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松本 淳; 鎌田 徹治*; 高木 淳一*; 岩崎 憲治*; 由良 敬
Biophysical Journal, 95(6), p.2895 - 2908, 2008/09
被引用回数:19 パーセンタイル:44.07(Biophysics)インテグリンは、多細胞生物において、細胞間の接着にかかわるタンパク質グループの総称である。インテグリンのなかには、活性化の際に、大きく構造を変化させるものがあることがわかっているが、その構造変化のメカニズムに関しては、よくわかっていなかった。われわれは、折りたたまれた構造をとっているインテグリンに対し、エラスティックネットワークモデルによる基準振動解析法を適用し、インテグリンの分子振動にとって重要な部位を発見した。さらなる計算の結果、その部位が、インテグリンの大規模な構造変化にとって重要であることを発見した。この重要性は、実験によっても確認した。さらに、さまざまな種類のインテグリンを調査し、重要な部位を構成するアミノ酸がどの程度保存されているかを調べたところ、限られたグループのインテグリンにおいてのみ、よく保存されていることを発見した。これは、大規模構造変化のメカニズムが、インテグリンの種類によって違うことを示している。
宮沢 祐司*; 西岡 宏隆*; 由良 敬; 倭 剛久*
Biophysical Journal, 94(6), p.2194 - 2203, 2008/03
被引用回数:23 パーセンタイル:49.37(Biophysics)DNAフォトリアーゼ(修復酵素)は紫外線による損傷したDNA部位を認識し、光エネルギーを利用して修復する。修復の際に必要な電子がどのように酵素内を流れるかをラン藻が持つDNAフォトリアーゼの立体構造を用いて、シミュレーションした。その結果Met353で構成される酵素の一部分が、電子流路のハブになっていることが初めてわかった。また、データベース解析の結果、DNAフォトリアーゼと共通祖先を持つ全タンパク質において、DNAを修復する機能を持つ場合はMet353が存在するが、DNAを修復できなくなった共通祖先由来タンパク質では、Met353が失われていることも明らかにできた。シミュレーションとデータベース解析がともにMet353の重要性を独立に示したことは、Met353の重要性を強く示している。
山崎 千里*; 村上 勝彦*; 藤井 康之*; 佐藤 慶治*; 原田 えりみ*; 武田 淳一*; 谷家 貴之*; 坂手 龍一*; 喜久川 真吾*; 嶋田 誠*; et al.
Nucleic Acids Research, 36(Database), p.D793 - D799, 2008/01
被引用回数:52 パーセンタイル:71.24(Biochemistry & Molecular Biology)ヒトゲノム解析のために、転写産物データベースを構築した。34057個のタンパク質コード領域と、642個のタンパク質をコードしていないRNAを見いだすことができた。
河野 秀俊; 湯浅 智*; 西上 慎哉*; 由良 敬
Nucleic Acids Research, 36(Database), p.D409 - D413, 2008/01
被引用回数:18 パーセンタイル:34.25(Biochemistry & Molecular Biology)DNAの一塩基置換多型(SNP)は、薬剤耐性に対する個体差の要因などとして注目されている。しかし、それが与える影響を分子レベルで解き明かす研究は進んでいない。われわれは、SNPのうち、タンパク質のアミノ酸配列を変えるnsSNPが、タンパク質の立体構造上、どこの部分に影響を与えるのかグラフィカルに表示したデータベースを開発した。可能な限り自動化されているので、今後ますます増えていくデータに対しても、週に一度のペースでデータベースを更新できる。また、幾つかのタンパク質について、アミノ酸置換とタンパク質の機能影響の関係を調べ、70%以上タンパク質内部に埋もれているアミノ酸残基の置換はタンパク質の機能に影響を与える確率が非常に高いことを示した。
石田 恒; 由良 敬; 叶野 琢磨; 松本 淳
Annual Report of the Earth Simulator Center April 2006 - March 2007, p.257 - 263, 2007/09
地球シミュレータは従来にはない大規模生体超分子系の分子動力学シミュレーションを可能とする計算能力を持つ。われわれは生体超分子系を扱う大規模な分子動力学シミュレーションシステムSCUBAを開発している。SCUBAは、地球シミュレータ360プロセッサ使用時でベクトル化率95%以上,並列化効率50%以上の優れた性能を達成している。本年度はSCUBAが必要とするメモリ使用量を最適化するためのチューニングをすることにより、百万原子以上からなる生体超分子の分子動力学シミュレーションを地球シミュレータ上で実行可能とした。さらに、マルチ時間ステップ法を装備することにより長時間シミュレーションを実行可能とした。そして、約200万原子からなるリボソーム(遺伝情報を翻訳する生体超分子)と新生ポリペプチドの複合体の系について分子動力学シミュレーションを実行した。結果、リボソームの機能に重要と考えられているねじれ運動を再現することに成功した。
Gong, X.*; 中村 建介; 由良 敬; 郷 信広
IEEE Transactions on Information Technology in Biomedicine, 11(4), p.428 - 434, 2007/07
被引用回数:3 パーセンタイル:27.66(Computer Science, Information Systems)グリッドコンピューティングの出現により、バイオインフォマティクスで普通に用いられる公共データベース,解析ツール及びワークフローを共有しながら研究をすることが可能となってきている。しかし、バイオインフォマティクス研究者にとっては、グリッドアプリケーションはまだまだ困難である。ここでは、バイオインフォマティクス解析をグリッド上で可能とするシステム(BAAQ)を紹介し、公共データベースと解析ツール及びワークフローの共有化の可能性を議論する。特にワークフローの簡単な構築方法と、今までに構築したワークフローの中からどのようにして必要なワークフローを検索するかを示す。そのうえで実問題への適用例を示す。
郷 通子*; 由良 敬; 塩生 真史*
Frontiers of Computational Science, p.75 - 80, 2007/00
ゲノムプロジェクトと構造ゲノムプロジェクトが急速に進むことにより、生命に関する理解が大幅に変化してきている。現在は生命システムを総合的に理解することができるようになってきた。本論文では計算科学とゲノムプロジェクトの成果との組合せによって得られる、新しい分子生物観を概観する。
Kim, O. T. P.*; 由良 敬; 郷 信広
Nucleic Acids Research, 34(22), p.6450 - 6460, 2006/12
被引用回数:97 パーセンタイル:84.86(Biochemistry & Molecular Biology)タンパク質とRNAとの相互作用は、RNAの転写,加工,修復などの場面でみられる。RNAはタンパク質のどのような部分と相互作用するのかよく研究されていない。そこで、86個の原子分解能タンパク質-RNA相互作用構造データを用いて、相互作用部位の傾向を調べた。特にわれわれは新しい統計解析法としてタンパク質表面にあるアミノ酸残基のペアがどのようにRNAと相互作用するのかを解析した。これで得られた統計量を利用して、タンパク質の表面のどの部分にRNAが相互作用するかを推定することもかなり高い精度でできるようになった。
由良 敬; 塩生 真史*; 萩野 圭*; 土方 敦司*; 平島 芳則*; 中原 拓*; 江口 達哉*; 篠田 和紀*; 山口 昌太*; 高橋 健一*; et al.
Gene, 380(2), p.63 - 71, 2006/10
被引用回数:56 パーセンタイル:72.32(Genetics & Heredity)選択的スプライシングとは、一つの遺伝子から複数個のタンパク質を生み出す分子機構のことである。この論文でわれわれは、ヒトの完全長cDNAのデータを用いて、選択的スプライシングによってタンパク質の機能と構造にどのような多様性が生み出されているのかを解析した。まず、選択的にスプライスされる部分の長さは、ほとんどの場合タンパク質のドメインよりも短いことを見いだした。短い配列の挿入欠失及び置換によって変化がもたらされるタンパク質には、情報伝達や転写翻訳関連のタンパク質が多いことがわかった。アミノ酸配列に変化がもたらされる部分は、機能部位であることが目立つ。興味深いことに67%の場合では、選択的スプライシングがタンパク質のコア領域に変化をもたらしていることがわかった。このことは選択的スプライシングによって、タンパク質の立体構造に大きな変化がもたらされる可能性が示唆される。選択的スプライシングは、タンパク質の立体構造変化を通してタンパク質ネットワークを調整する機構と考えられる。
石田 恒; 松本 淳; 堤 遊*; 由良 敬
Proceedings of 16th International Microscopy Congress (IMC 2006), P. 242, 2006/09
生体超分子の電子顕微鏡像を取得することによって、いろいろな状態での構造を知ることができる。本研究では蛋白質合成生体超分子であるリボゾームの構造変化を電子顕微鏡像と計算科学の手法によって推定した。
由良 敬
バイオインフォマティクス事典, p.251 - 257, 2006/07
「バイオインフォマティクス事典」において、以下の項目の解説を執筆した。生体関連分子:生体を構成する分子を総称して生体関連分子と呼び、この中には生体高分子と生体低分子がある。タンパク質:生体の主要構成物質であるタンパク質は、アミノ酸が直鎖状に連結したポリペプチドであり、自発的に折りたたまることで固有の立体構造を形成する。タンパク質の構造変化:タンパク質の立体構造は、非常に弱い相互作用が集積して形成されている。RNA:RNAとは、リボ核酸の略称であり、遺伝情報からタンパク質を合成する際などに利用される生体高分子である。DNA:DNAとは、デオキシリボ核酸の略称であり、多くの生物において、遺伝情報を担う物質である。DNAはヌクレオチドを構成成分とする高分子である。コンタクト・マップ:タンパク質は、アミノ酸残基がつらなった1本鎖の高分子であり、アミノ酸残基の順番で決まる立体構造を形成する。DALI, 組合せ拡張法:アミノ酸配列からではわからないタンパク質の進化的な関係の推定やタンパク質の機能部位推定に、タンパク質の立体構造比較は重要な手段となっている。
由良 敬; 山口 昌太*; 郷 通子*
Journal of Structural and Functional Genomics, 7(2), p.65 - 76, 2006/06
ゲノム塩基配列から推定される全ORFがコードするタンパク質の立体構造をホモロジーモデリング法により可能な限り推定しデータベース(FAMSBASE)を構築してきた。現在FAMSBASEには368724ORF由来のタンパク質の立体構造が格納されている。FAMSBASEに格納されているタンパク質立体構造の年次変化を調べることで、全生物の全タンパク質の立体構造がいつ判明するかが推定できる。その結果原核生物の全タンパク質立体構造は15年後に、真核生物の全タンパク質立体構造は25年後にホモロジーモデリングが可能になることがわかった。
武田 淳一*; 鈴木 豊*; 中尾 光輝*; Barrero, R. A.*; 小柳 香奈子*; Jin, L.*; 本野 千恵*; 秦 裕子*; 磯貝 隆夫*; 永井 啓一*; et al.
Nucleic Acids Research, 34(14), p.3917 - 3928, 2006/00
被引用回数:35 パーセンタイル:53.78(Biochemistry & Molecular Biology)56 419本のヒト完全長cDNAにもとづく選択的スプライシング解析の結果をここに報告する。6877遺伝子から少なくとも、18 297個の選択的スプライシングの産物があらわれることがわかった。このうちタンパク質のアミノ酸配列まで影響が及ぶ場合は6005個存在する。6005個のうち3015個の場合はタンパク質アミノ酸配列モチーフに変化が見られ、2982個の場合は細胞内局在部位決定モチーフに、1348個の場合は膜貫通部位決定モチーフに影響が及ぶ。今まで知られていない選択的スプライシングのパターンとして、2つの遺伝子が1つになってしまう例などがあった。これらのデータは選択的スプライシング解析の基礎となっていくであろう。
目次 正一; 上野山 敦子*; 久保 純*; 宮田 真人*; 由良 敬; 河野 秀俊; 郷 信広
Biophysics, 1, p.33 - 43, 2005/05
マイコプラズマモービレの滑走メカニズムは、未知のままで残っているが、他のバクテリアのどんな以前に特定されたメカニズムとも異なっていると信じられている。マイコプラズマモービレのGli349は、ガラスの表面への付着と滑走性の両方に必須であるのが知られている。したがって、私たちは、Gli349の構造を解くためにGli349と相同タンパク質MYPU2110の配列解析を実行した。モチーフ"YxxxxxGF"がMYPU2110とGli349にそれぞれ16回と11回現れるのがわかった。さらなる解析により、Gli349がおよそ100残基長の部分配列を18回反復して含んでいて、MYPU2110が22回含むのを明らかにした。リピートは新規のものであった。キモトリプシンによるGli349のタンパク質加水分解により、切断点がリピート間にしばしば位置するのを明らかにした。
目次 正一*; 上野山 敦子*; Adan, J.*; 宮田 真人*; 由良 敬; 河野 秀俊; 郷 信広
Biophysics, 1, p.33 - 43, 2005/00
マイコプラズマは、これまでにしられている滑走する生物とは全く異なる滑走メカニズムを持っていると信じられている。われわれは、滑走メカニズムを解明するために、滑走関連蛋白質であると特定されたGli349蛋白質の配列解析を行った。この蛋白質は、ほかの生物の蛋白質と全く相同性を持たない新規の蛋白質であることがわかった。さらに、100残基程度の弱い相同性を持つリピート配列を少なくとも13個持っていることがわかった。リピート長から推定される蛋白質の大きさと電子顕微鏡で観察される塊のサイズがほぼ同程度であることが推定されることから、リピートが構造単位であることが強く示唆された。
山口 晶大*; 岩舘 満雄*; 鈴木 栄一郎*; 由良 敬; 川北 重恒*; 梅山 秀明*; 郷 通子*
Nucleic Acids Research, 31(1), p.463 - 468, 2003/01
被引用回数:15 パーセンタイル:25.01(Biochemistry & Molecular Biology)拡大FAMSBASEは全ゲノムが判明している41生物種がもつすべてのタンパク質のホモロジーモデリング結果を格納したリレーショナルデータベースである。モデルはFAMSによって構築した。拡大FAMSBASEには各種の検索方法が備わっている; タンパク質名,キーワード,タンパク質と相互作用する低分子名,アミノ酸配列の一致度など。これらのモデルはタンパク質と他の分子との相互作用を研究するよい出発点となる。ドラッグデザインのもととしても利用可能である。現在本データベースには18万以上のタンパク質立体構造が格納されている。本データベースはhttp://famsbase.bio.nagoya-u.ac.jp/famsbase/から利用可能である。
由良 敬
プロテオミクスの最新技術, p.93 - 101, 2002/11
ゲノム配列の決定は生物学に大きな影響をもたらす。ゲノム配列とはそのゲノムをもつ生物種の設計図であり、ゲノム配列を解読することで、その生物がどのようにして構成されているのかが理解できるからである。1995年にHaemophilus influenzaeの全ゲノムがはじめて決定された時点で、生物学者が直面した問題は、ゲノム配列がわかっても、残念ながらその中に何が書かれているのかがわからないということであった。それまでの遺伝学及び生化学の知見では、理解できない情報が厖大に存在する。これらの情報を従来と同じ遺伝学及び生化学の手法のみで解析していくのは不可能に近い。そこで脚光を浴びるようになったのが生命情報学である。本章では生命情報学の現状と未来を解説する。
由良 敬; 郷 通子*
蛋白質 核酸 酵素, 47(8), p.1090 - 1096, 2002/06
全ゲノム配列が判明している生物種は70種を越えている。生物の全ゲノム配列がわかったことへの感激は急速に減り、もう普通のことになってしまった。ゲノム配列を決定する技術はここ数年ほどで格段に進んだが、ゲノムの中の情報を抽出する方法はどの程度進歩したのであろうか。4種類の塩基の羅列から生命活動における意味を抽出することができるようになって、われわれは初めてゲノムを「解読」したことになる。この重要な問題へのひとつのアプローチを紹介する。
塩生 真史*; 由良 敬; 土方 敦史*; 中原 拓*; 篠田 和紀*; 山口 昌太*; 高橋 健一*; 郷 通子*
no journal, ,
選択的スプライシングは、一つの遺伝子から複数個のタンパク質を生み出す機構である。ヒトの30%から70%の遺伝子が選択的スプライシングを受けていると考えられている。本発表では、この遺伝子産物の変化が蛋白質にどのような影響を与えているのかを、系統的に調べ上げた結果を発表する。
由良 敬
no journal, ,
生体中で実際に機能しているタンパク質は、非常に大きな複合体(生体超分子)である場合が多い。そのため生命現象を物質に基づいて理解するためには、生体超分子を構成する全原子の座標情報が重要となる。生体超分子の構造は電子顕微鏡で明らかにされる場合が多いが、電子顕微鏡では一般的には解像度が1.2nm程度までしか得られない。原子レベルの構造との間には解像度に10倍程度の差がある。このような状況においてなすべきことは、生体超分子を構成する要素タンパク質の立体構造をX線結晶解析によって明らかにし、各要素分子を電子顕微鏡で得られている全体構造にあてはめ、生体超分子の原子構造を作り出すことであると考えられる。電子顕微鏡で得られる生体超分子の全体構造に、生体超分子を構成する各要素タンパク質の原子構造をあてはめる方法の開発は、世界的にも活発になってきている。それらの研究によって、少なくとも次の二つの問題点が明らかになってきた。(1)X線結晶構造解析で判明している要素タンパク質の立体構造と、生体超分子を構成している時の要素タンパク質の立体構造との間には大きな構造変化が起こっている場合がある。(2)電子顕微鏡像に要素タンパク質の構造をあてはめたときに、あてはめ結果を一意的に決定することができない場合がある。そこで、どのような情報を導入すればこれらの問題を克服できるかを検討するために、立体構造既知の生体超分子と要素タンパク質の組合せが明確になるデータベースを構築し、生体超分子構造と要素タンパク質構造とを比較した。本データベースに基づき、生体超分子形成時に要素タンパク質はどのような構造変化を起こし、要素タンパク質のどのような部位が相互作用部位になっているかを議論する。