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論文

高レベル放射性廃棄物中のZr-93迅速分析に向けたLA-ICP-MSによる固体試料中Zr同位体測定法の開発

森井 志織; 蓬田 匠; 浅井 志保*; 大内 和希; 岡 壽崇; 北辻 章浩

分析化学, 72(10.11), p.441 - 448, 2023/10

高レベル放射性廃棄物(HLW)等の処分時の安全評価対象核種のひとつであるZr-93のICP-MS定量分析をより迅速化する手法として、Zrを選択的に固相抽出した試料をそのままレーザーアブレーション(LA)してICP-MSで定量分析する技術開発を行った。DGAレジンにZrのみを吸着させる新規Zr固体試料調製法により、試料調製時間を従来よりも大幅に短縮した。Zr固体試料をLA-ICP-MS測定するための最適なレーザー照射条件を検討した。開発した手法をHLW模擬試料中のZr同位体定量に適用した結果、IDMSにより求めた同位体定量値は試料の元素濃度から求めた含有量と不確かさの範囲で一致したため、実際の放射性廃棄物試料中のZr-93についても同様の手順で定量できる見込みを得た。

論文

Quantitative imaging of trace elements in solid samples by online isotope dilution laser ablation-inductively coupled plasma-mass spectrometry

柳澤 華代; 松枝 誠; 古川 真*; 石庭 寛子*; 和田 敏裕*; 平田 岳史*; 高貝 慶隆*

Analyst, 148(18), p.4291 - 4299, 2023/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Analytical)

固体表面の定量マッピングが可能なオンライン同位体希釈レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法(オンラインLA-ICP-IDMS)を開発した。LAで生成された試料エアロゾルは、独自開発したサイクロン式スプレーチャンバーを介して、同位体濃縮液のミストとオンラインで混合され、ICP-MSへと導入される。その後、同位体比の計算などを通じて各スポットにおける定量イメージング像を作成した。モデル元素としてFeとSrを選択し、オンライン同位体希釈に基づく定量によって認証標準物質を定量したところ、認証値と定量値の結果は良好であった。本法を生体硬組織に適用し、電子プローブマイクロアナライザーのデータと比較した結果、鉄とSrのような微量元素の定量に有効であることを確認した。

論文

Outlining zircon growth in a granitic pluton using 3D cathodoluminescence patterns, U-Pb age, titanium concentration, and Th/U; Implications for the magma chamber process of Okueyama granite, Kyushu, Japan

湯口 貴史*; 伊藤 大智*; 横山 立憲; 坂田 周平*; 鈴木 哲士*; 小北 康弘; 八木 公史*; 井村 匠*; 甕 聡子*; 大野 剛*

Lithos, 440-441, p.107026_1 - 107026_14, 2023/03

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Geochemistry & Geophysics)

本研究は、花崗岩質プルトンのジルコン成長過程を解明するために、3次元立体的なカソードルミネセンス(CL)パターン,U-Pb年代,チタン濃度,Th/U比の変動に基づく新しいアプローチ方法を提案するものである。また、本研究では、九州中央部に位置する大崩山花崗岩(OKG)のジルコン成長過程に着目し、この方法を用いて花崗岩質プルトンの形成に至るマグマ溜まりでの結晶化プロセスの解明を目的とした。大崩山花崗岩体は黒雲母花崗岩(BG),角閃石花崗岩(HG),角閃石花崗閃緑岩(HGD)の3つの岩相から構成されている。まず、ジルコン結晶の3次元内部構造と成長様式を明らかにするため、試料の多断面についてCL観察を行った。同時に、試料の中心部のジルコンのU-Pb年代とチタン濃度も測定した。CLパターンから確認できるオシラトリーゾーニングの3次元分布からは、結晶核を決定することができる。花崗岩試料のジルコンU-Pb年代とTi濃度の同時測定は、花崗岩マグマが固化するまでの時間-温度(t-T)履歴を示すものである。BG, HG, HGDの温度履歴はマグマ溜り内での類似した冷却挙動を示し、16Maから10Maの間にジルコン結晶化温度から黒雲母K-Ar系の閉鎖温度まで急速に冷却されたことがわかった。また、Th/U比の温度に対する変化も、約670$$^{circ}$$Cの境界で異なる傾向を示した。マグマ溜まりでの分別結晶は670$$^{circ}$$C以上で著しく進行し、670$$^{circ}$$C以下では結晶化が緩やかになり、マグマ組成の変化が小さくなっていたことが示された。BG, HG, HGDの温度に対するTh/U比の変化は共通の傾向を示し、すなわち大崩山花崗岩体の3つの岩相の分別結晶化の進行は同じ挙動を示し、マグマ溜り全体で同じ挙動を示すことが示された。

論文

Simultaneous determination of zircon crystallisation age and temperature; Common thermal evolution of mafic magmatic enclaves and host granites in the Kurobegawa granite, central Japan

湯口 貴史*; 山嵜 勇人*; 石橋 梢*; 坂田 周平*; 横山 立憲; 鈴木 哲士*; 小北 康弘; 三戸 和紗*; 井村 匠*; 大野 剛*

Journal of Asian Earth Sciences, 226, p.105075_1 - 105075_9, 2022/04

 被引用回数:4 パーセンタイル:54.83(Geosciences, Multidisciplinary)

LA-ICP質量分析法によりジルコンのシングルスポットからU-Pb年代とチタン濃度を同時に取得することで、花崗岩質マグマの時間-温度履歴を解明するのに必要なジルコンの結晶化年代と結晶化温度を推定することができる。黒部川花崗岩体は、苦鉄質火成包有物(MMEs)を多量に含む岩体である。本研究では、このMMEsに対してジルコンのU-Pb年代とチタン濃度を同時に取得する方法を適用した。MMEs及び母岩について共通の冷却過程が認められ、この冷却は150万年前から50万年前に生じたことが明らかとなった。また、ジルコンの結晶化温度から黒雲母K-Ar系の閉鎖温度にかけての冷却は、100万年以内に急冷したことが分かった。本研究によって得られた時間-温度履歴と母岩の岩石学的記載から、マグマチャンバーを通じたMMEsの浮揚、移動、拡散が150-50万年前に停止したことが示唆され、また、それ以降に大規模な温度上昇が生じていないことから、この時期に黒部川花崗岩体が定置したと考えられる。

報告書

東濃地科学センターにおける火山ガラスの化学組成分析手法; EPMAを用いた主要元素分析及びLA-ICP-MSによる微量元素分析

鏡味 沙耶; 横山 立憲; 梅田 浩司*

JAEA-Testing 2021-001, 49 Pages, 2021/08

JAEA-Testing-2021-001.pdf:3.86MB

高レベル放射性廃棄物やTRU 廃棄物の地層処分において長期的な安全性を確保するために、地質環境の長期安定性を評価し、地質変動の将来予測をすることは重要である。特に、第四紀(約260万年前$$sim$$)の地質イベントに対して年代を把握することは必要不可欠であり、その手法として放射年代測定が用いられることが多い。しかし、放射年代測定に供する地質試料が得られない場合もあり、それを補完する方法として、火山砕屑物(テフラ)を年代指標とした編年技術(テフロクロノロジー)が用いられることがある。テフロクロノロジーは、火山活動が活発な日本列島において特に有効な技術である。テフロクロノロジーでは、テフラの特徴を把握することが重要であり、その構成鉱物種や火山ガラスの形状、主要・微量元素の化学組成を得ることで起源(給源)の推定や広域に分布するテフラ同士の比較(対比)が可能となる。日本原子力研究開発機構東濃地科学センター土岐地球年代学研究所では、テフロクロノロジーに必要な化学組成分析の技術整備を実施しており、電子プローブマイクロアナライザを用いた火山ガラスの主要元素化学組成の分析手法に加え、レーザーアブレーション装置を試料導入系として備えた誘導結合プラズマ質量分析装置を用いた微量元素化学組成の分析手法を整備した。本稿では、その前処理及び測定手法について報告する。

論文

Direct quantitation of $$^{135}$$Cs in spent Cs adsorbent used for the decontamination of radiocesium-containing water by laser ablation inductively coupled plasma mass spectrometry

浅井 志保*; 大畑 昌輝*; 半澤 有希子; 堀田 拓摩; 蓬田 匠; 北辻 章浩

Analytical Chemistry, 92(4), p.3276 - 3284, 2020/02

 被引用回数:5 パーセンタイル:27.38(Chemistry, Analytical)

福島第一原子力発電所の汚染水処理に使用されたCs吸着材を安全に処分するために、長寿命核種である$$^{135}$$Csの放射能を把握する必要がある。$$^{135}$$Csは、誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)で測定するが、通常、液体試料のみに対応しているため、廃Cs吸着材の場合、Csの溶離操作が不可欠となる。しかし、$$^{137}$$Csから放出される強い放射線が取り扱いを困難にする。そこで本研究では、固体試料の直接測定が可能なレーザーアブレーションICP-MSを用いて$$^{135}$$Cs/$$^{137}$$Csを測定し、$$^{137}$$Csの$$gamma$$線測定結果と合わせて、Cs吸着材中の$$^{135}$$Csを簡便かつ精確に定量する方法を開発した。方法の妥当性を確認するため、放射性セシウムを含む汚染水に市販のCs吸着材を浸漬させて模擬試料を調製し測定したところ、水試料の分析値と一致した。

論文

Determination of $$^{107}$$Pd in Pd purified by selective precipitation from spent nuclear fuel by laser ablation ICP-MS

浅井 志保; 大畑 昌輝*; 蓬田 匠; 佐伯 盛久*; 大場 弘則*; 半澤 有希子; 堀田 拓摩; 北辻 章浩

Analytical and Bioanalytical Chemistry, 411(5), p.973 - 983, 2019/02

 被引用回数:12 パーセンタイル:62.16(Biochemical Research Methods)

使用済燃料中には複数のPd同位体が存在している。そのうち$$^{107}$$Pdは放射性であるため、使用済燃料中のPdを廃棄物処分もしくは資源として利用する場合、$$^{107}$$Pdの定量分析が不可欠となる。本研究では、$$^{107}$$Pdの分析を迅速化することを目的として、レーザーアブレーションICP-MS(LA-ICP-MS)による定量を試みた。LA-ICP-MSでは、沈殿分離したPdを固体のまま直接測定でき、従来の溶液測定において不可欠であった溶液化処理や希釈操作が不要となる。ここでは、使用済燃料中には存在せず天然にのみ存在する$$^{102}$$Pdを内標準として、$$^{102}$$Pdの添加量と$$^{107}$$Pd/$$^{102}$$Pd実測値から$$^{107}$$Pdを定量した。Pd沈殿は、遠心分離によってろ紙上に回収することで、均質で平滑なPd薄層を形成するため、アブレーションに適した形状となる。このため安定した$$^{107}$$Pd/$$^{102}$$Pdが得られ、従来の溶液測定における$$^{107}$$Pd定量結果と一致した。

論文

U-Pb dating of calcite using LA-ICP-MS; Instrumental setup for non-matrix-matched age dating and determination of analytical areas using elemental imaging

横山 立憲; 木村 純一*; 三ツ口 丈裕; 檀原 徹*; 平田 岳史*; 坂田 周平*; 岩野 英樹*; 丸山 誠史*; Chang, Q.*; 宮崎 隆*; et al.

Geochemical Journal, 52(6), p.531 - 540, 2018/12

 被引用回数:17 パーセンタイル:64.66(Geochemistry & Geophysics)

We developed a non-matrix matched U-Pb dating method for calcite by using LA-ICP-MS. The excimer LA was set to generate a low-aspect-ratio crater to minimize downhole U-Pb fractionation. We used He sample ablation gas mixed with Ar carrier gas and additional trace N$$_{2}$$ gas to create a robust plasma setup. The use of N$$_{2}$$ additional gas allowed for low oxide molecular yield for high-sensitivity interface cones with the ICP shield electrode disconnected. Moreover, this resulted in robust ICP plasma against different matrixes in LA aerosols owing to efficient dissociation-ionization of the aerosols by increased plasma temperature. The above setup helped accomplish accurate U-Pb dating of calcite samples by using SRM 612 glass as the standard. We applied this method to the following calcite samples: (1) recently-proposed reference material named WC-1 with a determined U-Pb age of 254.6$$pm$$3.2 Ma and (2) a well-preserved fossil specimen of blastoid $$Pentremites$$ sp. with an estimated age of $$sim$$339-318 Ma. The resultant U-Pb ages of the WC-1 and $$Pentremites$$ samples were 260.0$$pm$$6.7 Ma and 332$$pm$$12 Ma, respectively, which indicate accurate U-Pb dating by this method. Before this U-Pb dating, quantitative distribution maps of the U, Th, and Pb isotopes of each sample were obtained using the LA-ICP-MS imaging technique to select suitable areas for dating.

論文

LA-ICP-MS of rare earth elements concentrated in cation-exchange resin particles for origin attribution of uranium ore concentrate

浅井 志保; Limbeck, A.*

Talanta, 135, p.41 - 49, 2015/04

 被引用回数:19 パーセンタイル:58.14(Chemistry, Analytical)

本研究では、ウラン精鉱の産地情報を示す有力な指標となる標準隕石規格化希土類元素存在度パターンの新規分析法を開発した。開発した分析法では、ウラン精鉱中に不純物として存在する希土類元素をイオン交換樹脂中に濃縮させ、固体試料の質量分析を可能とするレーザーアブレーション(LA-)ICP-MSによって測定することで迅速簡便化を達成した。LAでは、ICP-MSの従来測定法である溶液測定法と比べて、主なスペクトル干渉要因となるBaや重希土類の酸化物・水酸化物の生成を効果的に抑制できる。本方法の実試料分析への適用性を実証するため、ウランを主成分とする試料に適用した。LA-ICP-MS測定結果から得られた希土類元素存在度パターンは、従来法による測定結果から得られたパターンと不確かさの範囲内で一致し、本方法によって得られるパターンが正確であることを確認できた。

口頭

起源マグマの化学組成の制約に向けたLA-ICP-MSによるアパタイトの局所Sr同位体分析手法の開発

鏡味 沙耶; 横山 立憲; 笹尾 英嗣; 湯口 貴史*; Chang, Q.*

no journal, , 

花崗岩の割れ目頻度分布は、起源マグマの化学組成が異なる岩相の違いで変化することが報告されており、マグマの組成を区別する指標として、全岩の初生Sr同位体比が有効である。アパタイトは、Rbが不適合元素であるため、そのSr同位体組成は初生的な組成を示す可能性が高い。したがって、本研究では、LA-ICP-MSによるアパタイトの局所Sr同位体分析手法の開発を進めた。脱溶媒した溶液と固体試料をICPへ導入する手法を採用し、溶液の同位体分析から固体試料分析の同位体差別効果の補正を試みた。また、N$$_{2}$$ガスを導入系に混合させるラインを整備し、酸化物生成率の抑制とSrのイオン化効率の向上を図った。アパタイト標準試料を対象に分析した結果、先行研究と整合的な結果が得られた。さらに、これらの試料よりもSr濃度が低く、約100$$mu$$mの粒径をもつ未知試料の分析も可能であることが確認された。開発した手法は、起源マグマの化学組成の違いを評価可能にし、また、化学的・地質学的情報と組み合わせて議論することで、岩相と割れ目の頻度分布の関係性に制約を与えられると考えられる。

口頭

A New quantification method for trace elements using laser ablation-inductively coupled plasma-mass spectrometry

柳澤 華代; 松枝 誠; 古川 真*; 石庭 寛子*; 和田 敏裕*; 平田 岳史*; 高貝 慶隆*

no journal, , 

レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法(LA-ICP-MS)は、他のイメージング分析に比べて高感度だが、目的元素の定量には、マトリックスに適合した認証標準物質(CRMs)が必要である。しかし、生体試料に適したCRMsはほとんど市販されておらず、従来のLA-ICP-MS法では定量が難しい。本研究では、同位体希釈法を組み合わせたデュアルガスフローシステムを利用した。本システムは、アブレーションサンプルとネブライザーで噴霧したスパイク液の2つのエアロゾルが、独自開発のデュアルポートチャンバーを介して混合される。開発した手法を使用して、CRMs中のFeとSrを定量し、認証値と一致した。さらに、定量マッピングへの応用の可能性を示すために、生体試料(歯と耳石)を分析し、従来の化学分析で得られた値と比較した。

口頭

非晶質炭酸カルシウムの結晶化による局所U-Pb年代測定のための標準カルサイトの合成

宮嶋 佑典*; 斉藤 綾花*; 鍵 裕之*; 横山 立憲; 平田 岳史*

no journal, , 

炭酸塩は生物殻や鍾乳石を構成するほか、断層沿いや海底の熱水・冷湧水域で地球史を通じて形成されてきた。炭酸塩の年代測定には、LA-ICP-MSを用いたU-Pb放射年代測定が有効である。この年代測定では、アブレーション時やICP内で起こる元素分別が試料の主成分に応じて異なるため、それを補正するための標準物質が必要である。天然のカルサイト標準物質として、Roberts et al. (2017)によりWC-1が提案されているが、UやPbの濃度, 同位体比が不均質という問題点がある。本研究では、濃度・同位体比が均質なU, Pbを含むカルサイト標準物質の合成を行った。元素を添加した母液から非晶質炭酸カルシウム(ACC)を沈殿させる手法を応用し、UとPbを含む溶液を添加したACCを経ることで、U, Pbが取り込まれたカルサイトを合成した。合成したU, Pb添加カルサイト中の元素の均質性を評価したところ、10点分析の標準偏差でU/Ca比は8%以下、Pb/Ca比は13%以下の均質性があることがわかった。合成カルサイトのU, Pb同位体比の均質性を評価した結果、$$^{207}$$Pb/$$^{206}$$Pb比は1%程度均質である一方、$$^{238}$$U/$$^{206}$$Pb比は3%-11%の不均質があることがわかった。さらに、WC-1の年代測定によってテストを行った結果、参照年代と約3%の精度内で一致する年代値を得た。今後、このU, Pb添加カルサイトの同位体比の正確な値付けを行うことで、少なくとも約10%以内の精度での年代測定が可能と期待される。

口頭

テフロクロノロジーのためのLA-ICP質量分析法による微量元素測定手法の開発

鏡味 沙耶; 横山 立憲

no journal, , 

日本原子力研究開発機構東濃地科学センター土岐地球年代学研究所では、高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する技術開発の一環として、地質環境の長期安定性評価に係る編年技術の整備を進めている。地層処分は、数万年以上の時間スケールで、廃棄物を地下深く埋設し、人間の生活圏から隔離することで安全を確保するものであり、これには地質環境の長期的な将来予測をすることが必要となる。この将来予測のためには、過去から現在の地質環境の長期的変遷を解明する必要があり、時間スケールを与える年代測定技術の整備が必須となる。例えば、ジルコンなどの重鉱物は、U-Pb年代測定をはじめとする年代測定が盛んに行われている。重鉱物の年代測定は、マグマの分化過程といった地下深部の火成活動について知見を与え、さらに、これらの鉱物が砕屑物となって堆積層に取り込まれている場合には、後背地解析に有用な知見を与える。また、テフラ(火山砕屑物)は火山噴火によって地質学的時間としてはごく短時間に広範囲に降り積もることから、地層の対比に広く用いられる。テフラを同定することは、供給源を明らかにし、堆積年代に制約を与えることができる(テフロクロノロジー)。地質環境の長期的な変遷の解明には、このような複合的な年代学的アプローチが重要となる。筆者らは、レーザーアブレーション装置を備えた誘導結合プラズマ質量分析法(LA-ICP-MS)による元素分析や年代測定に関する技術整備を進めている。本発表では、これまで開発を行ってきたテフラ同定のための局所領域における微量元素の定量分析に関して、分析技術の整備・開発の現状と今後の展望について紹介する。

口頭

An Analytical technique for simultaneously estimating crystallization age and temperature of zircon using LA-ICP-MS

横山 立憲; 湯口 貴史*; 坂田 周平*; 石橋 梢*; 小北 康弘*; 伊藤 大智*; 大野 剛*; 鏡味 沙耶; 三ツ口 丈裕; 末岡 茂

no journal, , 

ジルコンの年代測定や微量元素の定量分析から、火成活動や結晶化作用に関するタイミングや温度など生成過程の情報を得ることができる。花崗岩質な岩石においては、ジルコンのU-Pb系の閉鎖温度がその結晶化温度よりも高いため、得られるU-Pb年代はジルコンの結晶化のタイミングを示す。Yuguchi et al (2016)では、ジルコンのカソードルミネッセンスによる内部構造の観察とともに、チタン温度計を用いた結晶化温度の推定とU-Pb年代測定から結晶化年代を求めた。こうしたアプローチから、岩体の定置に関して議論することは、火成岩体の隆起・侵食史を解明する上で重要である。本研究では、ジルコンの結晶化年代と結晶化温度を同時に見積もるため、LA-ICP-MSを用いて、ジルコン中の同一領域からU-Pb年代の取得とチタン濃度の定量を行った。予察的な実験として、大崩, 遠野, 土岐, 黒部川の花崗岩体から抽出したジルコンを対象とし、それらの熱史を推定した。その結果、大崩(556-946$$^{circ}$$C, 11.1-16.1Ma)、遠野(613-901$$^{circ}$$C, 110.2-127.4Ma)、土岐(575-734$$^{circ}$$C, 69.4-79.9Ma)、黒部川(636-779$$^{circ}$$C, 0.46-1.85Ma)のそれぞれの花崗岩体のジルコンの結晶化年代と、結晶化温度を推定できた。

口頭

ジルコンU-Pb年代とチタン濃度の同時取得; 黒部川花崗岩体,土岐花崗岩体,遠野複合深成岩体を用いたアプローチ

石橋 梢*; 坂田 周平*; 横山 立憲; 伊藤 大智*; 小北 康弘; 八木 公史*; 大野 剛*; 湯口 貴史*

no journal, , 

本研究では、ジルコンのU-Pb年代とチタン濃度の同時定量分析手法を構築し、その手法を黒部川花崗岩体・遠野複合深成岩体・土岐花崗岩体に適用し、手法の妥当性と温度・時間履歴を論じる。U-Pb年代からはジルコンの結晶化年代、チタン濃度からは結晶化温度を導出することができる。結晶中の同一地点から得られた年代・温度の情報をカソードルミネッセンス像観察から推測される内部構造と関連付けることで、単一のジルコンから岩体の温度・時間履歴(冷却プロセス)を議論することができる。このように得られる冷却プロセスは隆起・侵食史の解明にも寄与する。レーザーアブレーション試料導入を備えた誘導結合プラズマ質量分析法による分析には、日本原子力研究開発機構東濃地科学センターのAnalyteG2及びAgilent7700を用いた。$$^{49}$$Tiを分析対象とすることで、同じ質量電荷比をもつイオンの干渉を防ぎチタン定量の信頼性を確保した。分析の結果、U-Pb年代は全ての分析点において年代値を取得することができた(黒部川花崗岩体; 8.88$$pm$$1.20Maから0.45$$pm$$0.35Ma、土岐花崗岩体: 80.72$$pm$$5.11Maから69.41$$pm$$7.29Ma、遠野複合深成岩体: 127.41$$pm$$7.39Maから110.23$$pm$$6.46Ma)。チタン濃度の定量では、濃度が低いことが原因で、黒部川花崗岩体で全23点中20点、土岐花崗岩体で全26点中10点が定量下限を下回る値を示した(定量下限: 1.92-3.35ppm、ガスブランク値の標準偏差の10倍として計算)。一方、遠野複合深成岩体は他2岩体よりもジルコンのチタン濃度が高く、全25点中定量下限を下回ったものは1点のみであった。各岩体の年代値は既存研究のデータと整合的であった。また、遠野複合深成岩体から得られた温度・時間履歴は、約900$$^{circ}$$Cから620$$^{circ}$$Cへ急冷する挙動を示した。このようにチタン濃度が十分に高いことが期待できるジルコンにおいては、本研究の分析条件でU-Pb年代とチタン濃度の同時定量が可能である。

口頭

核鑑識のためのLA-ICP-MSによるウラン試料中希土類元素の存在度パターンの測定

浅井 志保; Limbeck, A.*

no journal, , 

核セキュリティー強化策の1つとして位置付けられる「核鑑識」では、発見・押収された核物質の産地や移送ルート等の特定に必要な科学的証拠を蓄積する目的で、核物質の物理化学的性状を分析する。本研究では、ウラン産地に特徴的な不純物存在度パターンを示す希土類元素に着目し、LA-ICP-MSによって迅速に存在度パターンを測定する手法を検討した。測定用試料は、ウラン標準液中に不純物として含まれる希土類元素を陽イオン交換樹脂粒子に濃縮することにより調製した。得られたシグナルは、ガスブランクの減算、相対感度の補正、およびウランによる干渉の補正の後、標準隕石C1コンドライトにおける希土類元素の相対比で規格化して希土類元素存在度パターンとした。共存元素を除去した希土類元素化学分離後試料の溶液測定(従来法)から得られた存在度パターンとLAで得られたパターンは不確かさの範囲内で一致したことから、LA-ICP-MSによって、希土類元素の化学分離操作を経ることなく迅速かつ正確に希土類元素存在度パターンが得られることを実証できた。

口頭

難分析核種のダイレクト定量イメージング分析法の開発

柳澤 華代; 松枝 誠; 古川 真*; 平田 岳史*; 高貝 慶隆*

no journal, , 

福島第一原子力発電所の廃止措置において、燃料デブリや放射性廃棄物などの放射性核種分析はそれらの処理処分方法の検討や炉内状況把握のために重要である。Sr-90などの難分析核種は従来、放射能分析法や誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)により定量されてきたが、固体試料を分析する際、前処理において試料を溶解して溶液とするため、固体試料の表面に付着する分析対象物の分布情報が完全に失われる欠点があった。レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法(LA-ICP-MS)は固体試料を直接分析可能な分析法であるが、妨害元素による質量スペクトル干渉の問題や試料組成の違いによってアブレーションされる試料量が変わるマトリックス効果の問題のため、LA-ICP-MSを定量分析として用いることは非常に困難だった。これらの問題を克服するため、本研究では同位体希釈法に基づく新しいLA-ICP-MS定量法を開発した。さらに、この方法の有用性を示すため、Sr-90の定量イメージング分析に適用した。

口頭

ジルコンU-Pb年代とチタン濃度の同時定量分析; 大崩山花崗岩体への適用

伊藤 大智*; 石橋 梢*; 坂田 周平*; 横山 立憲; 小北 康弘; 八木 公史*; 大野 剛*; 湯口 貴史*

no journal, , 

本研究では、3岩相から構成される大崩山花崗岩体(黒雲母花崗岩・ホルンブレンド黒雲母花崗岩・ホルンブレンド黒雲母花崗閃緑岩)に対して、ジルコンのカソードルミネッセンス像観察に基づく成長構造の分類およびレーザーアブレーション試料導入を備えた誘導結合プラズマ質量分析法による同一分析地点におけるジルコンU-Pb年代およびチタン濃度の同時定量分析を実施した。U-Pb年代からはジルコンの結晶化年代、チタン濃度からはTi-in-zircon温度計を用いることで結晶化温度を導出できる。この結果から大崩山花崗岩体の温度・時間履歴(冷却プロセス)を論じた。このように得られる冷却プロセスは隆起・侵食史の解明にも寄与する。LA-ICP-MSによる分析には学習院大学のNd:YAGレーザーアブレーション装置(NWR-213)およびトリプル四重極ICP-MS(Agilent8800)を組み合わせたものである。本研究では分析条件を検討し、$$^{48}$$Ti$$^{+}$$が同じ質量電荷比のイオンとの干渉を防ぐために、O$$_{2}$$ガスをリアクションガスとして用いた。それにより、プロダクトイオンとして$$^{48}$$Ti$$^{16}$$O$$^{+}$$が生成され、質量電荷比を変化させ、干渉イオンの除去が可能となる。分析の結果、大崩山花崗岩の3岩相においてU-Pb年代およびチタン濃度が得られ、年代値は大崩山花崗岩体の既存研究や新規に所得した黒雲母K-Ar年代と整合的であった。黒雲母花崗岩の試料から14.6$$pm$$1.1Maから11.8$$pm$$1.3Maの年代値、2.1$$pm$$0.1ppmから27.9$$pm$$1.4ppmのチタン濃度を得た。チタン濃度から得られた結晶化温度は、620-850$$^{circ}$$Cを示した。得られた温度・時間履歴では、岩相間でマグマの冷却プロセスに大きな差異は認められず、ジルコンの冷却温度から黒雲母のK-Arの閉鎖温度までマグマ溜まりの急冷が生じていることが解明された。

口頭

REE pattern profiling with LA-ICP-MS using REE-adsorbed resin particles for nuclear forensics

浅井 志保; Limbeck, A.*

no journal, , 

Impurity patterns of rare earth elements (REEs) are expected to remain invariable when the materials undergo industrial processes owing to the similarity in their chemical properties to each other. Therefore, the REE patterns in a uranium material can be used to make conclusions about the origin of uranium. ICP-MS has been widely applied to the REE measurements because highly sensitive and multi-element measurement is available. In this study, a solid sample introduction technique with laser ablation (LA) has been applied to minimize the preparation procedure of the ICP-MS measurement for obtaining the REE patterns. Cation-exchange resin particle was employed as a substrate to preconcentrate the REEs on solid phase. The count ratios of the REEs in the REE-adsorbed resin particles obtained by the LA-ICP-MS give close agreement with the concentration ratios of the REEs in the elemental ratios in the initial REE solution.

口頭

ジルコンU-Pb年代とLu-Hf同位体系からみた飛騨帯の起源

長田 充弘*; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 大藤 茂*

no journal, , 

飛騨帯は中部日本北部に分布するペルム紀$$sim$$三畳紀高温変成岩とペルム紀$$sim$$ジュラ紀深成岩からなる地質帯である。飛騨帯の深成岩類は256-229Maの飛騨古期花崗岩類と197-191Maの飛騨新期花崗岩類に分けられる。東アジア周辺で上記のU-Pb年代を示す花崗岩類は、韓半島南部周辺(北中国地塊)と中国東北部周辺(中央アジア造山帯: CAOB)に限られる。飛騨帯の起源や周辺の地質体の広域対比には、岩相や年代、変形・変成履歴に基づいて議論されている。U-Pb年代による議論に加え、ジルコンのLu-Hf同位体系に着目することで、マントルから地殻が分化した年代にまで制約することができる。本研究では、ジルコンを用いたU-PbとLu-Hf同位体系から飛騨帯の起源について考察した。測定試料は富山県富山市八尾地域の久婦須川と大長谷川(室牧川)沿いの飛騨帯花崗岩2試料である。ジルコンU-Pb年代とLu-Hf同位体比の測定はレーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析装置を用いた。ジルコンU-Pb年代測定より得られた結果から、富山県八尾地域の花崗岩はジュラ紀飛騨新期花崗岩類に相当する。この結果は山田ほか(2019)より得られた飛騨帯花崗岩類のジルコンU-Pb年代測定結果(190-180Ma)と矛盾しない。ただし、外来ジルコンとして、ペルム紀$$sim$$三畳紀の飛騨古期花崗岩類に相当する年代も確認される。これらがどのようにジュラ紀花崗岩に混入したのかは今後検討を要する。飛騨帯のデータはYang et al. (2006)がコンパイルした北中国地塊の領域にはほとんどプロットされず、CAOBにプロットされる。さらに飛騨花崗岩類より得られたモデル年代(1330-1020Ma)は韓半島のGyeonggiおよびOkcheon帯の花崗岩(187-172Ma)のモデル年代(2400-1630Ma)より有意に若く、寧ろCAOB東部(Khanka地塊などを含む)の花崗岩類(245-189Ma)のモデル年代(1541-466Ma)と整合的である。これらの事実は飛騨帯がCAOBに起源をもつことを支持する。しかしながら、飛騨帯深成岩類の一部からは古原生代以前のジルコンも報告されており、それらのジルコンの存在から北中国地塊が起源であると解釈されている。今後、それらのHf同位体比の測定を試み、飛騨帯の起源についてさらに検討したい。以上に示したように、今後ジルコンU-Pb年代測定のみならず、Hf同位体比測定も行うことによって、火成岩の起源推定や砕屑岩の後背地解析がより詳細に解析できるようになるであろう。

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