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論文

日本の山岳地域におけるESR熱年代学の適用; 試料の前処理によるESR信号への影響の評価

梶田 侑弥*; 末岡 茂; 谷 篤史*; 磯谷 舟佑*; 田上 高広*

フィッション・トラックニュースレター, (36), p.6 - 8, 2023/12

近年、低温熱年代学の手法を用いて、若い島弧である日本列島の山地の隆起・削剥史の推定が可能になってきた。電子スピン共鳴(ESR)法は、超低温熱年代計として期待される手法の1つであるが、応用研究は未だに少数であり、熱年代計としてのESR法の妥当性の検証を含め、研究事例の蓄積が求められる。本研究では、ESR熱年代学の日本の山岳地域への適用の前段階として、試料の前処理が年代値に及ぼす影響について検討するため、天然試料および人工石英を用いた露光・粉砕実験を実施した。実験室内における3日間の光曝露実験では、ESRシグナル強度に変化は観察されなかった。一方、試料の粉砕実験では、粉砕過程及び粉砕器具の違いがシグナル強度に影響する可能性が示唆された。今後の検討手段として、プレヒートの実施、天然試料を用いた粉砕の影響評価、Selfragを利用した粒子破壊を伴わない岩石粉砕手法との比較などが挙げられる。

論文

熱年代学的手法に基づく谷川岳地域の熱史・削剥史の推定

南 沙樹*; 末岡 茂; 福田 将眞; 長田 充弘; Kohn, B. P.*; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 梶田 侑弥*; 田上 高広*

フィッション・トラックニュースレター, (35), p.22 - 26, 2022/12

一般的に花崗岩は、地下数kmから数十kmの深部で形成される。したがって、最近形成された若い花崗岩が、現在地表に露出する地域では、極めて急速な隆起・削剥が起きている可能性がある。世界的に見ると、約5Maより若い花崗岩の分布は、変動帯に集中している。変動帯にある日本列島でも、飛騨山脈の黒部川花崗岩や、南部フォッサマグナ地域の丹沢トーナル複合岩体などで、ジルコンU-Pb年代測定(閉鎖温度900$$^{circ}$$C以上)により数Ma以内の若い形成年代が報告されている。本研究の対象地域である谷川岳地域は、東北日本弧南部の背弧側に位置し、その地質は主に、後期白亜紀-古第三紀の花崗岩類と、これらに貫入する鮮新世の谷川岳花崗岩類(赤湯岩体・谷川岩体・巻機岩体)から成る。先行研究では、谷川岳花崗岩類について、形成年代を表すジルコンU-Pb年代(約4.0-3.2Ma)と、約280$$^{circ}$$C付近の冷却年代を表す、ジルコンのフィッション・トラック(ZFT)年代(約3.3-2.9Ma)及び、350-400$$^{circ}$$C付近の黒雲母K-Ar年代(約3.9-3.1Ma)などが報告されている。しかし、約280$$^{circ}$$Cより低温域における熱史は不明である。本研究では、後期白亜紀水上石英閃緑岩と谷川岳花崗岩類について、未測定の地点にU-Pb年代測定を実施し、約200$$^{circ}$$C以下の低温側の熱史・削剥史を推定するためにジルコンとアパタイトの(U-Th)/He年代測定(ZHe年代: 閉鎖温度160-200$$^{circ}$$C、AHe年代: 閉鎖温度55-80$$^{circ}$$C)を実施した。その結果、谷川岳花崗岩類は、ジルコンU-Pb年代測定により、約6.0-3.2Maの間に少なくとも3回の異なる時代の貫入によって形成されたことが明らかとなった。また、最近の山地形成に関連した削剥を最も反映していると期待される、AHe年代の閉鎖温度から地表温度(10$$^{circ}$$C)の平均冷却速度は、山頂稜線の東側に位置する巻機岩体と水上石英閃緑岩で13-36$$^{circ}$$C/Ma、稜線西側の谷川岩体の1地点(AHe年代: 約1.2Ma)で36-60$$^{circ}$$C/Maと推定された。稜線東側では、AHe年代が約3.0-2.0Ma頃に集中しており、この時期の急速な削剥が示唆される。AHe年代から得られた削剥速度について、丹沢山地や東北日本弧と比較すると、谷川岳地域の削剥速度は、島弧-島弧衝突帯の丹沢山地や、歪の集中で知られる奥羽脊梁山地のような地殻変動が活発な地域に匹敵することが示唆された。

論文

北上山地における熱年代学データとその解釈

梶田 侑弥*; 末岡 茂; 福田 将眞; 田上 高広*

フィッション・トラックニュースレター, (35), p.19 - 21, 2022/12

本講演では、東北日本弧前弧域に分布する北上山地を対象に、白亜紀深成岩類のアパタイトフィッション・トラック(AFT)年代、アパタイトヘリウム(AHe)年代のこれまでの結果に、FT長分布を用いた熱史逆解析結果を加えた熱年代学データの解釈を試みる。AFT年代は東縁部の約130Maから西に向かって70Ma程度まで若くなる。一方AHe年代は西縁部の約80Maを除けば約50-30Maにまとまる。北上山地の白亜紀深成岩類のジルコンU-Pb年代は135-120Maでほぼ均一なので、AFTとAHe年代の傾向は岩体の形成年代が原因ではない。またFT長を用いた熱史逆解析結果はいずれも徐冷を示し、短期的な熱イベントの存在は積極的には支持されない。以上を踏まえると、10$$^{6}$$年以上のスケールで地殻浅部における熱構造史もしくは隆起・削剥史が東西で異なると考えられる。熱構造史が異なる可能性としては、火山フロントの移動の影響が考えられる。このとき火山フロントはAFT年代の下限である約70MaからAHe年代の上限の約50Maの間に北上山地中央付近にあったと想定されるが、そのような証拠は知られていない。一方で隆起・削剥史が異なる場合、AFT年代からは沿岸部より内陸側を隆起させるような、AHe年代からは東西でほぼ一様な隆起形態が考えられる。10$$^{6}$$年以上の前弧域の隆起には底付け付加が支配的な要因の一つとなり得る(underplating model)。このunderplating modelでは、島弧横断方向に隆起量の差が見られ、沿岸部よりやや内陸側に隆起のピークを生じるため、AFT年代の東西傾向は説明可能である。また、沈み込むプレート速度が5cm/yr以下ではunderplating modelの隆起が起きないことも示されている。北上山地ではアダカイト質の浄土ヶ浜流紋岩類の活動時期(44.3Ma)には暖かいプレートが沈み込んでいたと考えられ、この時期の前後には底付け付加の隆起が停止していた可能性が高い。その後、底付け付加による隆起は再開したが、沈み込むプレートが交代したことにより、AHe年代に東西で差をもたらすほどの削剥量の違いを生むに至らなかった可能性が考えられる。

論文

照来層群歌長流紋岩から得られたジルコンU-Pb年代

長田 充弘; 福田 将眞; 末岡 茂; 中嶋 徹; 梶田 侑弥*; 南 沙樹*; 岡本 晃*; 田上 高広*

フィッション・トラックニュースレター, (35), p.15 - 18, 2022/09

ジルコンを用いた年代測定の標準試料の探求の一環として、照来層群歌長流紋岩中のジルコンについて、U-Pb年代測定を実施した。歌長流紋岩からは、先行研究により約2.30-2.77Maのジルコンフィッション・トラック年代,ジルコン(U-Th)/He年代、および黒雲母K-Ar年代が報告されていた。ジルコンは短柱状から長柱状の自形を呈し、カソードルミネッセンス像観察では明瞭なコア・リム構造や累帯構造を示さない。レーザーアブレーション・マルチコレクター誘導結合プラズマ質量分析装置を用いてU-Pb同位体を測定した。2試料より得られたU-Pb年代は、いずれも2.5-3.0Maを示し、それぞれ2.65$$pm$$0.16Maおよび2.66$$pm$$0.15Maの$$^{238}$$U-$$^{206}$$Pb加重平均値を得た。得られた年代は、先行研究による閉鎖温度の異なる年代と整合的であるため、歌長流紋岩中のジルコンが標準試料として有効である可能性がある。今後、更なる各種年代、U, Th,希土類元素などの元素濃度の測定から標準試料として適切か検討する。

論文

Two pulse intrusive events of the Pliocene Tanigawa-dake granites revealed from zircon U-Pb dating

南 沙樹*; 長田 充弘; 末岡 茂; 福田 将眞; 梶田 侑弥*; 小北 康弘; 鏡味 沙耶; 横山 立憲; 田上 高広*

Earth, Planets and Space (Internet), 73(1), p.231_1 - 231_7, 2021/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:8.23(Geosciences, Multidisciplinary)

We performed zircon U-Pb dating on the Pliocene Tanigawa-dake granites (Makihata and Tanigawa bodies) and the Cretaceous Minakami quartzdiorite, Northeast Japan Arc. Concordia ages were estimated to be 3.95 $$pm$$ 0.11 Ma ($$pm$$ 2 sigma) for the Makihata body, 3.18 $$pm$$ 0.13 Ma and 3.32 $$pm$$ 0.15 Ma for the Tanigawa body, and 109.4 $$pm$$ 2.2 Ma for the Minakami quartzdiorite. The Minakami quartzdiorite is possibly correlated to the bedrock in the Ashio belt because the age of the Minakami quartzdiorite is consistent with the zircon U-Pb ages of the earliest Tadamigawa granites (107-62 Ma) which are distributed to the northeast of the Tanigawa-dake region and belong to the Ashio belt. All the zircon U-Pb ages of the Tanigawa-dake granites are older than the previously reported cooling ages, i.e., K-Ar ages and zircon fission-track ages, being consistent with their difference in closure temperature. On the basis of these results, we concluded that the intrusive ages of the Tanigawa-dake granites are ~4-3 Ma, which are among the youngest exposed plutons on Earth. The U-Pb ages of the Makihata body and the Tanigawa body are different significantly in the 2 sigma error range. Thus, the Tanigawa body intruded later than the Makihata body by ~0.7 Myr.

論文

アパタイトフィッション・トラック熱年代学に基づく北上山地の削剥史の推定

梶田 侑弥*; 末岡 茂; 福田 将眞; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 長田 充弘; 田上 高広*

フィッション・トラックニュースレター, (34), p.14 - 16, 2021/12

東北日本弧前弧域における地質学的時間スケールの詳細な隆起・削剥史の復元のため、北上山地に分布する花崗岩類を対象としたU-Pb年代測定およびアパタイトフィッション・トラック(AFT)熱年代学を適用した。また、東縁に分布する浄土ヶ浜流紋岩について、その熱的影響や活動時期推定のため、U-Pb年代測定を行った。結果として、北上山地に分布する白亜紀花崗岩類2試料について122.7Maと117.3MaのU-Pb年代、および15試料について156.8Maから70.3MaのAFT年代、浄土ヶ浜の流紋岩については44.3MaのU-Pb年代が得られた。先行研究および本研究で得られたAFT年代を総合すると、北上山地の西方に向けて若返る傾向が示唆された。その原因として、火山フロントの移動による浄土ヶ浜の火成活動が考えられるが、本研究で得られたU-Pb年代に比べてAFT年代は有意に古い結果となり、トラックの長さ分布を利用した熱史逆解析の結果も徐冷を示唆していることから、再加熱を積極的に支持する結果は得られなかった。今後は、追加分析によるデータの信頼性の向上や、ESR法などのより閉鎖温度が低い熱年代計などの適用を予定している。

論文

ジルコンU-Pb年代測定による谷川岳地域に露出する中新世$$sim$$鮮新世花崗閃緑岩の貫入年代の推定

南 沙樹*; 長田 充弘; 末岡 茂; 福田 将眞; 梶田 侑弥*; 小北 康弘; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 田上 高広*

フィッション・トラックニュースレター, (34), p.4 - 8, 2021/12

国内において急激な隆起・削剥を経験してきた地域であると期待される、数Maに形成された若い花崗岩類が露出する谷川岳地域において、貫入年代の決定を目的にU-Pb年代測定を実施した。結果として、白亜紀花崗閃緑岩では109Ma、若い花崗岩類と推察された岩体では3.95Maから3.19Ma(3試料)のU-Pb年代が得られた。これらの年代は先行研究で報告されていた、より閉鎖温度の低い手法であるK-Ar法やジルコンのフィッション・トラック年代と整合的な値であり、本研究で得られたU-Pb年代の方が古い値を示す。したがって、得られたU-Pb年代は若い花崗岩の貫入年代に相当すると解釈でき、最低でも二回に及ぶ複数の貫入イベントによって谷川岳地域の若い花崗岩体が形成された可能性を提示した。

論文

熱年代学を用いた北上山地の隆起・削剥史の推定

梶田 侑弥*; 福田 将眞; 末岡 茂; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 森下 知晃*; Kohn, B. P.*; 田上 高広*

フィッション・トラックニュースレター, (33), p.28 - 30, 2020/10

東北日本弧前弧域に分布する北上山地を対象に、熱年代学的手法を用いて山地の熱史・削剥史を検討した。北上山地を東西に横断する方向にアパタイトのFT法および(U-Th-Sm)/He法を実施した結果、既報年代と併せると、FT年代では東側から西側にかけて系統的に若い年代の傾向を示すのに対し、(U-Th-Sm)/He法では西縁で最も古い年代が検出され、以東ではほぼ一様な年代を示した。今後はより詳細に北上山地の熱史の傾向を議論するため、火山フロントの位置がほぼ現在の位置にあったとされる、1千万年以降の年代が期待できる熱年代学的手法の適用を予定している。

論文

東北日本弧前弧域における熱年代学的研究; アパタイトFT年代予報

梶田 侑弥*; 福田 将眞*; 末岡 茂; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 森下 知晃*; 田上 高広*

フィッション・トラックニュースレター, (32), p.6 - 7, 2019/12

太平洋プレートと北米プレート間の沈み込み帯に形成された島弧である東北日本弧の前弧域(阿武隈山地・北上山地)を対象として、アパタイトフィッション・トラック法を用いて隆起・削剥史を検討した。試料は、各山地を横断する方向にそれぞれ6地点と5地点で採取した。阿武隈山地では2地点で年代値が得られ、46.1$$pm$$6.9Maと73.9$$pm$$26.7Maと、先行研究と調和的な結果となった。北上山地では、同じく2地点で年代が得られ、66.8$$pm$$10.4Maと65.8$$pm$$10.4Maとなった。この2つの年代は先行研究より有意に若いが、両者の研究地域間には早池峰構造帯東縁断層が分布しており、年代差との関係は今後の検討課題である。

口頭

東北日本弧前弧域における熱年代学的研究; アパタイトFT年代予報

梶田 侑弥*; 末岡 茂; 福田 将眞*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 森下 知晃*; 田上 高広*

no journal, , 

東北日本弧は、太平洋プレートが北米プレートの下に沈み込むことで形成された島弧で、島弧に平行な大地形を持つ。本研究では、そのうち前弧側にあたる北上山地と阿武隈山地を対象として、熱年代学の手法を用いて隆起・削剥史や山地形成プロセスを検討する。北上山地と阿武隈山地は、第三紀以降は比較的地殻変動が静穏だったと考えられており、阿武隈山地では先行研究によって報告されたアパタイトフィッション・トラック年代も100Maから60Maの古い値を示す。本講演では、両山地を東西方向に横断する測線上で採取した花崗岩試料におけるアパタイトフィッション・トラック年代の速報値を報告予定である。

口頭

東北日本弧前弧域における熱年代学的研究

梶田 侑弥*; 末岡 茂; 福田 将眞*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 森下 知晃*; Kohn, B. P.*; 横山 立憲; 田上 高広*

no journal, , 

東北日本弧前弧域の北上山地と阿武隈山地における隆起・削剥史の定量的解明を目的として、熱年代学(アパタイトフィッション・トラック法, アパタイト(U-Th)/He法, ジルコンU-Pb法)による検討を実施した。北上山地においては、アパタイトフィッション・トラック年代は東に向かって古くなる傾向を示した一方で、アパタイト(U-Th)/He年代は最も西側の一点を除いて約40Maで一定の値を取っており、隆起様式が時間変化した可能性が示唆された。阿武隈山地では、畑川構造線より西側で若い冷却年代が得られ、畑川構造線に沿った上下変位の影響が考えられる。

口頭

熱年代学に基づく東北日本弧前弧域の熱史・削剥史の推定

梶田 侑弥*; 末岡 茂; 福田 将眞*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 森下 知晃*; 田上 高広*

no journal, , 

東北日本弧前弧域の北上・阿武隈山地を対象として、熱史・削剥史の推定を目的に熱年代学的検討を行った。山地横断方向にアパタイトフィッション・トラック年代測定を実施したところ、北上山地では66.8-39.1Ma、阿武隈山地では61.0-40.5Maの年代が得られた。各山地内で地温勾配の大きな不均質がないと仮定すると、北上山地では東部において削剥量が小さく、阿武隈山地では畑川断層帯を境に東側より西側の削剥量が大きいと考えられる。今後の展望として、測定地点数の増加や分析確度の向上、熱史逆解析や、より閉鎖温度が低い熱年代計の適用を計画中である。

口頭

熱年代学を用いた北上山地の隆起・削剥史の推定

梶田 侑弥*; 末岡 茂; 福田 将眞*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 森下 知晃*; Kohn, B.*; 田上 高広*

no journal, , 

島弧地域のテクトニクス解明のため、東北日本弧前弧域の北上山地を対象に、熱年代学の手法で隆起・削剥史の推定を行った。アパタイトFT年代は89.1-79.6Ma、アパタイト(U-Th)/He年代は51.2-36.1Maの値が得られた。先行研究のデータも含めると、アパタイトFT年代は西から東に古くなるのに対して、アパタイト(U-Th)/He年代は約40Maでほぼ一定の値を示した。山地内で地温構造が一様だと仮定すると、北上山地の隆起形態は時代によって変化している可能性が考えられる。

口頭

AFT thermochronology of Cretaceous granites from the northern part of the NE Japan Arc; Estimating thermal/denudation histories based on thermal inverse modeling

福田 将眞*; 末岡 茂; 梶田 侑弥*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 森下 知晃*; 田上 高広*

no journal, , 

島弧スケールの地殻変動像の解明のため、東北日本弧北部の北上山地, 奥羽脊梁山地, 白神・太平山地においてアパタイトフィッション・トラック(AFT)解析を用いて冷却・削剥史の推定を試みた。AFT年代は138-2Maを示し、先行研究によるアパタイト(U-Th)/He(AHe)解析の結果と同様に、前弧側では白亜紀$$sim$$古第三紀以降の徐冷、脊梁と背弧側では第四紀以降の急冷が推定された。この結果は、東北日本弧南部のAFTおよびAHe解析の結果とも整合的であり、島弧平行方向の地形配列が太平洋プレートの沈み込みに関連して形成されたことを支持する。

口頭

Thermochronology on the fore-arc side of Northeast Japan Arc

梶田 侑弥*; 末岡 茂; 福田 将眞*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 森下 知晃*; Kohn, B.*; 田上 高広*

no journal, , 

東北日本弧前弧域の北上山地・阿武隈山地の隆起・削剥史の解明のため、アパタイトフィッション・トラック(AFT)法, アパタイト(U-Th)/He(AHe)法を適用した。北上山地では、AFT年代は139.4-78.6Maで東側で若返るのに対し、AHe年代は51.2-36.1Maで西側の1地点を除きほぼ一定であった。阿武隈山地では、AFT年代は75.9-60.1Maを示し畑川断層帯より東側で古くなるのに対して、AHe年代は61.0-40.5Maの比較的まとまった値を示した。AFT年代から求めた削剥速度は、両山地ともすべての地点で0.10mm/yr以下であり、これらの山地は数千万から数億年スケールでは安定な削剥環境にあったと考えられる。

口頭

アパタイトフィッション・トラック熱年代学に基づく北上山地の削剥史の推定

梶田 侑弥*; 末岡 茂; 福田 将眞; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 長田 充弘; 田上 高広*

no journal, , 

前弧域は海溝の沈み込みの影響を強く反映する地域であるが、本研究では東北日本弧前弧域の北上山地を対象に、熱年代学の手法を用いて地質学的時間スケールの削剥史を推定した。北上山地の白亜紀花崗岩類において、156.8-70.3Maのアパタイトフィッション・トラック(AFT)年代と、117.3Ma及び122.7MaのジルコンU-Pb年代が得られた。既報データを併せた東西方向の傾向は西方若化を示し、浄土ヶ浜の火成活動による熱影響は認められず、広域的な隆起・削剥史を反映していると考えられる。一様な地温勾配を仮定すると、120-90Maは西側で削剥が速く、90Ma以降は東西で一様になったと推定されるが、これは白亜紀の火山岩類の分布から推定される削剥史とも整合的である。

口頭

ジルコンU-Pb年代測定による谷川岳地域に露出する中新世$$sim$$鮮新世花崗閃緑岩の貫入年代の推定

南 沙樹*; 長田 充弘; 末岡 茂; 福田 将眞; 梶田 侑弥*; 小北 康弘; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 田上 高広*

no journal, , 

花崗岩は一般的に地下数kmから数十kmで形成されるため、数Maの若い花崗岩が露出している地域では極めて速い隆起・削剥が起きていると考えられ、それらの分布はプレート収束境界に集中している。日本国内では、北アルプスの飛騨山脈や南部フォッサマグナの丹沢山地などが挙げられる。谷川岳周辺は、黒雲母K-Ar年代などにより谷川岳花崗閃緑岩の形成時期が中新世から鮮新世とされているが、明確な貫入年代は明らかではない。本研究では、若い貫入岩体である谷川岳花崗閃緑岩(東側岩体1地点と西側岩体2地点)と被貫入側の白亜紀みなかみ花崗閃緑岩(1地点)を採取し、レーザーアブレーション試料導入による誘導結合プラズマ質量分析法(LA-ICP-MS)によりジルコンのU-Pb同位体分析を行った。東側岩体では3.95$$pm$$0.14Ma、西側岩体では3.19$$pm$$0.15Ma、3.32$$pm$$0.15Ma、みなかみ花崗閃緑岩は109.3$$pm$$3.2Maの年代値を得た(いずれも誤差は2$$sigma$$)。みなかみ花崗閃緑岩から得た年代は、付近の白亜紀花崗岩のジルコンU-Pb年代が107から93Maであることと矛盾はない。谷川岳花崗閃緑岩から得られた年代はいずれも同一岩体から報告されている黒雲母K-Ar年代やジルコンFT年代よりも古い。この年代差は、閉鎖温度の違いを反映したものであると考えられ、谷川岳花崗閃緑岩の貫入年代は4から3Maと結論される。ただし、西側岩体と東側岩体のU-Pb年代値は2$$sigma$$の誤差範囲で有意差が認められ、東側岩体が約400万年前に貫入し、その後70-100万年後に西側岩体が貫入したと推定される。

口頭

マルチ鉱物年代スタンダードの可能性; 東北日本仁左平層NSTジルコンの予察分析

長田 充弘; 福田 将眞; 末岡 茂; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 仁木 創太*; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 小北 康弘; 梶田 侑弥*; et al.

no journal, , 

本研究は東北日本の仁左平層のNSTと呼ばれる試料のジルコンのU-Pb年代とフィッショントラック(FT)年代を複数の施設で測定し、新たにHf同位体について分析を実施したので、それらの結果について報告する。NSTはジルコンによるU-Pb年代とFT年代や黒雲母K-Ar年代といった閉鎖温度の異なる複数の放射壊変系列の年代がいずれも約22-21Maを示し、標準試料として有効な可能性がある。京都大学より提供されたNSTジルコンからはいずれの施設でも約23-21MaのU-Pb年代を得た。これらの結果は先行研究ともおおむね整合的である。ただし、約30-26Maのジルコンも確認される例や4$$Pi$$面でのFT年代が古くなる傾向については、今後検討を要する。Hf同位体比($$^{176}$$Hf/$$^{177}$$Hf)の加重平均値として0.282895$$pm$$29を得た。また、Lu/Hf比とYb/Hf比は他のジルコンHf同位体比標準試料のそれに比べて高い傾向にある。Hf同位体分析では、LuやYbなどのHfに干渉する同重体を正しく補正する必要があり、こうした特徴を持つNSTは、Hf同位体分析の精確さを評価する上で重要な試料となる可能性もある。

口頭

(U-Th)/He熱年代学に基づく谷川岳地域の隆起・削剥史の推定

南 沙樹*; 末岡 茂; Kohn, B. P.*; 福田 将眞; 梶田 侑弥*; 小北 康弘; 田上 高広*

no journal, , 

4-3Maに形成された若い深成岩体(谷川岳花崗閃緑岩)が露出している谷川岳地域を対象として、(U-Th)/He熱年代を用いて隆起・削剥史を推定した。谷川岳花崗閃緑岩および白亜紀みなかみ花崗閃緑岩の計6地点から、アパタイトおよびジルコンの(U-Th)/He年代が得られ、みなかみ花崗閃緑岩のジルコン年代が約30Maを示した以外は、3.3-1.3Maの極めて若い冷却年代が得られた。これらの冷却年代に基づくと、本地域周辺は3-2Ma頃に急速な削剥を被っていること、谷川岳花崗閃緑岩の東岩体と西岩体では異なる冷却・削剥史を経験している可能性があることなどが示唆された。

口頭

北上山地における白亜紀以降の隆起・削剥史の熱年代学的検討

梶田 侑弥*; 末岡 茂; 福田 将眞; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 長田 充弘; Kohn, B. P.*; 田上 高広*

no journal, , 

前弧域は海溝の沈み込みの影響を強く反映する地域であるが、本研究では東北日本弧前弧域の北上山地を対象に、熱年代学の手法を用いて地質学的時間スケールの削剥史を推定した。アパタイトフィッション・トラック(AFT)年代は156.8-70.3Maを示し、東に向かって古くなる傾向を示した。一方、アパタイト(U-Th)/He年代は76.3-33.6Maを示したが、もっとも西に地点を除くとほぼ一様な値を示した。北上山地では、約120Ma以降の累積では西側の方が削剥が進んでいるが、約40-30Ma以降はほぼ均一に削剥が進行してきたと考えられる。

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