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論文

殺虫線量照射による玄米の発芽率変化と糸状菌発生の抑制

伊藤 均; 飯塚 廣*; 佐藤 友太郎*

日本食品工業学会誌, 29, p.423 - 425, 1982/00

水分含有量13.0~14.0%の低水分含量玄米に20および30kradの殺虫に必要なガンマー線を照射して、クラフト紙袋中で夏期3ヶ月間貯蔵したところ、非照射区では変敗糸状菌のAspergillus等が著しく検出されるようになった。一方、殺虫線量照射区では糸状菌検出率が明らかに少なかった。玄米の発芽率も非照射区では17~47%に減少したが、照射区では55~99%に保たれていた。この原因として貯蔵中の糸状菌および虫発生の抑制、放射線による発芽刺激効果などが考えられる。

報告書

放射線処理による清酒清澄剤のおり下げ促進効果

久米 民和; 八木 国光*; 上野 博資*; 青木 章平*; 佐藤 友太郎*

JAERI-M 9256, 12 Pages, 1981/01

JAERI-M-9256.pdf:0.6MB

各種高分子物質に放射線を照射し、清酒に対するおり下げ効果を検討した。ペクチン、ゼラチン、トラガントガム、セルロース、カラゲーナン、グルテン、アルギン酸ソーダのいずれの場合にも、照射によるおり下げ促進効果が認められ、とくにグルテン抽出タンパクおよびアルギン酸ソーダで良好な結果が得られた。最適照射線量は50Mradであったが、10Mradので十分な促進効果が認められた。また、照射アルギン酸ソーダの場合には、常法とされている柿渋の併用がなくても十分なおり下げ効果が得られた。照射によりグルテン中のグルテニン区分が減少し、比較的低分子のダリアジン-アルブミン区分が増大したことから、グルテン分子は照射により低分子化していることが認められた。したがって、これらおり下げ剤が照射により低分子化し、清酒に対して溶解あるいは分散しやすくなることがおり下げ促進効果の一因であると推定された。

論文

Effect of gamma-irradiation on purified glucose isomerase in dilute solution

久米 民和; 渡辺 宏; 青木 章平*; 佐藤 友太郎*

Agricultural and Biological Chemistry, 45(6), p.1311 - 1315, 1981/00

$$beta$$treptomyces phaeochromogenus菌体より抽出・精製したグルコースイソメラーゼに対する$$gamma$$線照射の影響を検討した。稀薄溶液中(pH 7.0)で照射した場合酵素活性は指数関数的に減少し、失活収率(Go)は空気中では0.069、窒素中では0.115であった。 また、ラジカル補捉剤であるN$$_{2}$$Oガスおよびt-BuOHを用いて、酵素失活に対する水の放射線分解生成ラジカルの寄与の割合を検討した。・OH、Hおよびl$$_{a}$$$$_{q}$$のグルコースイソメラーゼに対する失活効率は各々0.032,0.025,0.005であった。このように本酵素の失活には主として・OHとHが関与しており、l$$_{a}$$$$_{q}$$の寄与はわずかであった。しかし、無酸素状態の中性水溶液では・OHの収率が高いため、全体としては・OHが主に失活に関与していた。

論文

Radiosensitivity of glucose isomerase in vivo and in vitro

久米 民和; 渡辺 宏; 武久 正昭; 佐藤 友太郎*

Agricultural and Biological Chemistry, 45(6), p.1351 - 1355, 1981/00

グルコースイソメラーゼを種々の条件下で照射した場合の放射線感受性について検討した。菌体内グルコースイソメラーゼは指数関数的に失活し、酸素存在下での著しい増感効果が認められた。遊離の酵素を照射した場合には、細胞内の場合に比較してより高い放射線感受性とより小さい酸素効果が認められた。酸素増感率(OER)は菌体内で3.7、粗酵素液で2.0、遊離の酵素で1.3であり、酵素の精製度とともに減少した。精製酵素では逆に酸素による保護効果が認められた。 遊離の酵素液にグルタチオンを添加して照射すると、失活は著しく保護され、N$$_{2}$$中での失活曲線は菌体内での失活曲線にほぼ一致した。O$$_{2}$$中でのグルタチオンによる保護効果は高線量域で消失したが、これはグルタチオンがO$$_{2}$$中での照射により分解し易いためと考えられた。

論文

Purification of lytic enzymes for radioresistant bacteria produced by Achromobacter lunatus

渡辺 宏; 佐藤 友太郎*

Agricultural and Biological Chemistry, 45(5), p.1209 - 1214, 1981/00

A.lunatusの生産する粗酵素は種々の微生物に対して広い溶菌活性を示す。我々は特に放射線抵抗性細菌を溶解する酵素を得るため、粗酵素の分離と精製を行なった。粗酵素はCM-SephadexとSephadex G-75によって13活性画分に分離された。これらの画分の内、5画分は溶菌スペクトルが似ているが、他の画分は各々異なる溶菌スペクトルを示した。粗酵素が広い溶菌スペクトルを示すのは、このように多くの酵素を含んでいるためであると考えられる。ディスクゲル電気泳動の結果から、P2-2画分を除く他の画分は少なくとも2種類以上の蛋白を含んでいた。P2-2画分(P2-2酵素と命名)はM.radioduransに対して最も高い活性を示し、粗酵素から34倍精製された。本酵素は界面活性剤を使わなくとも放射線抵抗性菌を溶解できるが、カゼインのような蛋白を分解する能力はない。

論文

Properties and lytic action of the P2-2 enzyme capable of lysing cells of Micrococcus radiodurans

渡辺 宏; 佐藤 友太郎*

Agricultural and Biological Chemistry, 45(5), p.1215 - 1221, 1981/00

放射線抵抗性細菌を溶解する精製P2-2酵素の性質とその溶解作用について検討した。酵素反応の至適温度は60$$^{circ}$$Cであり、至適pHは8.5であった。本酵素は中性緩衝液中では40$$^{circ}$$Cまで安定であるが、80$$^{circ}$$C15分の加熱で失活した。 2価金属イオンとPCMBやIAAは酵素活性を阻害した。Sephadex G-75から求めた分子量は16000である。M.radioduransやM.lysodeikticusの細胞壁から調製したペプチドグリカンはP2-2酵素によって溶解し、Freeのアミノ基を遊離するが、還元基やN-アセチルアミノ糖は遊離しなかった。従って本酵素はendopeptidaseであると考えられる。さらに、酵素を作用させたペプチドグリカンのN末端アミノ酸の分析結果から、P2-2酵素はペプチドグリカン中のD-アラニンのカルボキシル基側ペプチド結合を切断すると考えられる。

論文

Inactivation of biotin in molasses by gamma-radiation

渡辺 宏; 佐藤 友太郎*

J.Ferment.Technol., 59(2), p.169 - 172, 1981/00

糖蜜を含む発酵培地を放射線で殺菌処理することを目的として、照射によって起る成分変化について調べ、糖成分の変化については先に報告した。今回は糖蜜中のビオチンの失活について検討した結果を報告する。水で希釈しない場合には、糖蜜中のビオチンは照射に対して安定であり、3Mrad照射してもほとんど失活しなかった。ビオチン成分をゲル濾過によって分画すると、甘蔗糖蜜から3成分、甜菜糖蜜からは2成分のビオチン活性を有する画分が得られた。ゲル濾過における溶出位置をPCにおけるRfの違いから、これら5成分はいずれも標準ビオチンとは異なる物質であることが判った。糖蜜から分離されたビオチン成分を水溶液で照射すると、放射線感受性は高く、比較的低線量で失活した。従って糖蜜中のビオチンが照射に対して安定であるのは共存する糖やアミノ酸などによって保護されているためである。糖蜜を完全殺菌するために3Mrad照射しても、成分変化はほとんど起らないことが明らかとなった。

論文

Changes in content and composition of sugar in molasses caused by gamma-irradiation

渡辺 宏; 佐藤 友太郎*

J.Ferment.Technol., 58(4), p.363 - 366, 1980/00

糖蜜を含む醗酵培地を放射線で殺菌処理することを目的として、照射によって起る糖蜜中の糖含量と糖組成の変化を調べた。水で希釈しない場合には、糖蜜中の全糖および直接還元糖量は照射の影響をあまり受けず、甘蔗糖蜜では3Mrad,甜菜糖蜜では1Mrad照射しても、全く糖含量の変化はみられなかった。しかし、水で希釈すると、糖含量は線量の増加とともに減少し、組成も変化した。シュクロースは照射によって分解し、グルコースとフラクトースを生成した。ラフィノースも照射によって分解するが、ガラクトースは検出できなかった。照射温度は約60$$^{circ}$$Cまでの実験した範囲において、糖の変化にほとんど影響しなかったが、pH4以下の溶液や、酸素を飽和させた溶液中では、照射による糖含量の変化が促進された。

論文

グルコースイソメラーゼに対する$$gamma$$線照射の影響; in vivoにおける放射線感受性

久米 民和; 渡辺 宏; 佐藤 友太郎*

食品照射, 14, p.15 - 19, 1979/00

Streptomyces phaeochromogenus産生のグルコースイソメラーゼに対する$$gamma$$線照射の影響を検討した。菌体懸濁液をN$$_{2}$$中で照射した場合、低線量域で著しく失活し、以後指数関数的に失活した。本実験で用いた菌体懸濁液中には約45%の酵素が遊離の状態で存在しており、放射線感受性の高い遊離の酵素と比較的放射線抵抗性の菌体内酵素の失活の合成曲線としてこのような結果が得られたものと考えられた。一方、菌体内酵素の酵素増感率(OER)は3.7と非常に高い値を示したものに対し、ダイノミルによる菌体破砕上澄液では2.0,遊離の酵素液では1.3,精製酵素では逆に酸素による保護効果が認められ、酵素を精製するに従いOERが減少するという結果が得られた。遊離の酵素液に対するグルタチオンの添加効果を調べた結果から、細胞内には多くの保護物質が存在し顕著な保護効果を示しているが、保護物質の一部はO$$_{2}$$存在下で著しく変化し保護効果を示さなくなることがin vivoにおける酸素効果の一因であると考えられた。

論文

ガンマ線照射によるウィンナーソーセージの色の変化

久米 民和; 青木 章平; 佐藤 友太郎*

日本食品工業学会誌, 25(1), p.29 - 35, 1978/01

ウィンナーソーセージ(V.S)に1.0Mradまでの$$gamma$$線を照射したときの色の変化について検討した。この結果、V.Sは照射により退色し、特に赤色色素成分が減少することが認められた。また,照射時に存在する酸素量が多いほど退色が著しくなる傾向が認められた。官能検査の結果、99%の信頼度で非照射試料との間に有意差が認められる線量は、市販V.Sの場合窒素置換で1.0Mrad(95%の信頼度では0.5Mrad)、空気封入で0.5Mradであり、酸素置換では0.3Mradですでに有意差が認められた。一方特定総合研究用の特性V.Sの場合は市販V.Sより退色し難く、窒素置換では1.0Mradまで有意差は認められず、市販包装状態(窒素気流中で包装)では1.0Mrad、空気封入では0.3Mradで有意差が認められた。また、照射V.Sの抽出色素成分の540nmおよび340nmにおける吸光度変化等から、呈色基であるニトロソヘム化合物の減少およびヘム部分のポリフィリン核の開裂が生じていることが推定された。

論文

ガンマー線照射したウィンナーソーセージのミクロフローラに及ぼす包装フィルムの影響

伊藤 均; 渡辺 宏; 青木 章平; 佐藤 友太郎*

日本農芸化学会誌, 51(10), p.603 - 608, 1977/10

 被引用回数:0

保存料無添加の特注ウィンナーソーセージ(VS)に$$gamma$$線を300~500krad照射した後に増殖してくるMoraxella like taxaに属するMA菌や酵母菌の増殖を抑制する目的で酸素ガス透過度の異なる包装フィルムの影響をしらべた。酸素ガス透過度の異なるセロポリ、ナイロン-12、Kセロハン、EG-QのフィルムにVSを窒素ガス置換して包装した場合、非照射では各包装フィルムとも差がなく2~3日(10$$^{circ}$$C)で10$$^{6}$$/gに達しネトが認められるようになった。ところが照射VSでは10$$^{6}$$/gに達するに要する期間はセロポリの300kradで4~5日、500kradで7~8日であったのに対し、KセロハンやEG-Qではその期間が延長され300kradで7~9日、500kradで13~15日以上になった。この場合、酸素ガス透過度の低い包装フィルムでは好気性のMA菌や酵母菌Micrococcusなどの増殖が抑制された。しかし非照射VSに増殖する乳酸菌には効果は認められなかった。なお食味に対する影響は若干EG-QやKセロハンに認められた程度である。

論文

温州ミカンの放射線保蔵に関する研究,第3報; ミカンの褐変発生と貯蔵効果に及ぼす電子線エネルギーの影響

渡辺 宏; 青木 章平; 佐藤 友太郎*

日本食品工業学会誌, 24(2), p.59 - 64, 1977/02

電子線エネルギーやビーム電流、および照射前後の加熱処理などが果皮の褐度化や殺菌効果に及ぼす影響について調べ、カビや褐度の発生を抑えて温州ミカンを貯蔵するための条件を検討した。果皮の褐度化は電子線エネルギーが低いほど少なく、0.2MeVでは非照射と変わらなかった。前報での線量測定の結果から、果皮の褐度化は果皮だけに吸収された線量に依存し、果実全体に吸収された線量には依存しないことを明らかとした。また殺菌効果は0.5MeVで最も大きく、エネルギーが高くなるにつれて逆にカビの発生率は増加した。ビーム電流を変えて間接的に線量率効果を調べた結果、褐度発生には影響がみられないが、殺菌効果は電流が大きいほど、大きくなった。照射前後の加熱処理は無処理の場合よりも褐度やカビの発生を増加させた。したがってカビや褐度を抑えて貯蔵するには、比較的大きなビーム電流で0.5MeVで照射することが望ましく、また照射前後のミカンの品温を一定にする必要があると思われる。

論文

パッケージ照射におけるかまぼこの吸収線量分布

久米 民和; 橘 宏行; 青木 章平; 佐藤 友太郎*

日本食品工業学会誌, 24(2), p.72 - 76, 1977/02

貯蔵期間の延長を目的としたかまぼこの$$gamma$$線照射処理に関する研究が進められている。本実験では、かまぼこのパッケージ照射実用化のための照射条件を明らかにするため、パッケージ内かまぼこ中の吸収線量分布と線量均一度について検討した。パッケージとしては市場流通に用いられている14$$times$$27$$times$$38cmのダンボール箱を用い、線量計としては鉄線量計を用いた。かまぼこによる吸収線量減衰率は2$$times$$10$$^{5}$$、5$$times$$10$$^{4}$$、1$$times$$10$$^{4}$$rad/hrの各線量率でほぼ一致した結果が得られた。厚さ14cmのパッケージを用い、3$$times$$10$$^{5}$$rad/hrの線量率で反転照射したときのパッケージ内の奥行方向の線量均一度は1.16であった。高さ方向の空間の線量均一度は1.11であり、全体の線量均一度はこれらの値から近似的に1.29と求められた。包装紙・板付のままかまぼこを照射した場合には、線量均一度は1.12と小さい値が得られた。安全性試験用のかまぼこを用いて、かまぼこによる吸収線量減衰率から求めた線量均一度の計算値は実測値とよく一致した。

論文

$$gamma$$線照射によるタマネギの発芽防止における必要最低線量と線量率効果

久米 民和; 橘 宏行; 青木 章平; 梅田 圭司*; 佐藤 友太郎*

日本食品工業学会誌, 24(1), p.37 - 40, 1977/01

実用規模で大量のタマネギを$$gamma$$線照射処理する際に必要となる発芽防止必要最低線量および線量率効果の有無について検討した。試料としては「札幌黄」を用い、吸収線量のバラツキを抑えた状態($$pm$$2%程度)で照射し、照射後室温で収穫後8か月までの貯蔵実験を行なった。2~5krad照射区では顕著な発芽防止効果が認められたのに対し、0.5および1krad照射では不十分な抑制効果しか認められなかったことから、発芽防止必要最低線量は2kradであると考えられた。また、実用照射時に使用可能であると考えられる5$$times$$10$$^{3}$$~1$$times$$10$$^{5}$$rad/hrの線量率範囲では、線量率が異なっても発芽率に顕著な差は認められず、線量率効果はほとんどないと考えられた。

論文

温州ミカンの放射線保蔵に関する研究,2; 電子線照射したミカンの表面線量分布と線量均一性

渡辺 宏; 橘 宏行; 青木 章平; 佐藤 友太郎*

日本食品工業学会誌, 24(1), p.31 - 36, 1977/01

電子線照射による殺菌効果やミカンの生理的変化を理解するための基礎として、照射したミカン表面の線量分布をCTAを用いて測定し、さらにミカン表面を均一に照射するための条件について検討した。電子線のエネルギーが高い程、ミカン赤道の線量は増加した。これは反転することにより両面から同線量照射したためであるが、0.5MeV以下のエネルギーではこの線量増加はみられなかった。表面線量分布に与える散乱線の影響は0.2MeVで照射した場合に観察されたが散乱線の寄与はあまり大きくなく、線量均一性に最も大きく影響する要因は、電子線のミカンへの入射角度であった。コンベア上の照射領域全体を考えると、試料全体の線量均一性は、空間線量分布と電子線の入射角度によって最も影響された。これらの結果を含め、ミカンを大量に照射する場合の線量均一性に関係する諸条件について考察した。

論文

冷凍トロロイモ汁の放射線殺菌と粘度変化

伊藤 均; 佐藤 友太郎*

日本食品工業学会誌, 23(11), p.537 - 543, 1976/11

凍結されたトロロイモ汁中の大腸菌群の数は、1g中10~300個検出された。総菌数も4$$times$$10$$^{4}$$~5$$times$$10$$^{5}$$個と非常に多く、分離された大腸菌群はEscherichia coliおよびIntermediate typeであり、そのほかアリゾナ類似菌やProteusも検出され、厚生省の細菌学的な規格に適さなかった。この大腸菌群やサルモネラ菌など腸内細菌群を検出限界以下に減菌するためには150~200kradの線量が必要であり、衛生的に完全な殺菌線量300~500kradと推定された。しかし、照射による粘度低下は凍結下での照射でも意外に大きく、非ニュートン粘性指数で現した相対粘度は線量の増加と共に急激に減少した。この粘度低下は食味に大きな影響を与えるため、食味の上からなんとか受け入れられる線量は200kradが限界と思われる。したがって、冷凍トロロイモ汁に適用できる殺菌線量は150~200kradが適当であろう。なお、本研究は冷凍食品の殺菌の一例として行なったものである

論文

サイロ型中規模米麦照射装置による米の殺虫と照射米の官能試験

青木 章平; 渡辺 宏; 佐藤 友太郎*; 星 龍夫; 田中 進; 高野 博幸*; 梅田 圭司*

日本食品工業学会誌, 23(7), p.283 - 287, 1976/07

高崎研究所で設計、製作したサイロ型中規模米麦照射装置を用い、米について実際に殺虫試験および照射米の官能検査を行なった。本装置は棒状のC$$_{0}$$-60線源(277/Ci)の周囲に同心円状に3つの照射領域を有し、線量の調節は、米麦の流速を各領域ごとに仕切弁で制御することにより行なう構造となっている。試料米には46年群馬県産「日本睛」玄米を用い、線量は8~21kradとした。殺虫試験ではコクゾウの成虫およびカルチャーを各照射領域に混入して照射した。成虫はいずれの領域のものも、照射後7日間で約85%、21日後でほとんど完全に死滅した。また、卵、幼虫、蛹からの成虫羽化は認められなかった。官能検査では大量に照射した玄米のなかから一部を精白して試料とした。照射米は照射直後において粘りについて5%の危険率の下に、非照射米より若干劣っていたが、3ヵ月貯蔵後では試験項目すべてにわたって有意差は認められなかった。

論文

温州ミカンの放射線保蔵に関する研究,1; 官能的品質と貯蔵効果に及ぼす$$gamma$$線照射の影響

渡辺 宏; 青木 章平; 佐藤 友太郎*

日本食品工業学会誌, 23(7), p.300 - 305, 1976/07

温州ミカンの放射線殺菌のための線質を選定する目的で、$$gamma$$線および電子線で照射したミカンの風味の変化と、$$gamma$$線照射したミカンの貯蔵性について検討した。$$gamma$$線で50krad照射したミカンは照射直後にoff-flavorを生じるが、4$$^{circ}$$C7日間貯蔵すれば、非照射試料との間で有意差は認められなかった。また200krad照射しても貯蔵中にoff-fravorが減少する傾向がみられた。電子線では逆に甘味が増し、非照射よりも高い評価を与えた。カビの発生を抑制できる線量は200kradであり、3$$^{circ}$$C貯蔵で3ヶ月間はカビの発生はみられない。しかし低温貯蔵中でも照射によって表皮の褐変発生率は増加し、線量に依存した。低温貯蔵後室温に移すと200krad$$gamma$$線照射したミカンではカビや褐変の発生が増加し、さらに組織の軟化や萎縮が著しく、食用に絶えない程品質が劣化した。低温貯蔵後の室温貯蔵中での著しい品質の低下と、低温貯蔵中での褐変の発生を考えると、温州ミカンの殺菌には$$gamma$$線照射は適用できない。

論文

Study of the intermediate type of moraxella and acinetobacter occurring in radurized vienna sausages

伊藤 均; 佐藤 友太郎*; 飯塚 廣*

Agricultural and Biological Chemistry, 40(5), p.867 - 873, 1976/05

保存料無添加のウィンナーソーセージに$$gamma$$線を300~500krad照射した場合発生してくるネト原因菌はグラム陰性の二連の球桿菌であった。本菌は運動性のない好気性細菌でオキシダーゼ陽性,糖の酸化的分解能はほとんど認められない。これらの性質から判定すると当然Moraxellaに属することになるが、生育適温が15~20$$^{circ}$$Cの低温性細菌であり、7.5%以上のNaCl温度でも育成能があるのが本菌の特徴である。Bergey's Manual of Determinative Bacteriology,第8版では本菌をMaraxella like Taxaの一つとして分類しているが、本報では仮にMaraxellaとAcinetobacterの中間型細菌としておいた。本菌のGC含量は約44%であり、この点はMaraxellaやAcinetobacterと共通している。本菌の放射線に対する抵抗性はウィンナーソーセージの変敗菌であるMicrococcusなどにくらべ著しく強く、そのD$$_{1}$$$$_{6}$$値は燐酸緩衝液中で44~54kradでAcinetobacter calcoaceticusの約4倍の値を示していた。

報告書

$$gamma$$線照射による馬鈴薯の発芽防止における必要最低線量と線量率効果

久米 民和; 橘 宏行; 青木 章平; 佐藤 友太郎*

JAERI-M 6408, 9 Pages, 1976/02

JAERI-M-6408.pdf:0.55MB

$$gamma$$線照射による馬鈴薯の発芽防止必要最低線量および実用照射で使用可能と考えられる線量率範囲における線量率効果の有無について、北海道士幌産の「男爵」種を用いて検討した。48年産試料について4~7kradの照射を行ない、照射後6か月間(収穫後約8か月)貯蔵した。室温貯蔵(1~24$$^{circ}$$C)の場合、4~5kradでは腐敗粒を除く全ての試料に発芽が認められたが、6kradおよび7kradではほとんど発芽は認められなかった。4$$^{circ}$$Cで6か月間貯蔵後とほぼ同じ結果が得られた。これらのことから馬鈴薯の発芽防止に必要な最低線量は6kradであると考えられた。48年産および49年産試料について、5$$times$$10$$^{3}$$~1$$times$$10$$^{5}$$rad/hrの線量率を用いて5~7krad照射して貯蔵試験を行なった結果、線量率相異による発芽率に大きな差は認められず、この線量率範囲でにおける線量率効果はほとんどないと考えられた。

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