Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
磯部 光孝*; 篠原 孝司
プラズマ・核融合学会誌, 80(12), p.1036 - 1043, 2004/12
磁気閉じ込めプラズマの損失高エネルギーイオン計測について記述する。プラズマ中における高エネルギー粒子の計測は、系内に閉じ込められた状態を計測するものと、系外へ損失してくるものを測定するものとに分けられる。本講座で述べる損失粒子計測とは、プラズマ外へ損失してくる高速イオンを真空容器内で、エネルギー並びに時間分解よく直接的に検出し、得られた損失高速イオンデータの解析から、高速イオンの閉じ込めの様子や損失過程について調べようというものである。初めに代表的な計測法として半導体検出器,シンチレータプローブ,ファラデーカップ型プローブの基本原理の説明を行い、次に具体的な事例を紹介する。具体的な実験事例としてTFTR, JFT-2M, CHS, W7-ASのものを紹介する。
飛田 健次; 草間 義紀; 篠原 孝司; 西谷 健夫; 木村 晴行; Kramer, G. J.*; 根本 正博*; 近藤 貴; 及川 聡洋; 森岡 篤彦; et al.
Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.315 - 326, 2002/09
被引用回数:8 パーセンタイル:47.28(Nuclear Science & Technology)リップル損失とアルフヴェン固有モード(AEモード)を中心にJT-60Uにおける高エネルギー粒子実験の成果をまとめ、これらに基づいて核融合炉への展望を考察した。プラズマ表面でのリップル率が増加するにつれ、中性粒子入射(NBI)イオン,及び核融合生成トリトンの著しい損失を観測し、その損失は負磁気シアで顕著になることを明らかにした。リップル損失による第一壁への熱負荷は軌道追跡モンテカルロコードの予測と良く一致することを示した。イオンサイクロトロン(ICRF)少数イオン加熱及び負イオン源NBI(N-NBI)加熱時に多くのAEモードを観測した。観測した大部分のモードはギャップモードであり、これらからTAE,EAE,NAEモードを同定した。N-NBI加熱時にはバースト状のAEモードが発生することがあることを見出した。このとき不安定周波数の掃引現象が観測され、ビームイオン損失は25%に達することもある。リップル損失や高エネルギー粒子の加熱に関するこれらの研究では、高エネルギー粒子の振る舞いが古典理論または新古典理論で説明できることを明らかにし、核融合炉における高エネルギー粒子の特性を既存理論で定量的に予測できることを示した。AEモードに関しては、実験により核融合炉で起こりうるAEモードの定性的評価を可能にした。
森山 伸一; 藤井 常幸; 木村 晴行; 安納 勝人; 横倉 賢治; 篠崎 信一; 寺門 正之; 平内 慎一; 三枝 幹雄*
Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.467 - 481, 2002/09
被引用回数:7 パーセンタイル:43.66(Nuclear Science & Technology)JT-60Uにおけるイオンサイクロトロン周波数帯(ICRF)加熱装置の開発について述べる。1992年に運転を始めた同装置は開発,改良によって116MHz,7MWの高周波を1.1秒間プラズマに入射して加熱することに成功したが、その開発成果と運転経験はITERのICRF加熱装置開発に大きく貢献するものである。高周波の発振源である4極真空管には等方性黒鉛を用いた電極を採用して高い熱負荷に耐えるようにした結果、131MHzの高周波を単管あたり1.7MW,5.4秒間出力できた。ファラデーシールドの開口面積率を高くするなどプラズマとの結合効率が高くなるよう工夫したアンテナを開発し、大電力の入射を実現した。また、核融合炉の中性子照射にも耐えるように、従来用いていたセラミック絶縁物を不要にした全金属アンテナの開発を行い、高周波特性,機械強度ともにJT-60U及び次期装置での使用に耐えることを確認した。周波数を変えると伝送線路の電気長が変化することに着目し、プラズマの変化に伴って増加する反射電力を周波数の変化によって抑制する周波数フィードバック制御を開発した。
松本 宏
Japanese Journal of Applied Physics, Part 2, 40(11A), p.L1187 - L1189, 2001/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Applied)ITERにおけるHe少数イオンを用いたICRF加熱を1.5次元トカマクコードであるPRETORとICRF加熱計算コードPIONを組み合わせて行った。少数イオンによる燃料希釈の効果を入れて評価すると少数イオンの量が 0.5%の割合のところが核融合出力の点から、加熱効率が最も良いこと、またプラズマ中心から、小半径の1/2の付近までどこに少数イオンのサイクロトロン共鳴層をおいても、加熱効率があまり変わらないことが明らかとなった。一つの共鳴層に高周波加熱入力を集中させすぎると加熱効率が悪くなるので3つの周波数を使い加熱入力を分散させて加熱を行うと、Q=10の標準運転領域ではNBIより8%、純粋の電子加熱より20%、また低電子密度領域ではNBIより15%、電子加熱より50%加熱効率が良いことが示された。
Kramer, G. J.; Cheng, C. Z.*; 草間 義紀; Nazikian, R. M.*; 竹治 智; 飛田 健治
Nuclear Fusion, 41(9), p.1135 - 1151, 2001/09
被引用回数:37 パーセンタイル:71.96(Physics, Fluids & Plasmas)本論文は、JT-60Uにおいてイオンサイクロトロン波(ICRF)加熱中に励起されるトロイダル形状及び楕円形状によって誘起されるアルフベン固有モード(TAE,EAE)の解析を行い、各アルフベン固有モードの周波数やトロイダルモード数が励起される位置での安全係数(q)の関数であることを応用して、鋸歯状波振動発生前後のTAEやEAEの挙動から、鋸歯状波振動による磁気軸でのq値(q0)の変化を明らかにした。q=1面で起こるEAEは、鋸歯状波振動発生後に時間遅れ(高々150ms)をもって現れ、その時間遅れは、鋸歯状波振動直前の電子温度と相関をもつことがわかった。EAEの時間発展は、NOVA-Kコードを用いてモデル化を行い、実験とのよい一致を見た。その結果、鋸歯状波振動直後にはq01となりプラズマ中にq=1面がなくなるとの結論を得た。
藤井 常幸; 森山 伸一
IEEE Transactions on Plasma Science, 29(2), p.318 - 325, 2001/04
被引用回数:5 パーセンタイル:18.04(Physics, Fluids & Plasmas)フィードスルーはイオンサイクロトロン周波数帯(ICRF)加熱装置のアンテナを構成する最重要機器の一つである。その役割はアンテナを高真空に保ちながら大電力の高周波(RF)を伝送することである。6つの異なる形状のフィードスルーを用いて、大電力伝送の鍵を握る耐電圧性能について実験的に研究した。1秒間の高周波伝送における耐電圧を評価し、4種のPPPL,MIT,ORNL,JAERI型で40~52kVの耐電圧を得た。これは、1アンテナ素子で1~1.6MWの大電力を入射できることを意味する。特に、PPPL,MIT型は最も高い耐電圧性能を示した。この結果は真空封止用のセラミックスに電界が集中しないようにした、フィードスルーの真空側フランジの形状によるものであることを明らかにした。さらに、この形状を工夫することで、高周波放電の一種であるマルチパクタ放電をも問題とならないレベルに抑制できることを示した。
Kramer, G. J.; 岩瀬 誠; 草間 義紀; 森岡 篤彦; 根本 正博; 西谷 健夫; 篠原 孝司; 竹治 智; 飛田 健次; 小関 隆久; et al.
Nuclear Fusion, 40(7), p.1383 - 1396, 2000/07
被引用回数:46 パーセンタイル:77.37(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60UにおいてICRF加熱または、N-NBI加熱を用いて高速イオンの実験を行ってきた。両方の加熱手法でアルフヴェン固有(AE)モードの励起を観測した。ICRF加熱中のAEモードの解析から以下のことがわかった。(1)鋸歯状振動中にICRF加熱によって励起されたAEモードの情報からプラズマ中心領域の安全係数分布を評価をすることができた。これらの結果はMSE計測結果及び、鋸歯状振動の理論計算モデルと良く一致し、この解析手法の正当性を示した。(2)X-モード反射計を用いてTAEモードの径方向のモード構造がJT-60Uで初めて評価し、これらのモードがNOVA-Kコードで予測されたバルーニング構造を持つことを明らかにした。また、N-NBI加熱実験から以下の結果を得た。(1)N-NBI加熱によって鋸歯状振動周期が長期化できることがわかった。(2)N-NBI入射中にアルフヴェン周波数領域のモードを解析した結果、通常のTAEモード以外にバースト的な振る舞いをするモード、周波数捜引するモードが存在することを明らかにした。
福山 淳*; 高瀬 雄一*; 井手 俊介; 牛草 健吉
プラズマ・核融合学会誌, 76(2), p.127 - 137, 2000/02
トカマクプラズマにおける加熱・電流駆動の物理に関するITER物理R&Dの成果をまとめた。(1)電子サイクロトロン周波数帯(ECRF)、(2)イオンサイクロトロン周波数帯(ICRF)、(3)低域混成周波数帯(LHRF)の電磁波と(4)中性粒子ビーム入射(NBI)各々の種類の手法について検討した。ITERにおける各手法による、加熱・電流駆動特性について検討し、適切なパラメータの選定によりECRF,ICRF,NBIにより中心加熱が、ECRF,LHRFにより周辺電流駆動が、またECRF,ICRF,NBIにより中心電流駆動が各々ITERで要求されるレベルで行えることを示した。
Kramer, G. J.; Cheng, C. Z.*; Fu, G. Y.*; 草間 義紀; Nazikian, R. M.*; 小関 隆久; 飛田 健次
Physical Review Letters, 83(15), p.2961 - 2964, 1999/10
被引用回数:25 パーセンタイル:75.51(Physics, Multidisciplinary)短時間に急速な周波数低下を示す中心局在トロイダル・アルフヴェン固有モード(C-TAE)を観測した。低磁気シアプラズマでは、中心の安全係数が下がるとC-TAEの存在位置が低磁場側へ速く移動するため、このような周波数変化が起こることを示した。この場合、周辺部には大域的TAE(G-TAE)が存在可能であるが、減衰項が十分大きいため実際には存在できない。しかし、C-TAEの周波数が低下してG-TAE周波数と重なるとき、実際には存在しないG-TAEはC-TAEと結合し、一時的にC-TAEを安定化することが明らかになった。この結果、C-TAEの周波数は連続的に低下するのでなく、G-TAE周波数と一致するとき一時モードが消失し、その周波数を通過した直後に再出現するという「周波数の跳び」現象を示す。
岩瀬 誠; 小出 芳彦; 飛田 健次; 森山 伸一; 竹永 秀信; 藤田 隆明; 白井 浩; 草間 義紀; 根本 正博; 及川 聡洋; et al.
Proc. of 13th Topical Conf. on Applications of Radio Frequency Power to Plasmas, p.116 - 119, 1999/04
ICRF加熱の電子加熱と低粒子補給効果を利用して負磁気シア(RS)プラズマの内部輸送障壁(ITB)の維持に関する研究が行われた。NBI加熱によって生成されたITBを有するRSプラズマを少数イオン第二高調波ICRF加熱で追加熱し、ITBプラズマの維持を試みた。又、ICRF加熱中のNBI加熱パワーを放電ごとにスキャンして、電子加熱及び粒子補給量に対するITBの依存性を調べた。これらの実験結果から以下のことが分かった。(1)電子温度分布における急峻な勾配は電子加熱パワーの割合と共に大きくなる。(2)中心粒子補給量が少ない場合、電子密度のペデスタルは維持できない。更にITB内側のグローバルな閉じ込め解析を行った結果から以下のことが分かった。(1)ITB内側粒子閉じ込め時間は、粒子補給量と共に増加する。(2)少粒子補給時には急峻な電子温度勾配が存在するにも関わらず、粒子閉じ込め時間は通常の正磁気シア放電と同程度である。(3)この少粒子給時には粒子閉じ込めが劣化しているにも関わらず、ITB内側のエネルギー閉じ込め時間の改善は維持されている。
森山 伸一; 木村 晴行; 藤井 常幸; 三枝 幹雄*; 今井 剛; 山本 巧; 新井 宏之*; 太田 完治*
Fusion Engineering and Design, 45(1), p.31 - 40, 1999/00
被引用回数:2 パーセンタイル:21.03(Nuclear Science & Technology)ITER R&Dタスク「ICRFアンテナ及び真空部伝送系開発」に基づき、ITERアンテナ用全金属支持体の実サイズモックアップを設計、製作し、試験を行った。まず、広い周波数帯域で高周波特性が最適となる支持体間の間隔を、2台のモックアップを用いた低電力高周波測定により求めた。間隔2.625mの時、40-85MHzの全帯域でVSWR2.3、最重要帯域である55-65MHzではVSWR1.8の良好な特性が得られた。続いて60MHzの大電力高周波を用いて耐電圧試験を行い、目標としていた発生電圧40kVを上回る42.5kV、1秒間(100msでは45.5kV、1msでは55kV)を達成し、製作したアンテナ全金属支持体のモックアップがITERのICRFアンテナに十分適用可能な性能を有することを確かめた。
高エネルギー粒子加熱及び電流駆動専門家G
Nuclear Fusion, 39(12), p.2495 - 2539, 1999/00
ITERの追加熱・電流駆動方式として、電子サイクロトロンシステム、低減混成波帯システム、イオンサイクロトロン波帯システム、中性粒子ビーム入射システムの4つの方式を検討した。日、米、露、欧の4極の専門家グループを中心に、世界中のITER物理R&Dの成果をレビューし、それぞれのシステムごとに達成度、有効性、今後の課題を摘出し、実験炉ITERの加熱電流駆動方式として持つべき性能を提言した。
飛田 健次; JT-60チーム
Plasma Physics and Controlled Fusion, 41(SUPPL.3A), p.A333 - A343, 1999/00
被引用回数:28 パーセンタイル:64.86(Physics, Fluids & Plasmas)ITERの運転モードとして採用されているELMy Hモードと負磁気シアモードについてJT-60Uでの実験結果をまとめた。ダイバータをW型に改造した後のELMy Hモード実験では、高閉じ込めの長時間維持とヘリウム排気の観点からW型ダイバータの有効性を実証した。しかし、エネルギー閉じ込め性能に関しては、ダイバータ改造前と同じように、高密度領域での閉じ込め劣化が見られた。負磁気シアモードの実験では、放電の最適化を進めた結果、等価DT核融合エネルギー増倍率で世界最高値となる1.25を得た。また、負磁気シアプラズマでの粒子輸送を調べる実験により、内部輸送障壁のできる領域には内向きのピンチ粒子束が存在することを明らかにした。さらに、負磁気シアプラズマをICRF加熱すると、加熱分布が中空状になる現象を見いだした。
草間 義紀; Fu, G. Y.*; Kramer, G. J.*; 三枝 幹雄*; 及川 聡洋; 小関 隆久; 森山 伸一; Tchernychev, F. V.*; 根本 正博; 近藤 貴; et al.
Plasma Physics and Controlled Fusion, 41(9), p.1167 - 1177, 1999/00
被引用回数:5 パーセンタイル:19.82(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uプラズマのイオンサイクロトロン周波数帯(ICRF)加熱時に、周波数が525~550KHzでトロイダルモード数が3-7の磁場揺動(モード)を観測した。このモードの発生に伴い、高エネルギーイオンの異常輸送を示す中性子発生率の低下が起こる。NOVA-Kコードを用いて解析した結果、このモードは安全係数が1の面で起こるアルヴェン固有モードの一種の楕円度励起アルヴェン固有モード(EAE)であることが明らかになった。ICRF加熱と同時に負イオン源中性粒子ビーム(N-NB)を入射するとEAEは安定化され、中性子発生率も低下しない。NOVA-Kコードを用いてEAEの安定性解析を行ったところ、N-NB入射イオンビームによるランダウ減衰でEAEが安定化できることが新たに明らかになった。
草間 義紀; 木村 晴行; 根本 正博; 濱松 清隆; 飛田 健次; 及川 聡洋; Afanassiev, V. I.*; 森岡 篤彦; 藤田 隆明; 小出 芳彦; et al.
Plasma Physics and Controlled Fusion, 41(5), p.625 - 643, 1999/00
被引用回数:5 パーセンタイル:19.82(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの負磁気シアプラズマにおいて、イオンサイクロトロン周波数帯(ICRF)加熱による高エネルギーイオンテイルの形成と高エネルギーイオンの閉じ込め特性について調べた。負磁気シアプラズマでは高エネルギーイオンの閉じ込めが悪く、テイルも形成されにくいことが中性粒子測定から示唆された。一方、テイルの蓄積エネルギーは、正磁気シアプラズマと同程度であった。モンテカルロコード(OFMC)を用いた評価から、負磁気シアプラズマではテイルイオンの小半径方向の分布が正磁気シアに比べて3倍程度広いことが明らかとなった。その結果、正磁気シアプラズマと同程度の蓄積エネルギーを有すると考えられる。また、高周波加熱に特有なドップラーシフトによる高周波吸収層の外側へのわずかな移動が、蓄積エネルギーに大きな影響を与えることも明らかとなった。
森山 伸一; 藤井 常幸; 木村 晴行; 新井 宏之*; 太田 完治*
Proceedings of the 18th IEEE/NPSS Symposium on Fusion Engineering (SOFE '99), p.399 - 402, 1999/00
次世代トカマクのイオンサイクロトロン加熱用アンテナに不可欠な全金属アンテナサポートとして、全く新しい改良型サポートの設計を行った。ITERではプラズマのディスラプション時に発生する電磁力に対してアンテナ導体及び同軸管中心導体を機械的に支持する強固なサポートが必要になる。これまでのアンテナではこの種のサポートにセラミックスが用いられてきたが、ITERでは中性子束がその高周波損失を増加させ、また熱伝導性能を劣化させるため使用不可能である。そこでリッジ導波管を発展させた全金属製のサポートを考案しその開発を進めてきた。新設計の第1のポイントは従来1方向からであった支持構造を2方向からとし、同軸管中心導体をねじる方向に働く電磁力に対する強度を大きく改善したことである。したがって従来の設計で中実であった支持柱を中空としても十分な強度が得られる。この中空支持柱はアンテナ冷却水や計測信号ケーブルの導入口などに極めて有用である。第2のポイントはすべての構成要素を円柱としたことで、製作が容易になったこととともに、角が減ったため耐高周波電圧性能が向上したことである。
森山 伸一; 木村 晴行; 藤井 常幸; 山本 巧; 三枝 幹雄*
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 37(11), p.6204 - 6209, 1998/11
被引用回数:3 パーセンタイル:18.81(Physics, Applied)JT-60ICRF加熱装置において、アンテナ-伝送ライン間のインピーダンス整合の実時間制御を実現する、周波数フィードバック制御システムを設計、製作し、実験においてその有効性を確認した。ICRF加熱実験において、プラズマパラメータの変化によるアンテナインピーダンスの変化は避けられないが、このとき発生する反射電力は大電力の入射を行う上で大きな障害となる。JT-60では周波数フィードバック制御システムを用いてインピーダンス整合を実時間で自動的に行い、反射電力を低く保つことに成功した。8系統のアンテナ電流導体に1周波数の高周波を給電するシステムでの周波数フィードバック制御では、安定して全系統の反射を低く保つことは容易ではないが、これをアルゴリズムを工夫したデジタル制御を用いて実現した。ITERのICRF加熱装置においても多系統1周波数のシステムが設計されており、本方式が有効であると考えられる。
木村 晴行; 草間 義紀; 三枝 幹雄*; Kramer, G. J.*; 飛田 健次; 根本 正博; 近藤 貴; 西谷 健夫; O.DaCosta*; 小関 隆久; et al.
Nuclear Fusion, 38(9), p.1303 - 1314, 1998/09
被引用回数:133 パーセンタイル:95.13(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおけるアルヴェン固有モード、高速イオンの閉じ込め、高速イオンの計測に関する最近の研究成果を発表する。負磁気シア放電では、輸送障壁に強い密度勾配が伴う場合はTAEモードは安定である。密度勾配がゆるいと、多数のTAEモードが安全係数のピッチ極小点付近に現れ、かつ大きな周波数変化(f~90kHz)が見られる。低q正磁気シア放電ではTAEモードの位置が電流分布の時間発展に伴い、q=1面の外側から内側へと変化する。q=1面の内側に多数の高nモードが存在するときのみMeVイオンの個数が顕著に減少する。負磁気シア放電では、トリトンの燃焼率がかなり劣化する。軌道追跡モンテカルロ計算によれば、トリトンの損失増大の原因はリップル損失である。負磁気シア放電のICRF加熱時の高速イオンの蓄積エネルギーは正磁気シア放電に匹敵する。その他、MeV中性子分析器、線計測等の開発成果を述べる。
草間 義紀; 木村 晴行; 小関 隆久; 三枝 幹雄*; Kramer, G. J.*; 及川 聡洋; 森山 伸一; 根本 正博; 藤田 隆明; 飛田 健次; et al.
Nuclear Fusion, 38(8), p.1215 - 1223, 1998/08
被引用回数:42 パーセンタイル:76.75(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60UのICRF加熱された負磁気シアプラズマにおいて、引き続いて起こる部分崩壊による密度分布の平坦化の後、トロイダルアルヴェン固有モード(TAE)が初めて観測された。周波数は90-120kHzで、トロイダルモード数は5~8であった。TAEモードの安定性をPPPLのNOVA-Kコードを用いて解析したところ、安定性は安全係数が最小値となる場所のすぐ内側のTAEギャップ構造に強く依存し、実験結果は理論予測と概ね一致することがわかった。中心部で弱い磁気シアを持つ放電において、周波数が急速に変化するモードがICRF加熱中に観測された。約150msの間に、周波数は30kHzか3110kHzに上昇した。この大きな周波数の変化を説明するには、現在の理論は不十分である。
森山 伸一; 木村 晴行; 藤井 常幸; 三枝 幹雄*; 新井 宏之*
Japanese Journal of Applied Physics, 37(6A), p.3536 - 3540, 1998/06
被引用回数:4 パーセンタイル:23.82(Physics, Applied)現在の大型トカマク装置ではイオンサイクロトロン帯(ICRF)の高周波を用いるプラズマ加熱・電流駆動装置のアンテナへの電力の伝送に、内部導体を有する同軸管を用いている。この内部導体及びこれに接続されるアンテナ導体を機械的に支持し、かつ外部導体と内部導体間の電気絶縁を確保するため、現在の装置ではセラミックの支持体を使用している。ところがITERなど次世代のトカマク装置ではプラズマからの中性子による損傷のため、セラミックは採用できない可能性が高い。この課題を克服するため、リッジ導波管の原理を用いた全金属製の「セラミックフリーアンテナ支持体」を考案した。約1/4サイズのモックアップを製作し、その高周波特性(電力反射率とその周波数依存性)を実測し、モデル計算と比較して評価した。ITERのICRF加熱装置で想定されている周波数帯域全域で15%以下、リッジ導波管の遮断周波数以上では3%以下の非常に良好な電力反射率が得られた。「セラミックフリーアンテナ支持体」が次世代のトカマク装置のICRF加熱装置に適していることが確かめられた。