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小林 哲也; 荒木 正明; 大場 敏充; 鳥居 義也; 竹内 真樹*
JAEA-Conf 2011-003, p.83 - 86, 2012/03
JRR-3 (Japan Research Reactor No.3) was built as the first domestic reactor in 1962. The large-scale modification including the removal and re-installation of the core was carried out from 1985 to 1990. The modified JRR-3 with the thermal power of 20 MW is a light water moderated and cooled, swimming pool type research reactor. After the modification, JRR-3 has been operated without major troubles. This paper presents about review on the seismic safety of JRR-3 according to the revised regulatory code on seismic design for nuclear reactors. In addition, some topics concerning damages in JRR-3 due to the Great East Japan Earthquake are presented.
岸 敏明; 本橋 純; 山本 和喜; 熊田 博明; 鳥居 義也
JAEA-Technology 2008-054, 99 Pages, 2008/08
JRR-4は、燃料ウラン濃縮度低減化を目的として改造を実施した。この改造の中で利用設備については、簡易照射筒の孔径12cmのLパイプから孔径15cmのNパイプへ大型化した。気送管照射設備については、短寿命放射化分析ができるよう改造を行った。ウラン濃縮度低減化した初装荷炉心と平衡炉心におけるJRR-4利用設備の特性測定結果について報告するものである。簡易照射筒のSパイプ及びDパイプ,水力照射設備,気送管照射設備について、特性測定結果により、改造後のその性能は改造前とほぼ同等の性能であることを確認した。Nパイプの照射均一度については、5%以下を達成することができた。新設した中性子ビーム設備では、中性子束が最大2.210
m
・s
であり、即発
線分析装置では、中性子束が1
10
m
・s
であり、当初の設計目標を満足する値が得られた。これらは、医療照射,医療照射の基礎実験等を行うのに十分な性能である。
加藤 友章; 荒木 正明; 出雲 寛互; 木名瀬 政美; 鳥居 義也; 村山 洋二
JAEA-Technology 2007-050, 39 Pages, 2007/08
JRR-3におけるアルミナイド燃料からシリサイド燃料への変更では、ウラン密度を2.2[g/cm]から4.8[g/cm
]へ増大させた。このウラン密度増大により生じた過剰反応度の増加を抑制するために、可燃性吸収体を採用した。可燃性吸収体の燃焼は、反応度変化に大きく影響を及ぼすため、その燃焼のメカニズムを考察し、実際の原子炉運転に及ぼす影響を解明した。また、過去の運転データを精査し、サイクル初期に確保すべき過剰反応度及び原子炉計画外停止後の再起動可能時間を算出した。シリサイド燃料への変更では、燃料の最高燃焼度を50%から60%へ増大させ、燃料交換手法を6バッチ分散型方式から燃焼度管理方式へ変更した。本方式による燃料交換計画立案では、原子炉運転による燃焼度増加幅の予測が必要となるため、過去の運転データを精査し、燃焼度増加幅の予測手法を確立した。最後に、燃料有効利用を実現するための新たな燃料交換手法として、燃料装荷位置ごとに「使用済燃料とする燃焼度」を設定する手法の提案を行った。本手法を採用することにより、燃料の炉心滞在期間を約2%増大させることが可能であることがわかった。
出雲 寛互; 加藤 友章; 木名瀬 政美; 鳥居 義也; 村山 洋二
JAEA-Technology 2007-046, 23 Pages, 2007/07
JRR-3は、安全上重要な設備に対しては、主として予防保全である「時間計画保全」を中心に保守管理を行い、安全上重要でない設備機器に対しては「事後保全」を行うことにより、改造後約15年にわたり安全安定に原子炉運転を行ってきた。しかし、最近になって事後保全で管理していた設備の経年変化に起因していると考えられるトラブルにより原子炉の計画外停止の事例が増加してきた。一方、設備の保守対応に必要な資源(人・予算)の確保が年々厳しくなってきている。このような状況を踏まえ、JRR-3では安全性・信頼性を確保しつつ、経済性を考慮した合理的な保守管理を実施するため、過去の保守データを有効活用することにより、現状の保守方法を見直しているところである。本報告書では、保守見直しにおける方法を示すとともに、今後のJRR-3の保守管理における方針を述べる。
山本 哲也*; 松村 明*; 中井 啓*; 柴田 靖*; 遠藤 聖*; 桜井 文雄; 岸 敏明; 熊田 博明; 山本 和喜; 鳥居 義也
Applied Radiation and Isotopes, 61(5), p.1089 - 1093, 2004/11
被引用回数:50 パーセンタイル:94.22(Chemistry, Inorganic & Nuclear)高位のグリオーマの患者9症例に対して、原研JRR-4を使って混合熱-熱外中性子ビームを用いた術中ホウ素中性子捕捉療法(IOBNCT)を実施した。最大熱中性子束は、1.992.77e+9(n/cm
/s)であった。この研究における暫定的なサバイバルデータでは、生存期間の中央値は、悪性神経膠腫に対しては23.2か月、悪性星状細胞腫に対しては25.9か月という結果であり、これは他の放射線治療(追加の放射線治療を施す場合/施さない場合のそれぞれ)の結果と一致している。この結果をもとに熱外中性子ビームによるBSHを用いたIOBNCTの新たなプロトコールを計画することが可能となった。
山本 和喜; 熊田 博明; 岸 敏明; 鳥居 義也; 櫻井 良憲*; 古林 徹*
Proceedings of 11th World Congress on Neutron Capture Therapy (ISNCT-11) (CD-ROM), 15 Pages, 2004/10
JRR-4において熱外中性子を用いたホウ素中性子捕捉療法を実施するために、熱外中性子ビーム強度をAuの共鳴吸収ピーク(4.9eV)で放射化される反応率を用いて測定した。原子炉出力補正係数及び計算/実験(C/E)スケーリング係数は実際の照射実験とシミュレーションとを合わせるために不可欠である。初めに、最適な検出器位置はMCNPコードを用いて求めた。MCNP計算の結果はコリメータから20cm以上の距離に置いた時、コリメータに置かれた被照射体の影響は1%未満になることを示した。したがって、われわれは3つの金線モニターをセットするためのホルダーをコリメータから約70cm離れたビスマスブロックの近傍に設置した。2つのスケーリング係数はファントム内の熱中性子束と金線モニターの反応率を測定する較正実験において決定された。熱外中性子ビーム強度の較正技術は熱外中性子の医療照射に応用された。
熊田 博明; 山本 和喜; 鳥居 義也; 松村 明*; 中川 義信*
Japanese Journal of Medical Physics, Vol.23, Supplement 3, p.292 - 295, 2003/09
現在原研では、JRR-4で実施されているホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に対して、より精度の高い線量評価を行うため、患者頭部内の照射線量を計算によって評価するBNCT線量評価システム(JCDS)の開発を行っている。JCDSは患者の医療画像データをもとに患者頭部の3次元モデルを作成し、モンテカルロコード:MCNP-4Cによって線量計算を行うものである。このJCDSの計算精度とBNCTへの適用性を明らかにするため、円筒水ファントム実験値との比較、これまで熱中性子ビームを使って行われたBNCTから得られた実測データとの比較により検証を行った。ファントム実験値に対しては表面を除く領域で5%以下の制度であることを確認した。実際のBNCTの実測データとの比較では、熱中性子束の最大値に対して標準偏差で8%以下であった。これらの評価結果と今後の開発について報告を行う。
山本 哲哉*; 松村 明*; 山本 和喜; 熊田 博明; 堀 直彦; 鳥居 義也; 柴田 靖*; 能勢 忠男*
Radiation Research, 160(1), p.70 - 76, 2003/07
被引用回数:14 パーセンタイル:40.42(Biology)ホウ素中性子捕捉治療(BNCT)において生成される線量成分に対する生存率曲線及びRBEは、JRR-4の中性子ビームに対して別々に決定された。10Bを添加又は添加しないV79細胞の生存率は、熱外中性子ビーム(ENB),熱-熱外混合中性子ビーム(TNB-1)及び熱中性子ビーム(TNB-2)を利用して得られた。10Bの有無で中性子ビームの殺細胞効果は、使用する中性子ビームに高く依存し、ビーム中の熱外中性子及び高速中性子に依存している。ENB,TNB-1及びTNB-2に対してホウ素捕獲反応のRBEはそれぞれ4.07,2.98及び1.42であり、水素の反跳及び窒素の捕獲反応に基づく、高LET線量成分のRBEはそれぞれ、2.50,2.34及び2.17であった。RBEの実験的決定のアプローチは、中性子ビームの各線量成分に対するRBE-荷重線量を与え、BNCT臨床試験を実施中及び計画している異なる設備間の正確な中性子ビームの相互比較に寄与するものである。
熊田 博明; 山本 和喜; 鳥居 義也; 松村 明*; 山本 哲哉*; 能勢 忠男*; 中川 義信*; 影治 照喜*; 内山 順三
JAERI-Tech 2003-002, 49 Pages, 2003/03
JRR-4に整備した中性子ビーム設備によって、熱外中性子ビームを用いたホウ素中性子捕捉療法(BNCT)を実施することが可能となった。熱外中性子ビームBNCTの実施に必要な治療計画を作成するためには、患者への吸収線量を事前に評価することが不可欠である。患者頭部内の線量分布を数値シミュレーションによって評価し、治療計画作成を支援するBNCT線量評価システム(JCDS)の開発を行った。JCDSは、医療画像であるCT,MRIデータをもとに患者の頭部モデルを作成し、頭部内の中性子及び線の線束分布をモンテカルロ・コードMCNPで計算するための入力データを自動作成して線量計算を行い、この計算結果を医療画像上に表示させることのできるソフトウェアである。JCDSの特徴として、(1)CTデータとMRIデータの両方を取り扱うことにより、患者の正確な頭部モデルを簡便に作成する機能,(2)日本で実施されている開頭手術を伴ったBNCTに対応し、頭部モデルの形状を編集する機能,(3)計算によって導かれた照射位置に患者を正確にセッティングするための情報を出力する機能などを有している。本報告は、JCDSの基本設計と各処理機能、及びJCDSの計算性能を検証した結果について記述したものである。
山本 和喜; 熊田 博明; 岸 敏明; 鳥居 義也; 遠藤 聖*; 山本 哲哉*; 松村 明*; 内山 順三; 能勢 忠男*
JAERI-Tech 2002-092, 23 Pages, 2002/12
現在の医療照射では金線によって熱中性子束を測定し線量を決定しているため、測定ポイントに限りがあり、照射後に任意の場所の線量評価を行うことができない。これらを補うために線量評価システム等による計算シミュレーションによって線量評価が行われている。本研究では実験による線量評価方法として、人の頭部に忠実な実体ファントムの製作、及び、実際の医療照射時のデータに基づいた照射実験を実施した。実験による線量評価手法の確立には人の頭部に忠実な実体ファントムの製作が重要であり、その製作には光造形技術(Rapid Prototyping Technique)を用いた。さらに、医療照射時の照射条件を模擬して、評価上重要である脳表面の熱中性子束分布を実体ファントムを用いて詳細に測定を行った。この実体ファントムによる実験的詳細評価手法は臨床照射条件にかなり近くすることができ、内部線量の直接測定はもちろんのこと、ファントムに細胞を入れることにより生物学的効果の測定にも利用できる。
熊田 博明; 鳥居 義也
JAERI-Data/Code 2002-018, 158 Pages, 2002/09
熱外中性子ビームを使ったホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy: BNCT)は、脳内の深部にある悪性脳腫瘍の治療に効果があると期待されている。この熱外中性子を用いたBNCTを実施するためには、患者への照射線量を事前に評価することが不可欠である。これを踏まえ、頭部内の線量分布を計算によって求めるBNCT線量評価システム(JCDS)の開発を行った。JCDSは、医療画像であるCT,MRIデータを基に患者の頭部モデルを作成し、頭部内の中性子及び線の線束分布をモンテカルロ・コード:MCNPで計算するための入力データを自動作成して線量計算を行うソフトウェアである。さらにMCNPで計算した結果を再び読込み、線量分布を表示させるものである。JCDSの特徴として、(1)CTデータとMRIデータの両方を取り扱うことにより、患者の正確な頭部モデルを簡便に作成する機能,(2)日本で実施されている開頭手術を伴ったBNCTに対応し、頭部モデルの形状を編集する機能,(3)計算によって導かれた照射位置に患者を正確にセッティングするための情報を出力する機能などを有している。本報告書は、JCDS(Ver.1.0)の基本設計と線量評価手順,操作方法と各処理のデータ構造,ライブライリー構造等について記述したものである。
山本 和喜; 熊田 博明; 鳥居 義也; 岸 敏明; 山本 哲哉*; 松村 明*
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.499 - 503, 2002/09
術中ホウ素中性子捕捉療法(IOBNCT)での脳の最大線線量を評価するために、本研究では、(1)低中性子感度TLDの開発,(2)各種コリメータサイズに対する捕獲
線分布の相関式,(3)IOBNCTへの適応のため最大
線線量の簡易評価相関式の導出を行った。TLDの熱中性子感度は、
Co等価で、5.1
0.8
10
(
Co-Gycm
)であった。
線の予測値と実験値との平均偏差は、熱-熱外中性子混合ビームに対して
8.5%であった。この簡易方法によって医療照射における
線線量の決定精度は改善される。
熊田 博明; 松村 明*; 中川 義信*; 山本 哲哉*; 山本 和喜; 鳥居 義也
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.529 - 534, 2002/09
現在原研では、より正確な線量評価をともなったホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の実施を支援するため、患者頭部内の照射線量を計算によって評価するBNCT線量評価システム(JCDS)の開発を行っている。JCDSは患者の医療画像データを基に患者頭部の3次元モデルを作成し、モンテカルロコード:MCNP-4Cによって線量計算を行うものである。また、JCDSは照射線量を計算するだけでなく、患者を照射位置に正確かつ迅速にセッティングを行う「患者セッティングシステム」と連携し、患者の照射位置へのセッティングを支援する機能も有している。線量評価システムは初期バージョンが完成し、現在システムの検証を行っている。このJCDSの計算性能とBNCTへの適用性,有用性について報告を行う。
熊田 博明; 岸 敏明; 堀 直彦; 山本 和喜; 鳥居 義也
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.115 - 119, 2002/09
現在実施されている熱中性子ビームによるBNCTでは、患者頭部の照射領域外の正常組織に対する照射線量を抑えるため、濃縮リチウム入り熱可塑性プラスチック(リチウムヘルメット)をターゲット領域周辺に取り付け、照射領域を絞って照射を行っている。しかし、将来実施が期待されている熱外中性子ビームを用いたBNCTにおいては、このリチウムヘルメットでは熱外~高速中性子ビームに対して十分な遮へい効果が期待できないため、これに代わる技術が必要であった。そこで、ビーム孔部のコリメータを板厚6mm幅108.5mm
奥行き60mmのフッ化リチウム入ポリエチレンのスライドを多数重ね合わせ(左右30枚ずつ)、任意のビーム孔形状を設定可能なマルチリーフコリメーターの開発を行った。このマルチリーフコリメータをBNCTに適用することにより、患部外の正常組織への線量を抑え、ターゲット領域に対して適切な線量を与えるBNCT照射の実施が可能となる。このマルチリーフコリメータの検証結果と性能について報告を行う。
松村 明*; 山本 哲哉*; 柴田 靖*; 中井 敬*; Zhang, T.*; 松下 明*; 高野 晋吾*; 遠藤 聖*; 阿久津 博義*; 山本 和喜; et al.
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.1073 - 1078, 2002/09
原研のJRR-4の中性子ビーム設備を使って、1999年から2002にかけて9例の患者に対して熱-熱外混合ビームによる術中ホウ素中性子捕捉療法(IO-BNCT)を実施した。グリオブラストーマの生存中央値は、9.8カ月であり星細胞腫は、16.8カ月であった。熱-熱外混合ビームによる術中BNCTは、従来の治療法に比べ初期の放射線効果は良好であった。これらのフェーズI/IIの臨床試験は局所の腫瘍コントロールで有効でした。今後、IO-BNCTの有効性を証明するするため、革新的な手法を伴った臨床試験を継続して実施していくものである。これまで実施した臨床試験の結果を紹介するとともに、今後の展望について記述する。
遠藤 聖*; 松村 明*; 山本 哲哉*; 能勢 忠男*; 山本 和喜; 熊田 博明; 岸 敏明; 鳥居 義也; 樫村 隆則*; 大竹 真一*
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.425 - 430, 2002/09
光造形技術を用いて、患者頭部の造形モデルとして写実的なファントムを製作した。この実体ファントムは将来的に線量計画システムの検証に寄与するものである。しかし、外科手術後の脳及び熱中性子遮へい材のモデル化に含まれる困難性のため、線量評価システム(JCDS:JAERI Computational Dosimetry System)を用いた計算,実体ファントム及びin vivo測定(医療照射)との間では十分な一致が見られなかった。幾つか課題があるものの、実体ファントムを用いた実験的シミュレーション技術は、術中BNCTに対してより確実な線量計画のための有効なツールである。
山本 哲哉*; 松村 明*; 山本 和喜; 熊田 博明; 鳥居 義也; 遠藤 聖*; 松下 明*; 柴田 靖*; 能勢 忠男*
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.415 - 418, 2002/09
術中ホウ素中性子捕捉療法での患者脳内の線量の測定値を原研で開発している線量評価システム(JCDS)による計算結果との比較を行った。測定値での脳表面の最大熱中性子束は、平均2.330.37
10
(cm
s
)であり、血中ホウ素線量は平均11.4
1.2(Gy)であった。これに対してJCDSの計算結果は、それぞれ2.21
0.33
10
(cm
s
),5.7(3.5-7.8)(Gy)であった。これらの検証結果を踏まえ、IO-BNCTでの線量評価に対して、術後の体積線量をコントロールするためにJCDSを試験的に適用することが望まれる。BNCTから得られた測定結果との比較によるJCDSの検証について報告を行う。
山本 哲哉*; 松村 明*; 山本 和喜; 熊田 博明; 堀 直彦; 鳥居 義也; 遠藤 聖*; 松下 明*; 吉田 文代*; 柴田 靖*; et al.
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.697 - 700, 2002/09
ホウ素中性子捕捉療法を実施するに当たり、各元素に対する生物学的効果比(RBE)は重要である。原研のJRR-4の中性子ビーム設備において、各ビームスペクトル毎のRBEをそれぞれ測定した。実験は、細胞実験による細胞生存率を評価して行った。熱外中性子ビームモード及び、熱中性子ビームモード1、及び2のホウ素のRBEはそれぞれ、3.990.24,3.04
0.19,1.43
0.08という結果を得た。実際のBNCTの臨床成績を評価するために、今後もさまざまなビームスペクトルでの細胞実験及びファントムによる細胞実験を重ねるものである。細胞実験から得られたそれぞれのビームに対するRBEとその特徴について報告する。
中井 敬*; 松村 明*; 山本 哲哉*; 柴田 靖*; Zhang, T.*; 阿久津 博義*; 松田 真秀*; 松下 明*; 安田 貢*; 高野 晋吾*; et al.
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.1135 - 1138, 2002/09
原研JRR-4を使って、悪性グリオーマの患者15例に対してホウ素中性子捕捉療法が行われた。このうち2002年4月までに筑波大学が実施した7例の患者について事後の経過を観察し、その結果を報告する。MRIを使った検証では、1例の術野内の再発がみられ、2例の術野外での再発がみられた。また、1例において照射によるネクローシスがみられた。
松下 明*; 山本 哲哉*; 松村 明*; 能勢 忠男*; 山本 和喜; 熊田 博明; 鳥居 義也; 樫村 隆則*; 大竹 真一*
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.141 - 143, 2002/09
1998年よりJRR-4で実施されてきた熱/熱外混合中性子ビームである熱中性子モードIをホウ素中性子捕捉療法に11回使用してきた。より深い腫瘍の治療のため、次の術中BNCTより熱外中性子を使用することを検討している。本研究では熱中性子モードIのカドミニウムシャッタを挿入することによって作られる熱外中性子モード(Epi-12モード)の医療への適用性と安全性を調査した。その結果、Epi-12モードの速中性子混入率の減少は、BNCT、特に術中BNCTに対して優位性があることがわかった。なぜなら、速中性子は正常組織に直接作用するため、BNCTの制限値の1つであるからである。さらに、Th-12とEpi-12モードを混合させることで、線量分布に変化させることができることがわかった。これは個々の腫瘍に対して最適な線量分布に制御する新しい方法として期待される。