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報告書

直流アーク放電型プラズマ中性化セルの開発

柏木 美恵子; 奥村 義和; 花田 磨砂也; 森下 卓俊; 渡邊 和弘; 折田 善崇*; 堀池 寛*; 井門 俊治*

JAERI-Tech 2001-046, 19 Pages, 2001/06

JAERI-Tech-2001-046.pdf:1.79MB

負イオンビームを用いた中性粒子入射装置の高効率化にために、中性化効率が60%である現在のガス中性化セルに対し80%以上となるプラズマ中性化セルの開発が重要である。本研究ではプラズマ中性化セルの実現に向けて、アーク放電型の円筒形多極磁場型大容量プラズマ源(長さ2000mm$$times$$直径600mm)を設計製作し、プラズマ生成実験を行った。プラズマの閉じ込め性能比較のために小型の円筒形プラズマ源での試験も実施した。その結果、閉じ込め性能の高いプラズマ源では低ガス圧で電離度の高いプラズマが得られることが確認され数値解析による傾向と一致した。さらに高電離プラズマ生成を目指してアルゴンプラズマ生成実験を行い、中性化実験に必要な電離度(10%)とプラズマ線密度(4.5$$times$$10$$^{15}$$cm$$^{-2}$$)を得た。また、アークパワー30kW,0.027Paにおいて17%の電離度を得た。

論文

Negative hydrogen ion source for tokamak neutral beam injector

奥村 義和; 藤原 幸雄; 柏木 美恵子; 北川 禎*; 宮本 賢治; 森下 卓俊; 花田 磨砂也; 高柳 智弘; 谷口 正樹; 渡邊 和弘

Review of Scientific Instruments, 71(2), p.1219 - 1224, 2000/02

 被引用回数:37 パーセンタイル:83.83(Instruments & Instrumentation)

核融合実験炉用の中性粒子入射装置のために、MeV級のエネルギーで数十MWという大出力負イオンビームが要求されている。国際協力のもとで6年間に及び研究開発を進めた結果、最大の課題であった1MeVの加速を実証するとともに、JT-60用負イオン源において世界最大出力の負イオンビーム(360keV,18.5A,6.7MW)の生成に成功した。負イオン源の長パルス化においても、140時間の連続運転を行い、フィラメントの寿命やセシウムの消費量においても十分に実用に耐えることを実証した。

論文

Development of a 500 keV, 22A D$$^{-}$$ ion source for the neutral beam injector for JT-60U

奥村 義和; 藤原 幸雄; 本田 敦; 井上 多加志; 栗山 正明; 宮本 賢治; 宮本 直樹*; 藻垣 和彦; 永瀬 昭仁*; 小原 祥裕; et al.

Review of Scientific Instruments, 67(3), p.1018 - 1020, 1996/03

 被引用回数:29 パーセンタイル:86.20(Instruments & Instrumentation)

JT-60U用負イオン中性粒子入射装置のために、500keV、22Aの重水素負イオンビームを10秒間発生できる大型負イオン源の開発を進めている。負イオンはセシウム添加体積生成型のプラズマ源で生成され、110cm$$times$$45cmの引き出し領域に1080個の電極孔を持つ多孔型3段加速系で500keVまで加速される。全体のサイズは直径約2m、高さ1.7mである。テストスタンドでの負イオン生成試験と高電圧試験を済ませた後、負イオン源は中性粒子入射装置全体に装着され、500keVビーム生成試験に供されている。これまでに、340keV 3.6A(1.2MW)の重水素負イオンビームとしては世界最高の電流値とパワーを記録した。

論文

Development of a high brightness negative hydrogen ion source

小栗 英知; 奥村 義和; 宮本 直樹*; 草野 譲一; 水本 元治

Review of Scientific Instruments, 67(3), p.1051 - 1053, 1996/03

 被引用回数:1 パーセンタイル:23.44(Instruments & Instrumentation)

原研では、加速エネルギー1.5GeV、平均ビーム電流10mAの性能を有する大強度陽子加速器の建設を計画している。本加速器を用いて中性子基礎科学実験を行うために、ビーム貯蔵リングを加速器後段に設ける必要がある。そのため当研究室では、負水素イオンビームを生成するイオン源の開発に着手している。現在開発中の負水素イオン源は、体積生成型と呼ばれるもので、少量のセシウムをプラズマ生成室内に導入することで、高密度の負水素プラズマを生成する。また、7個のビーム引き出し孔から引き出されるイオンビームを静電レンズ効果によって、ある一点に集束させるという比較的新しい技術を用いることで、高輝度のビーム引き出しを目指す。本イオン源は、既に製作を終え、間もなくビーム引き出し実験を開始する予定である。

論文

Correlation between negative hydrogen ion production and work function of plasma grid in a cesium-introduced volume-production-type negative hydrogen ion source

神藤 勝啓*; 奥村 義和; 安藤 俊光*; 和田 元*; 津田 博*; 井上 多加志; 宮本 賢治; 永瀬 昭仁*

Japanese Journal of Applied Physics, 35(3), p.1894 - 1900, 1996/00

 被引用回数:20 パーセンタイル:67.98(Physics, Applied)

体積生成型負イオン源において、プラズマ電極の仕事関数と負イオン引き出し電流の関数を実験的に調べた。セシウム添加した際の負イオン電流の増分は、仕事関数の減少とともに指数関数的に増大する。この実験的事実は、表面生成された負イオンが、プラズマ中の水素原子の温度に相当するエネルギーをもって表面から脱離すると仮定したモデルでは説明できない。負イオンが熱運動エネルギーよりも大きな運動エネルギーをもって生成されると仮定すれば、実験結果を良く説明することができる。

論文

Multi-ampere D$$^{-}$$ ion source for negative-ion-based neutral beam injector

奥村 義和; Fumelli, M.*; 花田 磨砂也; Jequier, F.*; Pamela, J.*; 渡邊 和弘

Fusion Technology 1992, Vol.1, p.594 - 598, 1994/00

セシウム添加型体積生成負イオン源を用いて、アンペア級の重水素負イオンビームの生成に成功した。負イオンは直径34cm、長さ129cmの半円筒形の多極磁場プラズマ源中で生成され、120cm$$times$$6cmの領域に1cm$$^{2}$$の引き出し孔240個をもつ多孔型電極によって100keVまで加速された。加速された重水素負イオンビームは、狭い中性化セル(3m下流で幅13cm)を通過した後、ターゲットにおいて熱的に電流値が測定された。ビーム電流はアーク電流に比例して増加し、最大100keV、2.2A、5秒の重水素負イオンビームが得られた。これは重水素負イオンビームとして世界最高値である。

論文

Negative ion based neutral beam injector for JT-60U

奥村 義和; 荒木 政則; 花田 磨砂也; 井上 多加志; 国枝 俊介; 栗山 正明; 松岡 守; 水野 誠; 小原 祥裕; 田中 政信*; et al.

Production and Neutralization of Negative Ions and Beams; AIP Conference Proceedings 287, p.839 - 848, 1994/00

JT-60Uのための、負イオンを用いた中性粒子入射装置(NBI)の設計と開発の現状について解説する。このNBIは500keV、22Aの重水素負イオンビームを発生できる負イオン源2台を用いて、10MWの中性粒子ビームを入射するものであり、世界で初めての負イオンNBIである。負イオン源は、セシウム添加型体積生成方式であり、広い範囲に一様に負イオンを生成するため、原研で開発したPGフィルターを用いている。また、3段の静電加速系を用いて、負イオンのみを収束性良く加速する設計となっている。加速された負イオンは、ガス中性化された後、長いビームラインを通して入射される。システムの全体効率は、40%である。

論文

中性粒子入射装置用の500keV、22A重水素負イオン源の開発

奥村 義和; 花田 磨砂也; 井上 多加志; 前野 修一*; 宮本 賢治; 水野 誠; 小原 祥裕; 田中 政信*; 渡邊 和弘

第4回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム, p.51 - 54, 1993/00

JT-60U用の負イオンNBIのためには、500keV,22Aの重水素負イオンビームを10秒間発生できる負イオン源が必要である。これは、世界で初めての負イオンNBI用のイオン源であり、その性能は従来のイオン源を遙かに凌ぐものである。負イオン源の設計と、設計に関連した最近の研究開発の結果について述べる。

論文

Long pulse operation of a cesium-seeded multicusp H$$^{-}$$ ion source

奥村 義和; 花田 磨砂也; 井上 多加志; 水野 誠; 小原 祥裕; 鈴木 靖生*; 田中 秀樹*; Tanaka, M.*; 渡邊 和弘

Review of Scientific Instruments, 63(4), p.2708 - 2710, 1992/04

 被引用回数:24 パーセンタイル:86.49(Instruments & Instrumentation)

冷却構造を改良した大型の負イオン源を用いて、最大24時間の長パルスの負イオンビームを生成した。用いた負イオン源はセシウム添加された体積生成型負イオン源であり、10cm$$times$$9cmの領域に11.3mm$$phi$$の引き出し孔38個をもつ。各電極の熱負荷を測定し、最適化された状態で50keV、0.52A(14mA/cm$$^{2}$$)、1000秒の運転を行った。その間、負イオンビーム電流は一定であり、ビーム光学の悪化もなかった。更にセシウムの消費量を調べるため、約100mgのセシウムを注入した状態で24時間の長パルス運転を行い、セシウムの効果がわずかに減少しながらも持続すること(即ち、セシウムの消費量は極めて少いこと)を確認した。

論文

Effect of filament material and area on the extracted current from a volume H$$^{-}$$ ion source

井上 多加志; 松田 恭博*; 小原 祥裕; 奥村 義和; M.Bacal*; P.Berlemont*

Plasma Sources Sci. Technol., 1, p.75 - 81, 1992/00

 被引用回数:14 パーセンタイル:50.93(Physics, Fluids & Plasmas)

体積生成型負イオン源において、アーク放電の陰極であるフィラメント材料とその本数を変えて、負イオン引き出し実験を行った。その結果、1)タンタル製フィラメントによりタングステンフィラメント使用時より負イオン電流を50%増大させうること、2)フィラメント本数が少ないほど高い負イオン電流が得られること、が判明した。これらの結果は、イオン源アーク放電室の壁面に蒸着したフィラメント材料の新鮮な蒸着膜が負イオン生成に影響を及ぼすことを示している。負イオン生成過程のシミュレーションから、フィラメント材料の違いによる負イオン生成量の変化は、壁に蒸着したフィラメント材料の被膜上での水素原子の再結合係数の差に帰因すると考えられる。

論文

Development of a high current H$$^{-}$$/D$$^{-}$$ ion source

奥村 義和

Proc. of the 1st Meeting on the Ion Engineering Society of Japan, p.23 - 30, 1992/00

近年、核融合プラズマの中性粒子入射加熱技術開発の一環として、大電流の負イオンビームを発生する技術が大きく進展している。現在では、アンペア級の水素や重水素の負イオンビームを準定常的に発生することが可能である。これらの大電流負イオン源の開発の現状と将来計画について解説する。

論文

Reduction of the operating gas pressure in a cesium-seeded large multicusp H$$^{-}$$ ion source

奥村 義和; 花田 磨砂也; 井上 多加志; 水野 誠; 小原 祥裕; Pamela, J.*; 鈴木 靖生*; 田中 秀樹*; 渡邊 和弘

Production and Application of Light Negative Ions, p.35 - 40, 1991/00

ソースプラズマの閉じ込めを改善した大型負イオン源にごく少量のセシウムを添加することにより、負イオン源の運転ガス圧を大きく低下させることに成功した。体積生成型負イオン源においては、負イオン電流値を最大にする最適な運転ガス圧が存在し、それ以下のガス圧では負イオン電流値は急激に減少してしまう。しかしながらプラズマの閉じ込めを改善し、かつ、セシウムを添加することにより、最適ガス圧を1~2Paから、0.4Pa程度に、また負イオン電流が70%低下することを許容すれば、0.03Paまで下げることが出来た。この超低ガス圧の領域では、対電は蒸発したごく少量のセシウムにより維持されていることがわかった。

論文

Effect of cesium vapor injection in a large volume H$$^{-}$$ ion source

奥村 義和; 花田 磨砂也; 井上 多加志; 小島 啓明; 松田 恭博*; 渡邊 和弘

Proc. of the 13th Symp. on Ion Sources and Ion-Assisted Technology,I, p.149 - 152, 1990/06

体積生成型負イオン源の水素負イオン生成率は、ごく少量のセシウム蒸気を注入することによって大幅に高められる。この効果を、大型のマルチカスププラズマ源を持つイオン源を用いて詳細に調べた。その結果、この効果はプラズマ電極面上における負イオンの表面生成が主たる原因であることがわかった。

報告書

水素負イオンビーム中の不純物測定

奥村 義和; 花田 磨砂也; 小島 啓明; 松田 恭博*; 大原 比呂志

JAERI-M 89-090, 14 Pages, 1989/07

JAERI-M-89-090.pdf:0.8MB

負イオンビーム中に含まれる不純物イオンを、磁場質量分析器と分光器を用いて測定した。体積生成型負イオン源からの水素負イオンビーム中には、O$$^{-}$$、OH$$^{-}$$、O$$_{2-}$$の不純物負イオンがあるが、それらの量は1%以下である。イオン源のプラズマ密度が高くなると、解離が進むためにOH$$^{-}$$イオンは減少し、O$$^{-}$$イオンが増加する。質量分析器をM=200まで掃引したが、金属負イオンは観測されなかった。

論文

A high current volume H$$^{-}$$ion source with multi-aperture extractor

奥村 義和; 堀池 寛; 井上 多加志; 倉島 徹; 松田 慎三郎; 小原 祥裕; 田中 茂

4th Int.Symp.on Production and Neutralization of Negative Ions and Beams, p.309 - 318, 1987/00

1A以上の水素負イオンを発生できる体積生成型負イオン源について述べる。水素負イオンは磁気フィルター付の多極プラズマ源にて生成され、4枚の電極から成る多孔型加速管により引き出され加速される。各電極は12$$times$$26cm$$^{2}$$の領域に9mm$$^{phi}$$の孔を209個有する(総引き出し面積133cm$$^{2}$$) カロリメータを用いた熱的な測定により、最大、1.26A、21keVの水素負イオンビームが生成されている事を確認した。また、質量分析によれば、ビーム中の不純物は数%以下であった。

報告書

Development of a Volume H$$^{-}$$ Ion Source for Neutral Beam Injector

奥村 義和; 小原 祥裕; 堀池 寛; 柴田 猛順

JAERI-M 84-098, 23 Pages, 1984/05

JAERI-M-84-098.pdf:0.82MB

磁気多極プラズマ源に於て、体積生成される水素負イオンの生成効率が、磁場配位、プラズマ密度、ガス圧、電子温度等の関数として調べられた。最適条件のもとで、6mAの水素負イオンが、エネルギー10KeV、電流密度12mA/cm$$^{2}$$で引き出された。プラズマ源のガス圧は、0.5Paと低い。引き出された負イオン電流値は、熱的な測定によっても確認された。

報告書

水銀ピクノメトリーによるThO$$_{2}$$および(Th,U)O$$_{2}$$微小球のかさ密度の高精度測定

山岸 滋; 高橋 良寿; 柴 是行

JAERI-M 83-168, 20 Pages, 1983/11

JAERI-M-83-168.pdf:0.8MB

水銀ピクノメトリーにより粒状試料体積を高精度で測定するために開発した特殊比重びんおよび水銀量補正方法を用いてのThO$$_{2}$$、(Th、U)O$$_{2}$$燃料核のかさ密度測定について述べている。また、密度の算出に用いる個々の測定値の誤差を評価し、それらの伝播について計算値と実験値との対応についてもふれている。本法による体積測定精度は0.0001cm$$^{3}$$であり、密度約10g/cm$$^{3}$$のThO$$_{2}$$、(Th,U)O$$_{2}$$燃料核の場合、1.5gの試料でも0.01g/cm$$^{3}$$以内の精度で密度測定が可能であった。この高精度測定の結果、製造バッチでの密度変動が測定でき、相対密度の低い試料ほど変動が大きいことがわかった。

口頭

Advanced nuclear and renewables in Japan

早船 浩樹

no journal, , 

持続可能性のある社会の構築、エネルギーの脱炭素化の実現のためには、原子力と再生可能エネルギーのシナジーが重要である。重要な観点としては、(1)原子力の持続的利用のための放射性廃棄物の減容・有害度低減技術の開発、(2)原子力と再生可能エネルギーを統合的に利用するエネルギーシステムの開発、である。さらに、(3)原子力エネルギー利用以外の利用を進めることは、原子力のユビキタス化のために重要である。これらの研究開発にJAEAは取り組む。

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