Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Sr at subfemtogram levels via online isotope dilution and laser ablation inductively coupled plasma tandem mass spectrometry柳澤 華代; 松枝 誠; 古川 真*; 高貝 慶隆*
Analytical Chemistry, 97(50), p.27980 - 27987, 2025/11
The quantitative mapping of radioisotopes in solids is crucial for understanding their microscale localization and migration. However, conventional radiometric and mass spectrometric techniques are only capable of bulk measurements without spatial resolution. Imaging plates provide spatial resolution, but they lack selectivity and cannot quantify radioisotopes that only emit beta radiation, such as
Sr. Here, the first system for isotope-specific quantitative mapping of a pure beta emitter is demonstrated that integrates online isotope dilution (ID) with laser ablation inductively coupled plasma tandem mass spectrometry (LA-ICP-MS/MS). In a case study, ultra-trace levels of
Sr were accurately quantified without requiring matrix-matched certified reference materials (CRMs) for calibration or chemical separation. Severe isobaric/polyatomic interference (e.g.,
Zr
,
Ge
O
,
Y
H
, and
Ni
O
) was efficiently suppressed by O
reaction in a dynamic reaction cell, which greatly improved the abundance sensitivity and allowed sub-femtogram amounts of
Sr to be quantitatively imaged. The background equivalent concentration (BEC) was 0.14 ng g
(7.0
10
Bq g
) per data point, and the measurement time was within 1 s. Validation with CRMs and
Sr samples confirmed accuracy of 88
116% relative to reference values. The proposed system is a versatile platform that can be applied to the practical mapping of radioactive solids, which has broad implications for nuclear waste disposal, environmental remediation, and radiation protection.
森井 志織; 蓬田 匠; 浅井 志保*; 大内 和希; 岡 壽崇; 北辻 章浩
分析化学, 72(10.11), p.441 - 448, 2023/10
高レベル放射性廃棄物(HLW)等の処分時の安全評価対象核種のひとつであるZr-93のICP-MS定量分析をより迅速化する手法として、Zrを選択的に固相抽出した試料をそのままレーザーアブレーション(LA)してICP-MSで定量分析する技術開発を行った。DGAレジンにZrのみを吸着させる新規Zr固体試料調製法により、試料調製時間を従来よりも大幅に短縮した。Zr固体試料をLA-ICP-MS測定するための最適なレーザー照射条件を検討した。開発した手法をHLW模擬試料中のZr同位体定量に適用した結果、IDMSにより求めた同位体定量値は試料の元素濃度から求めた含有量と不確かさの範囲で一致したため、実際の放射性廃棄物試料中のZr-93についても同様の手順で定量できる見込みを得た。
柳澤 華代; 松枝 誠; 古川 真*; 石庭 寛子*; 和田 敏裕*; 平田 岳史*; 高貝 慶隆*
Analyst, 148(18), p.4291 - 4299, 2023/09
被引用回数:2 パーセンタイル:25.22(Chemistry, Analytical)固体表面の定量マッピングが可能なオンライン同位体希釈レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法(オンラインLA-ICP-IDMS)を開発した。LAで生成された試料エアロゾルは、独自開発したサイクロン式スプレーチャンバーを介して、同位体濃縮液のミストとオンラインで混合され、ICP-MSへと導入される。その後、同位体比の計算などを通じて各スポットにおける定量イメージング像を作成した。モデル元素としてFeとSrを選択し、オンライン同位体希釈に基づく定量によって認証標準物質を定量したところ、認証値と定量値の結果は良好であった。本法を生体硬組織に適用し、電子プローブマイクロアナライザーのデータと比較した結果、鉄とSrのような微量元素の定量に有効であることを確認した。
湯口 貴史*; 伊藤 大智*; 横山 立憲; 坂田 周平*; 鈴木 哲士*; 小北 康弘; 八木 公史*; 井村 匠*; 甕 聡子*; 大野 剛*
Lithos, 440-441, p.107026_1 - 107026_14, 2023/03
被引用回数:2 パーセンタイル:21.32(Geochemistry & Geophysics)本研究は、花崗岩質プルトンのジルコン成長過程を解明するために、3次元立体的なカソードルミネセンス(CL)パターン,U-Pb年代,チタン濃度,Th/U比の変動に基づく新しいアプローチ方法を提案するものである。また、本研究では、九州中央部に位置する大崩山花崗岩(OKG)のジルコン成長過程に着目し、この方法を用いて花崗岩質プルトンの形成に至るマグマ溜まりでの結晶化プロセスの解明を目的とした。大崩山花崗岩体は黒雲母花崗岩(BG),角閃石花崗岩(HG),角閃石花崗閃緑岩(HGD)の3つの岩相から構成されている。まず、ジルコン結晶の3次元内部構造と成長様式を明らかにするため、試料の多断面についてCL観察を行った。同時に、試料の中心部のジルコンのU-Pb年代とチタン濃度も測定した。CLパターンから確認できるオシラトリーゾーニングの3次元分布からは、結晶核を決定することができる。花崗岩試料のジルコンU-Pb年代とTi濃度の同時測定は、花崗岩マグマが固化するまでの時間-温度(t-T)履歴を示すものである。BG, HG, HGDの温度履歴はマグマ溜り内での類似した冷却挙動を示し、16Maから10Maの間にジルコン結晶化温度から黒雲母K-Ar系の閉鎖温度まで急速に冷却されたことがわかった。また、Th/U比の温度に対する変化も、約670
Cの境界で異なる傾向を示した。マグマ溜まりでの分別結晶は670
C以上で著しく進行し、670
C以下では結晶化が緩やかになり、マグマ組成の変化が小さくなっていたことが示された。BG, HG, HGDの温度に対するTh/U比の変化は共通の傾向を示し、すなわち大崩山花崗岩体の3つの岩相の分別結晶化の進行は同じ挙動を示し、マグマ溜り全体で同じ挙動を示すことが示された。
湯口 貴史*; 山嵜 勇人*; 石橋 梢*; 坂田 周平*; 横山 立憲; 鈴木 哲士*; 小北 康弘; 三戸 和紗*; 井村 匠*; 大野 剛*
Journal of Asian Earth Sciences, 226, p.105075_1 - 105075_9, 2022/04
被引用回数:8 パーセンタイル:48.23(Geosciences, Multidisciplinary)LA-ICP質量分析法によりジルコンのシングルスポットからU-Pb年代とチタン濃度を同時に取得することで、花崗岩質マグマの時間-温度履歴を解明するのに必要なジルコンの結晶化年代と結晶化温度を推定することができる。黒部川花崗岩体は、苦鉄質火成包有物(MMEs)を多量に含む岩体である。本研究では、このMMEsに対してジルコンのU-Pb年代とチタン濃度を同時に取得する方法を適用した。MMEs及び母岩について共通の冷却過程が認められ、この冷却は150万年前から50万年前に生じたことが明らかとなった。また、ジルコンの結晶化温度から黒雲母K-Ar系の閉鎖温度にかけての冷却は、100万年以内に急冷したことが分かった。本研究によって得られた時間-温度履歴と母岩の岩石学的記載から、マグマチャンバーを通じたMMEsの浮揚、移動、拡散が150-50万年前に停止したことが示唆され、また、それ以降に大規模な温度上昇が生じていないことから、この時期に黒部川花崗岩体が定置したと考えられる。
鏡味 沙耶; 横山 立憲; 梅田 浩司*
JAEA-Testing 2021-001, 49 Pages, 2021/08
高レベル放射性廃棄物やTRU 廃棄物の地層処分において長期的な安全性を確保するために、地質環境の長期安定性を評価し、地質変動の将来予測をすることは重要である。特に、第四紀(約260万年前
)の地質イベントに対して年代を把握することは必要不可欠であり、その手法として放射年代測定が用いられることが多い。しかし、放射年代測定に供する地質試料が得られない場合もあり、それを補完する方法として、火山砕屑物(テフラ)を年代指標とした編年技術(テフロクロノロジー)が用いられることがある。テフロクロノロジーは、火山活動が活発な日本列島において特に有効な技術である。テフロクロノロジーでは、テフラの特徴を把握することが重要であり、その構成鉱物種や火山ガラスの形状、主要・微量元素の化学組成を得ることで起源(給源)の推定や広域に分布するテフラ同士の比較(対比)が可能となる。日本原子力研究開発機構東濃地科学センター土岐地球年代学研究所では、テフロクロノロジーに必要な化学組成分析の技術整備を実施しており、電子プローブマイクロアナライザを用いた火山ガラスの主要元素化学組成の分析手法に加え、レーザーアブレーション装置を試料導入系として備えた誘導結合プラズマ質量分析装置を用いた微量元素化学組成の分析手法を整備した。本稿では、その前処理及び測定手法について報告する。
Cs in spent Cs adsorbent used for the decontamination of radiocesium-containing water by laser ablation inductively coupled plasma mass spectrometry浅井 志保*; 大畑 昌輝*; 半澤 有希子; 堀田 拓摩; 蓬田 匠; 北辻 章浩
Analytical Chemistry, 92(4), p.3276 - 3284, 2020/02
被引用回数:7 パーセンタイル:27.07(Chemistry, Analytical)福島第一原子力発電所の汚染水処理に使用されたCs吸着材を安全に処分するために、長寿命核種である
Csの放射能を把握する必要がある。
Csは、誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)で測定するが、通常、液体試料のみに対応しているため、廃Cs吸着材の場合、Csの溶離操作が不可欠となる。しかし、
Csから放出される強い放射線が取り扱いを困難にする。そこで本研究では、固体試料の直接測定が可能なレーザーアブレーションICP-MSを用いて
Cs/
Csを測定し、
Csの
線測定結果と合わせて、Cs吸着材中の
Csを簡便かつ精確に定量する方法を開発した。方法の妥当性を確認するため、放射性セシウムを含む汚染水に市販のCs吸着材を浸漬させて模擬試料を調製し測定したところ、水試料の分析値と一致した。
Pd in Pd purified by selective precipitation from spent nuclear fuel by laser ablation ICP-MS浅井 志保; 大畑 昌輝*; 蓬田 匠; 佐伯 盛久*; 大場 弘則*; 半澤 有希子; 堀田 拓摩; 北辻 章浩
Analytical and Bioanalytical Chemistry, 411(5), p.973 - 983, 2019/02
被引用回数:14 パーセンタイル:58.48(Biochemical Research Methods)使用済燃料中には複数のPd同位体が存在している。そのうち
Pdは放射性であるため、使用済燃料中のPdを廃棄物処分もしくは資源として利用する場合、
Pdの定量分析が不可欠となる。本研究では、
Pdの分析を迅速化することを目的として、レーザーアブレーションICP-MS(LA-ICP-MS)による定量を試みた。LA-ICP-MSでは、沈殿分離したPdを固体のまま直接測定でき、従来の溶液測定において不可欠であった溶液化処理や希釈操作が不要となる。ここでは、使用済燃料中には存在せず天然にのみ存在する
Pdを内標準として、
Pdの添加量と
Pd/
Pd実測値から
Pdを定量した。Pd沈殿は、遠心分離によってろ紙上に回収することで、均質で平滑なPd薄層を形成するため、アブレーションに適した形状となる。このため安定した
Pd/
Pdが得られ、従来の溶液測定における
Pd定量結果と一致した。
横山 立憲; 木村 純一*; 三ツ口 丈裕; 檀原 徹*; 平田 岳史*; 坂田 周平*; 岩野 英樹*; 丸山 誠史*; Chang, Q.*; 宮崎 隆*; et al.
Geochemical Journal, 52(6), p.531 - 540, 2018/12
被引用回数:17 パーセンタイル:55.78(Geochemistry & Geophysics)We developed a non-matrix matched U-Pb dating method for calcite by using LA-ICP-MS. The excimer LA was set to generate a low-aspect-ratio crater to minimize downhole U-Pb fractionation. We used He sample ablation gas mixed with Ar carrier gas and additional trace N
gas to create a robust plasma setup. The use of N
additional gas allowed for low oxide molecular yield for high-sensitivity interface cones with the ICP shield electrode disconnected. Moreover, this resulted in robust ICP plasma against different matrixes in LA aerosols owing to efficient dissociation-ionization of the aerosols by increased plasma temperature. The above setup helped accomplish accurate U-Pb dating of calcite samples by using SRM 612 glass as the standard. We applied this method to the following calcite samples: (1) recently-proposed reference material named WC-1 with a determined U-Pb age of 254.6
3.2 Ma and (2) a well-preserved fossil specimen of blastoid
sp. with an estimated age of
339-318 Ma. The resultant U-Pb ages of the WC-1 and
samples were 260.0
6.7 Ma and 332
12 Ma, respectively, which indicate accurate U-Pb dating by this method. Before this U-Pb dating, quantitative distribution maps of the U, Th, and Pb isotopes of each sample were obtained using the LA-ICP-MS imaging technique to select suitable areas for dating.
浅井 志保; Limbeck, A.*
Talanta, 135, p.41 - 49, 2015/04
被引用回数:22 パーセンタイル:60.96(Chemistry, Analytical)本研究では、ウラン精鉱の産地情報を示す有力な指標となる標準隕石規格化希土類元素存在度パターンの新規分析法を開発した。開発した分析法では、ウラン精鉱中に不純物として存在する希土類元素をイオン交換樹脂中に濃縮させ、固体試料の質量分析を可能とするレーザーアブレーション(LA-)ICP-MSによって測定することで迅速簡便化を達成した。LAでは、ICP-MSの従来測定法である溶液測定法と比べて、主なスペクトル干渉要因となるBaや重希土類の酸化物・水酸化物の生成を効果的に抑制できる。本方法の実試料分析への適用性を実証するため、ウランを主成分とする試料に適用した。LA-ICP-MS測定結果から得られた希土類元素存在度パターンは、従来法による測定結果から得られたパターンと不確かさの範囲内で一致し、本方法によって得られるパターンが正確であることを確認できた。
伊藤 大智*; 石橋 梢*; 坂田 周平*; 横山 立憲; 小北 康弘; 八木 公史*; 大野 剛*; 湯口 貴史*
no journal, ,
本研究では、3岩相から構成される大崩山花崗岩体(黒雲母花崗岩・ホルンブレンド黒雲母花崗岩・ホルンブレンド黒雲母花崗閃緑岩)に対して、ジルコンのカソードルミネッセンス像観察に基づく成長構造の分類およびレーザーアブレーション試料導入を備えた誘導結合プラズマ質量分析法による同一分析地点におけるジルコンU-Pb年代およびチタン濃度の同時定量分析を実施した。U-Pb年代からはジルコンの結晶化年代、チタン濃度からはTi-in-zircon温度計を用いることで結晶化温度を導出できる。この結果から大崩山花崗岩体の温度・時間履歴(冷却プロセス)を論じた。このように得られる冷却プロセスは隆起・侵食史の解明にも寄与する。LA-ICP-MSによる分析には学習院大学のNd:YAGレーザーアブレーション装置(NWR-213)およびトリプル四重極ICP-MS(Agilent8800)を組み合わせたものである。本研究では分析条件を検討し、
Ti
が同じ質量電荷比のイオンとの干渉を防ぐために、O
ガスをリアクションガスとして用いた。それにより、プロダクトイオンとして
Ti
O
が生成され、質量電荷比を変化させ、干渉イオンの除去が可能となる。分析の結果、大崩山花崗岩の3岩相においてU-Pb年代およびチタン濃度が得られ、年代値は大崩山花崗岩体の既存研究や新規に所得した黒雲母K-Ar年代と整合的であった。黒雲母花崗岩の試料から14.6
1.1Maから11.8
1.3Maの年代値、2.1
0.1ppmから27.9
1.4ppmのチタン濃度を得た。チタン濃度から得られた結晶化温度は、620-850
Cを示した。得られた温度・時間履歴では、岩相間でマグマの冷却プロセスに大きな差異は認められず、ジルコンの冷却温度から黒雲母のK-Arの閉鎖温度までマグマ溜まりの急冷が生じていることが解明された。
鏡味 沙耶; 横山 立憲; 笹尾 英嗣; 湯口 貴史*; Chang, Q.*
no journal, ,
花崗岩の割れ目頻度分布は、起源マグマの化学組成が異なる岩相の違いで変化することが報告されており、マグマの組成を区別する指標として、全岩の初生Sr同位体比が有効である。アパタイトは、Rbが不適合元素であるため、そのSr同位体組成は初生的な組成を示す可能性が高い。したがって、本研究では、LA-ICP-MSによるアパタイトの局所Sr同位体分析手法の開発を進めた。脱溶媒した溶液と固体試料をICPへ導入する手法を採用し、溶液の同位体分析から固体試料分析の同位体差別効果の補正を試みた。また、N
ガスを導入系に混合させるラインを整備し、酸化物生成率の抑制とSrのイオン化効率の向上を図った。アパタイト標準試料を対象に分析した結果、先行研究と整合的な結果が得られた。さらに、これらの試料よりもSr濃度が低く、約100
mの粒径をもつ未知試料の分析も可能であることが確認された。開発した手法は、起源マグマの化学組成の違いを評価可能にし、また、化学的・地質学的情報と組み合わせて議論することで、岩相と割れ目の頻度分布の関係性に制約を与えられると考えられる。
柳澤 華代; 松枝 誠; 古川 真*; 平田 岳史*; 高貝 慶隆*
no journal, ,
福島第一原子力発電所の廃止措置において、燃料デブリや放射性廃棄物などの放射性核種分析はそれらの処理処分方法の検討や炉内状況把握のために重要である。Sr-90などの難分析核種は従来、放射能分析法や誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)により定量されてきたが、固体試料を分析する際、前処理において試料を溶解して溶液とするため、固体試料の表面に付着する分析対象物の分布情報が完全に失われる欠点があった。レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法(LA-ICP-MS)は固体試料を直接分析可能な分析法であるが、妨害元素による質量スペクトル干渉の問題や試料組成の違いによってアブレーションされる試料量が変わるマトリックス効果の問題のため、LA-ICP-MSを定量分析として用いることは非常に困難だった。これらの問題を克服するため、本研究では同位体希釈法に基づく新しいLA-ICP-MS定量法を開発した。さらに、この方法の有用性を示すため、Sr-90の定量イメージング分析に適用した。
柳澤 華代; 松枝 誠; 古川 真*; 石庭 寛子*; 和田 敏裕*; 平田 岳史*; 高貝 慶隆*
no journal, ,
レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法(LA-ICP-MS)は、他のイメージング分析に比べて高感度だが、目的元素の定量には、マトリックスに適合した認証標準物質(CRMs)が必要である。しかし、生体試料に適したCRMsはほとんど市販されておらず、従来のLA-ICP-MS法では定量が難しい。本研究では、同位体希釈法を組み合わせたデュアルガスフローシステムを利用した。本システムは、アブレーションサンプルとネブライザーで噴霧したスパイク液の2つのエアロゾルが、独自開発のデュアルポートチャンバーを介して混合される。開発した手法を使用して、CRMs中のFeとSrを定量し、認証値と一致した。さらに、定量マッピングへの応用の可能性を示すために、生体試料(歯と耳石)を分析し、従来の化学分析で得られた値と比較した。
柳澤 華代; 横田 裕海; 松枝 誠; 石庭 寛子*; 藤本 勝成*; 高貝 慶隆*
no journal, ,
燃料デブリは核燃料や制御棒、原子炉構造材が不均一に混合し、冷え固まったものと考えられており、その組成(元素・同位体)や分布を把握することは燃料デブリ取り出し後の保管・処理・処分方法を策定する上で極めて重要である。レーザーアブレーション-誘導結合プラズマ質量分析法(LA-ICP-MS)を用いた質量分析イメージングは、10-100
mの空間分解能で10
-10
g/gレベルの元素および同位体の分布を視覚化できるため、先述の燃料デブリ分析に有用である。しかし、測定点が多いとデータ量は膨大となり、手動処理には多大な時間と労力を要する。そこで、本研究では罰則項付き非対称最小二乗法を用いたピーク自動検出法を開発するとともに、LA-ICP-MSのデータ処理を自動化し、直感的に操作可能なGUIを構築した。
鏡味 沙耶
no journal, ,
断層運動や火山・火成活動などの様々な自然現象が発生した時期や隆起・侵食の速度などを精度よく把握するための地層の年代決定法の一つとして、テフラを年代指標とした年代学(テフロクロノロジー)を用いる手法がある。本発表では、中部日本に広く堆積しているテフラの一つである大田テフラを対象に、火山ガラスの主要元素及び微量元素組成分析をEPMAとLA-ICP-MSを用いて実施した例を紹介する。主要元素組成が類似している2つのテフラに関して、従来の指標のほかに、希土類元素等を指標として識別可能であることが明らかになった。テフラの対比において、より複数の指標を把握しておくことで、特徴の類似したテフラを識別できるようになり、また、誤った対比を防ぐことも可能となる。テフロクロノロジーによる精度の高い地層の堆積年代決定には、微量元素組成を含めた広域テフラの化学組成データベースの充実を図る必要があり、今後は、様々な広域テフラを本手法にて分析していく予定である。
鏡味 沙耶; 横山 立憲; 仁木 創太*; 坂田 周平*; 梅田 浩司*; 岡田 里奈*; 近藤 美左紀*
no journal, ,
海底火山を給源とするテフラは、二次堆積や変質の影響を受けやすく、その年代学的検討が困難な場合がある。本研究では、津軽海峡の海底にある銭亀火山を給源とし、酸素同位体ステージ3の年代指標として有効な銭亀-女那川テフラ(Z-M)を対象とし、年代情報を保持する頑強な鉱物であるジルコンに着目した年代制約を検討した。岡田ほか(2023)で報告されているZ-M(T-L3とT-U1)を用い、LA-ICP-MSによりU-Th非平衡年代測定を実施した。ジルコン標準試料(91500、OD-3、Plesovice)及び洞爺軽石に含まれるジルコン(Toya)を分析することで、分析手法の精確性を評価した。また、本研究では、91500に比べてPlesoviceのウラン濃度は高く、その(
Th/
U)(放射能比)は放射平衡に達しているとして、分析中の
Th/
Uにおける元素分別の補正用の標準として用いた。Toyaのアイソクロン年代は、128kaと得られ、本研究と同手法による年代値と整合的な結果となった。T-U1から75点、T-L3から55点のジルコンを分析した結果、(
Th/
Th)-(
U/
Th)ダイアグラム上で平衡線にのるような噴火年代を記録していないジルコンも多く、約100kaのU-Th非平衡モデル年代をもつ粒子が多く含まれていることが分かった。今後は、各ジルコンの形状や化学組成等の特徴を把握しつつ、U-Th非平衡年代測定を試みる。
柳澤 華代
no journal, ,
レーザーアブレーション-誘導結合プラズマ質量分析装置(LA-ICP-MS)は、固体試料を溶解せずに表面の微量元素を高感度で直接分析できることから、様々な分野で広く利用されている。本講演では、LA-ICP-MSを用いた生体硬組織や合金などの分析事例を紹介する。
浅井 志保; Limbeck, A.*
no journal, ,
核セキュリティー強化策の1つとして位置付けられる「核鑑識」では、発見・押収された核物質の産地や移送ルート等の特定に必要な科学的証拠を蓄積する目的で、核物質の物理化学的性状を分析する。本研究では、ウラン産地に特徴的な不純物存在度パターンを示す希土類元素に着目し、LA-ICP-MSによって迅速に存在度パターンを測定する手法を検討した。測定用試料は、ウラン標準液中に不純物として含まれる希土類元素を陽イオン交換樹脂粒子に濃縮することにより調製した。得られたシグナルは、ガスブランクの減算、相対感度の補正、およびウランによる干渉の補正の後、標準隕石C1コンドライトにおける希土類元素の相対比で規格化して希土類元素存在度パターンとした。共存元素を除去した希土類元素化学分離後試料の溶液測定(従来法)から得られた存在度パターンとLAで得られたパターンは不確かさの範囲内で一致したことから、LA-ICP-MSによって、希土類元素の化学分離操作を経ることなく迅速かつ正確に希土類元素存在度パターンが得られることを実証できた。
柳澤 華代
no journal, ,
レーザーアブレーションICP-MS(LA-ICP-MS)は、最小限の前処理で固体試料を高感度かつ迅速に直接分析できる方法であり、放射性試料の迅速分析やマッピング分析への適用も期待できることから、原子力分野でも注目が集まっている。これまでに、同位体希釈法をLA-ICP-MSに組み合わせた「オンライン同位体希釈-LA-ICP-MS」を開発した。この方法は、レーザー照射により発生した固体試料由来のエアロゾルを、ガスポート付きサイクロンチャンバーを介して霧化した安定同位体濃縮スパイク(非放射性)と、ICPへ向かう輸送経路中でオンライン混合し、得られた同位体比から分析対象物を定量する。分析に際して放射性の標準物質を必要としないことから、一般的な検量線法による定量分析よりも優位性がある。本招待講演では、
Srをモデルケースとしたオンライン同位体希釈-LA-ICP-MSの適用例を紹介するとともに、原子力分野におけるLA-ICP-MSの今後の展開を議論する。