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山崎 誠子*; Zwingmann, H.*; 山田 国見*; 田上 高広*; 梅田 浩司
Chemical Geology, 351, p.168 - 174, 2013/08
被引用回数:27 パーセンタイル:59.57(Geochemistry & Geophysics)断層帯の形成について時間的制約を与えることは、構造発達史を理解するうえで重要である。土岐花崗岩の断層ガウジに含まれる粘土鉱物のイライトを対象に、粒度ごとにK-Ar年代測定を実施した。その結果、より細粒の試料でより新しい年代値が得られ、細粒の試料には自生の結晶がより多く含まれていることが示唆された。0.1m未満の粒子の年代値は42.7
46.5Maを示しており、母岩の冷却史におけるイライトの安定領域と脆性破壊の温度領域とに一致する結果が得られた。
浅森 浩一; 丹羽 正和; 花室 孝広; 山田 国見; 草野 友宏; 幕内 歩; 高取 亮一; 國分 陽子; 松原 章浩; 石丸 恒存; et al.
JAEA-Research 2012-024, 132 Pages, 2012/09
本報は、深地層の科学的研究のうち、「地質環境の長期安定性に関する研究」について、第2期中期計画期間(平成22年度平成26年度)の2年目である平成23年度に実施した研究開発にかかわる成果を取りまとめたものである。第2期中期計画期間においても第1期中期計画に引き続き、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針などの検討・策定に研究成果を反映できるよう、(1)概要調査などに必要となる、自然現象に関する過去の記録や現在の状況を調査するための体系的な技術の整備(調査技術の開発・体系化)、(2)変動シナリオを考慮した安全評価の基盤となる、将来の自然現象に伴う地質環境の変化を予測・評価するための手法の整備(長期予測・影響評価モデルの開発)のほか、(3)最先端の分析装置などを用いた放射年代測定や鍵層の高分解能同定法などによる編年技術の高度化(年代測定技術の開発)を進めている。本報では、それぞれの研究分野にかかわる科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果及び今後の課題などについて述べる。
浅森 浩一; 丹羽 正和; 花室 孝広; 山田 国見; 草野 友宏; 幕内 歩; 高取 亮一; 國分 陽子; 石丸 恒存; 梅田 浩司
JAEA-Review 2012-024, 44 Pages, 2012/07
本計画書は、高レベル放射性廃棄物の地層処分における地質環境の長期安定性に関する研究についての第2期中期計画期間(平成22年度平成26年度)における平成24年度の研究開発計画である。本計画の策定にあたっては、「地質環境の長期安定性に関する研究」基本計画-第2期中期計画に基づき、第1期中期計画期間(平成17年度
平成21年度)における研究成果、平成22年度及び平成23年度の研究成果、関係研究機関の動向や大学などで行われている最新の研究成果、実施主体や規制機関からのニーズなどを考慮しつつ策定した。研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針などの検討・策定に研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進していく。
山田 国見; 安江 健一; 岩野 英樹*; 山田 隆二*; 梅田 浩司; 小村 健太朗*
地質学雑誌, 118(7), p.437 - 448, 2012/07
上下変位を伴うA級の活断層である阿寺断層の周辺から採取された地表・ボーリングコア試料に対してフィッション・トラック分析を行い、上下変位量と活動開始時期を推定した。その結果、白亜紀以降の上下変位量は約1kmであり、基盤岩や地形的な変位量と変わらないことが明らかになった。これは阿寺断層の現在の活動様式が鮮新世末以降に開始したという従来の見解と整合的である。また、破砕帯内の地表・ボーリングコア試料から20Ma頃に破砕帯内で断層に沿って広い範囲で加熱があったことが明らかになった。これはこの時期には既に破砕帯が存在し、おそらく断層運動が始まっていたことを示す。
山田 国見; 花室 孝広; 田上 高広*; 島田 耕史; 高木 秀雄*; 山田 隆二*; 梅田 浩司
Journal of Asian Earth Sciences, 45(2), p.17 - 23, 2012/02
被引用回数:5 パーセンタイル:12.75(Geosciences, Multidisciplinary)断層起源シュードタキライトは過去の地震活動によって生じた脈状岩石であり、その熱史は断層の活動性の時間変化を反映している。三重県多気地域から得られた領家花崗岩中のシュードタキライトの熱史を明らかにするため(U-Th)/He年代測定を行った結果、シュードタキライトと約10cm近傍の原岩からそれぞれ60.32.7, 55.5
4.5(1SE)Maを得た。これらは本地域の冷却史を示すとともに、既に得られたシュードタキライトのFT年代と一致することからシュードタキライト生成時の環境温度が180
C程度であったことが放射年代学的に明らかになった。この温度は鉱物学的に推定された値とも矛盾しない。これらの研究成果は熱年代学的アプローチによる断層岩の解析によりその活動性の評価が可能となることを示唆する。
安江 健一; 浅森 浩一; 谷川 晋一; 山田 国見; 山崎 誠子; 國分 陽子; 丹羽 正和; 道家 涼介; 草野 友宏; 花室 孝広; et al.
JAEA-Research 2011-023, 113 Pages, 2011/10
本報は、深地層の科学的研究のうち、「地質環境の長期安定性に関する研究」について、第2期中期計画期間(平成22年度平成26年度)の初年度である平成22年度に実施した研究開発にかかわる成果を取りまとめたものである。第2期中期計画期間においても第1期中期計画に引き続き、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針などの検討・策定に研究成果を反映できるよう、(1)概要調査などに必要となる、自然現象に関する過去の記録や現在の状況を調査するための体系的な技術の整備(調査技術の開発・体系化)、(2)変動シナリオを考慮した安全評価の基盤となる、将来の自然現象に伴う地質環境の変化を予測・評価するための手法の整備(長期予測・影響評価モデルの開発)のほか、(3)最先端の分析装置などを用いた放射年代測定や鍵層の高分解能同定法などによる編年技術の高度化(年代測定技術の開発)を進めている。本報では、それぞれの研究分野にかかわる科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果及び今後の課題などについて述べる。
安江 健一; 浅森 浩一; 草野 友宏; 國分 陽子; 谷川 晋一; 丹羽 正和; 花室 孝広; 山崎 誠子; 山田 国見; 石丸 恒存; et al.
JAEA-Review 2011-023, 43 Pages, 2011/07
本計画書は、高レベル放射性廃棄物の地層処分における地質環境の長期安定性に関する研究についての第2期中期計画期間(平成22年度平成26年度)における平成23年度の研究開発計画である。本計画の策定にあたっては、「地質環境の長期安定性に関する研究」基本計画-第2期中期計画に基づき、第1期中期計画期間(平成17年度
平成21年度)における研究成果、平成22年度の研究成果、関係研究機関の動向や大学などで行われている最新の研究成果、実施主体や規制機関からのニーズなどを考慮しつつ策定した。研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針などの検討・策定に研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の3つの枠組みで研究開発を推進していく。
草野 友宏; 浅森 浩一; 黒澤 英樹; 國分 陽子; 谷川 晋一; 根木 健之; 花室 孝広; 安江 健一; 山崎 誠子; 山田 国見; et al.
JAEA-Research 2010-044, 153 Pages, 2011/01
本報は、深地層の科学的研究のうち、「地質環境の長期安定性に関する研究」について、第1期中期計画期間の5か年(2005年度2009年度)に実施した研究開発にかかわる成果を取りまとめたものである。第1期中期計画では、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針などの検討・策定に研究成果を反映できるよう、(1)概要調査などに必要となる、自然現象に関する過去の記録や現在の状況を調査するための体系的な技術の整備(調査技術の開発・体系化)、(2)変動シナリオを考慮した安全評価の基盤となる、将来の自然現象に伴う地質環境の変化を予測・評価するための手法の整備(長期予測・影響評価モデルの開発)のほか、(3)最先端の分析装置などを用いた放射年代測定や鍵層の高分解能同定法などによる編年技術の高度化(年代測定技術の開発)を進めてきた。本報では、それぞれの研究分野にかかわる科学的・技術的背景を解説するとともに、設定した研究課題に対してこれまでに実施してきた内容,主な研究成果及び今後の課題などについて述べる。
安江 健一; 浅森 浩一; 山田 国見; 國分 陽子; 山崎 誠子; 黒澤 英樹; 谷川 晋一; 根木 健之; 草野 友宏; 花室 孝広; et al.
JAEA-Review 2010-034, 42 Pages, 2010/09
本計画書は、高レベル放射性廃棄物の地層処分における地質環境の長期安定性に関する研究についての第2期中期計画期間(平成22年4月平成27年3月)の初年度である平成22年度の研究開発計画である。本計画の策定にあたっては、「地質環境の長期安定性に関する研究」基本計画-第2期中期計画をベースに、第1期中期計画期間(平成17年4月
平成22年3月)における研究成果,関係研究機関の動向や大学などで行われている最新の研究,実施主体や規制機関からのニーズなどを考慮したうえで策定した。研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針などの検討・策定に研究成果をタイムリーに反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化,(2)長期予測・影響評価モデルの開発,(3)年代測定技術の開発の3つの枠組みで研究開発を推進していく。
梅田 浩司; 石丸 恒存; 安江 健一; 浅森 浩一; 山田 国見; 國分 陽子; 花室 孝広; 谷川 晋一; 草野 友宏
JAEA-Review 2010-030, 48 Pages, 2010/09
本計画書は、深地層の科学的研究のうち、地質環境の長期安定性に関する研究における今後5か年(第2期中期計画期間、2010年2014年)の基本計画である。本計画の策定にあたっては、関係研究機関の動向や大学などで行われている基礎研究を精査したうえで、関係法令や報告に留意しつつ、研究の基本的な考え方,研究開発の方向性,研究課題,達成目標,推進方策などを取りまとめた。さらに、実施主体や規制機関のさまざまなニーズのうち重要性と緊急性を考慮して研究計画の重点化を図った。なお、第2期中期計画では、調査技術の開発・体系化,長期予測・影響評価モデルの開発,年代測定技術の開発の3つの枠組みで研究開発を推進していく。
草野 友宏; 浅森 浩一; 黒澤 英樹; 谷川 晋一; 二ノ宮 淳; 根木 健之; 花室 孝広; 安江 健一; 山田 国見; 石丸 恒存; et al.
JAEA-Research 2009-072, 72 Pages, 2010/03
我が国は変動帯に位置しており、安定大陸に位置する欧米諸国に比べて、地震や火山活動などが活発である。地層処分においては、まず安定な地質環境を選んだうえで、そこに適切な多重バリアシステムを構築することが、安全確保の基本的な考え方である。このため、地質環境の長期安定性に関する研究においては、地層処分の場としての地質環境に重要な変化をもたらす可能性のある地震・断層活動,火山活動,隆起・侵食,気候・海水準変動などの天然現象に着目して、それらの有無や程度が文献から明らかでない場合に適用する調査技術や、それらが地質環境に及ぼす影響を評価するための調査技術・解析手法にかかわる研究開発を進めている。平成20年度は、以下の項目について調査・研究を行った。地震・断層活動については、断層の発達履歴や活動性に関する調査技術の整備,断層帯における影響評価モデルの開発に関する事例調査を実施した。火山・地熱活動については、第四紀の火山・地熱活動(特に低温領域の熱履歴)や地下深部のマグマ・高温流体などの基礎的な探査技術の適用性を検討した。隆起・侵食/気候・海水準変動については、古地形・古気候を復元する調査技術の整備や地形変化をシミュレートする技術の開発を行った。地質環境の長期安定性にかかわる総合評価研究については、地殻変動及び気候変動などを考慮した地下水流動解析手法の開発を進めた。
草野 友宏; 野原 壯; 梅田 浩司; 石丸 恒存; 花室 孝広; 齋藤 龍郎; 安江 健一; 丹羽 正和; 島田 耕史; 山田 国見; et al.
JAEA-Research 2009-022, 47 Pages, 2009/09
我が国は変動帯に位置しており、安定大陸に位置する欧米諸国に比べて、地震や火山活動等が活発である。地層処分においては、まず安定な地質環境を選んだうえで、そこに適切な多重バリアシステムを構築することが、安全確保の基本的な考え方である。このため、地質環境の長期安定性に関する研究においては、地層処分の場としての地質環境に重要な変化をもたらす可能性のある地震・断層活動,火山活動,隆起・侵食,気候・海水準変動等の天然現象に着目して、それらの有無や程度が文献から明らかでない場合に適用する調査技術や、それらが地質環境に及ぼす影響を評価するための調査技術・解析手法にかかわる研究開発を進めている。平成19年度においては、我が国の地質環境において地層処分システムの成立性に重大な影響を及ぼす現象の存在や、過去の変動の履歴を確認するための調査技術として、以下の項目について調査・研究を行った。地震・断層活動については、破砕帯の分布,活動履歴,活動性の調査技術の整備を行った。火山活動については、熱履歴や地下深部のマグマ・高温流体などを調査する技術の開発を行った。隆起・侵食/気候・海水準変動については、河成段丘を用いた隆起速度を調査する技術,地形変化をモデル化する技術,地殻変動や気候変動を考慮した地下水流動解析手法などの開発を行った。
野原 壯; 梅田 浩司; 笹尾 英嗣; 花室 孝広; 齋藤 龍郎; 安江 健一; 丹羽 正和; 眞島 英壽*; 島田 耕史; 山田 国見; et al.
JAEA-Research 2008-062, 61 Pages, 2008/07
我が国は変動帯に位置しており、安定大陸にある欧米諸国に比べて、地震や火山活動等が活発である。地質環境の長期安定性に関する研究においては、地質環境に重要な変化をもたらす可能性のある天然現象に着目して、それらの特徴を明らかにするとともに、それらが地質環境に及ぼす影響を評価するための調査技術・手法にかかわる研究開発を進めている。平成18年度においては、地層処分システムの成立性に重大な影響を及ぼす現象の存在や、過去の変動の履歴をあらかじめ確認するための調査技術として、以下の項目について調査・研究を行った。活断層・地震活動については、活断層の分布と活動履歴(移動,伸張,変形帯の発達過程)の調査技術に関する既存情報の整備を行い、火山活動については、第四紀の火山・地熱活動(特に低温領域の熱履歴)や地下深部のマグマ・高温流体等の基礎的な探査技術の抽出を行った。隆起・侵食/気候・海水準変動については、地形変化モデルの概念モデルの作成等を行った。
山田 国見; 田上 高広*
Journal of Geophysical Research, 113(3), p.B03402_1 - B03402_10, 2008/03
新たな熱年代学的手法により島弧島弧衝突による丹沢トーナル岩複合岩体の削剥史を調査した。(U-Th)/He年代はアパタイトで2.00.2Ma,ジルコンで3.3
0.2Ma,ジルコンのフィッショントラック年代は4.5-6.9Maで、地温勾配を40
C/kmとすると削剥史は
7-3.3Ma: 0.5-1.5mm/yr; 3.3-2.0Ma:
2mm/yr; 2.0-0Ma:
0.8mm/yrであった。7Maごろ以降、丹沢山地周辺のテクトニクス条件の変化にもかかわらず、削剥速度は大きな変化を受けていないことが明らかになった。
梅田 浩司; 花室 孝広; 山田 国見; 根岸 義光*; 岩野 英樹*; 檀原 徹*
Radiation Measurements, 42(10), p.1647 - 1654, 2007/11
被引用回数:3 パーセンタイル:24.81(Nuclear Science & Technology)非火山地帯の熱水変質帯の一つである紀伊半島南部を事例に、変質した砂岩・泥岩に含まれるジルコン,アパタイトのフィッション・トラック年代測定を行うとともに、熱水鉱脈中の石英の流体包有物の希ガス同位体の分析を行った。アパタイトのフィッション・トラック年代は、非変質の四万十累層群の年代(約12Ma)に比べて著しく若い年代(2.75.6Ma)を示す。また、流体包有物のヘリウム同位体比は、現在、湧出している温泉ガスの値と整合的であることから、現在の熱水活動は、鮮新世まで遡る可能性がある。
山田 国見; 花室 孝広; 田上 高広*; 山田 隆二*; 梅田 浩司
no journal, ,
日本原子力研究開発機構では、京都大学,防災科学技術研究所と共同で(U-Th)/He年代測定ラボの立ち上げを行っている。測定には同機構が所有する希ガス質量分析装置とICP四重極質量分析計を用い、ヘリウムの抽出用に赤外レーザーによる真空加熱装置を製作した。ジルコンの溶液化は融剤にメタホウ酸リチウムを用いてXRF用ビードサンプラによるガラス溶融後、これを酸分解する。ヘリウムの定量は感度法、ウラン,トリウムの定量は標準添加法で行う。試料はすべてウラン系列核種の永続平衡が成立していると期待されること、サマリウムはアパタイトやジルコンには有意に含まれないことから、親核種についてはU-238, Th-232のみの測定で年代を求めることができる。現在は国際年代標準試料であるフィッシュキャニオンタフのジルコン、デュランゴアパタイト、ワーキングスタンダードとして筆者が年代測定を行った丹沢トーナル岩のアパタイトとジルコンを用いて年代決定の較正に関する実験を進めており、システムの全体図や各装置の詳細とともに報告する。
山田 国見; 花室 孝広; 田上 高広*; 山田 隆二*; 梅田 浩司
no journal, ,
東濃地科学ユニットでは、京都大学と共同で(U-Th)/He年代測定ラボの立ち上げを行っている。アパタイトとジルコンを試料とし、ヘリウムの抽出は真空チャンバーにおいて赤外レーザーにより加熱して行う。抽出したガスは液体窒素で冷却した活性炭を用いたコールドトラップとNEゲッターにより精製した後、MM5400希ガス質量分析計を用いて感度法で定量する。質量分析計の感度は大気を標準に用いて体積既知の配管とキャパシタンスマノメータにより校正する。ウラン,トリウムは脱ガス後の試料を溶液化し、ICP四重極質量分析計を用いて標準添加法で定量する。溶液化の際はアパタイトは硝酸による溶解、ジルコンは融剤にメタホウ酸リチウムを用いてXRF用ビードサンプラによるガラス溶融法で分解する。試料はすべて放射壊変系列の永続平衡が成立していると期待されること,サマリウムはアパタイトやジルコンには有意に含まれないことから、親核種についてはU-238, Th-232のみの測定で年代を求めることができる。現在は希ガス質量分析計の感度校正とICP質量分析用の溶液試料作成に関する実験を進めており、システムの全体図や各装置の詳細を含めて発表する予定である。
山田 国見; 花室 孝広; 田上 高広*; 島田 耕史; 高木 秀雄*; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 梅田 浩司
no journal, ,
断層起源シュードタキライト(PST)は地殻の比較的浅いところの地震断層の活動により生成したと考えられている。したがってその生成条件の推定は地震断層の活動時期や頻度等、長期的な安定性の評価に関する不確実性の低減を考えるうえで重要である。多気町のPSTは中央構造線沿いで初めて見つかったもので、角閃石-緑色片岩相条件でマイロナイト化した畑井トーナル岩から形成され、その後カタクレーサイト化している。幅数cmのPSTとそこから約10cm離れた畑井トーナル岩についてジルコンの(U-Th)/He年代を測定し、それぞれ603, 56
4Maを得た。PST中のジルコンのフィッショントラック年代(高木ほか、未公表)とも一致する。閉鎖温度等を考慮すると、当時の環境温度は少なくとも180-330
Cであったと考えられる。このことは鉱物学的な観察から環境温度が200-300
Cと推定されていることと整合的である。また、その他の既報年代値との比較から、100Maに渡り極端な冷却速度の変化は見られないことが明らかになった。
山田 国見; 村上 雅紀*; 田上 高広*; 山田 隆二*
no journal, ,
現代の地球科学においては断層帯試料を用いて地震断層がいつどのように動き、それに伴い熱・水などがどのように発生/移動したかを明らかにすることが求められており、熱年代学によりこれらの課題に対処することができる。このとき重要となるのが閉鎖温度であるが、広く用いられている値は大気圧又は高真空における乾燥雰囲気の加熱実験に基づいている。また、加熱時間は室内実験の数数千時間程度から天然試料の数百万年以上に渡る。一方、地震に伴う加熱は長くとも1分以下であろうし、水の関与も無視できない。こうした条件下では従来の閉鎖温度が適用できない可能性がある。したがって、断層の熱年代学的研究にあたっては、まずはじめに閉鎖温度に関連する短時間/熱水加熱実験の必要がある。本研究では、短時間加熱と熱水加熱を行ったジルコンを用いて、ウラン・トリウム・ヘリウム法について短時間及び熱水条件での加熱と年代の若返りの関係を明らかにした。また、東濃地科学センターにおけるヘリウム定量法を専用QMSによる同位体希釈法に変更したので、これについても報告する。
山田 国見; 花室 孝広; 田上 高広*; 高木 秀雄*; 島田 耕史; 梅田 浩司; 岩野 英樹*; 檀原 徹*
no journal, ,
原子力機構は京都大学,防災科学技術研究所との共同研究として(U-Th)/He年代測定ラボの立ち上げを行っている。この年代法は、アパタイトで約70Cと非常に低い閉鎖温度を特徴とし、過去の温度履歴推定の解像度を従来よりも向上させることができる新しい手法である。電子冷却半導体レーザを用いた脱ガス装置,XRFビードサンプラ用の微小るつぼ,人工スパイクを用いないウラントリウム定量法などを開発した。現在は年代既知試料の年代測定を行っている。今のところ、年代標準試料であるフィッシュキャニオンタフFC3ジルコンに対して確度で20%,精度で10%程度の結果が得られている。発表ではこれらの装置と天然試料の測定結果について、詳細に報告する。