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小林 信之*; 中村 隆司*; 近藤 洋介*; Tostevin, J. A.*; 宇都野 穣; 青井 考*; 馬場 秀忠*; Barthelemy, R.*; Famiano, M. A.*; 福田 直樹*; et al.
Physical Review Letters, 112(24), p.242501_1 - 242501_5, 2014/06
被引用回数:89 パーセンタイル:94.33(Physics, Multidisciplinary)軽い中性子過剰核では束縛線限界近くにハローと呼ばれる1あるいは2中性子が空間的に非常に広がった構造を持つことが知られているが、重くなってくると一般に軌道角運動量が大きくなり、変形も発達するためハローが存在するかどうかは不明だった。本論文では、非常に中性子過剰なマグネシウム同位体Mgの核力およびクーロン分解反応実験を理化学研究所RIBFにて行い、マグネシウム同位体でも波と考えられるハローを持つことを初めて明らかにした。本実験では、炭素標的と鉛標的の断面積の差から、ハロー構造に敏感なクーロン力による分解反応の断面積を引き出すとともに、脱励起線の測定によって、Mgの基底状態へ遷移する断面積も引き出した。実験値を大規模殻模型計算の結果と比較したところ、Mgの基底状態はMgの基底状態に波中性子が付いた波動関数が40%程度占め、その波成分がハロー構造を生み出していることがわかった。
中村 隆司*; 小林 信之*; 近藤 洋介*; 佐藤 義輝*; Tostevin, J. A.*; 宇都野 穣; 青井 考*; 馬場 秀忠*; 福田 直樹*; Gibelin, J.*; et al.
Physical Review Letters, 112(14), p.142501_1 - 142501_5, 2014/04
被引用回数:62 パーセンタイル:91.13(Physics, Multidisciplinary)理化学研究所RIBFを用いて中性子過剰核Neの1中性子分離反応実験を行い、理論計算との比較から、Neが波ハロー(一部の中性子が核内に局在せず、空間的に極めて広がっていること)を持つことを明らかにした。この実験では、ターゲットとしてクーロン分離反応が優位な鉛と核力分離反応が優位な炭素の両方を用いるとともに、脱励起線も測定することによって、包括的な断面積のみならず、Neの基底状態への直接遷移のクーロン分解断面積を決めることに成功した。その実験結果を殻模型計算と比較した結果、Neの基底状態は、Neの基底状態に波の中性子が付加されている確率が大きく、その中性子はハローになるという特異な構造を持つことがわかった。それは、変形による波と波の配位混合と、Neが極めて弱く束縛されていることの両面によるものであると考えられる。
中村 隆司*; 小林 信之*; 近藤 洋介*; 佐藤 義輝*; 青井 考*; 馬場 秀忠*; 出口 茂樹*; 福田 直樹*; Gibelin, J.*; 稲辺 尚人*; et al.
Physical Review Letters, 103(26), p.262501_1 - 262501_4, 2009/12
被引用回数:198 パーセンタイル:97.53(Physics, Multidisciplinary)理化学研究所のRIBFにて中性子過剰核Neの1中性子分離反応の断面積を測定した。鉛ターゲットと炭素ターゲットの断面積を比較することにより、Neのクーロン分解反応断面積が540(70)mbと導出された。その断面積は通常の原子核の断面積と比べ非常に大きく、中性子が非常に弱く束縛されているハロー構造を示唆している。この原子核のクーロン分解断面積を直接ブレークアップ模型と殻模型で求めた波動関数の重なり(分光学的因子)を組合せることにより定量的に計算した結果、Ne核の最後の1個の中性子は、普通の軌道の順序であるではなく軌道を主に占め、軌道の小さな軌道角運動量により一粒子ハローを形成していることが明らかとなった。
上田 良夫*; 福本 正勝*; 渡邊 淳*; 大塚 裕介*; 新井 貴; 朝倉 伸幸; 信太 祐二*; 佐藤 正泰; 仲野 友英; 柳生 純一; et al.
Proceedings of 22nd IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2008) (CD-ROM), 8 Pages, 2008/10
JT-60Uの外側ダイバータから放出されたタングステンの再堆積分布を調べた。今回初めて中性子放射化分析法を用い厚い炭素たい積層に含まれるタングステンの面密度を正確に測定した。タングステンの堆積は内側ダイバータ及びドームタイルの外側に多く見られた。トロイダル方向にはタングステンタイルが設置した場所に非常に局在した分布であった。
大塚 彰*; 渡邊 朋也*; 鈴木 芳人*; 松村 正哉*; 古野 朗子; 茅野 政道; 近藤 知弥*; 上室 剛*
Agricultural and Forest Entomology, 8(1), p.35 - 47, 2006/02
被引用回数:17 パーセンタイル:58.03(Entomology)2003年稲作期に1時間ごとに取得したウンカの測定データと3次元シミュレーションモデルを利用したセジロウンカの移行挙動解析を行った。それまでの通常業務で取得されていた測定データは24時間であったが、1時間ごとのデータは24時間ごとのデータでは得られなかった明瞭な4時間程度のピークを示した。また各ピークは約12時間おきに出現しており、ウンカの飛び立ちが薄明薄暮に集中する観測結果と対応した。この詳細な測定データと3次元シミュレーションモデルを用いた解析により、ウンカの発生源をより明確に推定することに成功した。このケースでは、台湾と中国福建省の海岸域が発生源と推定された。
古野 朗子; 茅野 政道; 大塚 彰*; 渡邊 朋也*; 松村 正哉*; 鈴木 芳人*
Agricultural and Forest Meteorology, 133(1-4), p.197 - 209, 2005/11
被引用回数:21 パーセンタイル:55.78(Agronomy)高精度の大気拡散モデルにイネウンカの飛来特性を組み込むことにより、イネウンカ類の長距離移動の高精度シミュレーションを行った。モデルは気象場を計算する大気力学モデルと粒子拡散モデルから成っている。またモデルにはウンカの飛び立ちエリア及び飛び立ち開始時間を推定する機能もある。本研究では、このモデルと1998年6月中旬の西日本でのネットトラップデータを用いて、飛び立ち域推定のケーススタディを行った。このシミュレーションでは、それぞれ緯度経度方向に2の広さを持った56の領域を飛び立ち可能地域と仮定した。この中から実際の飛び立ち領域を確定するために、それぞれの飛び立ちエリアから西日本の各地点に到達した計算値と実際の観測データを、順位相関係数を用いて比較した。相関が高く、飛び立ち域として可能だと思われる領域は、福建省や台湾を含む北緯2327の領域だった。このシミュレーションにおいて、飛翔限界温度と連続飛翔可能時間がもっとも精度を左右するパラメータであることが示された。
大西 健夫*; Gelberg, A.*; 櫻井 博儀*; 米田 健一郎*; 青井 考*; 今井 伸明*; 馬場 秀忠*; Von Brentano, P.*; 福田 直樹*; 市川 雄一*; et al.
Physical Review C, 72(2), p.024308_1 - 024308_7, 2005/08
被引用回数:21 パーセンタイル:77.65(Physics, Nuclear)Crのベータ崩壊を理化学研究所のサイクロトロン加速器を用いて初めて測定し、値0.640.20が得られた。この実験値を殻模型空間を仮定した殻模型計算と比較し、その相互作用依存性を調べた。KB3, FPD6, GXPF2相互作用はそれぞれ実験値を誤差棒の範囲内で説明することはできるが、これらの理論値は1.5倍ほどの開きがあり、どの相互作用が優れているかは今後の精密測定が待たれることとなった。この比較的大きなベータ崩壊確率は、準重陽子描像により定性的に議論可能であることがわかった。
中山 武*; 山本 正弘; 阿部 充志*; 柴田 孝俊; 大塚 道夫*; 秋山 隆*; 佐藤 勝利*; 菊池 一夫; 和田 豊*; 小池 常之; et al.
Proceedings of the 18th IEEE/NPSS Symposium on Fusion Engineering (SOFE '99), p.227 - 230, 1999/10
高性能トカマク開発試験装置(JFT-2M)では、将来の炉構造材料の候補である強磁性体の低放射化フェライト鋼F82H(以下フェライト鋼と記す)を用いた先進材料プラズマ試験計画を段階的に進めている。第1段階のリップル低減試験では、フェライト鋼板を真空容器の外部に設置して、トロイダル磁場リップルの低減を図る。本発表は、このフェライト鋼板の機械設計に関するものである。フェライト鋼板の形状は、各トロイダルセクション毎に決定し、ポート、計測器、ベーキングヒータ等を避けた中で最もリップルを低減できる構造とした。フェライト鋼板は、トロイダル磁場コイルケースから支持し、支持構造は可能な通電パターンすべてに対する電磁力を考慮して決定した。また、板厚はトロイダル磁場強度に応じて可変とした。設置後に電磁力試験を実施し、支持具の健全性を確認できた。フェライト鋼板の設置により、トロイダル磁場リップルの基本モードを2.1%から0.8%に低減できた。
佐藤 正泰; 三浦 幸俊; 木村 晴行; 川島 寿人; 仙石 盛夫; 山本 正弘; 小池 常之; 柴田 孝俊; 秋山 隆*; 阿部 充志*; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 75(6), p.741 - 749, 1999/06
JFT-2Mでは、低放射化フェライト鋼(FS)にかかわる先進材料プラズマ試験を行う計画である。これはFSを用いてリップルの少ないトロイダル磁場を生成し、高エネルギーイオンの損失を低減するリップル低減試験と、強磁性体であるFSによる不整磁場がプラズマに与える影響を調べるフェライト鋼のプラズマ適合性試験からなる。これら先進材料プラズマ試験計画の全容について述べる。特に、前者では基本モードのリップルのみならず2倍のモード数のリップル低減の重要性を指摘し、その実現のためのFS設置法を明らかにした。後者ではJFT-2Mの真空容器をフェライト鋼製のものに改造するための設計検討を行っており、フェライト鋼のプラズマ平衡への影響は小さいことなどを明らかにした。
壬生 攻*; 慈幸 範洋*; 大塚 祐平*; 武田 全康
no journal, ,
非磁性原子であるスズ,金,銀,バナジウム、そして強磁性原子である鉄を単原子層として周期的にCr薄膜のなかに埋め込んだ多層膜中のCrの磁気構造を3軸型中性子分光器を用いて調べた。Crの持つ磁気構造は室温と10Kの間で大きく変化するが、その変化の様子は単原子層の間に挟まれたCr層の厚さが同じであっても、単原子層として挿入されたXによって大きく変わることがわかった。このことは、CrとXの界面でCrの磁気モーメントの増大や減少を引き起こす界面効果と、本来、Cr原子がバルク固有の性質として持つネスティング効果の競合による結果であると解釈できる。
渡邊 淳*; 福本 正勝*; 曽我 之泰*; 大塚 裕介*; 上田 良夫*; 新井 貴; 朝倉 伸幸; 仲野 友英; 佐藤 正泰; 柳生 純一; et al.
no journal, ,
タングステンの損耗・発生及び再堆積などの特性を調べ、将来の核融合炉壁材としての適合性を判断するため、JT-60Uでは2003年にタングステンコートタイルを外側ダイバータ領域に設置した。2004年の実験終了後に、タングステンコートタイルと近傍のタイルを取り出しタングステンの堆積分布を調べた。内側ダイバータ領域ではタングステンは炭素との供堆積によって堆積し、その堆積層は深さ60マイクロンに達していた。他方、外側領域ではドームタイルの外側に厚さ数マイクロンで堆積していた。タングステンはタイルの設置場所に近い場所に堆積していたが、主プラズマ室第一壁にあるフェライトタイルに由来する鉄,ニッケル及びクロムは広く分布した再堆積分布であった。
渡邊 淳*; 福本 正勝*; 曽我 之泰*; 大塚 裕介*; 上田 良夫*; 朝倉 伸幸; 新井 貴; 仲野 友英; 佐藤 正泰; 柳生 純一; et al.
no journal, ,
タングステンの損耗,発生及び再堆積などの特性を調べ、将来の核融合炉壁材としての適合性を判断するため、JT-60では2003年にタングステンコートタイルを外側ダイバータ領域に設置した。2004年の実験終了後に、タングステンコートタイルと近傍のタイルを取り出しタングステンの堆積分布を調べた。内側ダイバータ領域ではタングステンは炭素との供堆積によって堆積し、その堆積層は深さ60マイクロンに達していた。他方、外側領域ではドームタイルの外側に厚さ数マイクロンで堆積していた。ここでのタングステンの堆積は設置したタングステンタイルについてトロイダル方向に非対称な分布であり、タングステンの輸送がプラズマフローに起因することを示唆する。
渡邊 淳*; 福本 正勝*; 大塚 裕介*; 上田 良夫*; 新井 貴; 朝倉 伸幸; 仲野 友英; 佐藤 正泰; 柳生 純一; 落合 謙太郎; et al.
no journal, ,
JT-60Uのダイバータ板上の炭素堆積層中に含まれるタングステン量を測定するために、今まではエネルギー分散型X線分光法(EDX)をおもに用いてきた。この方法では入射する電子ビームのエネルギーによって分析可能な深さが決まる。電子ビームエネルギーが20keVの場合、この深さは約10mであることを実験及びモンテカルロ計算によって明らかにした。よって、内側ダイバータ板上など堆積層の厚さが数十m以上である場合には堆積層中のすべてのタングステンを検出することができず、タングステン量を過小評価する可能性がある。この場合には堆積層の破断面を分析するか、放射化分析法など他の分析法を用いる必要がある。
杉山 一生*; 齊藤 正裕*; 宮田 登*; 花島 隆泰*; 阿久津 和宏*; 青木 靖仁*; 大塚 祐二*; 武田 全康; 清水 亮太*; 一杉 太郎*
no journal, ,
固体電解質/電極界面近傍に生じる空間電荷層は、系全体の物性に大きな影響を及ぼすことから、空間電荷層内部における各元素の濃度分布を明らかにすることは極めて重要である。しかしながら、空間電荷層におけるLi濃度分布を直接的かつ定量的に測定した報告はなかった。そこで本研究では、固体電解質に電圧印加(5V)しつつ、ラザフォード後方散乱(RBS), 核反応分析法(NRA)、そして、中性子反射率測定を行い、nmから数十mまでの広いレンジで固体電解質/電極界面近傍のLi濃度分布を明らかにすることに成功した。
三輪 順一*; 長家 康展; 大塚 雅哉*
no journal, ,
高効率TRU燃焼を可能とする革新的水冷却炉RBWR(Resource-renewable Boiling Water Reactor:資源再利用型沸騰水型軽水炉)を対象に、群定数計算に起因する誤差を排除できる全炉心モンテカルロ計算システムに熱水力計算を連成させた核熱結合計算および燃焼計算が可能な核熱連成計算システムを構築した。擬似物質法を使用することにより、計算に必要なメモリ使用量を大幅に削減し、現在の計算機リソースで全炉心モンテカルロ計算による炉心設計ができることを確認した。