくFP・デブリ挙動の不確かさ低減と炉内汚染状況・デブリ性状の把握」の令和3年度から令和5年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、シールドプラグ下高線量の原因究明、事故時のCs移行経路や、Csの構造材付着・堆積状態の解明及び先行溶落したと推定される金属リッチデブリ特性評価を行うため、事故進展最確シナリオ評価に基づく材料科学的アプローチを行った。Cs分布評価の不確かさ低減については、炉内のCsの化学形態について実験と計算の双方より、酸性・塩基性酸化物の組み合わせによる安定度の評価を行い、金属表面でのCsの化学的付着形態、Cs-Fe-O系、Cs-Si-Al-O系の安定度などが示され、Csの移行経路の考慮、PCV内部コンクリート残留Csの除染の重要性が示唆された。金属デブリの酸化変質評価については、熱力学的・速度論的実験により、ジルコニウムの極めて安定な酸化物生成挙動とRPV内溶融促進挙動及びステンレス含有元素の酸化膜形成における役割が示され、固液複相流体の粘性調査も併せて、金属デブリ流下挙動及び取り出し時の留意点が示唆された。これらの知見に基づく事故進展プロセスの総合評価として、水蒸気雰囲気で表面が酸化した鋼材へのCs化学吸着形態を同定し、吸着形態が鋼材の酸化度によって変化すること及びCs
Oのトラップ化合物種と酸化物浸透深さを考慮すべきことを明らかにするとともに、固体系金属デブリは水蒸気酸化及びFe
O
反応相形成によって支配されること及び溶融金属デブリは酸化によりZrO
が優先形成し、表面と内部の酸化度の差異から固液流体の凝固プロセスでスレート状構造を作りやすいことを明らかにし、蓋然性の高い事故進展シナリオ構築に寄与した。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2025-014, 86 Pages, 2025/09
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究および人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「燃料デブリ取り出しのための機械式マニピュレータのナビゲーションおよび制御」の令和3年度から令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、未知環境での衝突対応のための機械的可変インピーダンスアクチュエータを用いたロボットマニピュレータの開発および効率的な探査・廃止措置のための人工知能を使った制御手法の構築に取り組む。従来調査では困難だった開口部から奥の領域における調査を行う他、先端部のグリッパーでペデスタルの底部に存在する小石状の燃料デブリの回収を目指す。ペデスタル内部の環境制約に対応するためのマニピュレータ機構と遠隔操作システムの開発に取り組む。令和5年度は、マニピュレータのナビゲーションアルゴリズムの開発とマニピュレータの制御性能の評価実験ならびに現場の使用シーンを想定した実証実験に取り組んだ。令和4年度の成果等に基づき、CVT-VIAの構築検討を行い、機械式インピーダンスアクチュエータに反映した。また、駆動のためのモデル構築や制御アルゴリズムの設計構築および評価手法の検討を行った。マニピュレータの制御性能の評価を行った。また、シミュレーションモデルとの比較を適宜進めた。また、模擬環境としてJAEA楢葉遠隔技術開発センター等を活用し、実証実験を行った。英国チームや外部アドバイザとの隔週ミーティングなど密な連携のもと、研究を推進した。年度末には、共同ワークショップや東京大学とミュンヘン工科大学(TUM)主催の国際ワークショップにて、プロジェクト紹介の口頭発表を行った。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2025-008, 134 Pages, 2025/09
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「ジオポリマー等によるPCV下部の止水・補修及び安定化に関する研究」の令和3年度から令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本課題は令和5年度が最終年度となるため3年度分の成果を取りまとめた。燃料デブリ取り出しを行うためには、PCV水位制御のためドライウェル下部の止水や補修を行う必要がある。そこで本研究では、改良したジオポリマー等によりジェットデフレクター等を止水し、併せてドライウェル下部を補修する施工法を実験及びシミュレーションにより評価した。また、ジオポリマーにより被覆される燃料デブリ性状を把握した上で、廃棄体としての長期寿命を評価した。この結果、ジオポリマーを活用することにより、施工から廃棄物管理までを考慮したPCV下部の止水及び補修工法が可能であるとの見通しを得た。
廃炉環境国際共同研究センター; 福井大学*
JAEA-Review 2025-007, 120 Pages, 2025/09
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「燃料デブリ周辺物質の分析結果に基づく模擬デブリの合成による実機デブリ形成メカニズムの解明と事故進展解析結果の検証によるデブリ特性データベースの高度化」の令和3年度から令和5年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、酸化物デブリの形成条件の推定研究として、ガス浮遊法や微小な穴を持つタングステンパイプから溶融・噴出させる方法によりウランを含有する模擬燃料粒子を合成し、その生成条件と性状をまとめた。また、JAEAによりサンプリングデータに基づき作成された凝固パス図を再現し、鉄の挙動が熱力学予測と少し異なる結果などを得た。金属デブリの混合・溶融・凝固状態の評価では、溶融させた金属デブリのステンレスへの落下試験や溶融ステンレスの模擬金属デブリへの落下試験を行いその生成物を分析した。その結果ステンレス鋼温度が1000
C程度の場合は溶融金属のZr濃度に関わらず薄い反応相を形成してステンレス鋼損傷が抑制されることがわかり、またB
C及びジルカロイのステンレス鋼融体への溶出速度を定量化した。さらに、ステンレス鋼とZrの混合物の各種圧力容器部材や溶接部材との反応速度データを拡充し、大型試験体系での解析可能な簡素化反応速度式を提案した。また、圧力容器下部の材質を参照した大型試験体の実験と反応速度式より、溶融金属と圧力容器構造材との反応による圧力容器下部破損挙動や溶融物流出挙動を評価した。さらに、圧力容器下部におけるデブリ再溶融過程でのウラン化合物とステンレス鋼等の金属物質の反応試験データを拡充し、金属デブリ層へのウラン移行挙動を評価した。また、試験技術の整備として、二酸化ウランとZrと金属との半溶融模擬デブリの合成と分析、CCIM炉とガス浮遊炉を用いた少量のウランの模擬燃料デブリ合成試験の検討を行った。
石井 淳一; 関 真和; 會澤 栄寿; 住谷 正人; 前川 知之; 新垣 優; 長谷川 健太; 荒木 祥平; 井澤 一彦; 郡司 智
Proceedings of Nuclear Criticality Safety Division 2025 Conference (NCSD 2025) (Internet), p.39 - 48, 2025/09
2011年の東京電力福島第一原子力発電所(1F)事故で損傷を受けた原子炉の廃止措置において、燃料デブリの取出しは、最も重要かつ困難な作業の一つである。原子力機構(JAEA)は、1F事故で発生した燃料デブリの臨界特性の解析結果を検証するために、臨界集合体STACYを溶液体系から軽水減速非均質体系に更新した。STACY更新炉の初臨界は2024年4月に達成された後、一連の性能検査を経て、2024年8月に燃料デブリの臨界特性の評価に係る臨界実験が開始された。本報告では、STACYの主要機器とデブリ模擬炉心を構成するための実験装置について述べる。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京科学大学*
JAEA-Review 2025-010, 62 Pages, 2025/08
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「非接触測定法を用いた燃料デブリ臨界解析技術の高度化」の令和3年度から令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、非接触のアクティブ中性子法により燃料デブリの臨界安全上の特性を評価する測定システムの開発と、燃料デブリ取り出し作業員の安全確保方策の確立に資する基盤技術として多領域積分型動特性解析コードの開発により燃料デブリ臨界解析技術を高度化することを目的としており、東京科学大学、東京都市大学、産業技術総合研究所、長岡技術科学大学が連携して実施した。燃料デブリの臨界特性システムの開発・性能評価では、ポリエチレン減速材と
He比例計数管から構築される2層構造の検出器を開発し、検出器の動作検証及び性能試験を実施した。開発した検出器を用いて得られる測定データから燃料デブリに含まれる核分裂核種量、水素含有量、臨界安全上の特性を導出するための手法を検討・評価し、検出限界、精度、適応可能なデブリ形状を評価した。燃料デブリ弱結合炉体系臨界影響評価手法の高度化では、本研究を通じて、遅発中性子による核分裂の効果を考慮することができ、燃料デブリの動きにも対応可能なMIK2.0-MVPコードの基本機能を開発した。MIK2.0-MVPコードは、C
(
)関数のタリー計算を並列化すれば、スパコンを活用することによって、燃料デブリ多粒子体系を含む弱結合炉体系のような複雑な体系であっても、粒子法との弱連成計算の範囲内で、動特性計算が実行可能となる見通しを得た。
Nguyen, H. H.
Annals of Nuclear Energy, 218, p.111361_1 - 111361_9, 2025/08
被引用回数:1 パーセンタイル:64.08(Nuclear Science & Technology)本研究では、炉心中心に位置する燃料が溶融してさまざまな形状の燃料デブリとなる一方、炉心端に位置する燃料は無傷のままである部分損傷炉モデルの臨界特性を調べた。調査はSerpentコードとJENDL-5核データライブラリを用いて実施した。計算の結果、燃料デブリの体積が小さく一定に保たれている場合、燃料デブリの形状は系のk
の変動則に大きな変化をもたらさないことがわかった。一方、燃料デブリの体積が変化するシナリオでは、システム温度が300Kで水中にホウ素が存在しない基準ケースにおいて、k
の変動則は2つのグループに分けられる。第一のグループは立方体と円筒形の燃料デブリからなり、第二のグループは球形、円錐形、切頭円錐形の燃料デブリからなる。
坂本 雅洋; 奥村 啓介; 神野 郁夫; 松村 太伊知; 寺島 顕一; Riyana, E. S.; 金子 純一*; 溝上 暢人*; 溝上 伸也*
Journal of Nuclear Science and Technology, 62(8), p.756 - 765, 2025/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)In this paper, we propose a new nuclide inventory estimation method based on computational methods, called a "theoretical scaling factor method" for difficult-to-measure (DTM) nuclides in fuel debris and radioactive wastes. The theoretical scaling factor method provides a method similar to a conventional scaling factor method. The theoretical scaling factor method, however, does not require performing many measurements to obtain correlations between a key nuclide which is easy-to-measure and a DTM nuclide. Instead of actual analytical measurements, the results of theoretical calculations are used. A correlation equation between the key nuclide and the DTM nuclide is created based on the results of theoretical calculations, and the DTM nuclide is deterministically estimated using the measurement value of the key nuclide only. In this paper, we selected Cs-135 as the DTM nuclide and Cs-137 as the key nuclide. Cs-135 has a long half-life of 2.3
10
years and is one of the important fission products in the safety evaluation for the geological disposal of high-level radioactive waste, because it dissolves and migrates in groundwater easily. We confirmed the validity of the proposed method using measured data of Cs-137 and Cs-135 on radioactive wastes from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (1F) accident obtained by many researchers. It can be used as a rational and efficient technology to reduce the analysis costs of various types of fuel debris and radioactive waste present at 1F.
結城 光平*; 堀口 直樹; 吉田 啓之; 結城 和久*
Mechanical Engineering Journal (Internet), 12(4), p.24-00451_1 - 24-00451_8, 2025/08
福島第一原子力発電所の燃料デブリは通常、浸漬状態で冷却される。しかし、予期せぬ水位低下が発生した場合、冷却水が多孔質構造を持つ高温の燃料デブリに接触する。このような場合、燃料デブリを早急に冷やす必要があるが、固液接触時の毛細管現象といった熱挙動は十分に理解されていない。本論文では、1mm以下の小孔を有する金属多孔体に接触した液滴の蒸発特性を評価した基礎研究について述べる。孔径1, 40, 100
mのブロンズまたはステンレス多孔体を用いた実験を行い、液滴のライフタイム曲線を推定した。結果として、発生した蒸気が小孔から排出されることで、多孔質体表面ではライデンフロスト現象が抑制されることがわかった。さらに、ブロンズ多孔質体では多孔質体の温度が上昇すると微細構造を持つ酸化膜が毛細管現象を促進した。一方、ステンレス多孔体では濡れ性が低いことで毛細管現象が抑制され、孔内への液滴の吸収および分散が抑制される。したがって、燃料デブリには毛細管力が作用しないと仮定して冷却システムを構築すべきである。
伊藤 あゆみ*; 菅野 辰哉*; 岩間 崇之*; 植田 滋*; 佐藤 拓未; 永江 勇二
Annals of Nuclear Energy, 217, p.111333_1 - 111333_14, 2025/07
被引用回数:2 パーセンタイル:83.88(Nuclear Science & Technology)福島第一原子力発電所2号機では、原子炉圧力容器の破損に寄与するメカニズムとして、主にFeとZrからなる金属プールの形成が提唱されている。本研究では、炉内劣化過程の後期に金属プールが形成された炉心劣化初期の材料相互作用に着目した。まず、Fe-87ZrとFe-15Zr(at%)の2種類の組成物を液相線温度1723Kまで加熱し、より低温のSS上に滴下し、反応生成物の金属組織を調べた。その後、1723Kから1873KのFe-87Zr融体を酸化SS上に滴下し、酸化膜が劣化に及ぼす影響を評価した。この研究により、すべての金属間化合物の液相線温度が2000K以下であることが確認され、金属破片が最近のシビアアクシデント解析で予測されている「金属プールの形成」の原因となりうることがわかった。
廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*
JAEA-Review 2024-064, 118 Pages, 2025/06
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和元年度に採択された研究課題のうち、「燃料デブリ分析のための超微量分析技術の開発」の令和元年度から令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、燃料デブリの取り扱い、臨界管理、保管管理等に必要な性状把握において、キーとなるアクチノイド核種の化学分析を中心に、最適な試料前処理・分離・分析プロセスを開発し、将来計画されている燃料デブリ分析の効率化・合理化を図るとともに、一連の研究業務における人材育成を通し、1F廃炉推進に資することを目的とする。特に、近年分析化学分野、放射化学分野で成果を上げつつある誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS/MS)を原子力分野に応用することにより、測定核種を単離するための前処理をせずに高精度で分析できる手法を開発し、分離前処理を省力化し、迅速な分析工程を確立するとともに大学、企業を含めた体制が構築された。
長谷 竹晃; 小菅 義広*; 相楽 洋*; 中岫 翔; 能見 貴佳; 奥村 啓介
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 7, p.41 - 46, 2025/03
This paper provides an overview of plutonium quantification in irradiated fuel including fuel debris at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plants, named Dual Time Measurement (DTM) method. Spontaneous fission nuclides in irradiated fuel decrease exponentially with the passage of time according to the mainly half-life of Cm-244 (half-life of about 18.11 years). By measuring neutrons two times with long time intervals, Pu-240 effective mass (half-life of about 6,500 years) and Cm-244 mass can be quantified. Pu mass can be quantified by utilizing the correlation between ratio of Cm-244/ Pu-240 effective mass and Pu/ Pu-240 effective mass. The applicability of DTM method was evaluated numerically. The results show that long time interval was required to reduce the random errors. In the case that the interval between the first and second measurements is 32 years, Pu-240 effective mass and Pu can be quantified with uncertainties of 10-50% depending on the presence of water in storage canister and the burnup condition of irradiated fuel including the mixture of several burnup compositions in fuel debris.
松村 太伊知; 奥村 啓介; 坂本 雅洋; 寺島 顕一; Riyana, E. S.; 近藤 千博*
Nuclear Engineering and Design, 432, p.113791_1 - 113791_9, 2025/02
被引用回数:3 パーセンタイル:25.34(Nuclear Science & Technology)Retrieving objects with a small amount of fuel debris, such as a few grams, will begin soon at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (1F) at the start of decommissioning. Objects retrieved from the primary containment vessel are not necessarily fuel debris; fuel debris is an object from which neutrons are emitted because it contains nuclear-fuel material. However, the characteristics of the neutrons emitted by fuel debris are unknown. Fuel debris was categorized into five types according to the elapsed time from the accident, burnup, and fuel type (UO
or mixed oxide). The number and energy spectra of (
,
) and spontaneous fission neutrons emitted from 1 g of each fuel debris type were estimated using the SOURCES 4C code to obtain the neutron characteristics. The results showed that the average neutron energy is approximately 2.1 MeV, regardless of the type of fuel debris. However, the intensities of neutrons emitted from the fuel debris in 1F Units 2 and 3 varied by four orders of magnitude according to the fuel debris type.