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高原 省五; 本間 俊充; 西村 優基*
JAEA-Data/Code 2009-001, 83 Pages, 2009/04
放射線による晩発性健康影響評価のための計算コードHEINPUTの改良を行った。HEINPUTは、原子力事故時の確率論的な影響評価を実施するためのOSCAARコードの前処理コードの一つであり、特に晩発性健康影響と遺伝的影響に関する入力データを作成するためのコードである。現在、HEINPUTによる影響推定には米国原子力規制委員会(USNRC)が提案したモデル(USNRC,1985)を利用しており、NUREG/CR-4214 Rev. 2(USNRC,1993)において改訂されたモデルが実装されている。本報告書ではUSNRCによる推定モデルに加え、米国環境保護庁(EPA)によって提案された晩発性健康影響の推定モデル(EPA,1999)をHEINPUTで利用できるよう改良した。また、本システムを広く公開することによって今後のリスク評価の発展に資することを目的として、利便性向上のためのGUIの作成を実施した。
須山 賢也; 望月 弘樹*; 高田 友幸*; 龍福 進*; 奥野 浩; 村崎 穣; 大久保 清志
JAEA-Data/Code 2009-002, 124 Pages, 2009/05
統合化燃焼計算コードシステムSWATは 我が国で広く利用される核計算コードSRACと、一点炉燃焼計算コードORIGEN2を組合せたシステムであり、使用済燃料中のウラン,プルトニウム,マイナーアクチニド,核分裂生成物の組成を評価するために利用されてきた。任意の幾何形状の燃料の燃焼を取り扱うことができ、実効断面積の作成にさまざまな近似を行う必要がない連続エネルギモンテカルロコードを燃焼計算に使用することには大きな利点がある。従来のSWATシステムの基本構想に基づいて、一点炉燃焼計算コードORIGEN2と我が国で広く利用されている連続エネルギモンテカルロコードMVPとMCNPを組合せた統合化燃焼計算コードシステムSWAT3.1を開発した。本レポートはSWAT3.1の概要と入力データの説明及び利用例を示す。
落合 透; 武田 聖司; 木村 英雄
JAEA-Data/Code 2009-003, 62 Pages, 2009/06
本調査では、地層処分の安全評価に使用する農作物への移行係数の不確かさの推定のために、文献調査によりデータの収集をするとともに、収録した移行係数データの統計分析結果とIAEA等における文献データとの比較を進め、農作物の移行係数について安全評価のためのパラメータ設定を行った。また、収集したオリジナルのデータからパラメータ設定に至る過程の情報や根拠を含め「農作物への移行係数に関するデータベース」として整備した。
手島 直哉; 青柳 哲雄; 橋本 清治*; 真鍋 篤*; 湯浅 富久子*; 中島 憲宏
JAEA-Data/Code 2009-004, 24 Pages, 2009/06
J-PARC情報システムグループの認証システムグループでは、J-PARCの情報システムで求められるセキュリティレベルに適合する認証方式を選択するため、J-PARCでの使用が想定されるICカードによるPKI認証方式に対し、J-PARCネットワークに適用・導入する際の問題点を事前に明らかにし、その実用性を検証することを目的にフィージビリティ・スタディを実施した。フィージビリティ・スタディの対象として、以下4つの検証項目を選択した。(1)「EAP-TLS無線LAN認証」,(2)「SSL-VPN装置を経由したWeb-SSLクライアント認証」,(3)「NAREGI-CAソフトウェアが発行する証明書によるICカードPKI認証」,(4)「DualカードタイプFeliCaを使用したPKI認証」。各検証項目に対して検証内容を定め、検証を実施した結果、有益な情報を得ることができた。本報告書は、これらフィージビリティ・スタディで実施した検証手順、結果及び得られた知見をまとめたものである。
渡邊 正敏; 武田 聖司; 木村 英雄
JAEA-Data/Code 2009-005, 18 Pages, 2009/06
低レベル放射性廃棄物に対する濃度上限値の算出のための被ばくシナリオの一つである廃棄物処分の操業中シナリオにおいては、廃棄物処分場の周辺監視区域境界に住む一般公衆が廃棄物から放出されるスカイシャインによる被ばく線量が評価されている。従来の濃度上限値評価では、点減衰核積分法に基づいてスカイシャインによる被ばく線量評価が行われてきた。本研究において整備したスカイシャイン線量評価コードシステムSKYOSDでは、光子の物質透過中における物理現象を厳密に取り扱う輸送方程式に基づいて光子の透過問題を解くことにした。このための計算コードとして、処分場外表面における光子フルエンス率の算出コードとして、1次元輸送計算コードANISN-JRコード及びスカイシャインによる周辺監視区域境界での外部被ばく線量を算出するコードとして2次元輸送計算コードDOT3.5コードを採用した。本報告は、SKYOSDコードシステムの構造及びスカイシャイン線量評価のためのパラメータの設定方法等を取りまとめたものである。
佐藤 庄平; 奥野 浩
JAEA-Data/Code 2009-006, 43 Pages, 2009/07
本報告書では、フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)との共同研究の一環で算出した、均質燃料体系の動特性パラメータについて報告する。対象燃料は、ステアリン酸亜鉛を混合させたMOX粉末及び硝酸プルトニウム水溶液とした。計算コードにはTWODANTを、核データライブラリにはSRACにより17群に縮約したJENDL-3.3を使用した。計算の結果、(1)MOX粉末の動特性パラメータは、円筒体系,無限体系によらず、プルトニウム富化度と減速度に依存するが、中性子寿命をのぞいてはMOX密度,燃料高さに依存しないこと,(2)硝酸プルトニウム水溶液の動特性パラメータは、初期温度と溶液のプルトニウム濃度に依存し、反応度温度係数についてはプルトニウム濃度がおよそ19g/l以下で正の値を持つことが明らかになった。
阿部 寛信; 高橋 一晴*; 藤島 敦
JAEA-Data/Code 2009-007, 35 Pages, 2009/07
幌延深地層研究計画においては、地質・地質構造に関する調査の一環として、研究所設置区域及びその周辺地域における岩盤の地質学的不均質性及び物質の移動経路として重要な構造(断層など)を把握するための調査を実施している。本研究ではその研究の一環として、構造を推定するための手法の一つとしてのガス測定が有効であるかを検討するため、研究所設置地区である幌延町北進地区を中心にメタンガス・二酸化炭素ガス量の測定を行い、ガス量の分布と大曲断層の分布との関係について検討した。その結果、大曲断層の推定位置周辺で二酸化炭素ガス量が多い傾向が認められた。
高橋 史明; 重森 祐志*; 関 暁之
JAEA-Data/Code 2009-008, 127 Pages, 2009/07
放射線事故が万一発生した場合、重度被ばく者に対する医療措置が不可欠となり、その際に人体内の線量分布が必要とされる。この情報は放射線輸送計算で解析できるが、事故の状況は予見できない。そのため、事故発生後に線源や被ばく者のモデルを含む入力ファイルを作成して輸送計算を行い、計算後に関係する多くの情報を含む出力ファイルから線量情報を抽出する煩雑な手順が必要となる。そこで、MCNPX又はMCNPコードにより事故時の線量を評価する際に、これらの操作を効率的に行えるシステム(RADARAC)を開発した。RADARACは、汎用のパーソナルコンピュータで動作し、大きくRADARAC_INPUT及びRADARAC_DOSEの2つの部分から構成される。このうち、RADARAC_INPUTにある3つのプログラムで、インターフェイス画面を用いた確認により計算に必要な情報を対話形式で設定し、入力ファイルを作成する。一方、RADARAC_DOSEは、輸送計算後の出力ファイルから、線量情報を数値表,グラフ及び可視的な図により効率的に提示する。検証試験により、数千行に渡る入力ファイルの作成,20000以上の線量データの処理及び表示が、本システムを用いて数分以内で実行できることを確認した。
仲島 邦彦*; 小尾 繁*; 蛯名 貴憲*; 江橋 健; 稲垣 学
JAEA-Data/Code 2009-009, 62 Pages, 2009/07
第2次取りまとめで実施されたレファレンスケースの安全評価解析は、おもにMESHNOTEとMATRICSによって実施された。一方、近年オブジェクト指向的な特徴を有する汎用的なシミュレーションソフトウェアが広く利用されてきており「GoldSim」はその代表的なものである。JAEAでは第2次取りまとめ以降、第2次取りまとめの安全評価解析のフォローアップとして、GoldSimを用いて確率論的解析やパラメータの感度解析等を統計的手法により実施してきている。本報告書ではGoldSimによるモデルの構築手法の詳細についてまとめ、第2次とりまとめでの解析結果との比較を実施し、解析結果の再現性を確認した。また、GoldSimを用いて、第2次取りまとめにおけるレファレンスケースの核種移行解析作業が容易に行えるような、解析手順のガイドブックを整備した。本検討で作成されたアプリケーションのリソース(解析モデルのパーツ)は、今後、確率論的解析や、他の概念モデルとの組合せ等の高度化に資することが可能である。
奥野 浩; 須山 賢也; 外池 幸太郎; 山根 祐一; 山本 俊弘; 三好 慶典; 内山 軍蔵
JAEA-Data/Code 2009-010, 175 Pages, 2009/08
本書は、1988年に発刊された「臨界安全ハンドブック・データ集」の改訂版として編まれたものである。本改訂版では、従来の版にはなかった均質U-HO及びUF-HFの臨界データを追加し、中濃縮度ウランの臨界データを充実させた。計算には旧日本原子力研究所で開発した連続エネルギーモンテカルロ法臨界計算コードMVPと日本の評価済み核データライブラリJENDL-3第2改訂版(JENDL-3.2)をおもに用いた。アクチニド金属及び酸化物の原子個数密度に関するデータを追加し、燃焼燃料の核種組成に関する情報を改訂した。臨界実験ベンチマーク計算及び単一ユニットの臨界データ(臨界となる質量,体積,寸法など)の計算では、ヒストリ数を100万に採ることにより、第1版よりも計算精度がおおむね1桁向上した。
神崎 裕; 武田 聖司; 木村 英雄
JAEA-Data/Code 2009-011, 90 Pages, 2009/09
高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全性の評価では、人工バリアの機能や処分サイトの地質環境に関するさまざまな条件や起こりうる現象を考慮して評価シナリオを構築する。その方法として、安全性に関連する要因を特性(Feature),事象(Event)及びプロセス(Process)(FEP)に分けてリストアップし、それらに関する科学的なデータ・知見(「FEPデータ」)に基づいてシナリオを構築していく方法が国際的に共有されている。そこで、我が国の代表的な地質環境と一般性のある人工バリア仕様からなる処分概念を想定し、放射性核種の地下水移行シナリオを対象として、FEPに基づくシナリオ構築を試みた。まず、OECD/NEAが示したFEPをもとに、F, E及びPをFEPリストとして特定し、FEPシートとして整理した。次にFEP間の連結などの相関関係を示す個々を安全性への影響の可能性として列挙した。最後に、相関の判定として安全評価のシナリオとして取り組む必要性や重要さを判定した。こうして選択された相関関係を積み上げてシナリオとした。なお、「FEPデータ」にかかわる技術的信頼性を確保するため、専門家に対してヒアリングやアンケートを行いコメントを収集し、FEPデータへ反映した。
横山 賢治; 平井 康志*; 兵頭 秀昭*; 巽 雅洋*
JAEA-Data/Code 2009-012, 208 Pages, 2010/02
原子力機構では、次世代原子力システムの基礎・基盤研究における革新的な解析手法・モデルの開発を推進し、これらの最新解析手法・モデルを実用化炉の基本設計や発電炉の運転管理等に効率的・効果的に適用し反映していくために、オブジェクト指向技術を採用した次世代解析システムMARBLEの開発を進めている。本研究では次世代炉物理解析システムを実機燃焼解析のみならず、さまざまな臨界実験解析に対応できるものとするため、既存のZPPR臨界実験解析データベースの設計・実装について検討した。そこで、これまでに実装した次世代炉物理解析システムにおける既存の実機燃焼解析のデータモデルと新たに作成すべき臨界実験解析のデータモデルとの統合についてその詳細を検討した。さらに臨界実験解析システムに必要となる計算結果補正処理について検討し、ZPPR臨界実験体系をはじめとするさまざまな臨界実験体系の解析に対応可能なシステムを設計・実装した。
外池 幸太郎; 内山 軍蔵
JAEA-Data/Code 2009-013, 51 Pages, 2009/11
一般公衆向けの講演会等において核分裂連鎖反応の様子や基本的な原子炉の運転操作についての理解を助けるためのシミュレーターを開発した。反応度フィードバックは存在しないものと仮定し単純な一点炉動特性モデルを用いている。したがって、核分裂連鎖反応のエネルギーにより炉心の温度上昇が見られる発電炉や研究炉ではなく、微小出力で常温で運転される臨界実験装置を模擬したものである。このことから、シミュレーターの名称を「CASIM: Critical Assembly SIMulator」とした。CASIMでは、中性子源の挿入・引抜と一種類の反応度制御が操作項目である。中性子源位置と中性子量(出力)の線型及び対数プロットの表示を有する。炉周期計は備えない。シミュレーションする動特性の設定として、遅発中性子割合を0.74%と0.37%から選べる。前者はウラン燃料を、後者はプルトニウム燃料を想定している。さらに、手動の反応度制御が困難な仮想的な状況として=0.19%及び「遅発中性子なし」も選択することができる。CASIMは標準的なWindowsパーソナルコンピューターで動作し、関西光科学研究所で開催された講演会等で使用されている。
佐藤 庄平; 奥野 浩
JAEA-Data/Code 2009-014, 19 Pages, 2009/11
推定臨界下限増倍率は、評価対象と類似した燃料体系の臨界実験データに対して同じ臨界計算コードシステムを適用した計算結果から未臨界と判断してよいと考える中性子増倍率の上限値である。本報告書では合理的なウラン・プルトニウム混合酸化物燃料(MOX燃料)体系の推定臨界下限増倍率を算出する方法を確立することを目的に、統計処理対象の分類範囲について検討するとともに、その統計処理対象ごとにPu同位体組成割合依存性を考慮した計算誤差評価を実施した。この評価には、臨界計算コードMVPと評価済核データライブラリーJENDL3.3を利用し、国際臨界安全ベンチマーク評価プロジェクト(ICSBEP)ハンドブックに登録されたMOX燃料の臨界実験を適用した。燃料の種類の分類範囲に「二重非均質体系」を新たに導入することで、ベンチマーク計算結果のPu同位体組成への依存性が強くなることを見いだした。この分類と誤差評価の結果、推定臨界下限増倍率のすべての算出値がベンチマーク計算結果を下回ること、また従来の方法に基づく推定臨界下限増倍率よりも推定臨界下限増倍率を高くとれることを確認した。
佐野 満昭; 石井 英一; 新沼 寛明; 藤川 大輔; 真田 祐幸; 平賀 正人; 津坂 仁和; 山崎 雅直*
JAEA-Data/Code 2009-015, 142 Pages, 2009/11
幌延深地層研究計画では、第2段階の調査研究として、換気立坑,東立坑及び140m, 250m水平坑道の掘削を進めている。本調査研究では、切羽や後続施工箇所の設計・施工にフィードバックする情報化施工プログラムを実施しており、毎掘削断面において、岩相及び割れ目などの壁面観察や、簡易弾性波探査・シュミットハンマー反発度試験・エコーチップ硬さ試験及び点載荷試験等の原位置試験を行い、特定断面では地中変位測定・ロックボルト軸力測定・吹付けコンクリート応力測定及び覆工コンクリート応力測定等のデータを取得している。また、第1段階で実施した地下施設の坑道掘削に伴う湧水量の予測解析結果の妥当性を確認することを目的とし、掘削工事の進行に伴う湧水量や水質の変化に関するデータを取得した。本報告書は、2008年度(平成20年度)に実施した換気立坑(GL-161mから-250mまで),東立坑(GL-110mから-140mまで)並びに140m水平坑道で得られた調査・計測データを取りまとめたものである。
横山 賢治; 平井 康志*; 兵頭 秀昭*; 巽 雅洋*
JAEA-Data/Code 2009-016, 100 Pages, 2010/02
高速炉実機の燃焼解析評価及び予測精度向上に資する、モジュラー性と柔軟性を備えた高速炉実機燃焼解析システムを開発している。本研究ではこれまでの成果を踏まえて、ライブラリから定数を作成し、かつ燃焼が進むに合わせて適切に定数を更新する機能を実装した。これにより既存のシステムを意識することなく、本システムのみで一連の解析を実施することが可能となった。またユーザ入力のフォーマットを見直し、システムの利便性の向上を図った。さらにこれまでの実装では機能の実現に重点を置いていたため、パフォーマンス面で最適化されていない箇所が存在した。そこでボトルネックを調査し、実装を見直すことで処理速度・メモリ使用量の効率化を実現した。
萩原 大樹; 水野 崇; 齋 正貴; 竹口 真人*; 安江 基*; 堀田 政國*; 濱 克宏
JAEA-Data/Code 2009-017, 200 Pages, 2010/01
日本原子力研究開発機構は、岐阜県瑞浪市に建設中の瑞浪超深地層研究所において、研究坑道の掘削が周辺の地下水へ与える影響の把握を目的とした調査研究を行っている。本報告は、瑞浪超深地層研究所用地内に地上から掘削したボーリング孔であるMSB-2号孔及びMSB-4号孔において実施している地下水の採水,水質分析及び間隙水圧測定の2006年度の結果を取りまとめたものである。
瀬口 忠男*; 反町 正美*; 田村 清俊
JAEA-Data/Code 2009-018, 123 Pages, 2010/02
25種類のゴム,プラスチック材料について、使用環境における耐放射線性を模擬する酸素加圧下線照射する加速試験で評価し、従来実施されていた空気中高線量照射試験による耐放射線性評価と比較した。実用材料と同等の配合を施し、可能な限りその内容を明示した。各材料の引張り試験(破断時伸び,引張強度,100%又は200%モジュラス),電気絶縁抵抗,ゲル分率,密度測定を行い、使用環境を模擬する放射線酸化劣化の条件と高線量率照射における非酸化条件における、線量依存性データを示し、力学特性,電気特性と放射線化学反応との関係を考察した。
立花 光夫; 石神 努
JAEA-Data/Code 2009-019, 52 Pages, 2010/02
原子力機構では、原子炉施設の廃止措置等に伴う多量の廃棄物に対するクリアランス作業が計画されている。このような廃棄物に対するクリアランス作業の軽減と効率化を図り、安全で確実な廃棄物のクリアランスを支援するクリアランスレベル検認評価システム(CLEVES)の開発を進めている。このうち、確認濃度規則等にクリアランスレベルが示された規制33核種の中からクリアランス対象物の汚染性状,汚染源に応じた相対重要度等を評価し、規制当局の基準に応じた評価対象核種の選定を支援する評価対象核種選定プログラムを作成した。また、作成した評価対象核種選定プログラムにより原子力機構で進めているクリアランス作業でのデータを用いて試計算を行った。その結果、評価対象核種の選定は、汚染性状ごとに評価を行う総合評価法で行うことが基本であるが、汚染性状ごとの正確な推定放射能濃度の評価が困難な場合、汚染源ごとに評価を行う個別評価法により安全に評価対象核種の選定が可能であることがわかった。ここでは、評価対象核種選定プログラムの概要及び本プログラムによる原子力機構でのクリアランス作業を対象とした試計算の結果を述べる。
乙坂 重嘉; 鈴木 崇史; 田中 孝幸; 伊藤 集通; 小林 卓也; 川村 英之; 皆川 昌幸*; 荒巻 能史*; 千手 智晴*; 外川 織彦
JAEA-Data/Code 2009-020, 27 Pages, 2010/02
原子力機構が実施した日本海海洋調査の最終成果物のひとつとして、日本海の海洋環境パラメータと放射性核種に関するデータベース(JASPER)の第1巻が2007年に公開された。第1巻では、代表的な人工放射性核種(ストロンチウム-90,セシウム-137及びプルトニウム-239,240)について、海水及び海底土中の濃度データが収録された。今回はその第2巻として、海水中の放射性炭素同位体比データと、栄養塩濃度(ケイ酸,リン酸,硝酸及び亜硝酸)を含む海洋学的指標(塩分,水温,溶存酸素濃度)のデータが公開される。この第2巻には、現時点で20,398データレコードの登録があり、その内訳は、放射性炭素が1,660データ,水温が2,695データ,塩分が2,883データ,溶存酸素濃度が2,109データ,栄養塩濃度が11,051データである。このデータベースは、人工放射性核種による日本海の汚染状況の継続的な監視,日本海内の生物地球化学的循環,数値シミュレーションモデルの開発検証の各分野において強力なツールとなることが期待される。
Ochs, M.*; 陶山 忠宏; Kunze, S.*; 舘 幸男; 油井 三和
JAEA-Data/Code 2009-021, 144 Pages, 2010/02
放射性廃棄物の地層処分安全評価において、人工バリアであるベントナイトや天然バリアである岩石中での核種の収着現象は、核種の移行遅延を支配する重要な現象である。JAEAでは、バッチ法収着試験によって得られた収着分配係数を、公開文献から抽出・整理した収着データベース(JAEA-SDB)の整備を進めてきた。本報告書では、JAEA-SDBに含まれるKdデータのうち、深地層研究施設との関連から花崗岩系に着目するとともに、地質環境に広く存在する鉄やアルミニウムの酸化物/水酸化物系を対象として、これまでに報告してきた手法に従って信頼度評価を実施した。その結果として1,373のKdデータに対して、新たな信頼度情報が付与された。この信頼度評価手法は、収着データベースから利用可能な関連データ群を速やかに抽出し、Kdデータ設定の際に参照すべきデータを適切に選定するうえで、有効な手法となると考えられる。
谷口 直樹; 中村 有夫*
JAEA-Data/Code 2009-022, 56 Pages, 2010/03
高レベル放射性廃棄物の地層処分におけるオーバーパックには所定の期間、地下水とガラス固化体の接触を確実に防ぐ機能が要求されている。現時点ではオーバーパックの設計寿命を1000年間とし、オーバーパックの設計手法,製作技術等の整備や設計・製作に反映させるための試験,長期信頼性向上のための試験研究等が行われている。これらの成果は、検討を実施した機関により報告書等の形で取りまとめられてはいるものの、実際の処分サイト条件に対応したオーバーパック設計,オーバーパックにかかわる規格や基準の制定のほか、汎用的な用途として有効に活用させていくためには、これらの成果を体系的にとりまとめ、実用的な知識ベースとして整備する必要がある。データベースの基本構造については昨年度検討を行った。現在、主要な試験データである、オーバーパックの腐食データ及び溶接・検査試験データについて集約、入力を進めている。本報では提示内容を検討するとともに、これまでに入力を終了したデータを添付した。
星 亜紀子; 亀尾 裕; 片山 淳; 坂井 章浩; 辻 智之; 中島 幹雄; 木原 伸二; 高橋 邦明
JAEA-Data/Code 2009-023, 84 Pages, 2010/03
日本原子力研究開発機構から発生する放射性廃棄物の合理的な埋設処分に向けて、廃棄体に含まれる安全評価上重要となる核種の濃度を、スケーリングファクタ法等の統計的手法により決定する方法を構築する必要がある。このため、平成10年度から平成19年度にかけて日本原子力研究開発機構原子力科学研究所から発生し、アスファルト又はセメントにより均質・均一に固化される低レベル放射性廃液(56試料)について放射化学分析を実施し、17核種に対する放射能濃度データ(563データ)を取得した。さらに取得したこれらの核種について、原子力発電所から発生する低レベル放射性廃棄物の処分において採用されているスケーリングファクタ法でKey核種としているCo又はCsとの相関関係を調査し、均質・均一固化体に対する合理的な放射能濃度決定方法構築のための基礎資料としてまとめた。
北村 暁; 藤原 健壮; 土井 玲祐; 吉田 泰*; 三原 守弘; 寺島 元基; 油井 三和
JAEA-Data/Code 2009-024, 84 Pages, 2010/03
高レベル放射性廃棄物及びTRU廃棄物の地層処分の性能評価に用いるための熱力学データベースの整備を行った。整備対象元素としては、両放射性廃棄物の性能評価対象元素である24元素(アクチニド元素,核分裂生成物元素及びそれらの娘核種となる元素)を選定した。熱力学データベース整備の基本方針については、基本的には経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)のガイドラインに従うこととするものの、熱力学データが十分に公開されていない元素については、化学アナログやモデル等を用いて得た推定値を暫定値として採用するなど、一部に独自の熱力学データ選定基準を設けることとした。選定された熱力学データについては、各種地球化学計算コード用フォーマットに対応する形式で編集された。
伊藤 裕人; 加藤 大輔*; 小坂部 和也*; 西川 弘之; 鬼沢 邦雄
JAEA-Data/Code 2009-025, 135 Pages, 2010/03
高経年化機器の健全性評価に関する研究の一環として、確率論的破壊力学(PFM)解析コードであるPASCAL-SP(PFM Analysis of Structural Components in Aging LWR - Stress Corrosion Cracking at Welded Joints of Piping)を開発した。PASCAL-SPは、安全上重要な配管溶接部の破損確率をモンテカルロ法により評価するものであり、経年劣化事象として応力腐食割れ(SCC)を対象としている。原子力安全・保安院の報告書や日本機械学会維持規格等に準拠し、最近のSCC評価法や破断評価法及び破壊力学的知見を反映した。また、供用期間中における欠陥検出性及びサイジング精度や溶接残留応力分布を、実験結果等に基づいてモデル化し、PASCAL-SPに導入した。本報告書は、PASCAL-SPの使用方法と解析手法をまとめたものである。
三原 守弘; 佐藤 信之; 大野 進太郎*; 森川 誠司*
JAEA-Data/Code 2009-026, 114 Pages, 2010/03
TRU廃棄物の地層処分での安全評価を実施するため、処分施設建設時からの処分坑道の掘削にて生じる周辺岩盤の応力状態を解析し、処分施設操業,閉鎖後における処分施設及び周辺岩盤の一連の力学挙動を評価するための解析コードMACBECEを開発した。MACBECEはセメント系材料の力学挙動について非線形弾性モデルを、ベントナイト系材料には圧密変形及び粘性変形(二次圧密)などといった粘土の時間依存性挙動を考慮できる弾粘塑性構成式に緩衝材特有の膨潤特性を組み込んだ緩衝材の力学モデルを、周辺岩盤には大久保が提案する粘弾性モデルを組み込んでおり、これらのモデルを連成して解くことが可能である。さらに、セメント系材料やベントナイトの変質に伴う力学物性の経時変化も考慮することが可能な解析コードである。
佐藤 敦也; 竹内 竜史
JAEA-Data/Code 2009-027, 27 Pages, 2010/03
東濃地科学センターでは、広域地下水流動研究の一環として、地下水流動解析における上部境界条件を与える岩盤浸透量を水収支法で算出すること、及び水理地質構造モデルのキャリブレーションに必要なデータを取得することを目的として、表層水理観測を実施している。本年報では、2004年度から2007年度までの表層水理観測で得られた河川流量,雨雪量,気象観測データなどについて、欠測や異常値を示すデータに対して補正・補完を行うとともに、補正・補完前後のデータを取りまとめた。
佐藤 敦也; 竹内 竜史
JAEA-Data/Code 2009-028, 43 Pages, 2010/03
東濃地科学センターでは、超深地層研究所計画の一環として、地下水流動解析における上部境界条件を与える岩盤浸透量を水収支法で算出すること、水理地質構造モデルのキャリブレーションに必要なデータを取得すること及び研究坑道掘削に伴う浅層地下水環境の変化を把握することを目的として、表層水理観測を実施している。本データ集では、2004年度から2007年度までの正馬川流域,正馬川モデル流域、及び2005年度から2007年度までの研究所用地内で得られた河川流量,雨雪量,気象観測データなどについて、欠測や異常値を示すデータに対して補正・補完を行うとともに、補正・補完前後のデータを取りまとめた。
栃木 善克; 舘 幸男
JAEA-Data/Code 2009-029, 39 Pages, 2010/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)では、地層処分の安全評価への活用を目的として、緩衝材や岩石中での拡散係数に関する拡散データベースを整備してきた。第2次取りまとめに際して岩石を対象に整備後、緩衝材等への拡張や最新データの拡充,データベースの構造や機能の改良,Webブラウザでの利用環境の整備等、さまざまな観点でデータベースの更新・改良を進めてきた。本報告において、国内の緩衝材及び岩石中での核種の拡散係数にかかわるデータを格納・管理している既存のデータベース(JAEA-DDB)に対し、対象範囲を海外産のベントナイトに拡張してデータの追加を行った。データの追加により、総データ数は、実効拡散係数Dが2,020件(実測値は599件)、見かけの拡散係数Dは1,747件(実測値)となった。整備したデータベースによる活用例として、乾燥密度や部分スメクタイト密度に対する拡散係数のプロットを示し、元素・固相・試験環境による影響に関して、特に国産・海外産ベントナイトのデータ傾向の比較評価の例を示した。
毛屋 博道; 竹内 竜史
JAEA-Data/Code 2009-030, 74 Pages, 2010/03
独立行政法人日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」,「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」,「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる約20年の計画であり、現在は、第2段階である「研究坑道の掘削を伴う研究段階」における調査研究を進めている。超深地層研究所計画は、「深部地質環境の調査・解析・評価技術の基盤の整備」及び「深地層における工学技術の基盤の整備」を第1段階から第3段階までを通した全体目標として定め、そのうち第2段階では、「研究坑道の掘削を伴う調査研究による地質環境モデルの構築及び研究坑道の掘削による深部地質環境の変化の把握」を段階目標の一つとしており、その一環として、地下水の間隙水圧長期モニタリングを実施している。本報告書は、2005年度から2008年度に実施した地下水の間隙水圧長期モニタリングデータを取りまとめたものである。
毛屋 博道; 竹内 竜史
JAEA-Data/Code 2009-031, 38 Pages, 2010/03
独立行政法人日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、広域地下水流動研究を実施している。本研究は、広域における地表から地下深部までの地質・地質構造,岩盤の水理や地下水の水質を明らかにするために必要な調査・解析技術などを開発することを目標として、1992年度より調査研究を開始し、2004年度末をもって主な現場調査を終了した。2005年度からは、土岐花崗岩における水理学的・地球化学的な基礎情報の取得及び地下水流動解析結果の妥当性確認のためのデータ取得を目的として、既存の観測設備を用いた表層水理観測及び、既存のボーリング孔を用いた地下水長期モニタリングを継続している。本報告書は、2005年度から2008年度に実施した地下水の間隙水圧長期モニタリングデータを取りまとめたものである。