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廃炉環境国際共同研究センター; 木更津工業高等専門学校*
JAEA-Review 2021-043, 135 Pages, 2022/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「過酷炉心放射線環境における線量測定装置の開発」の平成30年度から令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本課題は令和2年度が最終年度となるため3年度分の成果を取りまとめた。東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の炉内および建屋内は事故の影響で非常に高い放射線環境となっており、1F現場作業状況のニーズを踏まえた上で、放射線測定技術の開発が求められている。本研究では、太陽電池素子による線量測定技術を基盤とした画期的な放射線計測システムの実用化に向けた開発を行い、太陽電池型線量計は、炉心付近の高線量率下での線量評価、非電源化・超小型軽量化、および高い耐放射線性を達成可能であることを明らかにした。
廃炉環境国際共同研究センター; 木更津工業高等専門学校*
JAEA-Review 2020-051, 97 Pages, 2021/02
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「過酷炉心放射線環境における線量測定装置の開発」の令和元年度の研究成果について取りまとめたものである。東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所(1F)の炉内および建屋内は事故の影響で非常に高い放射線環境となっており、1F現場作業状況のニーズを踏まえた上で、放射線測定技術の開発が求められている。これまでの研究で、太陽電池素子を応用した線量計は、炉心付近の高線量率下での線量評価、非電源化・超小型軽量化、および高い耐放射線性を達成可能であることが検証されてきており、本研究は、この太陽電池素子による線量測定技術を基盤とした画期的な放射線計測システムの実用化に向けた開発を行う。
廃炉国際共同研究センター; 木更津工業高等専門学校*
JAEA-Review 2019-033, 57 Pages, 2020/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉国際共同研究センター(CLADS)では、平成30年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度「過酷炉心放射線環境における線量測定装置の開発」について取りまとめたものである。1Fの炉内及び建屋内は事故の影響で非常に高い放射線環境となっており、1F現場作業状況のニーズを踏まえた上で、放射線測定技術の開発が求められている。これまでの研究で、太陽電池素子を応用した線量計は、炉心付近の高線量率下での線量評価、非電源化・超小型軽量化、および高い耐放射線性を達成可能であることが検証されてきており、本研究では、この太陽電池素子による線量測定技術を基盤とした画期的な放射線計測システムの実用化に向けた開発を行った。
Lee, H. S.*; 山口 真史*; Ekins-Daukes, N. J.*; Khan, A.*; 高本 達也*; 今泉 充*; 大島 武; 伊藤 久義
Physica B; Condensed Matter, 376-377, p.564 - 567, 2006/04
被引用回数:2 パーセンタイル:11.92(Physics, Condensed Matter)次世代の高効率多接合太陽電池のトップセルとして期待されるnp接合型AlInGaP太陽電池へ30keV陽子線照射を行い、生成する欠陥をDLTS(Deep Level Transient Spectroscopy)法により調べた。その結果、二種類の多数キャリアトラップ(HP1, HP2)及び二種類の少数キャリアトラップ(EP1, EP2)を見いだした。温度依存性よりエネルギー準位を見積もったところ、HP1はE
+0.90eV、EP1はE
-0.54eVであると決定できた。3MeV陽子線照射の報告と比較することで、EP1はリン空孔が関与した複合欠陥に由来すると帰結できた。さらに、照射試料に対し室温にて100mA/cm
の電流注入を行ったところ、HP1トラップが減少し、それに応じて正孔濃度が増加することが明らかになり、電流注入による太陽電池特性の回復現象にHP1が関与すると結論できた。
今泉 充*; 住田 泰史*; 川北 史朗*; 大島 武; 伊藤 久義; 桑島 三郎*
Proceedings of 31st IEEE Photovoltaic Specialists Conference and Exhibition (PVSC-31), p.563 - 566, 2005/00
人工衛星つばさ「MDS-1」に搭載された地上用InGaP/GaAs二接合タンデム太陽電池の耐放射線性の実宇宙環境試験結果を地上試験結果と比較した。600日間静止トランスファー軌道(GTO)に投入されたタンデム太陽電池の電気特性を解析し、短絡電流(I),開放電圧(V
)及び最大電力(P
)を求めた。600日経過後の特性劣化量と地上での1MeV電子線及び10MeV陽子線照射実験の結果を比較したところ、1MeV電子線を基準とした等価フルエンス解析では、I
, V
及びP
で照射線量に約一桁のズレがあるのに対し、10MeV陽子線を基準とした等価フルエンス解析では全てのパラメータで良い一致を示した。この結果は、GTO軌道では電子線より陽子線の存在量が多いことに起因すると考えられる。これより、従来は1MeV電子線等価フルエンスにより太陽電池の寿命予測を行ってきたが、投入する軌道によっては10MeV陽子線等価フルエンスによる寿命予測を行った方が正確に寿命予測が行えると帰結できた。
Ekins-Daukes, N. J.*; 新船 幸二*; Lee, H. S.*; 佐々木 拓生*; 山口 真史*; Khan, A.*; 高本 達也*; 安居院 高明*; 上村 邦夫*; 兼岩 実*; et al.
Proceedings of 31st IEEE Photovoltaic Specialists Conference and Exhibition (PVSC-31), p.683 - 686, 2005/00
GaAs基板上に作製した格子不整合InGaAs及びIn
Ga
P太陽電池中の真性及び照射欠陥をDLTS法により調べた。In
GaAs作製後に300
Cから800
Cでの熱処理を繰り返す熱サイクル処理(TCA)により真性欠陥準位であるH1中心及びE3中心が減少し、太陽電池特性が向上することが見いだされた。また、これらの太陽電池に1MeV電子線を照射し、発生する欠陥を調べたところ、照射量の増加とともにE1, E2, H1, H2中心が増加することが明らかとなった。
Lee, H. S.*; Ekins-Daukes, N. J.*; 佐々木 拓生*; 山口 真史*; Khan, A.*; 高本 達也*; 安居院 高明*; 上村 邦夫*; 兼岩 実*; 今泉 充*; et al.
Proceedings of 31st IEEE Photovoltaic Specialists Conference and Exhibition (PVSC-31), p.556 - 558, 2005/00
AlInGaP太陽電池及びダイオードへ30keV陽子線を照射し、太陽電池特性の変化及び発生欠陥を観察した。DLTS法を用い、欠陥を調べたところ正孔捕獲中心としてHP1(E+1.57eV)とHP2(E
+1.19eV)を、電子捕獲中心としてEP1(E
-0.54eV)とEP2(E
-0.71eV)を新たに見いだした。太陽電池特性の変化を調べた結果、1
10
/cm
照射によりフィルファクターの劣化が大きくなることで最大電力が急激に減少することがわかった。また、この線量域では、基板の多数キャリアの減少により短絡電流が若干上昇した後、急落する現象も観察された。InGaP太陽電池とAlInGaP太陽電池の特性劣化を比較したところ、AlInGaPの方が耐放射線性に優れており、宇宙応用に適していることが示唆された。
Ekins-Daukes, N. J.*; Lee, H. S.*; 佐々木 拓生*; 山口 真史*; Khan, A.*; 高本 達也*; 安居院 高明*; 上村 邦夫*; 兼岩 実*; 今泉 充*; et al.
Proceedings of the 6th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-6), p.87 - 91, 2004/10
高効率太陽電池への応用が期待される格子不整合系InGaP太陽電池(InGa
P)へ1MeV電子線を照射し太陽電池特性の変化を調べた。その結果、3
10
/cm
程度の照射により、一時的に短絡電流が増加するという特異な振る舞いが観測された。この原因を調べるため分光感度特性を調べたところ、長波長側での光吸収が増加することが明らかとなった。さらに、キャリア濃度を調べた結果、キャリア減少率が1.3/cmであると見積もられた。このことより、3
10
/cm
程度の照射により太陽電池基板の多数キャリアが減少し、その結果、一時的な空乏層長の伸長が生じ、より深部(長波長の光により発生した)のキャリアが収集されて、短絡電流が一時的に増加しすると結論づけられた。
Ekins-Daukes, N. J.*; Lee, H. S.*; 佐々木 拓生*; 山口 真史*; Khan, A.*; 高本 達也*; 安居院 高明*; 上村 邦夫*; 兼岩 実*; 今泉 充*; et al.
Applied Physics Letters, 85(13), p.2511 - 2513, 2004/09
被引用回数:11 パーセンタイル:42.19(Physics, Applied)1MeV電子線照射による格子不整合InGa
P太陽電池の多数キャリア減少効果を調べた。基板のキャリア濃度が1
10
/cm
の場合のキャリア減少率は格子整合InGaP太陽電池と同様の1.3/cmであった。また、3
10
/cm
照射により短絡電流が一時的に増加する現象が観測された。キャリア濃度の減少を考慮し考察を行った結果、キャリア濃度現象により一時的に空乏層が伸長し、その結果としてより深部で発生したキャリアが発電に寄与するためと帰結できた。
今泉 充*; 高本 達也*; 住田 泰史*; 大島 武; 山口 真史*; 松田 純夫*; 大井 暁彦; 神谷 富裕
Proceedings of 3rd World Conference on Photovoltaic Energy Conversion (WCPEC-3) (CD-ROM), 4 Pages, 2004/01
多接合型太陽電池の放射線劣化の振る舞いを総合的に明らかにし、劣化のモデル化を行うため、多接合型太陽電池を構成している各単セル構造について、放射線照射による劣化の振る舞いを調べた。トップセルに使用されるInGaPセルは陽子線照射中に光照射のあるなしにかかわらず同様な劣化の振る舞いを示した。ミドルセルであるInGaAsセルは、In含有量が増加するに従い耐放射線性が劣化すること、ボトムセルに使用されるGeセルの耐放射線性はトップ,ミドルセルに比べ低いことが明らかになった。
Dharmarasu, N.*; 山口 真史*; Khan, A.*; 高本 達也*; 大島 武; 伊藤 久義; 今泉 充*; 松田 純夫*
Solar Energy Materials and Solar Cells, 75(1-2), p.327 - 333, 2003/01
被引用回数:3 パーセンタイル:29.66(Energy & Fuels)多接合太陽電池のトップセルであるn/p接合InGaP構造に100keV陽子線を照射し、電気特性に及ぼす効果をC-V測定法及びDLTS法により調べた。n
/p接合InGaPは有機金属気相成長(MOCVD)法により作製し、陽子線照射は室温で1E12/cm
まで行った。キャリア濃度の照射量依存性よりキャリア濃度減少率を見積もったところ6.1E4cm
が得られた。また、DLTS測定の結果、照射により400K付近にピーク(H1)が発生することがわかった。キャリア濃度測定の結果と比較することで、H1ピークはキャリア捕獲中心として働くことが判明した。
大島 武; 今泉 充*; 高本 達也*; 住田 泰史*; 大井 暁彦; 川北 史朗*; 伊藤 久義; 松田 純夫*
Proceedings of 5th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications, p.113 - 116, 2002/10
地上用に開発された高効率InGaP/GaAs/Ge三接合太陽電池の電子線,陽子線照射効果を調べた。用いた太陽電池はGaAsミドルセルにInを1%添加しており、AM1.5(地上での光スペクトル)で30%以上という世界最高の変換効率を有する。1MeV電子線、10MeV陽子線照射の結果、宇宙用GaAs単接合太陽電池とほぼ同様の耐放射線性を示すが、宇宙用に開発された米国製三接合太陽電池と比べると耐放射線性が低いことがわかった。電気特性及び量子効率と陽子線エネルギーの関係を調べたところ、GaAsミドルセルの劣化が大きく、結果として太陽電池全体が劣化していることが見出された。
Dharmarasu, N.*; 山口 真史*; Bourgoin, J. C.*; 高本 達也*; 大島 武; 伊藤 久義; 今泉 充*; 松田 純夫*
Applied Physics Letters, 81(1), p.64 - 66, 2002/07
被引用回数:18 パーセンタイル:57.09(Physics, Applied)n/p-InGaP太陽電池に0.38MeVから3MeVの陽子線を照射することで発生する欠陥をDLTS法を用いて調べた。その結果、HP1 (E
+0.90
0.05eV),HP2 (E
+0.73
0.05eV),H2 (E
+0.55eV)とラベル付けされた3つの多数キャリア(ホール)トラップとEP1 (E
0.54eV)とラベル付けされた少数キャリアトラップを発見した。また、これらのトラップは全てキャリアの再結合中心として働くこと、H2は少数キャリア注入によって消滅することを見出した。
Dharmarasu, N.*; Khan, A.*; 山口 真史*; 高本 達也*; 大島 武; 伊藤 久義; 今泉 充*; 松田 純夫*
Journal of Applied Physics, 91(5), p.3306 - 3311, 2002/03
被引用回数:27 パーセンタイル:68.51(Physics, Applied)InGaP単接合及びInGaP/GaAs二接合太陽電池へ3MeV陽子線照射を行い特性劣化を調べた。InGaP単接合の劣化は二接合に比べ少ないことが明らかになった。分光感度測定を行ったところ、長波長側の劣化が観測され、GaAsサブセルの劣化が二接合太陽電池の劣化へ寄与しているという結果を得た。少数キャリア拡散長の損傷係数を見積もったところ、InGaPでは7.910
,GaAsでは1.6
10
あった。また、これら損傷係数の値は、1MeV電子線照射の場合と比べ、それぞれ580,280倍大きいことが明らかになった。
Dharmarasu, N.*; 山口 真史*; Khan, K.*; 高本 達也*; 大島 武; 伊藤 久義; 今泉 充*; 松田 純夫*
Physica B; Condensed Matter, 308-310, p.1181 - 1184, 2001/12
被引用回数:7 パーセンタイル:40.53(Physics, Condensed Matter)100keV陽子線照射(1E10, 5E12/cm)したInGaP半導体n+/p接合のキャリア濃度及び生成される欠陥準位を調べた。キャパシタンス測定の結果、キャリア濃度減少率として、1MeV電子線の0.93/cmより桁違いに大きい6.1E4/cmが見積もられた。またDLTS測定より欠陥準位を調べたところ、H1ピーク(Ev+0.90V対応)が観測された。このH1ピークが多数キャリア捕獲中心として働くことで、100keV陽子線照射では1MeV電子線照射に比べキャリア濃度減少率が大きいことが分かった。
Dharmarasu, N.*; 山口 真史*; Khan, A.*; 山田 たかし*; 田辺 たつや*; 高岸 成典*; 高本 達也*; 大島 武; 伊藤 久義; 今泉 充*; et al.
Applied Physics Letters, 79(15), p.2399 - 2401, 2001/10
被引用回数:77 パーセンタイル:90.80(Physics, Applied)InGaP, InGaAsP, InGaAs太陽電池へ3MeV陽子線照射を行い、電気・光学特性の劣化を調べた。その結果、少数キャリアの拡散長の損傷係数として6.710
(InGaP),8.8
10
(InGaAsP),1.01
10
(InGaAs)を得た。これまでに得られているInPの結果を含めて各種太陽電池の劣化をIn-Pボンド長に注目して解析したところ、In-Pボンド長の増加とともに耐放射線性が向上することが示唆された。さらに、InGaP,InGaAsP太陽電池では順方向への少数キャリア注入により照射試料の電気特性が回復することを見出した。
油谷 崇志*; 久松 正*; 松田 純夫*; 大島 武; 梨山 勇
Proceedings of 3rd International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application, p.63 - 68, 1998/00
地上用の太陽電池の耐放射線性を宇宙で試験するための、MDS-1計画の地上試験として、ポリシリコン、GaAs/InGaP,CuInSe,n-type基板Si太陽電池(いずれも地上用として設計)の耐放射線性を調べた。照射は1MeVの電子線、3MeV及び10MeVの陽子線を用いた。ポリシリコンとn-type Si太陽電池は基板の不純物濃度に依存して若干耐放射線性が異るが、いずれもほぼ同程度の劣化であった。GaAs/InGaP太陽電池は宇宙用GaAsに比べ短絡電流の劣化が大きいことが分かった。CuInSeは110
e/cm
照射しても特性は劣化せず、優れた耐放射線性を示すことが分かった。
今泉 充*; 中村 徹哉*; 大島 武
no journal, ,
次世代の宇宙用太陽電池としてInGaP/GaAs/InGaAs構造を有する格子不整合型逆方向成長三接合太陽電池の開発を進めている。この太陽電池は、現在主流のInGaP/GaAs/Ge型格子整合系三接合太陽電池よりも高効率が期待され、更に、軽量でフレキシブルという特長を持つ。この太陽電池を設計するには、各構成サブセルであるInGaP, GaAs, InGaAs太陽電池の放射線劣化特性の把握が必要となる。InGaPおよびGaAsについては現三接合太陽電池と同一であるが、InGaAsについては新規材料であるため耐放射線性が明らかでない。そこで、InGaP, GaAs, InGaAsのp/n構造単一接合太陽電池を作製し、それぞれに10MeV陽子線および1MeV電子線を照射することで劣化を比較した。その結果、短絡電流の耐放射線性に関しては、InGaP, GaAs, InGaAsの順であることが判明した。また、10MeV陽子線と1MeV電子線照射に対する劣化を比較すると、InGaPは若干であるが電子線に対しての耐性が高く、GaAsは有意差がない、InGaAsは電子線による劣化の方が陽子線に比べ明らかに大きいことが見出された。一方、開放電圧の劣化においては、InGaAsは陽子線と電子線でほとんど劣化量に差がなかったのに対し、InGaP及びGaAsでは陽子線による劣化が電子線より大きい傾向が確認された。