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田口 富嗣; 井川 直樹; 實川 資朗; 志村 憲一郎
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 242(1-2), p.469 - 472, 2006/01
被引用回数:3 パーセンタイル:27.89(Instruments & Instrumentation)SiC繊維強化SiCマトリクス(SiC/SiC)複合材料は、優れた高温強度特性を有し、中性子照射後の誘導放射能も低いことから、核融合炉の構造材料の候補材料として期待されている。核融合炉構造材料として、熱交換の効率化及び熱応力の低減化の観点から、候補材料には高熱伝導率を有することが要求されている。核融合炉環境下において、14MeVの中性子照射により、材料中に核変換生成物としてHe及びHが生成する。そこで、本研究では、SiC及びSiC/SiC複合材料の熱拡散率に及ぼすHe原子の影響をHe注入法により検討した。その結果、He注入によりSiC及びSiC/SiC複合材料の熱拡散率は減少するが、核融合炉運転温度である8001000Cの範囲では、熱拡散率の減少はとても小さいことを見いだした。また、アニール効果により、熱拡散率の回復がみられた。He注入により試料内に導入された照射欠陥濃度を、推定した。それによれば、He注入濃度が増加するとともに、照射欠陥濃度も増加する。また、照射欠陥濃度は、500C付近で急激に減少する。これは、SiCからHeが拡散し始める温度と一致している。
武山 昭憲; 山本 春也; 伊藤 洋; 吉川 正人
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 232(1-4), p.333 - 337, 2005/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Instruments & Instrumentation)イオン注入と熱処理によって、Si(100)基板上に銅化合物微粒子を生成させた。熱処理時間を長くすると、銅化合物微粒子の形状は長方形から細長いピラミッド状に変化した。この形状変化は、銅化合物微粒子が基板との界面エネルギーを最小化するため、基板上にエピタキシャル成長した結果生じたと考えられる。一方、熱処理時間が長くなるほど(1時間)銅化合物微粒子の生成密度は増加するが、逆にその大きさは減少することがわかった。以上の結果から、銅化合物微粒子の形状,大きさ及び生成密度が熱処理時間の長短によって制御可能であることがわかった。したがって、銅化物微粒子の大きさを上述の方法でナノメートルサイズに制御することにより、ナノメートルサイズの柱状酸化亜鉛(酸化亜鉛ナノロッド)の形成が可能である見通しを得た。
武山 昭憲; 山本 春也; 吉川 正人; 伊藤 洋
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 44(1B), p.750 - 753, 2005/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Applied)銅イオン注入と熱処理によりピラミッド形状をした銅化合物微粒子を生成させたSi(100)基板上へ、化学気相蒸着法(CVT)によりナノメートルサイズの柱状酸化亜鉛(酸化亜鉛ナノロッド)を成長させた。その結果、直径が約200nmのナノロッドを基板に対してほぼ垂直に成長させることに成功した。さらに単位面積あたりに成長した酸化亜鉛ナノロッドの数は、単位面積あたりに生成した銅化合物微粒子数に比例して増加することから、銅化合物微粒子は酸化亜鉛ナノロッドが成長する際に触媒として機能していると考えられた。
Lee, C. G.; 大村 孝仁*; 武田 良彦*; 松岡 三郎*; 岸本 直樹*
Journal of Nuclear Materials, 326(2-3), p.211 - 216, 2004/03
被引用回数:4 パーセンタイル:28.88(Materials Science, Multidisciplinary)耐照射損傷材として注目されているMg-Alスピネルにおいて、大電流イオン照射による体積及び硬度の変化を調べた。イオン照射は、60keV銅負イオンを線量310ions/cmに固定し、最大線量率100A/cmまで行った。ナノインデンテーションで測定した硬度は全体に照射に伴い大きな減少を示した。硬度のイオン線量率依存性は体積変化の線量率依存性と強い相関を示し、硬度が減少すると体積が増加することがわかった。照射後のRBS測定結果、非晶質化は起きていないことから、本研究での照射誘起軟化の原因は一般に知られている照射誘起非晶質化ではないことを意味する。一方、光吸収の測定結果から、スピネル結晶の陰イオン副格子での照射誘起点欠陥及びその集合体が、照射誘起スエリングに大きく関与していることがわかった。
中村 博文; 西 正孝; 杉崎 昌和*
JAERI-Research 2003-018, 32 Pages, 2003/09
核融合炉の安全評価上必要な材料中のトリチウム輸送挙動の評価は、トリチウム輸送物性値、もしくは、軽水素,重水素輸送特性の同位体効果理論によるトリチウムへの外挿値により評価される。しかしながら、トリチウム輸送物性値の測定例は稀少であり、また、同位体効果理論の外挿性についてもトリチウムデータの稀少さゆえに完全に確証されておらず、材料中トリチウム挙動予測に不確実性が存在する。そこで本研究では、この材料中におけるトリチウムの輸送特性を評価するために、イオン駆動透過法を用いて、水素透過挙動がよく知られたニッケルに対するトリチウムの拡散係数及び表面再結合係数を測定し、全く同じ条件で実施した重水素の結果との比較により拡散と表面再結合のトリチウム-重水素間の同位体効果を評価した。その結果、拡散係数の同位体間効果に関しては、古典拡散理論から予測される同位体効果を示さず、トリチウムが重水素よりも大きな拡散係数を持つこと及び拡散の活性化エネルギーがトリチウムの方が小さいという傾向を得た。これらの結果は、振動温度を従来報告値より若干高く仮定することにより、既存の修正拡散モデルで説明可能であることを明らかにした。さらに、表面再結合に関する同位体効果に関しても、修正溶解モデルにより同様に説明可能なことを示した。
中村 博文; 西 正孝; 森田 健治*
JAERI-Research 2003-016, 32 Pages, 2003/08
核融合炉材料からのトリチウム除去回収に関する研究の一環として、核融合炉のトリチウム回収システムへの応用研究が進められているストロンチウム-セリウム(Sr-Ce)系酸化物セラミックスプロトン導電体にトリチウムを注入し、酸化物試料中のトリチウムの存在状態を等速昇温脱離法により調査した。その結果、Sr-Ce系酸化物中でのトリチウムは、主として水酸基の状態で存在しているため、その除去には1300K以上での加熱放出が必要なことを明らかにした。また、トリチウムを注入した試料を水蒸気濃度が異なる空気中に曝露し、その際のトリチウム放出量及び放出化学形の水蒸気濃度依存性を測定することにより、トリチウム除去機構について検討した。その結果、空気曝露によるトリチウム除去率は小さく、そのほとんどが、試料表層のOT基と水蒸気との同位体交換反応により水状として放出されるトリチウムであることを明らかにした。また、酸化物中の溶解トリチウムと酸素欠損への酸素の引き抜き現象に起因する水蒸気曝露による水素状でのトリチウム放出もわずかではあるが確認できた。以上の結果、酸化物中におけるトリチウムの存在状態の違いによる空気曝露時のトリチウム除去機構の違いを明らかにし、トリチウム除去法の最適化のための基礎データを得た。
Wei, P.; Xu, Y.; 永田 晋二*; 鳴海 一雅; 楢本 洋
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206(1-4), p.233 - 236, 2003/05
被引用回数:6 パーセンタイル:42.77(Instruments & Instrumentation)互いに固溶しない組合せとして、炭素イオンを注入により非晶質化したGe単結晶((100)と(110))について、その熱処理による結晶化過程を、イオンビーム解析法(ラザフォード後方散乱分光法、イオンチャネリング法、及び核反応法)、ラマン分後法及び原子間力顕微鏡法により調べた。いずれの注入条件でも非晶質になるものの、その回復挙動は、イオン注入時の入射角に敏感であることを見出した。すなわち、斜入射の条件でCイオン注入したGeでは、450度までの熱処理により結晶化するとともに、注入された炭素原子は表面に拡散・析出してナノ黒鉛を形成した。一方垂直入射の場合には熱回復の挙動は異なり、注入された炭素と照射欠陥の分布変化及び回復は観測されなかった。これらの結果は、イオン注入時に生ずる欠陥密度と拡散に影響する歪勾配が関係している。
根本 義之; 三輪 幸夫; 辻 宏和; 塚田 隆
Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-11) (CD-ROM), 7 Pages, 2003/04
現在、軽水炉の高経年化との関連において重要な検討課題とされているオーステナイト・ステンレス鋼の照射誘起応力腐食割れ(IASCC: Irradiation Assisted Stress Corrosion Cracking)の基礎的な研究のため、照射材における腐食挙動の評価方法の開発及び解析を行った。イオン照射を適用し、照射温度,照射損傷量,水素(H),ヘリウム(He)注入量を変化させて照射を行った。照射材の腐食挙動の評価には原子間力顕微鏡(AFM: Atomic Force Microscope)を適用し、その評価のために最適な腐食条件などについて検討した。その結果、照射材の腐食量の評価に成功し、照射条件と腐食挙動の相関について検討した。また照射誘起偏析の影響と考えられる粒界の優先腐食の様子をとらえることにも成功した。方位像顕微鏡(EBSP: Electron Backscatter Diffraction Pattern)による観察結果との組合せにより、粒界性状と腐食挙動の相関について検討した。
森田 健治*; 鈴木 宏規*; 曽田 一雄*; 岩原 弘育*; 中村 博文; 林 巧; 西 正孝
Journal of Nuclear Materials, 307-311(2), p.1461 - 1465, 2002/12
被引用回数:2 パーセンタイル:16.47(Materials Science, Multidisciplinary)原研と名古屋大学との協力研究に基づいて実施された酸化物セラミックス中に注入したトリチウムと大気中水蒸気の軽水素との同位体交換反応について報告する。実験は、まず、原研のイオン源により1試料あたり約7.4GBqの純トリチウムを注入した。トリチウム注入した試料を3グループに分け、それぞれ、大気(水分濃度約9000ppm),窒素ガス(水分濃度約100ppm),乾燥窒素(水分濃度0.01ppm以下)の環境に24時間曝露した後、0.5K/sec,1273Kまでの等速昇温脱離試験を実施した。試験の結果、水蒸気中の軽水素と材料表面に存在するトリチウムとの同位体交換反応が観察されるとともに、酸化物セラミックス中に打ち込まれたトリチウムは酸化物中の酸素原子と結合していることが明らかとなった。これらの結果をもとに、名古屋大学で考案された固体内水-水素同位体交換反応モデルに基づく解析を実施し、観察されたトリチウムの放出挙動との良い一致を得た。
中村 博文; 林 巧; 西 正孝; 有田 誠; 奥野 健二*
Fusion Engineering and Design, 55(4), p.513 - 520, 2001/09
被引用回数:10 パーセンタイル:58.56(Nuclear Science & Technology)核融合炉プラズマ対向材料からのトリチウム透過に関する知見を得るために、純タングステン中に打ち込まれた重水素の透過挙動を測定した。実験は25m厚のタングステン膜を使用し、重水素過程の定常状態及び過渡状態での挙動を測定した。実験の結果、定常状態の透過挙動のパラメータ依存性は、透過が入射側拡散-透過側拡散律速(DD律速)過程により律速されていることを示した。また、タングステン中の重水素の透過はほかの材料に比較して極めて小さいことも明らかとなった。過渡状態における透過挙動の解析の結果、重水素透過は、試料内部に存在すると考えられるトラップサイトによるトラップの影響を強くうけていることが観察される。
阿部 弘亨
Diamond and Related Materials, 10(3-7), p.1201 - 1204, 2001/07
被引用回数:16 パーセンタイル:62.85(Materials Science, Multidisciplinary)カーボンオニオンの核形成・成長機構を明らかにすることを目的とし、銅基板への炭素イオン注入実験及び電子顕微鏡内イオン注入実験を行った。銅多結晶に注入温度300~700にて100keV Cイオンを210C/cmまで注入した後、カーボンオニオンやナノカプセル状オニオン等を電顕観察した。また500における電子顕微鏡内イオン注入実験を行い、核生成・成長過程をその場電顕観察した。微細組織の注入温度・注入量・基板結晶性に対する依存性から、(1)微細な炭素クラスタあるいは母相内の格子欠陥等を核としたオニオンと(2)銅微粒子周囲に発達したグラファイト構造を核とするナノカプセルという2種類の核形成機構が判明した。また、オニオン形成過程のその場観察実験から、注入量のしきい値が求められ、オニオンが位相コントラストと歪コントラストの双方を有し、すなわち基板内部に形成されること、基板の照射誘起蒸発によって最終的には表面を集積することなどが明らかになった。
阿部 浩之; 上殿 明良*; 内田 裕久*; 小松 淳*; 岡田 漱平; 伊藤 久義
Materials Science Forum, 363-365, p.156 - 158, 2001/05
パラジウム(Pd)の水素吸蔵能を向上させることは実用上非常に重要である。われわれは、イオン照射による材料改質の検討の一環として、照射欠陥と水素吸蔵特性との関係を調べた。Pd板(サイズ: 10100.1mm)にプロトン照射(エネルギー: 100keV,ドーズ量: 最大110/cm)を行い、形成される欠陥を低速陽電子ビームを用いた消滅線エネルギードップラー拡がり測定により評価した。この結果、照射によるS-パラメータの増加が観測され、Pd表面層(厚さ400nm)における空孔クラスターの形成が確認された。また、照射及び未照射試料の水素吸蔵速度及び最大吸蔵量を比較した結果、照射により最大吸蔵濃度は変化しないが、吸蔵速度は低下することがわかった。これは、Pdバルク内への水素原子侵入に対する空孔クラスターのブロッキング効果で説明できる。
八巻 徹也; 住田 泰史; 山本 春也
Journal of Materials Science Letters, 21(1), p.33 - 35, 2001/01
被引用回数:90 パーセンタイル:90.88(Materials Science, Multidisciplinary)本研究では、TiOルチル単結晶に対する200 keV Fイオン注入とその後の熱アニールの効果について調べた。注入試料を573K及び873K,各5時間,等時アニールすることによって、飛程付近の照射損傷は消失しTiO本来の結晶構造がほぼ回復した。このアニールプロセスと同時に、注入されたFが表面へ優先的に拡散することがわかった。アニール後の試料に対するX線光電子分光スペクトルを解析することによって、高濃度にFドープされたTiOF (x=0.0039)が表面に形成されていることが明らかになった。
阿部 弘亨
放射線と産業, (88), p.54 - 60, 2000/12
炭素イオン注入によって銅中にオニオンを多量に生成することに成功し、その構造や生成条件を明らかにし、また電子顕微鏡内イオン注入実験によってオニオンの形成過程をその場観察することで、オニオンの核形成・成長のメカニズムに関する知見を得た。300~700に保持した銅多結晶に100~160keV Cイオンを210/cmまで注入した。照射後、電顕試料に加工し、組織観察した。また、500におけるイオン注入その場観察実験を行い、オニオンの生成をその場観察した。イオン注入により球状(楕円球状)の炭素クラスタが生成された。クラスタは中心部までグラファイト構造のオニオンと、中空のカプセルの2種類が観察された。サイズの照射温度や注入量に対する依存性から、2種類の核形成機構が提案された。一つはフラーレン等の微細な炭素クラスタあるいは母相内の格子欠陥等を核としたものと、もう一つは銅微粒子周囲に発達したグラファイト構造を核とするものである。予焼鈍した銅試料に500において炭素イオン注入し、オニオン形成過程のその場観察実験を行った。注入量110/cmで試料内部におけるオニオン形成が確認され、照射励起蒸発によって表面に集積する過程が明らかになった。
Li, Y.; 馬場 祐治; 関口 哲弘
Journal of Chinese Society for Corrosion and Protection, 20(6), p.331 - 337, 2000/12
304ステンレス鋼及びその構成元素である金属鉄、金属クロム、金属ニッケルにイオン注入された酸素の化学結合状態を放射光X線光電子分光法(SR-XPS)によりその場観察した。SUS304中に注入された酸素はすべて金属と結合するが、金属鉄、金属クロム及び金属ニッケル中では、一部の酸素のみが金属と結合を作ることがわかった。すなわち純金属中では、金属と結合し酸化物を作る結合型酸素と、結晶格子間に存在するフリーの酸素が存在する。これらの2種類の酸素の存在する割合は、金属の化学反応性により異なることが明らかとなった。
阿部 弘亨; 山本 春也; 宮下 敦巳
第11回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム(BEAMS 2000)報文集, p.127 - 130, 2000/11
オニオン大量生産に着目した研究を行い、高温イオン注入法を開発した。TIARAのイオン注入装置とロス・アラモス国立研究所のイオン加速器を利用し、5701070Kにおいて100及び160keVの炭素イオンを銅に注入した。イオン注入組織の電顕観察を行い、オニオンと中空カプセルを観察した。形成量を温度などの照射因子で調べ、サイズや形成条件の最適化を行った。生成量は温度に依存せず、約0.1mgであった。温度や注入量依存性等からオニオンとカプセルが2種類の異なる過程を経て形成されるということがわかり、これらは電顕内イオン注入実験によるその場観察によって確かめられた。結晶性の良い大きなオニオンの生成には放射線照射法のみが有効であることが示された。
楢本 洋; 山本 春也; 鳴海 一雅
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 161-163, p.534 - 538, 2000/03
被引用回数:1 パーセンタイル:19.92(Instruments & Instrumentation)ヘテロエピタキシャル結晶成長の初期過程を調べるため、互に固溶しない2つの系で(Cu,Nb; C,Ir)、イオン注入・及びイオンビーム解析を低温で行った。デュアルビーム解析システムを用いて、30~60Kの温度領域でCuイオンをNbに注入したり、CイオンをIrに注入した。基板にはいずれも高品質の単結晶薄膜を用い、注入元素の結晶学的存在状態を、ラザフォード散乱法と組み合せたチャネリング解析(Cu→Nb系)及びラザフォード散乱/核反応(C(d,p)C)と組み合せたチャネリング解析(C→Ir)により調べた。その結果、(1)注入させたCuはNb中を低温でも拡散して表面に集積して、ヘテロエピタキシャル成長することを見いだした。ただし、このCu格子は立方晶からずれている可能性が高い。(2)注入されたCは、Ir中で100方向に沿って整列していること、及びCHを注入した場合にはIrに存在し得ないことを見いだした。これらの成果について討論する。
後藤 真宏*; 河西 俊一; 福村 裕史*
Applied Surface Science, 154-155, p.701 - 705, 2000/02
被引用回数:15 パーセンタイル:60.98(Chemistry, Physical)新しい機能を備えたデバイス作製のためナノメートルオーダーで金属や半導体の構造制御を行うことが注目されつつある。しかし、有機分子を用いたナノ構造体作製は、その分子制御が難しいので実現には至っていない。もし、これが実現すれば有機分子特有の性質を生かした新規機能性材料作製の可能性が生ずる。われわれは、ジシアノアントラセン分子をガラスマイクロピペットの先端内壁部に付着させたもの分子注入源として使用し、パルスレーザー光で光励起し、先端の100nm開口から射出することにより注入を行った。被注入フィルムの蛍光顕微鏡観察の結果から、直径800nm以下の領域に注入されていることがわかった。
Ali, M.; 馬場 祐治; 関口 哲弘; Li, Y.; 山本 博之
Photon Factory Activity Report 1998, P. 36, 1999/11
シリコン単結晶に低エネルギー窒素イオンを注入し、表面に生成したSiN(0x4/3)層の電子構造をX線光電子分光法(XPS)及びX線吸収端微細構造法(XANES)により測定した。Si 1sのXPSスペクトルによると、窒素注入量が10atoms/cmのオーダーでは、中間組成をもつSiN(x=1,2,3)がいったん生成するが、10atoms/cm以上では、化学量論組成をもつSiN層に移行する。しかし、XPSより深い領域の電子構造を反映する電子収量法によるSi K-吸収端のXANESスペクトルでは、この物質層にも依然として非化学量論組成をもつSiN(x=1,2,3)が含まれていることがわかった。注入後の試料を800Kまでアニールすることにより、これらの中間層は消え、完全にSiN層に変化することが明らかとなった。
高広 克巳*; 永田 晋二*; 山本 春也; 山口 貞衛*; 楢本 洋
JAERI-Review 99-025, TIARA Annual Report 1998, p.143 - 145, 1999/10
Ag及びClイオンをSiOと-AlOに室温で注入して、その存在状態を、RBS、X線回折、光吸収で調べた研究であり、以下の結論を得た。(1)室温注入でも、AgとClは固相反応して、AgClの超微粒子を形成した。(2)Clは、AgClの形成に関係するだけでなく、Ag自身の析出過程にも影響する。