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論文

Absence of a polar phase in perovskite chromite $$R$$CrO$$_{3}$$ ($$R$$=La and Pr)

吉井 賢資; 池田 直*; 下条 豊; 石井 慶信*

Materials Chemistry and Physics, 190, p.96 - 101, 2017/04

 被引用回数:15 パーセンタイル:48.9(Materials Science, Multidisciplinary)

ペロブスカイト構造を持つクロム酸化物LaCrO$$_{3}$$, PrCrO$$_{3}$$およびLa$$_{0.5}$$Pr$$_{0.5}$$CrO$$_{3}$$の磁性と誘電性について調べた。これら酸化物は、近年、磁性と誘電性が重畳したマルチフェロイックであると報告されている$${it R}$$CrO$$_{3}$$系($${it R}$$:希土類)に属するため、対称系もマルチフェロイックであるとすれば興味深い。磁化測定からは、対象系はネール温度が240-288 Kの反強磁性体であることを観測した。中性子回折測定からは、これらの結晶構造は中心対称性を持つ斜方晶$${it Pnma}$$であり、NdCrO$$_{3}$$で報告された単斜晶構造とは異っており、強誘電体にはならないことを観測した。この結果と誘電率測定から、対象系の10000ほどの大きな誘電率は、電気双極子ではなく電荷の移動によるものと結論した。

論文

Analysis of plutonium isotope ratios including $$^{238}$$Pu/$$^{239}$$Pu in individual U-Pu mixed oxide particles by means of a combination of alpha spectrometry and ICP-MS

江坂 文孝; 安田 健一郎; 鈴木 大輔; 宮本 ユタカ; 間柄 正明

Talanta, 165, p.122 - 127, 2017/04

 被引用回数:14 パーセンタイル:52.7(Chemistry, Analytical)

本研究では、単一ウラン-プルトニウム混合粒子中のプルトニウム同位体比を、アルファ線計測および誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)の組み合わせにより決定する方法の開発を行った。その結果、$$^{240}$$Pu/$$^{239}$$Pu、$$^{241}$$Pu/$$^{239}$$Puおよび$$^{242}$$Pu/$$^{239}$$Pu同位体比についてはICP-MSにより決定することができ、$$^{238}$$Pu/$$^{239}$$Pu同位体比については、アルファ線計測により求めた$$^{238}$$Pu/($$^{239}$$Pu+$$^{240}$$Pu)放射能比とICP-MSにより求めた$$^{240}$$Pu/$$^{239}$$Pu同位体比より計算で決定することができた。したがって、アルファ線計測およびICP-MSの併用は、単一ウラン-プルトニウム混合粒子中のプルトニウム同位体比分析に有効であることが示された。

論文

Ionization of protoplanetary disks by galactic cosmic rays, solar protons, and supernova remnants

片岡 龍峰*; 佐藤 達彦

Geoscience Frontiers, 8(2), p.247 - 252, 2017/03

 被引用回数:4 パーセンタイル:14.31(Geosciences, Multidisciplinary)

原始惑星円盤における銀河宇宙線・太陽陽子・超新星残骸による電離量評価は、惑星形成の解析に重要となる。そこで、我々は粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて様々なスペクトルの宇宙線に対する原始惑星円盤の電離減衰長(電離密度が1/eになる距離)を計算した。その結果、銀河宇宙線による電離減衰長は118g cm$$^{-2}$$となり、一般的に使われている値よりも20%ほど高いことが分かった。また、太陽陽子による電離減衰長は、銀河宇宙線による値と比較して最大で5%程度大きく、最小で20%程度小さいことが分かった。さらに、原始惑星円盤の成分を考慮した混合ガスを想定することにより電離減衰長は約10%増加することが分かった。この結果は、原始惑星円盤におけるデッドゾーンの大きさの推定に重要な影響を与える。

論文

Monte Carlo criticality analysis under material distribution uncertainty

植木 太郎

Journal of Nuclear Science and Technology, 54(3), p.267 - 279, 2017/03

 被引用回数:8 パーセンタイル:61.68(Nuclear Science & Technology)

過酷事故の炉心溶融の際に生成される二酸化ウラン・コンクリート混合物の臨界性評価に関連して、ワイエルシュトラス関数に基づく確率論的乱雑化モデルを構築し、モンテカルロ法臨界計算の不確かさを検討した。中性子実効増倍率の評価値には、無視できない揺らぎが生じることがわかった。

論文

Swelling pressure and leaching behaviors of synthetic bituminized waste products with various salt contents under a constant-volume condition

入澤 啓太; 目黒 義弘

Journal of Nuclear Science and Technology, 54(3), p.365 - 372, 2017/03

 被引用回数:1 パーセンタイル:19.91(Nuclear Science & Technology)

We investigated the swelling pressure of synthetic bituminized waste products (BWPs) and the amount of Na$$^{+}$$ in the leachate from them under a constant-volume condition when the BWPs were in contact with water to understand influences of salt content on the surrounding environments after disposal of radioactive BWPs in a geological repository. The observation of the cross section of the synthetic BWP specimens revealed that micropores, which were formed after soluble salts leached out from the specimens, shrank and deformed near the surface of the specimens. The salt content in the synthetic BWP specimens depended on the amount of water taken up, indicating that an increase in the amount of water led to increases in the swelling pressure and the cumulative amount of Na$$^{+}$$ in the leachate. It was found that the shrinkage and deformation of the micropores near the surface of the synthetic BWP specimens that arose under the constant-volume condition significantly influenced increases in the swelling pressure and cumulative amount of Na$$^{+}$$ in the leachate.

論文

Determination of dissolved natural thorium and uranium in Horonobe and Mizunami Underground Research Laboratory groundwater and its thermodynamic analysis

佐々木 隆之*; 鴻上 貴之*; 小林 大志*; 桐島 陽*; 村上 裕晃; 天野 由記; 水野 崇; 岩月 輝希; 笹本 広; 宮川 和也

Journal of Nuclear Science and Technology, 54(3), p.373 - 381, 2017/03

本研究では、幌延深地層研究センター及び瑞浪超深地層研究所の両地下施設を利用し、原位置の地下水中におけるウラン及びトリウムの存在状態について、ろ過径の異なるフィルターを用いて調査した。また、ろ過後の地下水の分析結果をもとに、熱力学的な解析を行い、溶解度制限固相について考察した。その結果、幌延の地下水では、ウラン及びトリウムともに溶存状態で存在する成分に加え、コロイドとしても存在していることがわかった。また、溶存状態で存在するウラン及びトリウムの濃度は、UO$$_{2}$$(cr)及びThO$$_{2}$$(cr)の溶解度でそれぞれ近似される可能性が示唆された。一方、瑞浪の地下水中のウラン・トリウムについては、幌延と比べるとコロイドとして存在する可能性は低く、地下水のウラン・トリウム濃度については、明確な制限固相を特定することが困難であった。これについては、さらなる研究が必要である。

論文

Development of methods for recovering uranium from sludge-like uranium generated in decontamination of metal wastes

大橋 裕介; 田中 祥雄; 綱嶋 康倫; 池田 泰久*

Journal of Nuclear Science and Technology, 54(3), p.382 - 390, 2017/03

 被引用回数:8 パーセンタイル:61.68(Nuclear Science & Technology)

金属廃棄物の除染廃液から鉄を含んだスラッジが発生している。これらからウランを回収する方法として、${{it N-cyclohexyl}}$-2-pyrrolidone (NCP)を沈澱剤として用いた方法を検討した。その結果、スラッジを溶解した硝酸溶液からのウラン沈澱率はモル比[NCP]/[U(VI)]=20の条件で97.7%であった。また、Fe, Al, F$$^{-}$$, SO$$_{4}$$$$^{2-}$$の沈澱率は1%以下であり、選択的にウランが沈澱することが分かった。また、沈殿物のか焼物中のU, Fe, Al, F, Sの含有率はいずれもウラン転換原料に求められる基準を満たしており、本手法はスラッジから純度の高いウランを効率的に得られる方法として適用が期待できる。

論文

Cs-Te corrosion depth dependence on distribution of chromium carbide precipitation in high chromium steel

佐々木 孔英; 藤村 凌太*; 谷垣 考則; 松原 正典*; 福元 謙一*; 宇埜 正美*

Journal of Nuclear Science and Technology, 54(2), p.139 - 146, 2017/02

AA2016-0211.pdf:2.83MB

 被引用回数:6 パーセンタイル:51.82(Nuclear Science & Technology)

「もんじゅ」で採用しているMOX燃料ピンを高燃焼度化するにあたって、燃焼に伴い発生する核分裂生成物(Fission Product: FP)による燃料被覆管内面腐食(FP腐食)を低減する必要がある。次世代の燃料被覆管候補材として析出強化型フェライト/マルテンサイト鋼や酸化物分散強化鋼などの高クロム鋼が有力とされており、その開発として照射損傷特性や高温強度の観点から材料組成や組織が最適化されてきた。一方、FP腐食に関しては、炉内試験(常陽, BOR-60, Phenix, FFTF)にて数十$$mu$$mの減肉が確認されており、腐食量評価式にて目標燃焼度250GWd/tで約350$$mu$$m(被覆管厚さの約7割)もの腐食量が予測されているにも拘らず、被覆管材料開発に考慮されていない。これまでのFP腐食の基礎研究分野では腐食メカニズムが議論され、Cs-Te化合物と合金中のクロムやクロム炭化物との反応が主な腐食反応とされている。本研究では、耐FP腐食性向上のための基礎研究として、高クロム鋼中の炭化物分布とCs-Te腐食量との関係について調査した。本研究の結果、炭化物が結晶粒界に多く分布している材料組織は、そうでないものより腐食が進展しやすいことがわかった。

論文

Thermodynamic evidence for nematic superconductivity in Cu$$_{x}$$Bi$$_{2}$$Se$$_{3}$$

米澤 進吾*; 田尻 兼悟*; 中田 勝*; 永井 佑紀; Wang, Z.*; 瀬川 耕司*; 安藤 陽一*; 前野 悦輝*

Nature Physics, 13(2), p.123 - 126, 2017/02

 被引用回数:190 パーセンタイル:99.01(Physics, Multidisciplinary)

銅酸化物高温超伝導体や鉄系高温超伝導体に代表される非従来型超伝導体は、様々な産業への応用が期待され世界中で盛んに研究されている。特に、従来とは異なった熱応答や電磁応答を示すトポロジカル超伝導体と呼ばれる物質群が注目を集めている。そこで、本論文では、トポロジカル絶縁体Bi$$_{2}$$Se$$_{3}$$に銅をインターカレートすることで作成される超伝導体Cu$$_{x}$$Bi$$_{2}$$Se$$_{3}$$の新奇物性を調べるために、磁場を面内に回転させて比熱を高精度に測定し、理論結果と比較した。なお、上記課題の解決にあたり、トポロジカル超伝導体の有効理論を構築することで本質を落とさずに系の自由度を大幅に縮小させることで幅広い温度磁場領域での実験結果との比較を可能にした。その結果、この物質では二回対称性のみを持つネマティック超伝導状態が生じていることを実験によって明らかにすることができた。これらの結果は、超伝導体の基礎物性を明らかにするのみならず、良い物性を持つデバイス開発に資する成果であり、広く原子力分野の材料開発のためのシミュレーション基盤開発にも資する成果である。

論文

Inelastic and quasi-elastic neutron scattering spectrometers in J-PARC

瀬戸 秀紀; 伊藤 晋一; 横尾 哲也*; 遠藤 仁*; 中島 健次; 柴田 薫; 梶本 亮一; 河村 聖子; 中村 充孝; 川北 至信; et al.

Biochimica et Biophysica Acta; General Subjects, 1861(1), p.3651 - 3660, 2017/01

 被引用回数:29 パーセンタイル:79.4(Biochemistry & Molecular Biology)

1MWクラスのパルス中性子源であるJ-PARCの物質・生命科学実験施設には、23の中性子ビームラインがあり、21台の装置が稼働、建設中である。このうち6台は中性子非弾性、及び、準弾性実験のための装置であり、生命科学研究に大いに寄与するものである。

論文

Ge検出器-$$gamma$$線スペクトロメトリーによる玄米認証標準物質中$$^{134}$$Cs, $$^{137}$$Cs及び$$^{40}$$Kの分析,2; 不確かさ評価

米沢 仲四郎*; 城野 克広*; 原賀 智子

分析化学, 66(1), p.27 - 37, 2017/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Analytical)

本報告では、ゲルマニウム半導体検出器を用いた$$gamma$$線スペクトロメトリーにおいて、放射能濃度の定量結果に対する不確かさを評価するため、認証標準物質中の$$^{134}$$Cs, $$^{137}$$Csおよび$$^{40}$$Kを用いて、代表的な定量法である「単純比較法」と「効率曲線法」を比較した。各法を構成するパラメータに含まれる不確かさの要因を精査するとともに、各要因の寄与を実験的に求めた。その結果、単純比較法では、各パラメータのうち、$$gamma$$線のピーク効率と正味ピーク計数値の不確かさの寄与が最も大きく、他の寄与は無視できるほど小さいことがわかった。効率曲線法では、サム効果補正係数と$$gamma$$線放出率の不確かさの寄与が追加され、単純比較法よりも不確かさは大きくなることがわかった。本検討により、$$gamma$$線スペクトロメトリーにおける定量結果の不確かさを示すことができた。

論文

各種計測結果に基づく再冠水試験のための止水壁の機能評価

松井 裕哉; 見掛 信一郎; 池田 幸喜; 佐々木 定雄

第14回岩の力学国内シンポジウム講演論文集(インターネット), 6 Pages, 2017/01

日本原子力研究開発機構は、文部科学省・経済産業省・原子力規制委員会の第3期中長期目標に基づく研究開発を平成27年度から進めている。この一環として、岐阜県瑞浪市の瑞浪超深地層研究所では、深度500mに掘削した研究坑道終端部において、再冠水試験と称する坑道周辺の地質環境の回復状況を把握・評価するための原位置試験を進めている。この試験のため、研究坑道内に地下水の圧力を保持するための止水壁を構築すると同時に、温度・圧力及び変異に関する各種計測機器を止水壁内外に設置し、冠水前後のそれらの変化をモニタリングした。その結果、構築した止水壁は、最初の冠水時に、施工不良部からの漏水が生じその補修を行ったものの、補修後の冠水では当初の止水壁の設計コンセプトが概ね満足され、水圧の保持機能が発揮されていることを確認し、平成28年3月より再冠水試験に移行している。本報では、止水壁の設計・施工・計測と計測結果に基づくその機能評価の概要を報告する。

論文

幌延深地層研究センターの深度の異なる水平坑道を対象とした掘削損傷領域の水理力学特性の検討

青柳 和平; 石井 英一

第14回岩の力学国内シンポジウム講演論文集(インターネット), 6 Pages, 2017/01

堆積軟岩を対象とする幌延深地層研究センターの深度250mおよび350mの調査坑道において生じた掘削損傷領域(Excavation Damaged Zone: EDZ)の水理・力学特性を検討することを目的として、透水試験、コア観察、BTV観察を行った。結果として、250m調査坑道ではEDZの進展幅は壁面から約1.0mであり、EDZの透水係数は、健岩部と比較して約2-3オーダー程度大きかった。一方、350m調査坑道では、EDZの進展幅は壁面から0.4mまでであったが、EDZの透水係数は健岩部と比較して約5オーダー程度大きい結果であった。これらの関係性について、地山強度比と岩盤中のせん断変形に伴う局所的なダイラタンシーの程度を評価する指標であるDuctility Index(DI)の2つの物理パラメータを基に、深度と岩種の違いによるEDZの水理力学特性を検討した。結果として、EDZの進展幅は地山強度比と関連しており、EDZの透水係数の増大は、DIの値の違いにより説明できることが示唆された。

論文

坑道掘削時内空変位に基づく広域岩盤の初期地圧評価

亀村 勝美*; 青柳 和平; 名合 牧人*; 菅原 健太郎*; 松原 誠*

第14回岩の力学国内シンポジウム講演論文集(インターネット), 6 Pages, 2017/01

日本原子力研究開発機構が高レベル放射性廃棄物の地層処分技術開発として北海道幌延町で進めている幌延深地層研究計画は、平成12年度から開始された第1段階「地上からの調査研究」に引き続き、第2段階「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究」と第3段階「地下施設における調査研究」が実施されている。こうした地下施設の設計にあたっては、掘削対象の岩盤の力学特性は勿論、初期応力をいかに設定するかが重要であり、幌延においてもこれまでに、地上からのボーリング孔を用いた水平面内の初期地圧の評価や坑道掘削(地下施設建設)時に3深度に設けられた試験坑道における水圧破砕法による初期地圧の評価が行われている。今回深度350mの周回坑道掘削時の内空変位計測結果を用いて、数百m四方の岩盤の挙動を説明できる初期応力の推定を試みた。また、推定結果の精度をより高めるために岩盤の割れ目の発達状況を考慮して内空変位計測結果を評価し、検討を行った。その結果は、他の計測結果と整合しており、本解析手法の妥当性が確認された。

論文

光計測を用いた幌延深地層研究センターの立坑周辺岩盤における長期挙動評価

畑 浩二*; 丹生屋 純夫*; 青柳 和平

第14回岩の力学国内シンポジウム講演論文集(インターネット), 6 Pages, 2017/01

北海道幌延町に位置する日本原子力研究開発機構の幌延深地層研究センターでは、高レベル放射性廃棄物地層処分技術の信頼性向上に係わる種々な研究を実施している。その内、空洞周辺岩盤の長期挙動モデルを開発するため、深度350m以深の立坑を対象に掘削前から掘削完了後の維持管理期間にわたって力学的・水理学的挙動に着目し、光式のAEセンサ・間隙水圧センサ・温度センサを用いて長期計測を継続中である。計測結果から、掘削時には立坑壁面に近いほどAE、間隙水圧および温度の変化は大きく、壁面1.5m程度までを掘削損傷領域と評価した。一方、掘削後の維持管理段階では、力学的な損傷領域の広がりは認められないが、立坑近辺では不飽和領域が広がることが認められた。

論文

幌延深地層研究センターの換気立坑におけるグラウト注入シミュレーションおよびその効果の検証

中嶋 仁慶*; 小山 倫史*; 龍田 圭亮*; 片山 辰雄*; 青柳 和平

第14回岩の力学国内シンポジウム講演論文集(インターネット), 6 Pages, 2017/01

本論文では、幌延深地層研究センターの深度250m以深の換気立坑掘削前に、透水性の高い断層部を対象として実施したグラウト施工を対象として、有限要素法により、非定常の浸透流解析および移流・分散解析を実施し、グラウト施工後の透水係数の分布を評価した。その結果に基づきグラウトによる透水性の改善効果について検討を行い、原位置におけるルジオン試験結果との比較により解析の妥当性について検討を行った。結果として、実際のグラウト施工により、透水性の高い断層部の透水係数の4オーダー程度の改善が見られ、その値は原位置のルジオン試験結果にも概ね整合することが示された。よって、グラウトによる透水性改善の検討について、本手法の適用可能性が示された。

論文

ODS鋼燃料被覆管内の微小欠陥の水浸高調波法による可視化とSEMによる組成同定

川嶋 紘一郎*; 矢野 康英; 丹野 敬嗣; 皆藤 威二

第24回超音波による非破壊評価シンポジウム講演論文集(USB Flash Drive), p.99 - 104, 2017/01

日本原子力研究開発機構において、高燃焼度用ナトリウム冷却高速増殖炉用燃料被覆管として、9Crの酸化物分散強化型(Oxide Dispersion Strengthened: ODS)鋼が開発されている。管厚の7%を検査基準として通常超音波法により欠陥の検査がなされているが、水浸高調波法による欠陥検出可能性を調査するため通常超音波検査合格部位について欠陥・異質部の調査を実施した。水浸高調波法により9Cr-ODS鋼管内の高調波散乱源を可視化した後、断面観察により検出された散乱源の寸法・形状をSEMにより、また組織・成分をEDSにより同定した。最小径10$$mu$$m程度の酸化チタン粒子、マイクロボイド集合部、Cr集合体などを同定できた。

論文

研究開発段階発電用原子炉の特徴を考慮した保守管理の提案

高屋 茂; 近澤 佳隆; 林田 貴一; 田川 明広; 久保 重信; 山下 厚

保全学, 15(4), p.71 - 78, 2017/01

研究開発段階炉に適した保守管理について、まずはじめに、その目的を明確化し、次に実用炉用保守管理規程の研開炉への適用性について検討した。検討結果に基づき、研開炉の保守管理に関する要求事項及び考慮事項を提案した。最後に、適用例として、ナトリウム冷却高速炉の保全計画の設定例を示した。

論文

Implementation of muon interaction models in PHITS

安部 晋一郎; 佐藤 達彦

Journal of Nuclear Science and Technology, 54(1), p.101 - 110, 2017/01

 被引用回数:7 パーセンタイル:61.68(Nuclear Science & Technology)

宇宙線ミューオンを用いた原子炉の透視や核物質の検出、低エネルギー負ミューオンを用いた非破壊元素分析や超寿命核分裂生成物(LLFP)の核変換など、様々なミューオン応用研究が進められている。このようなミューオン応用研究にPHITSを適用可能とするため、本研究ではミューオンと物質との相互作用(制動放射、電子・陽電子対生成、ミューオン光核反応、負ミューオン捕獲反応)に関するモデルを構築し、PHITSに実装した。改良したPHITSは水中および地中での宇宙線ミューオンの透過フラックスおよび、ミューオン光反応および負ミューオン捕獲反応からの中性子生成に関する実験値をよく再現した。またコンクリート壁を前面に配置したミューオン照射による放射性核種生成断面積の測定実験を解析した結果、実験値との良好な一致が得られた。以上のように、粒子の透過距離や放射性核種生成の評価が重要となるミューオン施設の遮蔽設計に対して、新しい反応モデルを実装したPHITSの適用性が実証された。

論文

Correction of the thermal neutron capture cross section of $$^{241}$$Am obtained by the Westcott convention

水山 一仁; 岩本 信之; 岩本 修

Journal of Nuclear Science and Technology, 54(1), p.74 - 80, 2017/01

There is large discrepancy among the reported experimental data of the thermal neutron capture cross section of $$^{241}$$Am. The activation measurements provided larger cross sections than those in the time-of-flight (TOF) ones. The Westcott convention has been widely used for the derivation of the thermal neutron capture cross section in the activation measurements. The large discrepancy may be due to the existence of the resonances below the cadmium cut-off energy (E$$_{Cd}sim$$ 0.5 eV). By reviewing the Westcott convention, we developed the correction method taking account of the contribution of the resonances near or below $$E_{Cd}$$. The correction term was evaluated using the JENDL-4.0. Application of the present method successfully improved the existing discrepancy of the thermal capture cross section of $$^{241}$$Am.

論文

第一原理計算に基づく転位構造解析と合金設計; マグネシウムの延性向上への取り組み

都留 智仁

まてりあ, 56(1), p.5 - 13, 2017/01

希少元素の代替材料開発は元素戦略の重要な研究であり、原子・電子構造に立脚した構造材料に対する強さとねばさの両立に向けた取り組みが推進されている。本稿では、転位論と第一原理計算を用いて、合金化による機械特性への影響を非経験的に評価するための合金設計手法を提案するとともに、具体的な対象として、マグネシウム合金の延性向上のメカニズムと合金設計指針について応用を行った。本論文は、これまでの一連の成果として、日本金属学会会報「まてりあ」の解説記事として発表する。

論文

Composite behavior of lath martensite steels induced by plastic strain, a new paradigm for the elastic-plastic response of martensitic steels

Ung$'a$r, T.*; Harjo, S.; 川崎 卓郎; 友田 陽*; Rib$'a$rik, G.*; Shi, Z.*

Metallurgical and Materials Transactions A, 48(1), p.159 - 167, 2017/01

AA2016-0372.pdf:2.81MB

 被引用回数:43 パーセンタイル:90.57(Materials Science, Multidisciplinary)

Based on high-resolution neutron diffraction experiments we will show that in lath martensite steels the initially homogeneous dislocation structure is disrupted by plastic deformation, to produce a composite on the length scale of martensite lath packets. The diffraction patterns of plastically strained martensitic steel reveal characteristically asymmetric peak profiles in the same way as has been observed in materials with heterogeneous dislocation structures. Lath packets oriented favorably or unfavorably for dislocation glide become soft or hard. The lath packet type develops by work softening or work hardening in which the dislocation density becomes smaller or larger compared to the initial average one. The decomposition into soft and hard lath packets is accompanied by load redistribution between the two lath packet types. The composite behavior of plastically deformed lath martensite opens a new way to understand the elastic-plastic response in this class of materials.

論文

Hydrogenation of iron in the early stage of Earth's evolution

飯塚 理子*; 八木 健彦*; 後藤 弘匡*; 奥地 拓生*; 服部 高典; 佐野 亜沙美

Nature Communications (Internet), 8, p.14096_1 - 14096_7, 2017/01

AA2016-0524.pdf:0.73MB

 被引用回数:39 パーセンタイル:88.59(Multidisciplinary Sciences)

地球の核の密度は純鉄の密度よりも低く、核の中の軽い元素は長年の問題である。水素は太陽系内で最も豊富な元素であり、したがって重要な候補の1つである。しかし、これまで水素の鉄への溶解過程は不明であった。ここでは、高圧高温その場中性子回折実験を行い、含水鉱物の混合物が加熱されると、含水鉱物が脱水された直後に鉄が水素化されることを明らかにしている。これは、地球の進化の初期に、蓄積された原始物質が熱くなったときに、他の物質が溶けこむ前に水素の鉄への溶解が起こったことを意味する。これは、水素が地球進化の過程で鉄に溶解した最初の軽元素であり、その後のプロセスにおいて他の軽元素の挙動に影響を及ぼす可能性があることを示唆している。

論文

Cesiated surface H$$^{-}$$ ion source; Optimization studies

上野 彰

New Journal of Physics (Internet), 19(1), p.015004_1 - 015004_15, 2017/01

 被引用回数:12 パーセンタイル:64.6(Physics, Multidisciplinary)

0.25$$pi$$mm$$cdot$$mrad程度の小さな横方向規格化rmsエミッタンスを持つ負水素イオンビームに対する高エネルギー$$cdot$$高強度陽子加速器の継続的に上昇する更なる高強度への要求を満たすため、再現性のある結果を得るために行われた根気強い実験の過程で見付かったエミッタンスを減少させる可能性のある多様なパラメータの最適化を行った。プラズマ電極形状や温度、低電力CW点火プラズマ用の高周波(RF)整合回路、フィルター磁場強度と分布、ビーム取り出し領域の軸磁場、セシウム(Cs)添加方法と密度、不純物元素の最適化等をJapan Proton Accelerator Research Complex (J-PARC)用の負水素イオン源で行った。一つ一つのパラメーターを順次最適化することで、J-PARC Cs添加型RF駆動負水素イオン源で、95%ビームの横方向規格化rmsエミッタンス($$varepsilon$$$$_{95%nrmsx/y}$$)0.24$$pi$$mm$$cdot$$mradで強度66mAという世界最高級輝度のビームの生成に成功した。

論文

イオン交換能を有する金属分離試薬の開発とそれを固定化した金ナノ粒子による比色分析法への展開

下条 晃司郎

日本イオン交換学会誌, 28(1), p.1 - 10, 2017/01

本総説は平成28年度日本イオン交換学会進歩賞の研究内容をまとめたものである。産業廃棄物などに含まれる有用金属の分離回収および有害金属の除去・検出を効率的に行うには、高い選択性を有する金属分離試薬の開発が必要である。我々は新規金属分離試薬として、ジグリコールアミド酸(DGAA)型配位子を開発した。この試薬はアミド基とカルボン酸をエーテル鎖で連結した三座配位構造を有し、市販の配位子より優れた金属分離能をもつ。また、1ステップで簡便に合成が可能でコストパフォーマンスにも優れている。本稿では、DGAA型配位子の56種の金属イオンに対する抽出特性、希土類金属の抽出分離、および有害金属の除去について解説する。さらに、DGAA型配位子と金結合性ペプチドを融合した配位子融合ペプチドを用いて、DGAA固定化金ナノ粒子をワンポットで合成する手法を開発し、有害金属イオンを色の変化で高感度に検出できるイオン交換比色センサーに展開したので紹介する。

論文

確率分布母数の不確実さが確率論的破壊力学評価結果に与える影響の簡易評価手法の開発

岡島 智史; 高屋 茂; 浅山 泰

日本機械学会論文集(インターネット), 83(845), p.16-00434_1 - 16-00434_13, 2017/01

確率論的破壊力学の入力となる基本変数について、確率分布を設定するためのデータが不足していた場合、確率分布の母数、及び評価結果である破損確率に不確実さが生じる。本論文では、データ不足により、確率分布母数が上限値と下限値を与えた区間内にある状況を想定する。これによって破損確率評価結果に生じる不確実さに対し、上限値及び下限値を簡易に推定する手法を提案する。また、不確実さの低減を行うべき確率分布母数を抽出するため、確率分布母数のそれぞれについての想定区間が、評価結果に与える影響の大きさを表す指標を提案する。提案手法の有効性は、実機評価事例に基づく例題に対して適用することで検証した。

論文

Theoretical elucidation of space charge effects on the coupled-bunch instability at the 3 GeV Rapid Cycling Synchrotron at the Japan Proton Accelerator Research Complex

菖蒲田 義博; Chin, Y. H.*; Saha, P. K.; 發知 英明; 原田 寛之; 入江 吉郎*; 田村 文彦; 谷 教夫; 外山 毅*; 渡辺 泰広; et al.

Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2017(1), p.013G01_1 - 013G01_39, 2017/01

AA2016-0375.pdf:3.07MB

 被引用回数:13 パーセンタイル:66.58(Physics, Multidisciplinary)

大強度のビームを加速すると、一般にビームは不安定になることが知られている。それは、周回中のビームと加速器の機器には電磁相互作用(ビームのインピーダンス)があるからである。ビームを不安定にならないようにするためには、ビームのインピーダンスが閾値を超えなければ良いことが分かっていて、それは、インピーダンスバジェットと呼ばれている。J-PARC 3GeVシンクロトロンは、キッカーというビームを蹴り出す装置がインピーダンスバジェットを破っていることが、建設初期の段階から明らかにされており、1MWビームの達成を阻害することが懸念されてきた。今回、ビームの構成粒子自身の電荷に由来する電磁相互作用(空間電荷効果)には、ビームを安定化させる効果があることを理論的に明らかにした。また、ビームのパラメータや加速器のパラメータを適切に選べば、J-PARC 3GeVシンクロトロンのような低エネルギーのマシーンでは、従来のインピーダンスバジェットを破ることは、1MWビームを達成する上で致命傷にはならないことを実験的にも実証した。

論文

放射線測定器で何が測れるか

竹安 正則

とみおか放射線情報まとめサイト(インターネット), 2 Pages, 2017/01

福島県富岡町が住民に貸出を行っている放射線測定器の種類とその目的、使用上の留意点、測定結果の解釈の仕方について解説する。

論文

複雑な実環境をシミュレートしたデータ取得にもとづく腐食要因の解明; 海洋環境と原子力施設を例として

山本 正弘

材料と環境, 66(1), p.3 - 12, 2017/01

腐食現象の発生メカニズムを明らかにするために、実験室的に実環境での腐食を再現するシミュレーション試験法を検討してきた。本稿では、海洋環境と原子力施設を例にこの手法に関して紹介する。海洋での腐食については、干満帯直下で見られる腐食極大に着目した。実環境を再現する試験を実施した結果、この領域では干潮時には、干満帯部をカソードとして腐食が進行し、満潮時には海中部深くをカソードとした腐食が進行し、長期間アノードが固定する現象が観察された。これは、アノード溶解が継続することで環境が変化して、腐食し続ける、いわゆる、「とけぐせ」と呼ばれる腐食現象と考えられる。原子力施設については、高い放射線環境での腐食解析や電気化学測定が可能な装置を駆使してきた。一例は、核燃料再処理施設でのNpの混入による腐食加速現象が、Np$$^{6+}$$がステンレス鋼表面で還元され腐食が進行し、還元されたNp$$^{5+}$$がバルク溶液中に再酸化されるため、微量のNp混入でも腐食が加速されることを示した。また、軽水炉内での放射線環境で生成する過酸化水素の影響についても評価する手法に関しても紹介した。

論文

Gamma radiation resistance of spin Seebeck devices

Yagmur, A.*; 内田 健一*; 井原 和紀*; 井岡 郁夫; 吉川 貴史*; 小野 円佳*; 遠藤 純一*; 柏木 王明*; 中島 哲也*; 桐原 明宏*; et al.

Applied Physics Letters, 109(24), p.243902_1 - 243902_4, 2016/12

 被引用回数:3 パーセンタイル:15.07(Physics, Applied)

スピンゼーベック効果(SSE)に基づく熱電素子の$$gamma$$線抵抗性を調べるため、約3$$times$$10$$^{5}$$Gyの$$gamma$$線照射試験を実施した。SSE素子には、Pt/Ni$$_{0.2}$$Zn$$_{0.3}$$Fe$$_{2.5}$$O$$_{4}$$/GlassとPt/Bi$$_{0.1}$$Y$$_{2.9}$$Fe$$_{5}$$O$$_{12}$$/Gd$$_{3}$$Ga$$_{5}$$O$$_{12}$$を用いた。SSE素子の熱電特性,磁気特性、構造は、$$gamma$$線照射により影響されないことを確認した。この結果は、SSE素子が厳しい照射環境でさえ熱電素子として適用可能なことを示した。

論文

Temporal variation of dose rate distribution around the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station using unmanned helicopter

眞田 幸尚; 織田 忠; 鳥居 建男

Applied Radiation and Isotopes, 118, p.308 - 316, 2016/12

 被引用回数:26 パーセンタイル:93.42(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

福島第一原子力発電所事故により飛散した放射性セシウムの環境中への影響を調査するため、無人ヘリコプター(unmanned helicopter)に放射線検出器を搭載した放射線モニタリングシステム(Unmanned helicopter monitoring system: UHMS)が開発された。UHMSは、主に福島第一原子力発電所周辺のモニタリングに利用され、2012年$$sim$$2015年までに6回のモニタリングを実施した。これらの結果を比較すると、放射線分布の変化傾向が定量的に明らかとなった。

論文

Erratum; Effects of OH$$^{-}$$ activity and temperature on the dissolution rate of compacted montmorillonite under highly alkaline conditions [Clay Minerals, vol.51, p.275 (2016), Corrected Fig. 7.]

澤口 拓磨; 塚田 学; 山口 徹治; 向井 雅之

Clay Minerals, 51(5), P. 815, 2016/12

以前に発表した論文(高アルカリ条件下におけるモンモリロナイト圧縮体の溶解速度へのOH$$^{-}$$活量および温度の影響[Clay Minerals, vol.51, p.275 (2016)])における図の訂正である。

論文

Chemical properties of rutherfordium (Rf) and dubnium (Db) in the aqueous phase

永目 諭一郎; Kratz, J. V.*; Sch$"a$del, M.*

EPJ Web of Conferences, 131, p.07007_1 - 07007_8, 2016/12

BB2016-0022.pdf:0.96MB

 被引用回数:3 パーセンタイル:73.04

Recent studies of the chemical separation and characterization experiments of superheavy elements, rutherfordium (Rf) and dubnium (Db), conducted atom-at-a-time in aqueous phases, are reviewed. A short description on experimental techniques based on partition methods, specifically automated rapid chemical separation systems, is also given. A newly developed experimental approach to investigate single atoms of the heaviest elements with an electrochemical method is introduced. Perspectives for aqueous-phase chemistry experiments on heavier elements are briefly discussed.

論文

First ionization potential of the heaviest actinide lawrencium, element 103

佐藤 哲也; 浅井 雅人; Borschevsky, A.*; Stora, T.*; 佐藤 望*; 金谷 佑亮; 塚田 和明; D$"u$llmann, C. E.*; Eberhardt, K.*; Eliav, E.*; et al.

EPJ Web of Conferences, 131, p.05001_1 - 05001_6, 2016/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.9

表面電離イオン化過程におけるイオン化効率は、対象原子の第一イオン化エネルギーに依存することが知られており、この関係を利用することで、イオン化エネルギーを決定することができる。新たに開発したガスジェット結合型表面電離イオン源を用いて、低生成断面積・短寿命のためにイオン化エネルギーが測定されていない重アクチノイド元素フェルミウム, アインスタイニウム, ノーベリウムそしてローレンシウムのイオン化効率を測定することにより、これらの第一イオン化エネルギーを初めて実験的に決定したので報告する。

論文

深部結晶質岩マトリクス部における微小移行経路と元素拡散現象の特徴

石橋 正祐紀; 笹尾 英嗣; 濱 克宏

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 23(2), p.121 - 130, 2016/12

花崗岩などの結晶質岩では、割れ目周辺母岩への物質の拡散(マトリクス拡散)が、割れ目中を流れる物質の希釈や遅延に効果があることが知られている。そのため、高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全評価において、マトリクス拡散現象は重要なものである。国内の岩体では、肉眼観察では変質を被っていない割れ目周辺の花崗岩(健岩部)でも、花崗岩マグマが冷却し固結した際に生じる熱水による変質(初生的変質)を被っており、この影響を検討することは重要である。しかし、肉眼観察で割れ目周辺に変質が認められない健岩部に着目された研究例はない。そこで、瑞浪超深地層研究所で採取した割れ目周辺健岩部を対象として、微視的空隙の分布および、それがマトリクス拡散に与える影響を考察した。その結果、割れ目周辺健岩部では、初生的変質で斜長石中心部に選択的に微視的空隙が形成されたこと、この空隙がマトリクス拡散経路として機能する可能性があることが明らかになった。これは変動帯に位置する日本の花崗岩体の地下環境では、初生的変質に伴う微視的空隙によって、割れ目周辺の健岩部でもマトリクス拡散による物質移動の遅延が期待できる可能性を示唆する。

論文

シンポジウム「核燃料サイクル・バックエンドの科学; その研究教育の在り方」と故安俊弘教授の足跡

中山 真一; 奥村 雅彦*; 長崎 晋也*; 榎田 洋一*; 梅木 博之*; 高瀬 博康*; 川崎 大介*; 長谷川 秀一*; 古田 一雄*

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 23(2), p.131 - 148, 2016/12

平成28年6月25日に東京大学にて、核燃料サイクル・バックエンドに関する研究を支えるためのシンポジウム「核燃料サイクル・バックエンドの科学 -その研究教育の在り方-」が開催された。限られた参加者による限られた時間内のシンポジウムであったが、この分野に身を置いてきた参加者による闊達な意見交換がなされ、今後の議論につながる意見を共有できた。このシンポジウムの内容を報告するとともに、本シンポジウムの企画者のひとりであり、シンポジウム直前に亡くなられたカリフォルニア大学バークレー校の安俊弘(Joonhong Ahn)教授に対する追悼の意を表し、本紙面を借りてその功績を紹介する。

論文

低エネルギーイオンドーピングによるカーボンアロイ形成とその吸着脱硫への応用

下山 巖

放射線と産業, (141), p.7 - 11, 2016/12

化石燃料の脱硫は水素製造における必須のプロセスである。従来の水素化脱硫に代わる新たな手法として提案されている吸着脱硫では安定で高機能の活性炭吸着材の開発が求められているため、発表者は低エネルギーイオンビームでヘテロ原子ドーピングを行った炭素材料(カーボンアロイ)に対しチオフェン吸着特性のドーパント依存性を調べた。15族の窒素とリンをグラファイト表面にドーピングした場合、窒素よりもリンの方がチオフェン吸着に対して優れた効果を持つこと、及び室温と高温のグラファイトにリンドーピングを行うと室温ドーピングした試料の方が10倍以上優れたチオフェン吸着能を示すことを見いだした。X線吸収分光法を用いた局所構造解析により両者のリンの構造が異なることを明らかにし、室温ドーピングでは曲面構造が形成されたことにより高い吸着特性を持つことを示した。以上の結果は低エネルギーイオンビームによるカーボンアロイ開発の可能性を示している。

論文

Local fields at nonmagnetic impurity sites in a perovskite $${rm La_{0.7}Ca_{0.3}MnO_3}$$

佐藤 渉*; 小松田 沙也加*; 長 明彦; 佐藤 哲也; 大久保 嘉高*

Hyperfine Interactions, 237(1), p.113_1 - 113_6, 2016/12

 被引用回数:2 パーセンタイル:61.96

局所磁気および構造の研究を目的に、ペロブスカイト型マンガン酸化物$${rm La_{0.7}Ca_{0.3}MnO_{3}}$$ ($$T_C$$ $$sim$$ 250K)に導入した$$^{111}$$Cd ($$leftarrow$$ $$^{rm 111m}$$Cd)および$$^{111}$$Cd($$leftarrow$$ $$^{rm 111}$$In)プローブ核における磁気超微細場と電場勾配を、時間微分摂動角相関分光法を用いて測定した。77Kの強磁性相において、La/Ca Aサイト上の非磁性$$^{111}$$Cd核では、ごくわずかなsupertransferred magnetic hyperfine field(SMHF)($$<$$0.014T)が明確な電場勾配とともに観察された。この現象は、我々が以前Aサイトの$$^{140}$$Ceプローブ核について測定した大きな磁気超微細場($$B_{hf}$$=6.9T)が、隣接するMnイオンからのSMHFによって配向された4$$f$$スピンの寄与に由来することを示唆している。

論文

Contrast variation by dynamic nuclear polarization and time-of-flight small-angle neutron scattering, 1; Application to industrial multi-component nanocomposites

能田 洋平*; 小泉 智*; 増井 友美*; 間下 亮*; 岸本 浩通*; 山口 大輔; 熊田 高之; 高田 慎一; 大石 一城*; 鈴木 淳市*

Journal of Applied Crystallography, 49(6), p.2036 - 2045, 2016/12

 被引用回数:17 パーセンタイル:78.84(Chemistry, Multidisciplinary)

We have reported the first attempt with dynamic nuclear polarization (DNP) and contrast variation small-angle neutron scattering (SANS) experiments on model mixtures for industrial tyres conducted at the MLF of J-PARC. We performed time-of-flight SANS (TOF-SANS) experiments, employing neutrons with a wide range, which causes imperfect neutron polarization and variations in the coherent and incoherent scattering lengths. By carefully eliminating the effect of imperfect neutron polarization, separation of the partial scattering functions was successfully demonstrated for the ternary system styrene-butadiene-rubber/silica/carbon.

論文

Determination of optimal vapor pressure data by the second and third law methods

中島 邦久

Mass Spectrometry (Internet), 5(2), p.S0055_1 - S0055_6, 2016/12

平衡蒸気圧データは、蒸気種だけでなく凝縮相の熱力学的性質を調べる際にも利用されているが、蒸気圧データについては、2桁あるいはそれ以上の違いがあることは珍しいことではない。本報告では、蒸気圧測定における信頼性向上のために、第二法則,第三法則処理と呼ばれる手法を用いた新しいデータ解析の手法を提案している。この手法をセシウムメタボレート, CsBO$$_{2}$$や銀の蒸気圧測定データに対して適用した結果、信頼性の高い蒸気圧データの選定につながることが分かった。この新しい熱力学的手法では、測定データの取り扱いにおいて、特別なテクニックや経験を必要とせず、測定手法に関係なく汎用性もあることから蒸気圧測定における信頼性向上のための手法として役に立つと考えられる。

論文

The Reaction mechanism of polyalcohol dehydration in hot pressurized water

Ruiz-Barragan, S.*; Ribas Ari$~n$o, J.*; 志賀 基之

Physical Chemistry Chemical Physics, 18(47), p.32438 - 32447, 2016/12

 被引用回数:8 パーセンタイル:32.51(Chemistry, Physical)

反応場として熱水の使用は、グリーンケミストリー分野において非常に有望な技術である。これを活用するにあたり、熱水における反応機構を解明することが重要である。本研究では、熱水における2,5-ヘキサンジオールの脱水の反応機構について、ストリング法, メタダイナミクス法, 分子動力学法という三つの異なる第一原理シミュレーションを用いて研究を行った。その結果、この反応はプロトン化、結合交替と脱プロトン化を含む反応全体において、安定な中間体を形成することなく、連続的に進行することがわかった。この際、周囲の水の作る水素結合ネットワークは、反応の開始時と終了時における効率的なプロトンリレーを促す上で重要な役割を持っていることが明らかになった。この反応は36kcal/molのエネルギー障壁のあるSN2経路を取ることがわかり、実験で観測されている高い立体選択性と反応速度に一致する結果を得た。

論文

金属粉末直噴型レーザーコーティングプロセスの計算科学シミュレーション

村松 壽晴

レーザー研究, 44(12), p.799 - 803, 2016/12

本稿では、加工材料にレーザー光が照射されてから加工が完了するまでの複合物理過程を定量的に取扱えるようにするために開発中の、計算科学シミュレーションコードSPLICEの概要と評価例、およびオーバーヘッドの大幅低減を目指し、SPLICEコードをディジタルモックアップ装置として利用するフロントローディング実現に対する見通しを述べる。

論文

中性子透過率スペクトル測定を利用した新しい中性子散乱実験

大場 洋次郎*; 諸岡 聡; 佐藤 博隆*; 佐藤 信浩*; 井上 倫太郎*; 杉山 正明*

波紋, 26(4), p.170 - 173, 2016/11

Based on the time-of-light (TOF) technique, new generation pulsed neutron sources enable novel neutron scattering experiments. Using small-angle neutron scattering (SANS) at the pulsed neutron sources, simultaneous measurements of SANS and Bragg edge transmission can be performed. From the SANS profiles, the precipitates and inclusions in metals and alloys are characterized, while the Bragg edge transmission spectra give crystallographic information about the matrix. This is a powerful tool for quantitative characterization of the microstructures in the metals and alloys. The neutron transmission experiments have potential for further development. Magnetic Bragg edge transmission analysis will be useful for magnetic materials. These new neutron scattering techniques enhance the usability and flexibility of neutron scattering experiments.

論文

Review of the microdosimetric studies for high-energy charged particle beams using a tissue-equivalent proportional counter

津田 修一; 佐藤 達彦; 小川 達彦; 佐々木 慎一*

JPS Conference Proceedings (Internet), 11, p.060004_1 - 060004_6, 2016/11

高エネルギー荷電粒子に対する生物学的効果を評価するうえで、細胞内の微小な領域中のビームの飛跡及びその近傍における詳細なエネルギー付与分布に関する情報は重要である。本研究では機構で開発した生物学的線量評価モデルに組み込まれているエネルギー付与分布計算モデルの精度検証を行うために、種々の高エネルギー荷電粒子ビームに対する線エネルギー($$y$$)分布測定を実施してきた。放射線計測器に関する国際会議において、原子力機構で開発した高エネルギー荷電粒子に対する$$y$$分布測定用の壁なし型組織等価比例計数管について紹介するとともに、これまでに行った一連の研究成果を報告する。

論文

Year-round variations in the fluvial transport load of particulate $$^{137}$$Cs in a forested catchment affected by the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident

松永 武; 中西 貴宏; 安藤 麻里子; 竹内 絵里奈; 武藤 琴美; 都築 克紀; 西村 周作; 小嵐 淳; 乙坂 重嘉; 佐藤 努*; et al.

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 310(2), p.679 - 693, 2016/11

AA2015-0821.pdf:3.78MB

 被引用回数:6 パーセンタイル:49.65(Chemistry, Analytical)

福島第一原子力発電所事故に由来する放射性Csの森林集水域からの流出挙動とその変動要因を解明するために、渓流水中の懸濁態放射性Csの流出量を2012年から2年間連続して測定した。懸濁態$$^{137}$$Csの流出は、流域からの懸濁物質の流出と密接な関係があり、降雨量の多い8-9月に増加した。$$^{137}$$Csは懸濁物質中の粘土鉱物に強く結びついており、流下中に水中に溶存しないことが、鉱物同定及び抽出実験の結果より示唆された。また、単位懸濁物質量あたりの$$^{137}$$Cs濃度は、2012年から徐々に低下していた。これらの結果より、懸濁態$$^{137}$$Csの流出量は、降雨量に関連した懸濁物質量の変動と、懸濁物質中の$$^{137}$$Cs濃度の経年変化の両方の影響を受けて変化していることが明らかとなった。

論文

Flux pinning properties in YBCO films with growth-controlled nano-dots and heavy-ion irradiation defects

末吉 哲郎*; 上滝 哲也*; 浦口 雄世*; 末永 桃太郎*; 牧原 隆博*; 藤吉 孝則*; 石川 法人

Physica C, 530, p.72 - 75, 2016/11

 被引用回数:9 パーセンタイル:41.46(Physics, Applied)

重イオン照射法により向上した超伝導状態のYBCO薄膜における磁束ピニング特性を、さらに向上させるためにBaSnO$$_{3}$$ナノドットを薄膜内に導入し、その効果を調べた。その結果、ナノドットを導入した場合、単に重イオン照射した試料よりも、特に磁場方向が$$c$$軸方向に近い方向の条件で、顕著な磁束ピニング特性の向上が見られた。重イオン照射欠陥とナノドットを組み合わせることにより、全方位的な磁場方向条件での磁束ピニング特性の向上が達成できる可能性を示すことができた。

論文

Spin transport in half-metallic ferromagnets

大沼 悠一; 松尾 衛; 前川 禎通

Physical Review B, 94(18), p.184405_1 - 184405_5, 2016/11

 被引用回数:20 パーセンタイル:67.99(Materials Science, Multidisciplinary)

本論文では、有限温度におけるハーフメタル強磁性体のスピン伝導を理論的に調べた。サイドジャンプ機構とスキュー散乱機構から得られるスピンホール伝導度を、久保公式を用いて導出した。その結果、電子マグノン相互作用によって、マイノリティ電子スピンのバンドギャップ中に有限の状態密度が現れ、これによってスピンホール伝導度が得られることを示した。また、スピンホール伝導度が温度の$${3/2}$$乗に比例するため温度変化に敏感であること、それによってスピンホール伝導度がハーフメタル強磁性体のマイノリティスピン状態を調べる手法になりうることを提案した。

論文

Improvement of ex-vessel molten core behavior models for the JASMINE code

松本 俊慶; 川部 隆平; 杉山 智之; 丸山 結

Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 9 Pages, 2016/11

シビアアクシデント時に溶融炉心が圧力容器外に放出される場合の格納容器破損防止対策として、事前注水や格納容器スプレイによりペデスタルやキャビティに予め水を張ることが考えられている。このときの燃料デブリ冷却性を評価するため、JASMINEコードの溶融炉心挙動モデルを改良した。溶融炉心がジェット状に水中に落下する際、水との相互作用により粒子状のデブリを放出する(ブレークアップ)。冷却性に影響を及ぼすデブリ粒径分布の取り扱いを改良し、スウェーデン王立工科大学(KTH)で実施されたジェットブレークアップ実験DEFOR-Aの解析を行い、実験結果と比較した。また、溶融ジェットが床面に到達するとメルトプールを形成し、水平方向に広がる。冷却性評価で重要となる広がり面積を評価するため、クラスト形成モデル等を導入し、同じくKTHで実施されたメルト広がり実験PULiMSの解析を行い、実験結果と比較した。両現象の評価精度の向上に向けて、さらなる改良点を検討した。

論文

Analysis with CFD code for THAI test on thermal-hydraulics during PAR activation

佐藤 允俊; 松本 俊慶; 杉山 智之; 丸山 結

Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2016/11

A numerical analysis was carried out on the thermal-hydraulic behavior during the operation of the PAR for the HR-5 test conducted in the OECD/NEA THAI project. In the HR-5 test, measurements were performed in the test vessel on the volume fractions of oxygen and hydrogen, gas temperature, pressure, flow velocity at the PAR inlet and so on. The open source code OpenFOAM was used for the present study with the reactingFoam solver which is appropriate to treat thermal-hydraulic phenomena including chemical reactions. The code was implemented with the correlation equations for the PAR used in the HR-5 and was modified to be capable of calculating the gas composition change during the recombination of hydrogen and oxygen. Comparison was made between the analysis and experimental results in the gas volume fraction and so on. It was shown that the analyses well reproduced the recombination behavior at the PAR and influences of the recombination heat on the thermal-hydraulic behavior.

論文

In-situ visual exploration of multivariate volume data based on particle based volume rendering

河村 拓馬; 野田 智之; 井戸村 泰宏

Proceedings of 2nd Workshop on In Situ Infrastructures for Enabling Extreme-scale Analysis and Visualization (ISAV 2016) (Internet), p.18 - 22, 2016/11

 被引用回数:9 パーセンタイル:90.92

視点拘束を受けない粒子データを用いて多変量ボリュームデータを可視化する粒子ベースボリュームレンダリング(PBVR)に基づく新しいIn-Situオンライン可視化フレームワークを開発した。我々が開発したオンラインアプローチは粒子データを使用した対話的な視点探索とシミュレーション実行時の多次元伝達関数の変更を可能とする。この実行時可視化は数千コアまでのストロングスケーリングを示し、計算時間も小さい。これらの特徴は大規模シミュレーションをモニタリングするための柔軟なIn-Situデータ探索を提供する。提案フレームワークをJUPITERコードによる圧力容器内部の燃料溶融シミュレーションに適用することにより、その有用性を示した。

論文

Left-preconditioned communication-avoiding conjugate gradient methods for multiphase CFD simulations on the K computer

真弓 明恵; 井戸村 泰宏; 伊奈 拓也; 山田 進; 今村 俊幸*

Proceedings of 7th Workshop on Latest Advances in Scalable Algorithms for Large-Scale Systems (ScalA 2016) (Internet), p.17 - 24, 2016/11

左前処理省通信共役勾配(LP-CA-CG)法を多相数値流体力学コードJUPITERの圧力Poisson方程式に適用した。LP-CA-CG法の演算密度を分析し、内積処理と三項間漸化式処理のループ分割を行うことで演算密度を大きく向上した。ブロックヤコビ前処理及びアンダーラップ前処理を適用した2つのLP-CA-CGソルバを開発した。京コンピュータ上では局所的な1対1通信のスケールが良好であることと、アンダーラップ前処理を適用すると収束性が悪くなることにより、ブロックヤコビ前処理ソルバにより良好な性能が得られた。このソルバは3万ノードまで良好な強スケーリングを示し、大域的集団通信のコストを69%削減することにより従来のCG法ソルバに比べて高い性能を達成した。

論文

IS process hydrogen production test for components and system made of industrial structural material, 2; H$$_{2}$$SO$$_{4}$$ decomposition, HI distillation, and HI decomposition section

野口 弘喜; 竹上 弘彰; 上地 優; 田中 伸幸; 岩月 仁; 笠原 清司; 久保 真治

Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.1029 - 1038, 2016/11

原子力機構では、高温ガス炉の核熱利用技術として熱化学法ISプロセスの研究開発を行っている。工業材料を用いて100L/h規模の連続水素製造試験装置を製作した。初めに、本試験装置の各機器の機能確認を行うため、5つに分割された工程毎に試験を実施した。本報告では、5工程のうち、硫酸分解工程、HI蒸留工程及びHI分解工程の結果を示した。硫酸分解工程では、硫酸分解器による硫酸分解反応試験を行い、酸素製造量は供給硫酸量に比例することを示し、また、SO$$_3$$分解率は約80%であった。以上より、設計通りの性能を有していることを明らかにした。HI蒸留工程では、共沸以上のHIx水溶液を用いた蒸留試験を行い、塔頂から高濃度HI水溶液、塔底から共沸組成のHIx水溶液の生成を確認し、蒸留による分離が設計通りに行われていることを示した。HI分解工程では、HI分解器によるHI分解反応試験を行い、分解率約18%で安定した水素製造が可能であることを示し、設計通りの性能を有していることを示した。シリーズ(I)で示すブンゼン反応工程、HI濃縮工程の結果と合わせて、工程別試験を完了した。その後、これらの結果を基に、連続水素製造試験を実施し、8時間の水素製造に成功した。

論文

IS process hydrogen production test for components and system made of industrial structural material, 1; Bunsen and HI concentration section

田中 伸幸; 竹上 弘彰; 野口 弘喜; 上地 優; 岩月 仁; 会田 秀樹; 笠原 清司; 久保 真治

Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.1022 - 1028, 2016/11

原子力機構では、工業製材料を使用した100L/hr規模の連続水素製造試験装置を完成させた。連続水素製造試験に先立って、製作した各機器の機能確認を行うため、5つある工程の工程別試験をそれぞれ実施した。本発表では、5工程のうち、ブンゼン反応工程及びHI濃縮工程の結果を示した。ブンゼン反応工程では、供給された反応原料がブンゼン反応器において混合され、ブンゼン反応が進行しなければならない。反応原料のSO$$_{2}$$が全て溶液中に吸収されていることから、原料が確実に混合され、かつ、ブンゼン反応が速やかに進行していることを示し、ブンゼン反応器の機能が設計通りであることを明らかにした。HI濃縮工程では、製作した電解電気透析(EED)スタックを用いて、HI濃縮試験を実施した。その結果、既報の予測式に一致する濃縮性能を持つことを確認し、EEDスタックの機能確認を完了した。シリーズ(II)で示す硫酸工程, HI蒸留, HI分解工程の結果と合わせて、工程別試験を完了した。その後、これらの結果を基に、連続水素製造試験を実施し、8時間の水素製造に成功した。

論文

日本を背負う科学技術への期待; 原子力利用の課題解決と高度利用へ

大井川 宏之

エネルギーレビュー, 36(10), p.10 - 11, 2016/10

原子力機構は、原子力に係る諸問題の解決や、より高度な原子力利用の可能性開拓を目指し、福島第一原子力発電所事故への対処、原子力の安全性の向上、高速炉技術と核燃料サイクルの確立、原子力のバックエンド対策、基礎基盤研究と人材育成など、幅広い原子力の研究開発に取り組んでいる。今後、他の国立研究開発法人, 大学, 企業等との連携を強化しつつ、我が国全体としての成果の最大化を図り、日本発のイノベーション創出に貢献していきたい。

論文

Mineralogical characterization of radioactive particles from Fukushima soil using $$mu$$-XRD with synchrotron radiation

甕 聡子*; 向井 広樹*; 綿貫 徹; 大和田 謙二; 福田 竜生; 町田 晃彦; 倉又 千咲*; 菊池 亮佑*; 矢板 毅; 小暮 敏博*

Journal of Mineralogical and Petrological Sciences, 111(5), p.305 - 312, 2016/10

 被引用回数:16 パーセンタイル:52.27(Mineralogy)

福島土壌粒子から放射能をもつ粒子を選び出し、50ミクロン程度の粒子一粒ごとに鉱物種の同定を放射光X線回折によって行った。板状の風化雲母の粒については様々な度合のバーミキュライト化されたものが見出された。ごく微粒子の塊である土壌粒子からは、長石や石英に加えてスメクタイト状の粘土鉱物が検出された。

論文

環境試料中有機結合型トリチウム(OBT)分析における迅速燃焼装置を用いた前処理法の検討

眞鍋 早知; 松原 菜摘; 三枝 純; 武石 稔

KEK Proceedings 2016-8, p.281 - 285, 2016/10

環境試料中の有機結合型トリチウム(以下、OBT)を分析するために必要な前処理法として石英管燃焼法と迅速燃焼装置を用いた手法がある。東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、海産物中のOBTを迅速に評価することが求められており、このためには前処理に要する時間の短縮や操作性の向上等が必要である。そこで、迅速燃焼装置を用いた前処理のうち、燃焼過程について試料の形状や供試量を変化させ、燃焼水の収量、回収率を整理・検討した。

論文

Spontaneous decays of magneto-elastic excitations in non-collinear antiferromagnet (Y,Lu)MnO$$_{3}$$

Oh, J.*; Le, M. D.*; Nahm, H.-H.*; Sim, H.*; Jeong, J.*; Perring, T. G.*; Woo, H.*; 中島 健次; 河村 聖子; Yamani, Z.*; et al.

Nature Communications (Internet), 7, p.13146_1 - 13146_6, 2016/10

 被引用回数:53 パーセンタイル:86.71(Multidisciplinary Sciences)

(Y,Lu)MnO$$_{3}$$において、磁気励起とフォノンが結合する磁気弾性励起を中性子散乱により観測し、その量子的振る舞いを調べた。

論文

Diluted magnetic semiconductors with narrow band gaps

Gu, B.; 前川 禎通

Physical Review B, 94(15), p.155202_1 - 155202_8, 2016/10

AA2016-0395.pdf:0.38MB

 被引用回数:18 パーセンタイル:64.97(Materials Science, Multidisciplinary)

The diluted magnetic semiconductors (DMSs) have received considerable attention owing to potential applications based on the use of both charge and spin degrees of freedom in electronic devices. Historically, (Ga,Mn)As has received the most attention in DMSs, and so far the highest Curie temperature in (Ga,Mn)As has been $$T_{c}$$ = 190 K in the experiment. The substitution of divalent Mn atoms into trivalent Ga sites introduces hole carriers; thus, (Ga,Mn)As is a $$p$$-type DMS. Here, we propose a method to realize DMSs with $$p$$- and $$n$$-type carriers by choosing host semiconductors with a narrow band gap. By employing a combination of the density function theory and quantum Monte Carlo simulation, we demonstrate such semiconductors using Mn-doped BaZn$$_{2}$$As$$_{2}$$, which has a band gap of 0.2 eV. In addition, we found a nontoxic DMS Mn-doped BaZn$$_{2}$$Sb$$_{2}$$, of which the Curie temperature $$T_{c}$$ is predicted to be higher than that of Mn-doped BaZn$$_{2}$$As$$_{2}$$, the $$T_{c}$$ of which was up to 230 K in a recent experiment.

論文

Outcome of first containment cooling experiments using CIGMA

柴本 泰照; 与能本 泰介; 石垣 将宏; 安部 諭

Proceedings of 11th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics, Operation and Safety (NUTHOS-11) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2016/10

The Japan Atomic Energy Agency (JAEA) initiated the ROSA-SA project in 2013 for the purpose of studying thermal hydraulics relevant to over-temperature containment damage, hydrogen risk, and fission product transport. For this purpose, the JAEA newly constructed the Containment InteGral Measurement Apparatus (CIGMA) in 2015 for the experiments addressing containment responses, separate effects, and accident managements. Recently, we successfully conducted first experiments using CIGMA to characterize the facility under typical experimental conditions. Among these experiments, the present paper focuses on the results of containment cooling tests, for which an upper part of the vessel outer surface was cooled by spray water. Several distinctive phenomena were observed in the tests, including inverse temperature stratification in the vessel due to the cooling in the upper region. The RELAP5 analysis result was also presented to roughly indicate the prediction capability of the best-estimate two-phase flow code in predicting the containment thermal hydraulics.

論文

High flux pinning efficiency by columnar defects dispersed in three directions in YBCO thin films

末吉 哲郎*; 西村 太宏*; 藤吉 孝則*; 光木 文秋*; 池上 知顯*; 石川 法人

Superconductor Science and Technology, 29(10), p.105006_1 - 105006_7, 2016/10

 被引用回数:8 パーセンタイル:38.08(Physics, Applied)

YBa$$_{2}$$Cu$$_{3}$$Oy(YBCO)薄膜において、イオン照射によって3方向に角度を分散させた柱状欠陥を導入することによって、超伝導磁束のピニング特性の変化を系統的に調べた。具体的には、輸送電流方向に対して垂直な面内に3方向を設定したA条件と、平行な面内に3方向を設定したB条件とで比較した。もともとのYBCOの臨界電流密度の異方性が、それぞれの柱状欠陥の導入条件によってどのように変化するかが焦点である。その結果、B条件の方が特に高い臨界電流密度を示すことが分かった。この結果は、柱状欠陥の磁束ピニング特性の向上効果は、それぞれの柱状欠陥の向上効果の単純な和ではないことを示した。また、その向上効果を最大化するためには、柱状欠陥の数だけでなくその方向の条件を工夫することによって達成可能だということを明らかにした。

論文

表面電離法によるローレンシウムのイオン化エネルギー測定

佐藤 哲也

原子核研究, 61(1), p.96 - 106, 2016/09

103番元素ローレンシウム(Lr)の第一イオン化エネルギーを測定することによって、Lrがアクチノイド最後の元素であることを初めて実験的に証明した。その結果は、化学的性質を特徴付ける基底状態の電子配置が周期表からの予想と異なることを強く示唆するものだった。新たに開発した実験手法について解説するとともに、発表後の反響についても紹介する。

論文

High-temperature properties of thorium dioxide; A First-principles molecular dynamics study

中村 博樹; 町田 昌彦

Journal of Nuclear Materials, 478, p.56 - 60, 2016/09

 被引用回数:8 パーセンタイル:60.71(Materials Science, Multidisciplinary)

核燃料構成物質の物性を詳細に調べることは燃料開発において重要な役割を担っている。本発表では上記課題に対して、次世代の核燃料物質として注目されている二酸化トリウムに対して第一原理分子動力学法を用いた、高温熱物性の評価を行なった結果を報告する。なお、課題解決にあたって大型計算機を用いて従来にない規模の第一原理分子動力学を行なうことで、高温での熱物性の評価に成功した。結果として、Bredig転移とよばれる高温での現象を詳細に解析することができた。この解決により、核燃料の物性評価を第一原理計算により精度よく推算できるようになることが期待される。

論文

Reverse stability of oxyluciferin isomers in aqueous solutions

野口 良史*; 樋山 みやび*; 志賀 基之; 杉野 修*; 秋山 英文*

Journal of Physical Chemistry B, 120(34), p.8776 - 8783, 2016/09

 被引用回数:6 パーセンタイル:15.44(Chemistry, Physical)

室温の水溶液中におけるオキシルシフェリンアニオンの安定性(ケト,エノール、およびエノラート異性体)を調べるため、ナノ秒スケールの大規模な第一原理分子動力学シミュレーションを行った。その結果、従来の量子化学計算とは対照的に、ケト型よりもエノール型の方がわずかに安定で、最近の幾つかの実験的結論に合致した。このシミュレーションから、ケト型が特に疎水的でと水との界面にキャビティが形成することや、疎水性が水分子数とともに減少する様子が明らかになった。このことから、安定な異性体は水和クラスターの大きさに依存するものと予想される。

論文

Theoretical study of a waveguide THz free electron laser and comparisons with simulations

菖蒲田 義博; Chin, Y. H.*

Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 19(9), p.094201_1 - 094201_24, 2016/09

AA2016-0265.pdf:0.52MB

 被引用回数:5 パーセンタイル:39.74(Physics, Nuclear)

導波管FELとは、アンジュレーターの周りにmm程度の極度にアパーチャーサイズの小さいチェンバーを用意して、そこに非相対論的なビームを通すことで、THzの光源として、利用しようというものである。このような導波管FELは、THzの光源として将来、有望視されている。ビームから出た光と導波管は相互作用するので、このような対象を理論として扱うには、この導波管の効果を取り入れることが大事である。著者らは、普段は、J-PARC RCSの運転安定化のためにビーム不安定性の研究を業務として行っているが、導波管FELで発振される光を、RCSでビームが金属真空容器に誘起する電磁場と同等のものと考えれば、ビーム不安定性の理論を導波管FELの光の増幅率の計算に利用できることに気がついた。このようにして、作った理論は、シミュレーション結果とよく一致し、信頼度の高いものであることがわかった。

論文

Behavior of high-burnup advanced LWR fuels under accident conditions

天谷 政樹; 宇田川 豊; 成川 隆文; 三原 武; 谷口 良徳

Proceedings of Annual Topical Meeting on LWR Fuels with Enhanced Safety and Performance (TopFuel 2016) (USB Flash Drive), p.53 - 62, 2016/09

軽水炉用改良型燃料について、現行の安全基準の妥当性及び安全余裕を評価するため、また今後の規制のためのデータベースを提供するため、原子力機構ではALPS-IIと呼ばれる原子力規制庁からの委託事業を開始した。この事業は、商用PWR及びBWRで照射された高燃焼度改良型燃料を対象として、主として反応度投入事故及び冷却材喪失事故を模擬した試験から構成されている。最近、高燃焼度改良型燃料のRIA時破損限界がNSRRにて調べられ、パルス照射試験後の燃料を対象とした照射後試験が行われている。LCOA模擬試験に関しては、インテグラル熱衝撃試験及び高温酸化試験が燃料試験施設で行われ、高燃焼度改良型燃料被覆管の破断限界、高温酸化速度等が調べられた。本論文では、この事業で取得された最近のRIA及びLOCA模擬試験結果について主に述べる。

論文

Oxidation behavior of Zry-4 in steam-air mixtures at high temperature

Negyesi, M.; 天谷 政樹

Proceedings of Annual Topical Meeting on LWR Fuels with Enhanced Safety and Performance (TopFuel 2016) (USB Flash Drive), p.1065 - 1074, 2016/09

This study dealt with oxidation behavior of Zry-4 nuclear fuel cladding under a severe nuclear reactor accident scenario. Influence of the reaction extent on cladding mechanical properties was also treated. Zry-4 fuel cladding segments were exposed to steam atmosphere containing different amount of air in composition ranging from 0 to 100 vol.%. Exposure times covered both pre- and post-breakaway regimes. Metallographic observations along with microhardness testing were carried out to study the effect of air fraction on the material microstructure. Hydrogen pick-up was measured and residual mechanical properties were assessed employing Ring Compression Tests. The results show that the addition of air in steam can lead to more than 300% increase of weight gain in case of $$sim$$ 50% or higher air fraction after the exposure of 60 min., namely, "late post-breakaway regime". Approximately three times thicker oxide scales were observed in such cases, indicating that most of the weight gain was due to the oxide layer increase. Nitride phase was preferentially observed close to the interface between oxide and metal layers. The $$alpha$$-Zr(O) sublayer thickness decreases with the increasing fraction of air in steam. Microhardness, measured within the prior $$beta$$-phase region, slightly depends on the air fraction. Hydrogen uptake, on the other hand, depends strongly on the air fraction in steam. In the case of shorter exposure times, the effect of air addition in steam was suppressed. Eventually, specimen plastic strains drastically reduced in the late post-breakaway regime.

論文

Analyses of SPERT-CDC test 859 by FEMAXI-7 and RANNS codes

谷口 良徳; 宇田川 豊; 天谷 政樹

Proceedings of Annual Topical Meeting on LWR Fuels with Enhanced Safety and Performance (TopFuel 2016) (USB Flash Drive), p.229 - 238, 2016/09

In the current Japanese regulation concerning fuel safety, the criterion of fuel failure due to pellet-cladding mechanical interaction (PCMI) in a burnup range of 25-40 GWd/t is determined substantially based on the result of SPERT-CDC test 859 (SPERT859). In this study, the oxide thickness of the cladding formed on the cladding outer surface of SPERT859 test rod and its fuel enthalpy at failure due to PCMI under this corrosion condition were analyzed by using fuel performance codes FEMAXI-7 and RANNS. These results of FEMAXI-7 and RANNS showed that the cladding of the test rod had excessive corrosion and suggested that the fuel enthalpy at failure of SPERT859 was affected by the excessive corrosion on the cladding of the test rod and was likely lower than that of the typical fuel for light water reactors.

論文

Molecular simulation of cesium adsorption at the basal surface of phyllosilicate minerals

Kerisit, S.*; 奥村 雅彦; Rosso, K. M.*; 町田 昌彦

Clays and Clay Minerals, 64(4), p.389 - 400, 2016/08

 被引用回数:29 パーセンタイル:74.73(Chemistry, Physical)

層状珪酸塩鉱物の基盤表面におけるセシウムの吸着特性について、分子動力学法を用いて系統的に評価した。層電荷と八面体構造の組み合わせにより計6種類の層状珪酸塩鉱物について評価を行い、層電荷の大きさが大きいほど吸着が強く、また、八面体構造の違いに起因する基盤表面のシリコン及びアルミニウムの微細な配置の違いが吸着の強さに影響を与えることがわかった。

論文

研究炉の長期停止で人材育成に懸念; 学会分科会、研究炉の役割明確化と戦略化を提言

上坂 充*; 峯尾 英章

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 58(8), p.468 - 473, 2016/08

東京電力福島第一原子力発電所事故後に強化された新規制基準に対応するため、国内にある研究炉や臨界実験装置は現在、すべてが停止している。これらの研究炉はこれまで、人材育成や学術研究、さらには医療や産業分野で大きな役割を果たしてきた。しかし、研究炉の長期間にわたる停止は、それらへの影響を深刻化させつつある。このため日本原子力学会は専門の分科会を立ち上げてこの問題を検討した。原子力利用を担うべき人材の継続的な育成に不可欠な研究炉等の役割を、エネルギー政策や科学技術政策において明確にし、国の公共財と位置づけるべきだとする提言をまとめた。

論文

Study on the behavior of halide ions on the Au(111) electrode surface in ionic liquids using surface X-ray scattering

田村 和久; 西畑 保雄

Journal of Physical Chemistry C, 120(29), p.15691 - 15697, 2016/07

 被引用回数:8 パーセンタイル:32.11(Chemistry, Physical)

これまでの多くの研究から、電気化学反応を精密に制御するためには、まさに電気化学反応が起きている場である電極/電解液界面で何が起きているかを、正確に知る必要があることが分かっている。イオン液体(IL)を電解質とした場合についても同様であり、これまでに様々な手法を用いて、界面の振る舞いの検討が行われてきている。しかしながら、これまでの研究において、ILに含まれる不純物が界面に与える影響について検討された例は少ない。水,ハロゲン化物イオン(X$$^{-}$$),アルカリ金属イオンなどが典型的な不純物であるが、これらは電気化学的に活性であることがわかっており、つまり、界面に存在していることを示している。したがって、より現実的にIL中での電気化学反応を理解する上で、IL中の不純物が界面でどのように振る舞い、界面の構造にどのような影響を与えるのかを理解することが重要である。そこで、本研究では、電気化学測定と表面X線散乱測定を組み合わせた手法により、ILに含まれるX$$^{-}$$が、電極/IL界面でどのような振る舞いをし、電極表面構造にどのような影響を与えるかを検討した。

論文

Chiral magnetism in an itinerant helical magnet, MnSi; An Extended $$^{29}$$Si NMR study

安岡 弘志; 元屋 清一郎*; Majumder, M.*; Witt, S.*; Kerllner, C.*; Baenitz, M.*

Journal of the Physical Society of Japan, 85(7), p.073701_1 - 073701_4, 2016/07

 被引用回数:3 パーセンタイル:27.93(Physics, Multidisciplinary)

The microscopic magnetism in the helical, the conical and the ferromagnetically polarized phases in an itinerant helical magnet, MnSi, has been studied by an ex-tended $$^{29}$$Si NMR at zero field and under external magnetic fields. The temperature dependence of staggered moment, $$M_{Q}(T$$), determined by the $$^{29}$$Si NMR frequency, $$nu(T)$$, and nuclear relaxation rate, 1/$$T_{1}$$ ($$T$$) is in general accord with the SCR theory for weak itinerant ferromagnetic metals and its extension. The external field dependence of resonance frequency, $$nu(H$$), follows a vector sum of the contributions from atomic hyperfine and macroscopic fields with a field induced moment characteristic to the itinerant magnets. A discontinuous jump of the resonance frequency at the critical field, $$H_{rm c}$$, between the conical and the polarized phases has also been found that suggests a first order like change of the electronic states at $$H_{rm c}$$.

論文

Accumulated error in iterative use of FFT

佐々 成正; 山田 進; 町田 昌彦; 今村 俊幸*

Nonlinear Theory and Its Applications, IEICE (Internet), 7(3), p.354 - 361, 2016/07

フールエ変換を連続使用した場合の丸め誤差の累積誤差について議論を行った。偏微分方程式の数値計算において、フールエ変換を繰り返し連続使用した場合に丸め誤差が累積することを確認した。計算精度の毀損を補うため4倍精度高速フーリエ変換を用いた計算を行って有効性を確認した。

論文

Resonant inelastic X-ray scattering study of entangled spin-orbital excitations in superconducting PrFeAsO$$_{0.7}$$

野村 拓司*; 原田 慈久*; 丹羽 秀治*; 石井 賢司*; 石角 元志*; 社本 真一; Jarrige, I.*

Physical Review B, 94(3), p.035134_1 - 035134_9, 2016/07

 被引用回数:10 パーセンタイル:44.67(Materials Science, Multidisciplinary)

Fe-$$L_{3}$$吸収端での共鳴非弾性X線散乱(RIXS)を用いて、典型的な鉄系超伝導体PrFeAsO$$_{0.7}$$の単結晶で、低エネルギー電子励起スペクトルを測定した。

論文

Partially ordered state of ice XV

小松 一生*; 則竹 史哉*; 町田 真一*; 佐野 亜沙美; 服部 高典; 山根 崚*; 鍵 裕之*

Scientific Reports (Internet), 6, p.28920_1 - 28920_11, 2016/07

 被引用回数:20 パーセンタイル:53.51(Multidisciplinary Sciences)

氷には17種類もの多形があるが、高圧低温状態で現れるとされる氷XV相の構造と性質には多くの矛盾があり、氷の未解決問題の一つとなっていた。本研究では、氷XV相の低温高圧下で中性子回折の直接観察を行い、氷XV相が異なる水素配置を持つ複数のドメインからなる部分秩序相であることを明らかにした。この結果は氷XV相に関する過去の研究の矛盾点を解消でき、さらに、氷の多形において秩序相,無秩序相に加え、部分秩序相という第3の状態を考慮に入れる必要があることを示唆するものである。

論文

Effects of temperature and isotopic substitution on electron attachment dynamics of guanine-cytosine base pair; Ring-polymer and classical molecular dynamics simulations

箕島 裕介*; 関 悠佑*; 高柳 敏幸*; 志賀 基之

Chemical Physics, 472, p.1 - 8, 2016/06

 被引用回数:2 パーセンタイル:6.28(Chemistry, Physical)

放射線によって生じた電子がDNAに付着して生体損傷のもととなる際に分子構造がどのように変化するのか、基礎的問題として興味をもたれている。本研究では、グアニン-シトシン塩基対の電子付着過程について、経験的原子価結合モデルに基づく半古典リングポリマー分子動力学法を用いて理論的に解析した。その結果、塩基対の負イオンは、双極子束縛状態から原子価束縛状態へ短時間で変化し、その後塩基間のプロトン移動を引き起こすことがわかった。この過程における同位体置換効果や温度効果について詳しく調べた。プロトン移動の動的過程は、原子核の量子性を伴うものであることがわかった。

論文

Electric voltage generation by antiferromagnetic dynamics

山根 結太*; 家田 淳一; Sinova, J.*

Physical Review B, 93(18), p.180408_1 - 180408_5, 2016/05

 被引用回数:16 パーセンタイル:61.47(Materials Science, Multidisciplinary)

We theoretically demonstrate dc and ac electric voltage generation due spinmotive forces originating from domain wall motion and magnetic resonance, respectively, in two-sublattice antiferromagnets. Our theory accounts for the canting between the sublattice magnetizations, the nonadiabatic electron spin dynamics, and the Rashba spin-orbit coupling. We predict that the spinmotive force can of the order of millivolt, several orders larger than their ferromagnetic counterparts. This work suggests a new way to observe and explore the dynamics of antiferromagnetic textures by electrical means.

論文

Study of experimental core configuration of the modified STACY for reactivity worth measurement of MCCI products

郡司 智; 外池 幸太郎; 井澤 一彦; 曽野 浩樹

Proceedings of International Conference on the Physics of Reactors; Unifying Theory and Experiments in the 21st Century (PHYSOR 2016) (USB Flash Drive), p.3927 - 3936, 2016/05

MCCI生成物を含む燃料デブリの臨界安全性は福島第一原子力発電所の廃炉に関して重要な課題のひとつである。燃料デブリの臨界あるいは未臨界状態はまだわからない。なぜならその組成、位置、中性子減速条件などがまだ確認できないからである。また、燃料デブリの臨界管理に冷却水中への中性子毒物が効果的かどうかもわからない。原子力機構による解析計算のデータベースは整備中である、これは燃料デブリがとりうる組成や中性子減速条件などを幅広くカバーして、燃料デブリのサンプルや条件がわかったときに、臨界特性を評価する助けとなる。解析計算もまた不確かさを持っているがこれは原子力機構が計画しているSTACYの更新と燃料デブリの組成を模擬したサンプルによる臨界試験によって明らかにされる。この報告では、MCCI生成物を模擬したサンプルの反応度測定のための実験炉心構成の検討について紹介する。本研究でのサンプルの計算はモデルウラン酸化物燃料($$^{235}$$Uの濃縮度は3, 4, 5重量%)とコンクリートを含む。減速不足、過減速の双方の条件での測定が可能であることが結論付けられた。また、サンプルの必要量についても見積もられた。

論文

Hydrogen sites in the dense hydrous magnesian silicate phase E; A Pulsed neutron powder diffraction study

富岡 尚敬*; 奥地 拓生*; Purevjav, N.*; 阿部 淳*; Harjo, S.

Physics and Chemistry of Minerals, 43(4), p.267 - 275, 2016/04

 被引用回数:7 パーセンタイル:25.75(Materials Science, Multidisciplinary)

Hydrogen site positions and occupancy in the crystal structure of dense hydrous magnesium silicate (DHMS) phase E were determined for the first time by pulsed neutron powder diffraction. A fully deuterated pure phase E powder sample, which had space group $$R$$$$overline{3}$$m and lattice parameters of $$a$$ = 2.97065(8) ${AA}$ and $$c$$ = 13.9033(4) ${AA}$, was synthesized at 15 GPa and 1100$$^{circ}$$C. Through quantitative evaluation of refined structure parameters obtained with sufficient spatial resolution and very high signal-to-background ratio, we conclude that the O-D dipoles in the refined phase E structure are tilted by 24$$^{circ}$$ from the direction normal to the layers of edge-shared MgO$$_{6}$$ octahedra (octahedral layers). The tilted dipole structure of phase E is in remarkable contrast to that of brucite, Mg(OH)$$_{2}$$, which has dipoles exactly normal to the octahedral layer.

論文

Recent research activities using NSRR on safety related issues

宇田川 豊; 杉山 智之; 天谷 政樹

Proceedings of 2016 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2016) (CD-ROM), p.1183 - 1189, 2016/04

JAEA launched ALPS-II program in 2010 in order to obtain regulatory data for advanced fuels. Five new reactivity-initiated accident (RIA) simulated tests on the advanced fuels have been performed. The first two fuels tested, VA-5 and VA-6, were 17$$times$$17-PWR-type with stress-relieved and recrystallized M-MDA cladding tube, and irradiated to ~80 GWd/tU. The cladding failed due to the pellet-cladding mechanical interaction. Fission gas dynamics tests to promote a better understanding of the behavior of fission gas during an RIA are planned. A recent qualification test on a prototype pressure sensor demonstrated its ability to obtain history data of transient fission gas release. JAEA also launched a new experiment program using NSRR to investigate fuel degradation behaviors in the temperature region beyond-DBA LOCAs.

論文

Dose estimation for reuse of material contaminated by Fukushima Daiichi NPP accident

武田 聖司

Str${aa}$levern Rappot 2016:5 (Internet), p.43 - 46, 2016/04

福島第一原子力発電所の事故で放射性物質により汚染された可能性のある災害廃棄物(コンクリート,金属,木材等)は、資源の有効活用・物量低減の観点から、安全性を確保しつつ再利用されることが望まれる。本報では、災害廃棄物の再利用に対する濃度基準の策定のためにこれまでに実施してきたいくつかの再利用用途に対する線量評価の概要を紹介する。

論文

ADSによる核種分離・転換

大井川 宏之

放射性廃棄物減容化・有害低減の技術開発; 核種分離・転換; NSAコメンタリーシリーズ, No.22, p.38 - 50, 2016/03

加速器駆動システム(ADS)は、マイナーアクチノイド(MA)燃料で構成した未臨界炉心と大強度陽子加速器で駆動する核破砕中性子源を組み合わせたハイブリッドシステムであり、高レベル放射性廃棄物中のMAを効率よく変換することを目的とする。熱出力800MWのADSで電気出力1GWの軽水炉10基で生成するMAを核変換することができる。ADSの実現には、大強度加速器、核破砕ターゲット、未臨界炉心、MA燃料サイクルなどの分野で技術課題が存在し、原子力機構では、国際協力も活用しつつ、これらの解決に向けた研究開発に取り組むとともに、J-PARCを用いた新たな実験計画を検討している。

論文

X-ray absorption fine structure at the cesium $$L$$3 absorption edge for cesium sorbed in clay minerals

本田 充紀; 下山 巖; 岡本 芳浩; 馬場 祐治; 鈴木 伸一; 矢板 毅

Journal of Physical Chemistry C, 120(10), p.5534 - 5538, 2016/03

 被引用回数:22 パーセンタイル:58.04(Chemistry, Physical)

We present the use of near-edge X-ray absorption fine structure (NEXAFS) to investigate local electronic structures of cesium ions sorbed in two types of clay minerals (vermiculite and kaolinite) with a different capacity to fix Cs. NEXAFS is element specific because X-ray absorption edges of different elements have different energies. However, the energy of the Cs $$L$$3 absorption edge is close to that of the $$K$$-edge of titanium generally contained in clay minerals. Therefore, Cs $$L$$3-edge NEXAFS measurements of Cs in clay minerals have not yet succeeded. In this study, we successfully measured pure Cs $$L$$3-edge NEXAFS spectra for cesium sorbed in clay minerals by completely separating Ti $$K alpha$$ and Cs $$L alpha$$ fluorescence X-rays using a fluorescence method. We confirmed the peak intensity between vermiculite and kaolinite in the NEXAFS spectra. To clarify the identification of NEXAFS spectra, theoretical calculations were performed using the discrete variational X$$alpha$$ molecular orbital method (DV-X$$alpha$$), and peak identification was achieved. The difference in peak intensity was explained by the difference in the electron density of unoccupied molecular orbitals. We studied the influence of water molecules and found a change in the electron densities of unoccupied molecular orbitals caused by the coordination of water molecules.

論文

Theory of spin Hall magnetoresistance (SMR) and related phenomena

Chen, Y.-T.*; 高橋 三郎*; 中山 裕康*; Althammer, M.*; Goennenwein, S. T. B.*; 齊藤 英治; Bauer, G. E. W.*

Journal of Physics; Condensed Matter, 28(10), p.103004_1 - 103004_15, 2016/03

 被引用回数:77 パーセンタイル:62.39(Physics, Condensed Matter)

スピンホール効果によってスピン流が発生する金属と磁性絶縁体との二重層におけるいわゆるスピンホール磁気抵抗(SMR)を概観する。関連する角運動量が強磁性層に伝達され、それにより電気抵抗が印加電流と磁化方向との間の角度によって変調される。SMRは、絶縁体の磁化方向とスピン伝達トルクを非侵入的に測定するための便利なツールを提供する。SMR、すなわちスピン拡散理論および量子力学的境界条件を計算するための最小の理論的手段を紹介する。これは、実験に適合させることができる少数のパラメータを導出する。理論の限界と、強磁性近接効果やRashbaスピン軌道トルクなどの代替メカニズムについて議論し、新しい展開を指摘する。

論文

Spin model of O$$_{2}$$-based magnet in a nanoporous metal complex

左右田 稔*; 本間 勇紀*; 高見澤 聡*; 河村 聖子; 中島 健次; 益田 隆嗣*

Journal of the Physical Society of Japan, 85(3), p.034717_1 - 034717_9, 2016/03

 被引用回数:1 パーセンタイル:11.55(Physics, Multidisciplinary)

ナノポーラス金属化合物Cu-${{it trans}}$-1,4-cyclohexanedicarboxylic acid (Cu-CHD)に吸着させた酸素分子について、この系で実現している酸素分子磁石の様相を探るため中性子非弾性散乱実験を行った。その結果、これまで得られている磁化曲線等を説明可能な微視的パラメーターを得ることができた。

論文

The Investigation of the new multipurpose research reactor succeeding to JRR-3

滝野 一夫; 新居 昌至; 村山 洋二

Proceedings of International Topical Meeting on Research Reactor Fuel Management and Meeting of the International Group on Reactor Research (RRFM/IGORR 2016) (Internet), p.667 - 676, 2016/03

研究炉加速器管理部ではJRR-3の後継炉となる多目的試験研究炉の概念検討を開始した。研究炉に関する国際会議であるRRFMにおいて次期試験研究炉の概要及び検討状況について報告する。

論文

Flexible heat-flow sensing sheets based on the longitudinal spin Seebeck effect using one-dimensional spin-current conducting films

桐原 明宏*; 近藤 幸一*; 石田 真彦*; 井原 和紀*; 岩崎 悠真*; 染谷 浩子*; 松葉 明日華*; 内田 健一*; 齊藤 英治; 山本 直治*; et al.

Scientific Reports (Internet), 6, p.23114_1 - 23114_7, 2016/03

 被引用回数:60 パーセンタイル:90.81(Multidisciplinary Sciences)

ヒートフローセンシングは、将来的にスマート熱管理の重要な技術要素となることが期待されている。従来、ゼーベック効果に基づく熱電変換技術は、熱の流れを電圧に変換することによって熱流を測定するために使用されてきた。しかし、ユビキタス・ヒートフロー可視化のためには、非常に低い熱抵抗を有する薄く柔軟なセンサが非常に望まれている。近年、別のタイプの熱電効果である縦スピンゼーベック効果が大きな関心を集めている。これは縦スピンゼーベック効果が、単純な薄膜デバイス構造のような熱電アプリケーションにとって有利な機能を潜在的に提供するためである。ここでは、縦スピンゼーベック効果ベースのフレキシブル熱電シートを紹介する。このシートは、熱流検出の用途に特に適している。この熱電シートは、「フェライトめっき」として知られているスプレーコーティング法を用いてフレキシブルプラスチックシート上に形成されたNi$$_{0.2}$$Zn$$_{0.3}$$Fe$$_{2.5}$$O$$_4$$フィルムを含んでいる。実験結果は、膜面に垂直に配向した柱状結晶構造を有するフェライトめっき膜が、曲げ可能な縦スピンゼーベック効果ベースのセンサに適した独特の一次元スピン流導体として機能することを示唆している。この新しく開発された薄い熱電シートは、熱流の本来の流れを妨げることなく、さまざまな形の熱源に取り付けられ、多目的な熱流の測定と管理につながる。

論文

On the hierarchical parallelization of ${{it ab initio}}$ simulations

Ruiz-Barragan, S.*; 石村 和也*; 志賀 基之

Chemical Physics Letters, 646, p.130 - 135, 2016/02

 被引用回数:15 パーセンタイル:56.17(Chemistry, Physical)

第一原理シミュレーションを階層的に並列化した新しい計算コードPIMD-SMASHを開発した。これによって、数十分子程度の水クラスター系について、経路積分分子動力学シミュレーションを効率的に実施できることを示した。また、開発されたコードを利用して、第一原理ストリング法によりシクロペンタジエンとブテノールのディールス・アルダー反応を調べた。その結果、水の水素結合によって反応のエネルギー障壁が下がることが見出され、この反応が水溶液中で加速するメカニズムを説明した。

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