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原子力安全・防災研究所 安全研究センター リスク評価・防災研究グループ
JAEA-Testing 2025-007, 110 Pages, 2026/03
日本原子力研究開発機構安全研究センターでは、原子力発電所事故の確率論的リスク評価(PRA: Probabilistic Risk Assessment)研究の一環として、レベル3PRAコードOSCAARの開発を行っている。OSCAARはレベル2PRAで得られたソースタームを基に、環境中に放出された放射性物質の移流、拡散、沈着を様々な気象条件に対して評価し、これらの放射性物質によって公衆が受ける被ばく線量および健康影響を確率論的に評価することができる計算コードである。OSCAARでは、実際の原子力発電所事故時に実施される防護措置による被ばく線量低減効果を考慮することができ、原子力発電所周辺住民の事故時の被ばくを低減するための対策や計画の事前策定に資する。本報告書はOSCAARコードバージョン2.0の使用方法を説明したユーザーマニュアルである。
出井 竜美; 菅沼 和明; 藤来 洸裕; 鈴木 勝夫; 鈴木 博*; 仲田 守浩*; 細川 英洸*; 小野瀬 勇一郎*; 渡辺 泰広; 篠崎 信一; et al.
JAEA-Technology 2026-003, 27 Pages, 2026/03
加速器冷却水設備配管系統は異なる金属で構成されることも多いため電蝕が不可避である。本試験では、まず無酸素銅と炭素鋼の間で電蝕が起こること、またこれまで使用されてきた防錆剤ではその電蝕の抑制ができないことを確認した。次に新たに導入した防錆剤による電蝕の抑制を確認した。また新しい防錆剤に変更することにより、補給水の節水および防錆剤コスト削減が実現できた。
谷 陸; 井上 里司*; 溝口 崇史*; 須田 翔哉; 中嶋 瞭太; 井上 秀毅*; 双石 就朗*; 大内 靖弘; 原賀 智子; 清水 修
JAEA-Technology 2025-018, 32 Pages, 2026/03
夏季の気温上昇に伴い、作業現場での熱中症発生件数が増加傾向にある。特に高温多湿環境下での業務においては、短時間の曝露でも重大な健康障害に至る事例が報告されている。また近年、職場における熱中症対策は法令上の義務として定められ、作業環境の管理および労働者の健康確保が求められている。これまで再処理特別研究棟では、作業前の体調確認および給水所の位置の工夫等を中心とした基本的な熱中症対策を実施してきた。しかし、作業環境温度の上昇傾向や作業時間の長時間化に伴い、従来の対策のみでは十分なリスク低減効果が得られない可能性が指摘されていた。今回、大型スポットクーラーの設置およびクールベストを導入し、作業環境および個人負荷の両面から作業環境の改善を図った。これらの対策導入前後において、温度・湿度・WBGT値等のデータを収集し、環境条件および作業者の快適性に与える影響を評価した。本報告書は、解体作業における熱中症発生リスクを低減するための具体的対策の効果を検証し、今後の作業環境改善につなげることを目的としている。
高久 雄飛; 坂爪 駿; 木村 英雄
JAEA-Technology 2025-017, 33 Pages, 2026/03
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(原子力機構)では、業務効率化や研究開発におけるアイデア創出といった観点から、生成AIの活用に対する期待とニーズが高まっていた。しかしながら、ChatGPTをはじめとするクラウド型の外部生成AIサービスは、入力データを学習に利用するという特性を有するため、セキュリティ上の観点から取り扱うことのできない情報が少なからず存在した。また、利用開始までの申請や手続きが煩雑であり、原子力機構内において生成AIが十分に普及・活用されているとは言い難い状況であった。このような背景を踏まえ、我々は原子力機構が保有するスーパーコンピュータ(スパコン)などの既存の計算資源とオープンソースソフトウェアを活用し、導入コストを抑えつつ、安全かつ容易に利用できる生成AI基盤を構築し、原子力機構内へ展開した。その結果、日常業務の効率化に一定の効果が見られたほか、生成AIへの関心が原子力機構全体で高まり、生成AIの活用へ向けた取り組みが拡大するようになった。
普天間 章; 越智 康太郎; 佐々木 美雪; 中間 茂雄; 川崎 義晴*; 岩井 毅行*; 平賀 祥吾*; 萩野谷 仁*; 松永 祐樹*; 山田 勉*; et al.
JAEA-Technology 2025-016, 253 Pages, 2026/03
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による津波に起因する東京電力福島第一原子力発電所事故直後から、放射線の分布を迅速かつ広範囲に測定する航空機を用いた空からの測定方法が採用されている。日本原子力研究開発機構は原子力規制庁からの受託事業として、令和6年度に東京電力福島第一原子力発電所周辺の航空機モニタリングを実施した。実施内容は、以下の通りである。過去のモニタリング結果との比較から空間線量率等の変化量を評価し、その変化要因について考察した。航空機モニタリングによる空間線量率の換算精度向上のために、地形の起伏を考慮に入れた解析を行った。地形の起伏を考慮する前後の解析結果を比較し、本手法による換算精度向上の効果を評価した。有人ヘリコプターについては、空気中のラドン子孫核種の弁別手法を測定結果に適用し、ラドン子孫核種が航空機モニタリングに与える影響を評価した。より効率的に広範囲な航空機モニタリングを展開するため、無人航空機によるモニタリングの技術開発を進めた。
普天間 章; 越智 康太郎; 佐々木 美雪; 中間 茂雄; 川崎 義晴*; 岩井 毅行*; 平賀 祥吾*; 萩野谷 仁*; 松永 祐樹*; 眞田 幸尚; et al.
JAEA-Technology 2025-015, 171 Pages, 2026/03
2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う津波により、東京電力福島第一原子力発電所事故が発生し、大量の放射性物質が周辺環境に飛散した。事故直後から、放射線の分布を迅速かつ広範囲に測定する手段として、有人ヘリコプター等による航空機モニタリングが活用されてきた。日本原子力研究開発機構は原子力規制庁からの受託事業として、緊急時モニタリングの迅速化に向け、発電所周辺のバックグラウンド線量率や地形、管制空域等の情報整備を進めている。令和6年度は、島根原子力発電所周辺で航空機モニタリングを実施し、線量率マップ等を作成し、地上測定値や他機関データと比較して妥当性を確認した。原子力総合防災訓練では、有人ヘリコプターに加え無人航空機を用いた訓練フライトを実施し、搭載方法やリアルタイム通信、迅速なマッピングの有効性を確認した。さらに、無人機データ収集システムの整備を進め、リアルタイム解析やマルチプラットフォームでの運用を検証し、改良課題を抽出した。マルチコプターの操作講習も実施し、運用技術の向上を図った。加えて、米国、フランス、韓国、カナダと合同環境放射線モニタリングを行い、各国の測定技術や運用体制に関する知見を得るとともに、国際的な情報共有の重要性を確認した。本報告書は、これら令和6年度の受託研究で得られた成果と技術的課題を取りまとめ、今後の緊急時モニタリング技術の高度化に資する知見を提供するものである。
福島マップ事業対応部門横断グループ
JAEA-Technology 2025-013, 206 Pages, 2026/03
東京電力株式会社福島第一原子力発電所(福島第一原発)事故による放射性物質の分布状況を平成23年6月より調査してきた。本報告書は、令和6年度の調査において得られた結果をまとめたものである。空間線量率については、走行サーベイ、平坦地上でのサーベイメータによる定点サーベイ、歩行サーベイ及び無人ヘリコプターサーベイを実施し、測定結果から空間線量率分布マップを作成するとともにその経時変化を分析した。山間部モニタリングへの無人航空機の適用可能性を確認するため、山間部における無人航空機の基礎性能試験を実施した。放射性セシウムの土壌沈着量に関しては、in-situ測定及び土壌中深度分布調査をそれぞれ実施した。さらに、これまで蓄積した測定結果を基に空間線量率及び沈着量の実効半減期を評価した。令和6年度調査での走行サーベイや歩行サーベイ等により取得した空間線量率分布データを階層ベイズ統計手法を用いて統合し、福島第一原発から80km圏内及び福島県内の空間線量率統合マップを作成した。令和6年度測定結果のWEBサイトでの公開、総合モニタリング計画に基づく放射線モニタリング及び環境試料分析を実施した。避難指示解除区域への帰還後に想定される複数の代表的な生活行動パターンを設定し、積算の被ばく線量を算出するとともに当該地方自治体・住民に向けた説明資料を作成した。令和6年度調査や原子力規制庁等で実施した環境モニタリングの測定データの一部をCSV等の形式で保存した。モニタリング地点の重要度を相対的に評価するスコアマップを作成するとともに、過去からのスコアの変化要因について考察しモニタリング地点の重点化及び最適化のための基礎評価を実施した。海水中のトリチウム濃度の評価結果を原子力規制庁へ報告する体制を構築・運用し、ALPS処理水の海洋への放出前後のトリチウム濃度の変動に着目して解析評価した。総合モニタリング計画に基づき実施された海域モニタリングの測定結果を集約するとともに、過去からの変動などに関して解析評価を行った。
芳中 一行
JAEA-Review 2025-063, 50 Pages, 2026/03
再処理施設の廃止措置において、通常、安全貯蔵期間が設けられない理由の一つにPu-241がAm-241に崩壊し工程設備内に蓄積することがある。東海再処理施設は、2007年に操業運転を終了してから18年が経過しており、最近の作業において、従前に比べるとAm-241の相対的割合が大きくなっていると考えられたため、作業の際に行われた
核種分析の結果の記録から、その傾向を調査することとした。なお、本調査においては、主要核種であるCs-137との相対的割合に着目し、その傾向を分析し、考察を加えている。調査の結果、各工程設備ともAm-241の相対的割合が増加傾向にあることが確認できたが、その増加の様相は各工程により異なる。使用済燃料受入貯蔵工程周辺作業では、濃縮ウラン貯蔵プール等への出し入れの際に除染行為を行っていること、Cs-137の溶解性が影響していると考えられ、近年では検出された
核種の80%
90%に相当する割合がAm-241となるようなケースもあった。機械処理(せん断)工程周辺作業では、取り扱った使用済燃料中の組成に応じた増加傾向となっていると思われ、その全
核種に対するAm-241の割合は大きいものでは40%を超えていた。ガラス固化処理工程周辺作業では、固化処理対象とした高放射性廃液の組成に応じた増加傾向になっていると思われ、その全
核種に対するAm-241の割合は大きいものでもこれまでのところ10%を超えるものはなかった。低放射性廃液処理工程周辺作業では、廃液貯槽等の底部に沈殿している成分が影響していると思われ、Am-241は高い割合で検出される傾向があった。低放射性固体廃棄物の焼却処理工程周辺作業では、全体としては、取り扱った廃棄物に応じて検出される傾向にあると考えられるが、焼却炉内部壁面などで比較的高い割合でAm-241が検出された。
原子力科学研究所
JAEA-Review 2025-061, 183 Pages, 2026/03
原子力科学研究所(原科研)は、保安管理部、放射線管理部、工務技術部、研究炉加速器技術部、臨界ホット試験技術部、バックエンド技術部の6部及び計画管理部に加えて、先端基礎研究センター、原子力基礎工学研究センター、原子力エネルギー基盤連携センター及び物質科学研究センターで構成され、各部署は、中長期計画の達成に向け、施設管理、研究技術開発などを行ってきたが、令和6年4月1日に計画管理部を改編したプロモーション・オフィス、11月1日に研究炉加速器技術部と臨界ホット試験技術部を統合した研究基盤技術部を発足させ強力に活動を進めている。本報告書は、今後の研究開発や事業推進に資するため、令和6年度の原科研の活動(各センターでの研究開発活動を除く)並びに原科研を拠点とする廃炉環境国際共同研究センター、安全研究センター、原子力人材育成センターなどが原科研の諸施設を利用して実施した研究開発及び原子力人材育成活動の実績を記録したものである。
野々上 和樹; 香田 有哉
JAEA-Review 2025-060, 19 Pages, 2026/03
新型転換炉原型炉ふげん(以下「ふげん」という。)は、廃止措置に係る技術開発を計画・実施するにあたり、「ふげん」を国内外に開かれた技術開発の場及び福井県における研究開発の拠点として十分に活用するとともに、当該技術開発で得られる成果を有効に活用することを目的として、日本原子力研究開発機構外の有識者で構成される「ふげん廃止措置技術専門委員会」を設置している。本稿は、令和6 年度に開催した第42 回ふげん廃止措置技術専門委員会において「ふげん」から報告した「廃止措置の状況」及び「原子炉本体解体に関する検討事項(基本設計報告を含む)」について資料集としてまとめたものである。
人形峠環境技術センター
JAEA-Review 2025-059, 51 Pages, 2026/03
本報告書は、2024年度に人形峠環境技術センターが実施した研究開発や技術開発に係る主要な業務を概説するものである。人形峠環境技術センターでは、2001年まで核燃料サイクルにおける上流側(フロントエンド)と言われるウランの探鉱から採鉱、製錬、転換、そしてウラン濃縮までの技術開発を実施し、現在ではこれら開発に使用してきた施設・設備の解体・撤去に取り組んでいる。また、2016年に公表した「ウランと環境研究プラットフォーム」構想に基づき、ウラン廃棄物を安全に処理・処分するための研究開発にも取り組んでいる。ウランと環境をテーマとした研究開発は、人形峠周辺環境の特徴を活かした「環境研究」及び人形峠環境技術センターの施設やポテンシャルを活かした「ウラン廃棄物工学研究」に大別される。また、安全や現場管理に関する技術開発、保健物理や放射線生物学の視点から放射線影響評価に関する研究も進めている。本報告書では、環境研究や環境保全として、山地における地下水流動の特徴に関する調査、長寿命陰イオン系核種の鉱物固定化について報告する。ウラン廃棄物工学研究として、レーザーを利用した除染技術開発、廃棄体容器材料に関する調査について報告する。安全技術・設備開発として、人形峠環境技術センター内法面の防災対策、安全情報に関するデータ解析について、また放射線影響評価研究として、トロンの体内分布に関する数理モデル構築、ラドン泉地域における地中ラドンの調査について報告する。これら研究・技術開発の成果は、論文等を通じて積極的に外部発表するよう努めている。
物質科学研究センター
JAEA-Review 2025-058, 175 Pages, 2026/03
JRR-3 (JapanResearchReactorNo.3)には、日本原子力研究開発機構(原子力機構)が所管する15台の中性子ビーム利用実験装置が設置されており、装置高度化を含めた原子力機構の独自利用を行うとともに施設供用装置として外部利用者に供し、様々な研究成果を創出している。本報告書は、運転再開後の令和5年度、令和6年度の独自利用研究および中性子ビーム利用実験装置の高度化などの技術開発の進捗状況を取りまとめたものである。
國分 祐司; 細見 健二; 井上 和美; 小池 優子; 内山 怜; 佐々木 一樹; 前原 勇志; 松尾 一樹; 上杉 美咲; 山下 大智; et al.
JAEA-Review 2025-057, 168 Pages, 2026/03
核燃料サイクル工学研究所では、「日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所再処理施設保安規定 第IV編 環境監視」に基づき、再処理施設周辺の環境放射線モニタリングを実施している。本報告書は、2024年4月から2025年3月までの間に実施した環境放射線モニタリングの結果、及び大気、海洋への放射性物質の放出に起因する周辺公衆の線量算出結果について、取りまとめたものである。なお、上記の環境放射線モニタリングの結果において、2011年3月に発生した東京電力株式会社(2016年4月1日付けで東京電力ホールディングス株式会社に変更)福島第一原子力発電所事故で放出された放射性物質の影響が一部の項目で見られた。また、環境監視計画の概要、測定方法の概要、測定結果及びその経時変化、気象統計結果、放射性廃棄物の放出状況、平常の変動幅の範囲を外れた値の評価について付録として収録した。
J-PARCセンター 安全ディビジョン
JAEA-Review 2025-056, 145 Pages, 2026/03
本報告書は、大強度陽子加速器施設(J-PARC)の安全管理(放射線安全及び一般安全)について2024年度の活動をとりまとめたものである。放射線管理については、施設及び周辺環境の放射線管理、個人線量の管理、放射線安全管理設備の維持・管理等の業務の概要、その他の関連業務について記述した。一般安全については、検討会及び各種専門部会、安全衛生会議、教育・講習会、訓練、さらに安全巡視等について記述した。また、安全文化醸成活動及び安全管理業務に関連して行った技術開発・研究についても、章を分けて記述した。
原子力科学研究所 放射線管理部; 青森研究開発センター 保安管理課
JAEA-Review 2025-055, 107 Pages, 2026/03
本報告書は、日本原子力研究開発機構の原子力科学研究所、播磨放射光RIラボラトリー及び青森研究開発センターにおける放射線管理に関係する2024年度の活動をまとめたものである。これらの研究開発拠点で実施した放射線管理業務として、環境モニタリング、原子力施設及び放射線業務従事者の放射線管理、個人線量管理、放射線管理用機器の維持管理等について記載するとともに、放射線管理に関連する技術開発及び研究の概要を記載した。これらの研究開発拠点において、施設の運転・利用に伴って、保安規定等に定められた線量限度を超えて被ばくした放射線業務従事者はいなかった。また、各施設から放出された気体及び液体廃棄物の量とその濃度は保安規定等に定められた放出の基準値及び放出管理目標値を下回っており、これらに起因する周辺監視区域外における実効線量も保安規定等に定められた線量限度以下であった。放射線管理の実務及び放射線計測技術に関する技術開発・研究活動を継続実施した。
広田 憲亮
JAEA-Review 2025-054, 132 Pages, 2026/03
近年、カーボンニュートラル実現のため、各国で原子力発電所の運転延長や新設が議論されている。日本では、2011年3月11日の東京電力福島第一原子力発電所事故後、新規制基準を満たした軽水炉のみが再稼働を果たしているが、想定以上に審査に時間を要している。特に再稼働した軽水炉の多くは加圧水型軽水炉(PWR)であり、福島第一原子力発電所の炉型である沸騰水型軽水炉(BWR)の再稼働は遅れている。ところで、原子力発電所での応力腐食割れ(SCC)は、これら原子力発電所の安全性を脅かす問題であり、材料や環境条件によってその影響が異なる。特に、SUS304やSUS316等のステンレス鋼は酸化皮膜や残留応力の存在により、クラックが発生しやすい。これまでの対策として、材料組成の改良や圧縮残留応力を付与するレーザピーニング等が試みられてきたが、高温環境下で長期間圧縮残留応力を保持していられるか否かはいまだ不透明である。そこで、本研究では、SCC抑制の新たなアプローチとして、結晶粒微細化加工技術に注目し、ステンレス鋼の結晶粒微細化を可能とする創製プロセスを確立した。次に、この創製されたステンレス鋼を用いて、原子炉運転環境下でのSCCによるクラック発生に及ぼす結晶粒微細化の影響を系統的に分析し、SCC発生抑制効果について、そのメカニズムを調査した。さらに、実用的な観点で、表層部のみに結晶粒微細化プロセスを適用する方法を提案し、そのSCC抑制効果を評価した。これらの結果は、原子力発電所の長期運転時のSCC抑制に大きく貢献するとともに、シュラウド構造部材の長寿命化に重要な役割を果たす技術であると期待される。
原子力人材育成・核不拡散・核セキュリティ総合支援センター
JAEA-Review 2025-051, 73 Pages, 2026/03
本報告書は、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下、「原子力機構」という。)原子力人材育成センターにおける令和6年度の活動をまとめたものである。令和6年度は、年間計画に基づく国内研修のほか、外部ニーズに対応した随時の研修、大学との連携協力、国際研修、原子力人材育成ネットワーク、人材育成コンシェルジュ等に関する取組を行った。国内研修については、年間計画に基づくRI・放射線技術者、原子力エネルギー技術者、国家試験受験者向けの研修に加え、外部ニーズへの対応として、原子力機構外組織を対象とした出張講習等を実施した。大学等との連携協力については、東京大学大学院工学系研究科原子力専攻の学生受入れを含む連携大学院方式に基づく協力や特別研究生等の受入れを行った。また、大学連携ネットワークでは、7大学との遠隔教育システムによる通年の共通講座に対応したほか、夏期集中講座や核燃料サイクル実習を行った。国際研修については、文部科学省からの受託事業「放射線利用技術等国際交流(講師育成)」として、原子炉工学等の講師育成研修及び講師育成アドバンス研修並びに放射線基礎教育等の原子力技術セミナーを実施した。原子力人材育成ネットワークについては、共同事務局として運営を着実に推進するとともに、一般者対象の講演会やウェビナー(オンラインセミナー)、学生対象の原子力関連施設見学会等を開催した。人材育成コンシェルジュについては、原子力機構内外からの人材育成に係る窓口を通じて、問合せや相談への回答のみならず、関西原子力オープンキャンパスの企画運営に携わるなど、人材育成コンシェルジュ活動を推進した。
星野 雅人; 佐々木 仁史; 堀越 秀彦*; 谷 康輔*
JAEA-Review 2025-047, 122 Pages, 2026/03
幌延深地層研究センターは、深地層研究のための地下坑道等の研究施設、またその研究内容を解説するための施設と研究者が揃っており、敷地内には、実際の人工バリアを実規模で体感できる工学研究施設もあり、高レベル放射性廃棄物の地層処分について詳しく知るための国内最高の環境を有する施設である。これらの優位性を生かし、来場する国民各層を対象として高レベル放射性廃棄物に対する漠然とした疑問、不安などの意見について、アンケート等を活用した広聴を行っている。今回、2024年4月から2025年1月までに収集したアンケート等の意見(回答者2,830人)について統計分析の結果を報告する。
永岡 美佳; 前原 勇志; 大野 雅子*; 二瓶 英和*; 平尾 萌; 藤田 博喜
JAEA-Research 2026-001, 115 Pages, 2026/03
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所放射線管理部では、2021年度に東京電力ホールディングス株式会社とバイオアッセイ分析法の開発に係る共同研究を行った。本報告書では、尿試料を対象とした
線核種及び純
線核種の系統分析法に関する検討結果を取りまとめた。具体的には、固相抽出樹脂を複数利用した系統分析法の核種分離性能及び放射能測定用試料作製方法についてトレーサー試験による検証を行い、さらに、
線核種分析における不確かさ及び検出限界放射能の算出方法について整理を行った。
松井 哲也; 下平 昌樹; 山口 義仁; 外山 健; 勝山 仁哉
JAEA-Research 2025-017, 41 Pages, 2026/03
日本原子力研究開発機構安全研究センターでは、2024年度より先進的な検査・構造健全性評価技術に関する基盤研究を進めており、その一環として超音波シミュレータによる模擬探傷画像及び機械学習を活用して超音波探傷結果診断技術を開発予定である。本研究では、そこで用いる超音波シミュレータの適用性を検証するため、シミュレータによるフェーズドアレイ超音波探傷での解析結果と実機事例を比較した。実機事例として、数少ない公開結果である2020年に報告された関西電力大飯発電所3号機加圧器スプレイライン配管溶接部における粒界割れの超音波探傷結果を比較対象とした。配管溶接部に対する入射角45
のフェーズドアレイリニアスキャンを模擬した解析において、亀裂によるコーナーエコー及び端部エコーはその亀裂の位置に正しく検出された。一方、解析において溶接金属部内に強い柱状晶伝搬エコーが検出され、その強度は柱状晶異方性の対称軸角度への依存性が高いことがわかった。また、入射角31
の場合にも強い柱状晶伝搬エコーが得られ、その柱状晶伝搬エコーは亀裂のコーナーエコーと繋がって、配管内表面における亀裂位置から溶接内部にまたがる形状であった。これは、実機事例とよく一致していることから、フェーズドアレイの入射角31
で実測された溶接内部エコーの原因としては柱状晶伝搬エコーも考えられる可能性が示唆された。