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飛田 吉春*; 近藤 悟; 鈴木 徹*
JAEA-Research 2024-011, 39 Pages, 2024/10
日本原子力研究開発機構が開発したSIMMER-III及びSIMMER-IVは、2次元及び3次元の多速度場・多成分流体力学モデルを空間・時間依存の核動特性モデルと結合した計算コードであり、液体金属高速炉の炉心崩壊事故の解析に広く利用されている。多速度場の流動解析においては、流体速度場間及び流体・構造壁間の抵抗や摩擦をモデル化した運動量交換関数(MXFと呼ぶ)が必要となり、これにより溶融炉心物質間の相対運動や運動に伴う反応度効果が精度良く模擬される。SIMMER-III及びSIMMER-IVでは最大8の速度場を使用でき、各速度場は他の速度場及び構造材壁と運動量を交換する。多成分・多速度場流体における運動量交換に関する理論的・実験的知見は限られているため、MXFの定式化は定常二相流に関する工学的相関式に基づいて行った。また、プール流及びチャンネル流における多相流流動様式のモデル化においては、適切な内挿手順を採用することにより流動様式の遷移におけるMXFの連続性を維持した。MXFモデルは、多相流境界面積モデルと合わせて、コード検証(V&V)プログラムを通じて幅広くテストを行った結果、従来のコードにおける2速度場の制約や簡易モデルに伴う問題点の多くを解決できることが示された。
飛田 吉春*; 近藤 悟; 守田 幸路*
JAEA-Research 2024-010, 77 Pages, 2024/10
高速炉の炉心崩壊事故解析コードSIMMER-III及びSIMMER-IVの多相流動・境界面積モデルを開発した。複雑な多成分・多相流のトポロジーを体系的に模擬するため、プール流及びチャンネル流に対する流動様式をモデル化するとともに、流動様式の間の円滑な遷移を可能とした。コードの適用性と柔軟性を拡大するために境界面積対流モデルを導入することにより、各流体の境界面積の輸送と履歴を追跡し、それにより過渡現象をより適切に記述できるようになった。流体粒子の分裂・合体、液滴・気泡の生成等の結果生じる境界面積の時間変化は、境界面積対流方程式のソース項としてモデル化した。SIMMER-III及びSIMMER-IVの多成分系においては成分間の全ての可能な接触モードを考慮し、成分間の熱及び質量移行、運動量交換関数の計算に必要な流体-流体間、流体-構造材間の2成分間接触面積を計算する。本研究で開発した境界面積モデルは高速炉安全解析コードとしては世界初のものであり、コード検証(V&V)プログラムを通じて幅広くテストを行った結果、従来のコードにおける簡易モデルに伴う問題点の多くを解決できることが示された。
近藤 悟; 飛田 吉春*; 守田 幸路*; 神山 健司; 山野 秀将; 鈴木 徹*; 田上 浩孝; 曽我部 丞司; 石田 真也
JAEA-Research 2024-008, 235 Pages, 2024/10
日本原子力研究開発機構が開発したSIMMER-III及びSIMMER-IVは、2次元/3次元、多速度場、多成分流体力学モデルを空間・時間依存の核動特性モデルと結合した計算コードであり、液体金属高速炉の炉心崩壊事故の解析に広く利用されている。従来コードに対して次のような高度化したモデルが採用されている。すなわち、安定かつ頑健な流体力学アルゴリズム、最大8までの多速度場モデル、構造材及び多相流幾何形状の取扱いの改善、熱及び質量移行過程の包括的取扱い、高精度の状態方程式、高精度かつ高効率の中性子束計算モデル、崩壊熱モデルなどである。本報告書ではSIMMER-III及びSIMMER-IVのモデル及び解法の詳細を記述する。別途詳細が報告されている個別モデルについてはその概要をまとめる。なお、コードの検証及び妥当性確認についてはすでに報告済みである。
武田 哲明*; 稲垣 嘉之; 相原 純; 青木 健; 藤原 佑輔; 深谷 裕司; 後藤 実; Ho, H. Q.; 飯垣 和彦; 今井 良行; et al.
High Temperature Gas-Cooled Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.5, 464 Pages, 2021/02
本書は、原子力機構における今までの高温ガス炉の研究開発の総括として、HTTRの設計、燃料、炉内構造物や中間熱交換器などの要素技術の開発、出力上昇試験、950Cの高温運転、安全性実証試験などの運転経験及び成果についてまとめたものである。また、HTTRでの知見をもとに、商用炉の設計、高性能燃料、ヘリウムガスタービン、ISプロセスによる水素製造などの要素技術開発の現状について記述しており、今後の高温ガス炉の開発に非常に有用である。本書は、日本機械学会の動力エネルギーシステム部門による化石燃料及び原子力によるエネルギーシステムの技術書のシリーズの一冊として刊行されるものである。
光元 里香; 羽様 平; 高橋 慧多; 近藤 悟
JAEA-Technology 2019-020, 167 Pages, 2020/03
高速増殖原型炉もんじゅは、1968年の研究開発着手から半世紀にわたる設計, 建設, 運転, 保守等を通じて、数多くの貴重な成果を生んできた。本報告書は、「開発経緯と実績」, 「設計・建設」, 「試運転」, 「原子炉安全」, 「炉心技術」, 「燃料・材料」, 「原子炉設備」, 「ナトリウム技術」, 「構造・材料」, 「運転・保守」, 「事故・トラブル経験」の技術分野について、特徴や技術成果を取りまとめたものである。
近藤 悟; 飛田 吉春
JAEA-Research 2019-009, 382 Pages, 2020/03
日本原子力研究開発機構(旧動力炉・核燃料開発事業団)が開発したSIMMER-IIIは、2次元・多速度場・多成分流体力学を空間・時間依存の核動特性モデルと結合した計算コードであり、液体金属高速炉の炉心崩壊事故の解析に広く利用されている。コードの開発と並行して、包括的なコード検証プログラムを、第1期(流体力学個別モデルのverification)及び第2期(炉心崩壊事故における複雑かつ重要な現象についてのvalidation)の2段階に分けて実施してきた。SIMMER-III検証プログラムには欧州の研究開発機関が参加し、第1期の成果は1996年に総合的にとりまとめられた。本報告書は元の1996年の非公式の文書を再生・改訂することにより、第1期検証の研究成果を再編集したものである。第1期検証プログラムでは、流体対流、境界面積及び運動量交換、熱伝達、溶融・固化、蒸発・凝縮の分野で計34のテスト問題の解析が参加機関により分担して実施された。第1期プログラムで明らかとなった課題についてはその後のモデル開発・改良及び第2期プログラムに反映した。本報告書は新たに得られた研究知見に基づいて改訂しているが、参加者による元の解析結果と結論は、批判的な内容を含めて、そのまま記載している。
籾山 悟至*; Doornenbal, P.*; Scheit, H.*; 武内 聡*; 新倉 潤*; 青井 考*; Li, K.*; 松下 昌史*; Steppenbeck, D.*; Wang, H.*; et al.
Physical Review C, 96(3), p.034328_1 - 034328_8, 2017/09
被引用回数:6 パーセンタイル:44.76(Physics, Nuclear)理化学研究所の不安定核実験施設RIBFにて、中性子過剰核Mgの励起状態をMgおよびAlからのノックアウト反応によって生成し、そこからの脱励起線を観測した。Mgは中性子数20魔法数が消滅するとされる「逆転の島」と呼ばれる領域に含まれると考えられており、また、奇核であることから、一粒子状態と集団的状態が結合した興味深い核構造が出現すると期待されている。この実験によって、206keV, 443keV, 616keV, 670keVの4本の線を観測し、これらを全て基底状態へ脱励起する線であると仮定して励起準位を構成した。この準位構造、ノックアウト反応の断面積、移行運動量分布を殻模型計算および反対称化分子動力学計算と比較した。二つの計算は、基底状態近傍の高い準位密度などいくつかの特徴的な核構造を再現することに成功し、Mgは「逆転の島」に含まれるという描像と無矛盾であることがわかった。
寺島 拓*; 松田 康弘*; 久我 健太郎*; 鈴木 慎太郎*; 松本 洋介*; 中辻 知*; 近藤 晃弘*; 金道 浩一*; 河村 直己*; 水牧 仁一朗*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 84(11), p.114715_1 - 114715_4, 2015/11
被引用回数:4 パーセンタイル:33.77(Physics, Multidisciplinary)-YbAlB shows strong valence fluctuation as well as heavy fermion behavior at low temperatures. It has been theoretically suggested that the quantum criticality owing to the valence fluctuation found in Yb ions plays an important role in the peculiar properties of this material. In this work, we measured the X-ray absorption spectra (XAS) and X-ray magnetic circular dichroism (XMCD) at the L3 edge of Yb ions in high magnetic fields of up to 40 T. It is found that the XAS are almost independent of the magnetic field at 2 K, which proves that there is no significant valence change in this field range. The XMCD spectrum exhibits a distinct negative peak at the low-energy side of the L3 edge as well as the main positive peak near the white line. The negative XMCD peak is attributed to the quadrupole transition between the 2p and 4f states, and gives us microscopic information on the 4f state. This finding supports the recent theoretical proposal that is the ground state of the localized Yb magnetic moment, where is the z-component of the total angular momentum of Yb.
齋藤 伸三; 岡本 孝司*; 片岡 勲*; 杉山 憲一郎*; 村松 健*; 一宮 正和*; 近藤 悟; 与能本 泰介
Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 10 Pages, 2015/05
Japan Atomic Energy Agency set up "Advisory Committee on Monju Safety Requirements" in order to establish original safety requirements expected to the prototype FBR "Monju" SFRs use sodium as coolant. It is not necessary to increase primary system pressure for power generation because of the high boiling point of sodium (883C at atmospheric pressure) and sodium coolant liquid level can be maintained by guard vessels. It would therefore not result in core uncovering accident in early stage even in the case of a loss of primary coolant accident which could occur in LWRs, and hence forced pressure reduction and coolant injection are not necessary for SFRs. Liquid sodium can be used in the wide temperature range and be cooled by natural circulation. In addition, multiple accident management strategies by manual operation can be applied because temperature increase is generally gradual even under accident conditions and grace period (several to several ten hours) before significant core damage occurs can be achieved due to large heat capacity of sodium in systems. This paper summarizes the above mentioned safety requirements expected to Monju discussed by the committee.
根本 隆弘; 金城 紀幸*; 関田 健司; 古澤 孝之; 黒羽 操; 川上 悟; 近藤 雅明
JAEA-Technology 2015-006, 36 Pages, 2015/03
高温工学試験研究炉(HTTR)の原子炉補助施設に設置しているガス圧縮機は、冷却材ヘリウムの漏えい防止等の観点から複雑なロッドシール機構を有している。一方、これまでの運転経験において当該シール機構からのシールオイル漏れが頻発していたため、シール材の変更等による洩れ対策を行ってきたが、期待した効果が得られなかった。そこで、シールオイル漏れが頻発しているガス圧縮機のシール材を、仕様の異なるものに交換したところ、シールオイル漏れの発生が大幅に低減した。検討の結果、個々のガス圧縮機の特性に応じた適切なシール材を選定することが、シールオイル漏れ対策に有効であることが確認できた。また、これまでの運用経験を踏まえて、HTTRのガス圧縮機により適切なシールオイル漏れに関する判断基準と運用方法を立案した。本報は、HTTRで使用しているガス圧縮機のシールオイル漏れに係る改善方法について検討した結果をまとめたものである。
寺島 拓*; 松田 康弘*; 久我 健太郎*; 鈴木 慎太郎*; 松本 洋介*; 中辻 知*; 近藤 晃弘*; 金道 浩一*; 河村 直己*; 水牧 仁一朗*; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 592(1), p.012020_1 - 012020_6, 2015/03
被引用回数:1 パーセンタイル:42.32(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)価数転移に伴う量子臨界現象が理論的に提案され、希土類金属間化合物における価数揺動現象が注目を集めている。最近、-YbAlBがチューニングなしで量子臨界を示すことと強い混合原子価状態にあることが見出された。この研究では我々は-YbAlFeB ()について磁化曲線とX線吸収を測定した。この物質は、局所的には-YbAlBと同一構造をもつ多形である。磁化測定とX線測定はそれぞれ55Tと40Tまで行った。Yb価数のわずかな上昇が磁化曲線が傾きの変化を示す磁場で観測された。
近藤 悟; 弟子丸 剛英; 此村 守
Proceedings of International Conference on Fast Reactors and Related Fuel Cycles; Safe Technologies and Sustainable Scenarios (FR-13) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2013/03
もんじゅは、1995年のナトリウム漏えい以降長期停止後、2010年に運転を再開し、ゼロ出力での試験において、アメリシウムを多く含む炉心の炉物理特性の正確な予測の実証等の成果を得た。東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、停止状態にあるが、シビアアクシデントへの対応や安定運転の実証等を通じて将来のナトリウム冷却高速炉の技術を蓄積するというもんじゅの役割は変わっていない。これまでの技術成果、不具合対応、全交流電源喪失時の安全性向上対策及び今後の計画について概括的に述べる。
魚崎 浩平*; 森田 潤*; 勝崎 友子*; 高草木 達*; 田村 和久; 高橋 正光; 水木 純一郎; 近藤 敏啓*
Journal of Physical Chemistry C, 115(25), p.12471 - 12482, 2011/06
被引用回数:13 パーセンタイル:39.35(Chemistry, Physical)UPD反応により作成したAgバイレーヤー上でのAg/AgCl反応について、EQCM, STM, SXS及び電気化学測定を用いて追跡した。その結果、最初Cl-が()構造でAg上に吸着し、次に()R13.9の構造をもつAgCl層を形成することがわかった。さらにAgCl層は(44)構造に変化した。
近藤 敏啓*; 田村 和久; 高草木 達*; 北村 健*; 高橋 正光; 水木 純一郎; 魚崎 浩平*
Journal of Solid State Electrochemistry, 13(7), p.1141 - 1145, 2009/07
被引用回数:6 パーセンタイル:14.55(Electrochemistry)Au(111)上にアンダーポテンシャル析出により作成したAgバイレーヤー上に作成したヘキサンチオールSAM膜について、SAMの吸脱着過程におけるAg/Au(111)界面の構造変化を、STM及び表面X線散乱法を用いて決定した。SAM形成過程においては、Agバイレーヤーの構造に変化は見られなかったが、SAMを還元脱離する過程ではAgも同時に脱離することがわかった。
中村 博雄; Agostini, P.*; 荒 邦章; Cevolani, S.*; 千田 輝夫*; Ciotti, M.*; 深田 智*; 古谷 一幸*; Garin, P.*; Gessii, A.*; et al.
Fusion Engineering and Design, 83(7-9), p.1007 - 1014, 2008/12
被引用回数:19 パーセンタイル:75.34(Nuclear Science & Technology)本報告では、国際核融合材料照射施設(IFMIF)の液体リチウム(Li)ターゲットの最近の設計について述べる。IFMIFは、核融合材料照射のための加速器型中性子源である。中性子は、重陽子ビームを液体Li流に照射して発生させる。ターゲット系の主な設計要求は、1GW/mの熱負荷除熱のための流速10m/sから20m/sで安定なLi流を実現することである。そのため、2段絞りのノズル及び曲面流が採用され、流動特性は水とLi流実験で確証された。純化系は、コールドトラップ及び2種類のホットトラップから構成されており、トリチウム,ベリリウム7,酸素,窒素,炭素等を、許容量以下に制御する。窒素は10ppm以下に、トリチウムは1ppm以下である。また、信頼性のある長期運転のため、自由表面計測など種々の計測器が設置される。ターゲットアセンブリの背面壁は、50dpa/yの中性子照射を受けるため、遠隔操作で交換可能な構造が不可欠であり、2つの方式が検討中である。
近藤 雅明; 君島 悟*; 江森 恒一; 関田 健司; 古澤 孝之; 早川 雅人; 小澤 太教; 青野 哲也; 黒羽 操; 大内 弘
JAEA-Technology 2008-062, 46 Pages, 2008/10
高温工学試験研究炉(HTTR)では、原子炉格納容器(CV)の気密性を確認するために漏えい率検査を実施している。本検査は、原子炉格納容器漏えい率試験規程(JEAC4203)のA種試験(全体漏えい率試験)で行ってきたが、準備から復旧に至るまで相当の費用と時間を要する。そこで、HTTRの保守の効率化の観点から、A種試験とB種及びC種試験(局部漏えい率試験)を組合せたスケジュールに移行できるよう漏えい率検査実施方針を見直した。JEAC4203-2004では、試験スケジュール移行要件として、全体漏えい率に経年的増加が認められないこと、全体及び総合漏えい率(局部漏えい率の総和)が各々判定基準を満足すること、全体及び総合漏えい率に相関が認められることが規定されるとともに、総合漏えい率の判定基準が見直された。著者らは、これまでの試験実績に基づき、移行要件への対応方針及び検査実施方針を定め、これらが規制当局に了承された。本報では、HTTRのCV漏えい率試験について概説し、従来方法の問題点及びJEAC4203-2004における試験スケジュール移行上の要件を整理するとともに、各要件への対応方針及びCV漏えい率検査実施方針をまとめている。
石川 眞; 永田 敬; 近藤 悟
Proceedings of International Conference on the Physics of Reactors, Nuclear Power; A Sustainable Resource (PHYSOR 2008) (CD-ROM), 8 Pages, 2008/09
本報告は、日本の高速炉サイクル技術開発プロジェクト(FaCT)における均質アクチニドリサイクルのシナリオを要約したものである。最初に、日本における核エネルギー政策を簡単にレビューする。続いて、すべてのマイナーアクチニド(MA)核種をリサイクルする日本の基本計画を述べる。この目的は、ウラン資源の効率的な利用,環境負荷低減,核不拡散能力の増加にある。次に、MAを装荷した高速炉に関する炉物理研究の成果をまとめる。さらに、将来の高速炉平衡サイクル社会において、すべてのMAをリサイクルすることが、実現可能であることを示すために、FaCTプロジェクトの中で行ってきた設計研究の結果をまとめる。最後に、MAリサイクルを実現するための日本及び国際協力による研究開発計画を紹介する。
近藤 敏啓*; 森田 潤*; 花岡 一哉*; 高草木 達*; 田村 和久; 高橋 正光; 水木 純一郎; 魚崎 浩平*
Journal of Physical Chemistry C, 111(35), p.13197 - 13204, 2007/09
被引用回数:86 パーセンタイル:89.16(Chemistry, Physical)50mM硫酸水溶液中でのAu(111)及びAu(100)単結晶電極の表面構造の電極電位依存性について、表面X線散乱法を用いて検討した。Au(111), Au(100)面ともに、酸素吸着したまま、表面再配列が起きていることが明らかになった。
向 和夫; 佐賀山 豊; 近藤 悟; 岩村 公道; 杉山 俊英
原子力eye, 53(3), p.24 - 33, 2007/03
FBRサイクルの実用化戦略調査研究フェーズ2の国による評価が終了し、これから「FBRサイクル実用化研究開発」が始まる。革新的な技術の具体化と「もんじゅ」における開発成果を踏まえ、実用施設・実証施設の概念構築を中心に、原子力機構の主要プロジェクトとして集中的な研究開発が進められる。2010年には、その開発成果を評価し、高い確度を持った見通しで革新技術の採否を判断する予定である。また、FBRサイクルの研究開発に関し、グローバル原子力エネルギー・パートナーシップ構想,第4世代原子力システム国際フォーラム,革新的原子炉及び燃料サイクル国際プロジェクトなど、世界的な動向が活発化している。
神山 健司; Brear, D. J.*; 飛田 吉春; 近藤 悟
Journal of Nuclear Science and Technology, 43(10), p.1206 - 1217, 2006/10
被引用回数:25 パーセンタイル:83.48(Nuclear Science & Technology)高速炉の仮想的な炉心崩壊事故の影響を合理的に評価するため、溶融炉心物質の移行について機構論的シミュレーションが必要とされている。溶融炉心物質が炉心領域に配置されている流路に侵入した際の固化挙動は、燃料の炉心領域からの排除に影響するため、重要な役割を持つ。したがって、固化挙動を扱う機構論的モデルを開発し、高速炉安全解析コードSIMMER-IIIに導入した。結晶体の微視的物理学に基づいた2つの重要な想定、すなわち、流路壁面近傍での溶融物質の過冷却及び融体と壁面との不完全な接触による接触熱抵抗を導入した。その結果、二酸化ウラン及び金属の固化試験で得られた溶融物質の侵入長さ及び固化形態について、良い一致を得ることができた。さらに、開発したモデルの信頼性向上のため、過冷却温度を予測する実験相関式を導いた。この新しい実験相関式を含んだモデルにより、ステンレス・スティール及びアルミナの固化挙動も再現することができた。