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報告書

幌延深地層研究計画 平成18年度調査研究成果報告

松井 裕哉; 中山 雅; 真田 祐幸

JAEA-Research 2007-092, 83 Pages, 2008/05

JAEA-Research-2007-092.pdf:16.75MB

幌延深地層研究計画は、「地上からの調査研究段階(第1段階)」,「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)」,「地下施設での調査研究段階(第3段階)」の3つの段階に分けて実施している。平成18年度は、平成17年度から開始した第2段階の2年目にあたる。平成18年度は、「幌延深地層研究計画 平成18年度調査研究計画」に従って、調査研究及び地上施設と地下施設の建設を進めた。研究開発は、従来通り、「地層科学研究」と「地層処分研究開発」に区分して行った。具体的には、「地層科学研究」では、地質環境調査技術開発,地質環境モニタリング技術開発,深地層における工学的技術の基礎の開発,地質環境の長期安定性に関する研究という研究課題を設定し、「地層処分研究開発」では、処分技術の信頼性向上として、人工バリア等の工学技術の検証,設計手法の適用性確認を、安全評価手法の高度化として、安全評価モデルの高度化と安全評価手法の適用性確認という研究課題を設定している。

報告書

幌延深地層研究計画における低アルカリ性セメントの適用性に関する研究(委託研究)

松田 武*; 納多 勝*; 入矢 桂史郎*; 小西 一寛*; 中山 雅; 小林 保之

JAEA-Research 2007-089, 139 Pages, 2008/05

JAEA-Research-2007-089.pdf:13.57MB

幌延深地層研究センターでは、地下施設の一部において低アルカリ性セメント(HFSC)を用いたコンクリートの施工性確認試験(原位置試験)の実施を計画している。それまでにHFSCが実工事で施工可能な性能を持つことを確認しておく必要がある。本年度は、幌延地下施設内での原位置試験計画を検討するとともにHFSCコンクリート材料のpH低下挙動の把握を実施した。また、HFSCを用いた原位置試験計画では、HFSC424N(普通ポルトランドセメント:シリカフューム:フライアッシュ=4:2:4)を吹付けコンクリートとして使用することを前提とした原位置試験計画を検討した。実施場所は地下施設の140m坑道、試験期間は10年程度を目安とし、普通コンクリート支保工との比較が可能な計画とした。また、現地で調達する材料を使用した場合もその強度を満足できることを確認するため、平成17年度に選定した配合に基づき、現地調達の細骨材・粗骨材を使用して強度試験などを実施した。HFSCコンクリート材料のpH低下挙動の把握に関しては、長期間の密封浸漬試験の供試体について、浸漬液のpH測定及び成分分析並びに固相の成分分析を行った。

報告書

BEM-DDM modelling of rock damage and its implications on rock laboratory strength and in-situ stresses

Lanaro, F.*; 松井 裕哉

JAEA-Research 2007-093, 237 Pages, 2008/03

JAEA-Research-2007-093.pdf:7.06MB

本研究は、超深地層研究計画の一環として、土岐花崗岩を対象として室内試験から得られる強度に関するコアの損傷の効果を決定することを主目的として実施した。室内試験結果の分析により、ボーリング孔軸方向に力学特性の変化が認められるとともに、室内試験で得られた強度と初期応力状態に相関があることが推定された。これを確認するため、FRACOD 2Dと呼ばれるBEM-DDM解析コードによる数値解析を行い、室内試験時などに発生する割れ目のパターン等を検討するとともに、花崗岩体中で見られる割れ目帯の成因についても考察した。

報告書

結晶質岩を対象とした長期岩盤挙動評価のための現象論的研究(委託研究)

大久保 誠介*; 瀬野 康弘; 中間 茂雄; 佐藤 稔紀*; 平野 享

JAEA-Research 2007-088, 118 Pages, 2008/03

JAEA-Research-2007-088.pdf:27.7MB

本報告書は、平成17年度と18年度に実施した研究をまとめたものである。第2章では、長期挙動予測評価手法の開発として行った研究として、(1)平成9年度から継続している田下凝灰岩の長期クリープ試験の結果、(2)稲田花崗岩の中間温度領域におけるマルチステージクリープ試験結果、(3)一般化応力緩和試験に関する検討、(4)大久保が提案した構成方程式中のパラメータを求めるための新しい試験方法に関する考察、について報告した。とりわけ田下凝灰岩の長期クリープ試験は、試験を開始して9.5年が経過し、試測定結果に年変動が見られるなどの問題点も見られるが貴重なデータが得られている。第3章では、第3段階における上記研究の検証の基礎となる土岐花崗岩を対象とした力学試験を行い、その結果から時間依存性を考慮した構成方程式のパラメータを取得した結果について報告した。土岐花崗岩は花崗岩として標準的な力学物性値を持っていることが判明し、また、構成方程式の三次クリープ(破壊現象)を表現するパラメータが取得された。最後に付録として「岩盤の不均一性評価技術に関する研究」、「岩石の時間依存性を考慮した新岩盤分類法の検討」を示した。

報告書

Sensitivity study of the ITER poloidal polarimeter

山口 太樹; 河野 康則; 草間 義紀

JAEA-Research 2007-078, 43 Pages, 2008/03

JAEA-Research-2007-078.pdf:8.92MB

プラズマコア部の電流分布(安全係数分布)の計測を目的として、国際熱核融合実験炉(ITER)にポロイダル偏光計測装置が設置される予定である。本研究では、ITER用ポロイダル偏光計測装置の視線最適化の研究として、視線位置のトロイダル電流分布に対する感度を明らかにした。本研究では、トロイダル電流だけに依存したファラデー回転角度を新しい指標とした解析方法を提案した。この指標を用いた評価により、中心電流密度,有限ベータ効果及び凹状の電流分布を持つ負磁気シアプラズマにおける中心電流密度と最大電流密度の比に対して感度の高い視線配置を明らかにした。次に、ITERの運転シナリオに対して感度の高い視線配置案を提案した。この視線配置案では、トロイダル電流だけに依存したファラデー回転角度の分布形状を典型的に表す視線が選択された。

報告書

A Study on extrusion behavior of buffer material into fractures using X-ray CT method

棚井 憲治; 松本 一浩*

JAEA-Research 2007-094, 11 Pages, 2008/02

JAEA-Research-2007-094.pdf:5.34MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分における人工バリアシステムの一つである緩衝材は、地下水の浸潤により膨潤し、それによって周辺岩盤に存在する開口亀裂に侵入する。仮に亀裂への侵入が長期間に渡り継続される場合には、緩衝材密度の低下を招くことになり、低透水性,核種移行抑制機能及びコロイドろ過性などといった緩衝材に期待されている性能に悪影響を及ぼすことが懸念される。本研究では、岩盤亀裂中への緩衝材の侵入挙動を明らかにするために、X線CT測定を併用した侵入試験を行った。侵入試験については、亀裂中への侵入距離がベントナイト配合率や地下水のイオン強度に影響されることがわかった。X線CT測定に関しては、緩衝材の侵入挙動の把握、特に侵入モデルの開発の観点からも重要な役割を果たすものとなる。

報告書

異常高温時におけるSUS304のクリープ強度評価

加藤 章一; 長谷部 慎一; 吉田 英一

JAEA-Research 2007-091, 33 Pages, 2008/02

JAEA-Research-2007-091.pdf:7.22MB

高速炉の確率論的安全評価の対象の一つとして、炉停止後の崩壊熱除去機能喪失事象が挙げられている。本研究では、このようなシビアアクシデントの評価における構造材料の強度評価に資することを目的として、高温でのSUS304のクリープ強度データを取得し、現行の材料強度基準に採用されているクリープ破断式の825$$^{circ}$$C以上の適用性評価を実施した。

報告書

水蒸気改質処理装置ガス化装置の熱計算

岡沼 浩司; 佐々木 紀樹; 山口 大美

JAEA-Research 2007-090, 46 Pages, 2008/02

JAEA-Research-2007-090.pdf:2.57MB

日本原子力研究開発機構が所有するさまざまな廃棄物の中には、焼却処理が困難な有機系廃棄物(リン酸トリブチル廃溶媒,フッ素油を含む廃油等)が存在する。環境技術管理部では、これらの有機系廃棄物を分解,無機化し、適切な廃棄物処分につなげるための処理技術の一つとして、水蒸気改質処理法の技術開発を行ってきている。本報では、水蒸気改質処理装置の運転条件による試料処理の可否及び装置挙動の予測、また、試料処理運転条件の効果的,効率的改善に資することを目的として、水蒸気改質処理装置のガス化装置の熱計算モデルを作成した。さらに、その熱計算モデルを使用し、試料供給あり(30wt%TBP/ドデカン)の場合と試料供給なしの場合で熱計算を実施、その熱計算結果と試験実測値(平成18年度後半実施)の温度を比較することにより、その熱計算モデルの妥当性を検証した。その結果、試料供給なしの場合については、熱計算結果と試験実測値の温度が比較的一致し、今回作成したガス化装置の熱計算モデルは、ガス加熱の観点からは、比較的、現実のものに近い形でモデル化されていることが確認された。一方で、試料供給ありの場合については、熱計算結果と試験実測値の温度の間に、試料供給なしの場合と比較して大きな隔たりが確認され、試料のガス化装置内での物理的及び化学的変化等におけるモデル化については、さらなる検討が必要なことがわかった。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度報告書(平成17年度)

野原 壯; 梅田 浩司; 笹尾 英嗣; 浅森 浩一; 花室 孝広; 守屋 俊文*; 中司 昇

JAEA-Research 2007-087, 102 Pages, 2008/02

JAEA-Research-2007-087.pdf:35.58MB

我が国は変動帯に位置しており、安定大陸にある欧米諸国に比べて、地震や火山活動等が活発である。地質環境の長期安定性に関する研究においては、地質環境に重要な変化をもたらす可能性のある地震・断層活動,火山活動,隆起・侵食,気候・海水準変動等の天然現象に着目して、それらの特徴を明らかにするとともに、それらが地質環境に及ぼす影響を解明するための調査技術・評価手法にかかわる研究開発を進めている。平成17年度までに、地層処分に重大な影響を及ぼすと想定される現象の存在(例えば、活断層や第四紀火山等)をあらかじめ確認するための調査技術や、過去においても地層処分システムの性能に著しい影響を及ぼすような現象が発生した痕跡がないことを確認するための調査技術の開発等を進めるとともに、三次元地形変化シミュレーション技術等の長期予測・影響評価モデルの開発等を行ってきた。本報は、平成17年度までにおけるこれらの研究開発の成果についてとりまとめたものである。

報告書

オーバーパックの長期耐食性に関する調査; 平成18年度(委託研究)

立川 博一*; 川久保 文恵*; 清水 亮彦*; 柴田 俊夫*; 安住 和久*; 井上 博之*; 杉本 克久*; 水流 徹*; 藤本 愼司*

JAEA-Research 2007-086, 74 Pages, 2008/02

JAEA-Research-2007-086.pdf:5.96MB

オーバーパックの腐食寿命については、これまで、日本の幅広い地質環境条件を想定した実験データや既往研究等に基づいて検討が行われてきた。しかしながら、高pH環境での挙動,ニアフィールド環境条件の時間的な変化に伴う挙動,溶接部の腐食挙動等、長期的な信頼性を向上させるとともに、オーバーパック設計を具体化するうえでの課題がある。このような状況を考慮して、(財)原子力安全研究協会内に国内の金属の腐食科学分野の専門家からなる「オーバーパックの長期安定性に関する調査専門委員会」を設置し、既往の研究成果と安全評価上の考え方について、金属の腐食科学の観点から長期耐食性に関する調査検討を行った。

報告書

高速炉MOX燃料用酸素ゲッターの開発; 候補材の選定と被覆管装荷方法の検討

森平 正之; 瀬川 智臣

JAEA-Research 2007-085, 29 Pages, 2008/02

JAEA-Research-2007-085.pdf:2.88MB

高速増殖炉サイクル実用化研究開発(FaCTプロジェクト)では250GWd/t(集合体ピーク)の高燃焼度を達成するためペレットの低O/M比化によるFCCI低減を目指しているが、量産規模での高精度の酸素ポテンシャル制御の実現性や、自己発熱の大きい低除染TRU燃料ペレットの再酸化を勘案すると、実用プラントにおける低O/M比ペレットの量産には多大な困難が伴う可能性がある。そこで、照射中に生じる余剰酸素の吸収を燃料ピン内に装荷した酸素ゲッターに担わせることにより、ペレットそのもののO/M比を緩和する代替案を検討した。本研究では、酸素ゲッターとしての要件を満たす候補材のサーベイと、被覆管装荷方法の検討を実施した。

報告書

ナトリウム冷却炉の炉心・燃料設計検討(MOX燃料炉心); 2006年度報告

小川 隆; 小林 登; 大木 繁夫; 永沼 正行; 久保 重信*; 水野 朋保

JAEA-Research 2007-084, 63 Pages, 2008/01

JAEA-Research-2007-084.pdf:4.3MB

高速増殖炉サイクル実用化研究開発の主概念であるナトリウム冷却炉大型MOX燃料高内部転換型炉心についての2006年度の炉心・燃料設計に関する検討結果を報告する。(1)MA含有燃料を用いた炉心の検討では、高速増殖炉サイクル実用化戦略調査研究フェーズIIにおいて構築した大型MOX燃料高内部転換型炉心をもとに、MA含有率の高いALWR使用済燃料のTRUを用いた炉心を構築した。本検討では、燃料重金属のMA含有率を3wt%と暫定、従来概略評価にとどめていた熱特性及び燃料健全性の詳細評価を行い、設計成立の見通しを得た。(2)ブランケットへのPu添加による核不拡散性向上炉心の検討では、高速増殖炉の内的(intrinsic)な核不拡散性を向上させる一方策として、ブランケット燃料に炉心燃料用のPu(あるいはTRU)をあらかじめ添加することにより、ブランケットにおけるPuを常に原子炉級以下($$^{240}$$Pu同位体組成比で$$>$$18%)に保つ核不拡散性向上炉心概念を構築した。ブランケットへのTRU添加率を最大でも5wt%とすれば、軸方向ブランケット,径方向ブランケットともに、平均Pu組成を原子炉級に保つことができることを見いだした。

報告書

堆積岩地域における広域地下水流動に関する研究,2; 養老川流域の例

酒井 隆太郎; 宗像 雅広; 木村 英雄

JAEA-Research 2007-083, 38 Pages, 2008/01

JAEA-Research-2007-083.pdf:3.29MB

日本原子力研究開発機構では、千葉県の養老川流域を解析モデルの検証のための堆積岩モデル地区として調査を進めている。本稿では、広域地下水流動を評価する手法を確立するため、調査の一環として養老川支流の3流域(浦白川,芋原川,梅ヶ瀬川)において河川流量を観測すると同時に河川水,湧水、及び井戸水の水質,酸素・水素同位体組成の分析・検討を行った。その結果、流量観測及び水質分析結果からは、高い透水性を持つ砂岩で涵養された地下水が地層の走向方向に流動し、芋原川や梅ヶ瀬川流域に流出されるが、一部の地下水は傾斜方向へ約100m以深まで流動し、低透水性の砂泥互層を通って浦白川の中・下流域において流出している可能性が推定された。また、水質,同位体分析結果からは、流動地下水はすべて天水起源であり、おもに表層水タイプのNaCa-HCO$$_{3}$$型地下水かあるいは、進化したCa-HCO$$_{3}$$型地下水であるものの、浦白川や梅ヶ瀬川下流において流出している地下水の中には、Ca-HCO$$_{3}$$型地下水とは起源を異とする滞留時間の長いNa-HCO$$_{3}$$型地下水が存在することが明らかとなった。

報告書

放射性廃棄物に含まれる有害物質等に関する検討

黒木 亮一郎; 高橋 邦明

JAEA-Research 2007-082, 215 Pages, 2008/01

JAEA-Research-2007-082.pdf:7.2MB

日本原子力研究開発機構が保有する放射性廃棄物の処理処分方策を今後さらに合理的かつ具体的に進めるためには、廃棄体技術基準が制定される必要がある。そのため、現行の法規制で未整備であるTRU廃棄物の廃棄体技術基準案を構築するにあたり、廃棄体中に含まれる可能性のある環境に影響を与える有害物質とTRU廃棄物に含まれる核分裂性核種による臨界の影響について検討し、以下の成果を得た。(1)TRU廃棄物に含まれる有害物質にかかわる関係法令を整理した。(2)英国,米国及び仏国における有害物質の影響評価事例を調査し、その知見を整理した。(3)各処分区分別に、主要な有害物質について物質移行評価を実施し、有害物質の制限量を算出した。(4)核種の濃集及び蓄積による臨界評価を実施し、処分の実態を考慮すれば臨界の可能性はほとんどないことが判明した。

報告書

クラックテンソル・仮想割れ目モデルによる瑞浪超深地層研究所研究坑道の掘削影響予測解析

瀬野 康弘; 中間 茂雄; 佐藤 稔紀*; 郷家 光男*; 多田 浩幸*; 櫻井 英行*

JAEA-Research 2007-081, 120 Pages, 2008/01

JAEA-Research-2007-081.pdf:13.48MB

本報告書は、第2段階以降の調査・研究計画策定のための基礎情報を得ることを目的とし、研究坑道の深度500m付近の立坑と水平坑道の連接部を対象に、クラックテンソルモデルにより掘削損傷を考慮した3次元応力解析を行い、その応力状態を用いて仮想割れ目モデルによる透水性変化解析を行った結果について報告するものである。解析検討により得られた知見は以下のとおりである。(1)岩盤等級が下がると、立坑及び水平坑道の内空変位,支保工部材の応力は増加した。ただし、最大せん断応力,安全率,平均透水係数の増加領域の分布には変化がほとんど見られなかった。(2)連接部における立坑の内空変位は一般部の1.1倍に増加した。連接部の影響範囲は、水平坑道の代表径の2倍程度であった。また、連接部における水平坑道の内空変位は一般部の1.9$$sim$$2.2倍に増加した。(3)掘削損傷領域の存在を考慮すると、立坑及び水平坑道とも、内空変位や支保工部材の応力は増加し、平均透水係数の最大増加率は大幅に増加した。(4)3次元的な亀裂分布に基づく岩盤挙動をより適切に表現するには2次元モデルより3次元モデルが有効である。

報告書

MBCモデルによる瑞浪超深地層研究所研究坑道の掘削影響予測解析

瀬野 康弘; 中間 茂雄; 佐藤 稔紀*; 森 孝之*; 森川 誠司*; 田部井 和人*; 須山 泰宏*; 村上 浩次*

JAEA-Research 2007-080, 112 Pages, 2008/01

JAEA-Research-2007-080.pdf:8.37MB

本報告書は、第2段階以降の調査・研究計画策定のための基礎情報を得ることを目的とし、研究坑道の深度500m付近の立坑と水平坑道の連接部を対象に、MBCモデルによる掘削損傷を考慮した3次元予測解析結果について報告するものである。解析検討により得られた知見は以下のとおりである。(1)岩盤挙動は初期応力の作用方向,亀裂の幾何学的方向の影響を受ける。また、B級やCH級に比べ強度が劣るCL級では、変位や支保にかかる応力は大きくなる。(2)解析ステップの細分化が解析結果に与える影響は少ない。(3)掘削損傷域の有無による岩盤挙動に対する影響は比較的小さい。(4)立坑連接部では一般部に比べ支保の応力が1.3$$sim$$1.6倍になる。(5)3次元的な亀裂分布に基づく岩盤挙動をより適切に表現するには2次元モデルより3次元モデルが有効である。

報告書

超音波伝播特性を用いた高温ガス炉黒鉛材料の酸化評価手法の開発,1(受託研究)

多田 竜也; 柴田 大受; 角田 淳弥; 沢 和弘

JAEA-Research 2007-079, 22 Pages, 2008/01

JAEA-Research-2007-079.pdf:13.34MB

高温ガス炉の炉内構造物である黒鉛材料は、長期の運転期間中に冷却材ガス中に極微量含まれる水分等の不純物により徐々に酸化腐食され、表面及び内部の気孔状態が変化する。この酸化は黒鉛構造物の寿命を決める因子の一つであり、長寿命化のためには酸化による材料劣化を評価することが重要となる。黒鉛材料は多孔質材料であり、超音波は材質中に多数存在する気孔と相互作用しながら伝播するため、音速や減衰率などの伝播特性を調べることにより内部の気孔状態を評価することが可能である。そこで、先進的な評価手法として黒鉛材料中に生じた気孔状態を超音波伝播特性により非破壊的に評価する酸化評価手法の開発を進めている。本報告書では、IG-110及びIG-430黒鉛試験片の酸化度をパラメータとして超音波伝播特性データを取得し、均一酸化条件における超音波伝播特性から、酸化を評価する式を導出した。

報告書

DIDPA溶媒からのDTPAを用いる逆抽出による3価の超ウラン元素と希土類元素との分離法の開発; シミュレーション解析コードによる分離度の評価

藤原 武; 森田 泰治

JAEA-Research 2007-076, 29 Pages, 2007/11

JAEA-Research-2007-076.pdf:2.05MB

日本原子力研究所(現・日本原子力研究開発機構)で進めてきた4群群分離プロセスの開発において、3価の超ウラン元素と希土類元素との分離法として、両者が共存するジイソデシルリン酸(DIDPA)溶媒から3価の超ウラン元素をジエチレントリアミン5酢酸(DTPA)によって選択的に逆抽出する方法について検討してきた。本研究では、これまでのバッチ実験で得た対象元素の分配比のデータをもとに、当該分離工程のシミュレーション解析コード(以下「解析コード」と記す)を作成し、同工程の分離度の評価、及び最適プロセスについて検討した。作成した解析コードの妥当性を評価するため、Nd単独、または複数の希土類元素を用いたミキサーセトラーによる連続逆抽出試験の結果を、解析コードによって説明することを試みた。その結果、DIDPA溶媒からDTPAによる連続逆抽出試験の結果は、対象元素の濃度が低い場合であれば、作成した解析コードによって十分説明できることが確認できた。また、3価の超ウラン元素製品に同伴する希土類元素量を低減するためには、有機相スクラブ段を設置することが有効であることがわかった。

報告書

火災事故時のグローブボックスの閉じ込め性能評価に関する研究,2

阿部 仁; 渡邉 浩二; 田代 信介; 内山 軍蔵

JAEA-Research 2007-075, 50 Pages, 2007/11

JAEA-Research-2007-075.pdf:6.35MB

MOX燃料加工施設では、MOXの閉じ込め性能を維持するため、MOXをグローブボックスにて取扱うことが要求されている。グローブボックスは樹脂製部材から構成されるため、火災等により熱的なストレスが加えられた場合には、これらの熱分解や燃焼によってグローブボックスの閉じ込め性能が失われる可能性がある。本研究では、火災時のグローブボックスの閉じ込め性能の定量的な評価に資するため、これら部材の熱分解特性及び燃焼特性にかかわる基礎データを取得している。本報は、空気雰囲気下でのこれらデータを取得した結果をまとめたものであり、これら知見を組合せることでグローブボックス火災時の静的閉じ込め機能劣化の経時変化を評価するための解析モデルの検討を行った結果をまとめたものである。

報告書

Sorption studies of radioelements on geological materials

Berry, J. A.*; 油井 三和; 北村 暁

JAEA-Research 2007-074, 87 Pages, 2007/11

JAEA-Research-2007-074.pdf:3.98MB

ベントナイト,花崗閃緑岩及び凝灰岩へのU, Tc, Cm, Np, Ac, Pa, Po, Am及びPuの収着を研究するためにバッチ収着試験を行った。溶液は蒸留水及び人工海水(U, Tcのみ)を使用し、温度は25及び60$$^{circ}$$Cで行った。人工海水についてのUとTcの化学種及び岩石平衡水についてのNp, AmとPuの化学種を予測するためにHARPHRQプログラムとHATCHESデータベースを使用した数学的モデリングを行った。Cm, Np, Ac, Pa及びPoについての熱力学データの文献調査を行った。ここでは幾つかのデータを入手でき、化学種及び溶解度の予測を行っていた。この報告書は1991年4月$$sim$$1998年3月の間にAEA Technologyによって行われた試験結果をまとめたものであり、主な結果はMaterial Research Society Proceedingsで公開されている。

報告書

圧子押込み特性測定による高温ガス炉黒鉛構造物の残留応力評価手法の開発,1(受託研究)

角田 淳弥; 柴田 大受; 多田 竜也; 沢 和弘

JAEA-Research 2007-073, 17 Pages, 2007/11

JAEA-Research-2007-073.pdf:5.72MB

高温ガス炉の炉内構造物である黒鉛構造物には、長期の運転期間中に熱や照射によって残留応力が生じる。これは黒鉛構造物の寿命を決める重要な因子なので、黒鉛構造物の長寿命化のためには残留応力を測定・評価することが重要である。微小硬度計による圧子の押込み特性は応力状態によって変化するので、圧子押込み深さの測定結果から残留応力を評価することが可能である。そこで、黒鉛構造物中に生じた残留応力の変化を非破壊的に評価するために、圧子押込み特性測定による残留応力評価手法の開発を進めている。本報では、黒鉛試験片に加わる応力条件をパラメータとして圧子の押込み特性データを取得し、圧子押込み深さと残留応力との関係式を示した。

報告書

軽水炉シビアアクシデント時の炉外水蒸気爆発による格納容器破損確率の評価

森山 清史; 高木 誠司*; 村松 健; 中村 秀夫; 丸山 結

JAEA-Research 2007-072, 54 Pages, 2007/11

JAEA-Research-2007-072.pdf:25.89MB

BWR及びPWRモデルプラントにおける炉外水蒸気爆発による格納容器破損確率を評価した。水蒸気爆発による負荷の確率分布を評価するために、ラテン超方格サンプリング(LHS)による確率論的手法を用い、その中で水蒸気爆発解析コードJASMINEを物理モデルとして使用した。評価対象はBWR Mk-II型のペデスタル及び圧力抑制プール,PWRのキャビティにおける水蒸気爆発である。水蒸気爆発により格納容器破損に至るシナリオとして、炉容器及び配管系の変位による格納容器貫通部の破損を想定した。ここで評価した条件付格納容器破損確率(CCFP)は、炉容器内溶融炉心保持の失敗,溶融炉心の水プールへの移行を妨げるものがないこと、粗混合量が最大の時点で強いトリガリングが生じることを前提条件としたものである。得られたCCFPの平均値及び中央値はBWR圧力抑制プールにつき6.4E-2(平均値)及び3.9E-2(中央値), BWRペデスタルにつき2.2E-3(平均値)及び2.8E-10(中央値), PWRにつき6.8E-2(平均値)及び1.4E-2(中央値)である。炉心損傷事象に対するCCFPには上記前提条件の発生確率を考慮する必要があり、さらに小さい値となる。なお、得られた評価結果は炉心の落下流量の範囲及び格納容器フラジリティカーブに最も強く依存し、これらはシナリオの簡略化や限られた情報により保守性と不確かさを含む。水蒸気爆発により生じる微粒子のソースタームへの寄与についても考察した。

報告書

Application of tritium behavior simulation code (TBEHAVIOR) to an actual-scale tritium handling room

岩井 保則; 林 巧; 小林 和容; 山西 敏彦

JAEA-Research 2007-070, 18 Pages, 2007/11

JAEA-Research-2007-070.pdf:15.66MB

核融合プラントにおいてトリチウムハンドリング建屋はトリチウムの環境放出を防ぐ最終障壁となる。核融合安全性の見地からは建屋内にトリチウム閉じ込め、除去することは不可欠となる。日本原子力研究開発機構トリチウム工学研究グループは開発を進めてきた三次元トリチウム挙動シミュレーションコード(TBEHAVIOR)の3000m$$^{3}$$の実規模トリチウムハンドリング建屋への適用性の実証を行った。評価精度と計算時間短縮の両立性を模索した結果、低レイノルズモデルとして繰り込み群モデルを選択した。トリチウム漏洩時には閉じ込めのため建屋換気を停止した場合の建屋内の減衰流れによるトリチウム輸送評価が重要となる。実験との比較からTBEHAVIORコードは減衰流れの評価にも有効であることを示し、10mm/s程度の流れにてトリチウムはすみやかに輸送されることを見いだした。また建屋内の機器群の形状を詳細に反映せずとも実用的な挙動概略の把握を行える方策を示した。

報告書

幌延深地層研究における表層水理調査の現状

戸村 豪治; 操上 広志; 柴野 一則; 國丸 貴紀; 原 稔

JAEA-Research 2007-063, 46 Pages, 2007/11

JAEA-Research-2007-063.pdf:8.1MB

日本原子力研究開発機構幌延深地層研究センターでは、幌延深地層研究計画の一環として、表層水理調査を実施している。表層水理調査では、広域地下水流動解析の境界条件や初期条件の設定に必要な地下水涵養量及び表層部における地下水流動系の把握を目的として、これまでに気象観測,河川流量及び水質の観測,土壌水分観測,浅層地下水位観測等を継続して行っている。本報告は、幌延深地層研究計画における表層水理調査の現状を取りまとめたものであり、表層水理調査結果の概要やそれに基づく表層付近の地下水流動特性に関する検討結果を示したものである。

報告書

酸化物分散強化型フェライト鋼の応力負荷環境下における照射効果の解明とそれに基づく照射下形状不安定性の改善

酒瀬川 英雄

JAEA-Research 2007-053, 50 Pages, 2007/11

JAEA-Research-2007-053.pdf:8.31MB

JAEAで開発された9Cr-ODS(Oxide Dispersion Strengthened)鋼は優れたクリープ強度を持つ。特に優れたクリープ強度を持つ9Cr-ODS鋼は2相鋼であり、これはマルテンサイト相よりも酸化物粒子がより微細に分散してより高い硬さを持つデルタフェライト相で強化されている。このクリープ挙動は従来の耐熱鋼には観察されない特異なものである。そこで詳しい組織観察に基づいた新たなメカニズムの提案が重要となる。本研究はこの新たなメカニズムを考え、これに基づいたクリープ構成方程式を構築した。また大量製造も視野に入れた材料特性(照射下・非照射下)のさらなる向上を目的とした新たな材料プロセスを提案した。

報告書

Applications of TAGS data in beta decay energies and decay heat calculations

Pham, N. S.*; 片倉 純一

JAEA-Research 2007-068, 53 Pages, 2007/10

JAEA-Research-2007-068.pdf:2.74MB

全吸収$$gamma$$線分光器(TAGS: Total Absorption Gamma-ray Spectrometer)を用いて幾つかの核分裂生成物(FP)に対して得られたベータ線強度の最近の測定データを平均エネルギー,スペクトル計算や崩壊熱総和計算に適用した。測定で得られたベータ強度を用いてベータ崩壊の大局的理論により平均エネルギーやスペクトル計算を実施した。JENDL FP Decay Data File 2000のデータを用いた計算との違いを検討した。$$^{144}$$La及び$$^{141}$$Csの崩壊エネルギーに関し新たな推定値を提案した。

報告書

核燃料施設における地震リスク低減方策の検討へのリスク評価の活用方法に関する検討

吉田 一雄; 村松 健

JAEA-Research 2007-064, 30 Pages, 2007/10

JAEA-Research-2007-064.pdf:15.45MB

近年、原子力施設に関する確率論的安全評価(PSA)の手法の整備・適用が進展したことを背景に、リスク情報の安全管理及び安全規制への活用が我が国を含め各国で検討されている。日本原子力研究開発機構では、核燃料施設へのPSAの適用手法の整備とリスク情報の活用方法に関する検討を進めており、これまでにMOX燃料加工施設における内的事象を対象とするPSAの実施手順を開発している。こうした研究の一環として、核燃料施設の地震PSAの知見を地震リスク低減方策の検討に役立てるための方法を検討した。潜在的影響の小さい施設については、リスクレベルに応じた詳細さでリスク評価を行う"graded approach"の考えに基づき、軽水炉とは異なる地震リスク評価手法及びその活用方法があり得ると考え、代表例としてウラン燃料加工施設を対象に、(1)合理的に実行可能な地震リスク低減方策の検討への地震PSA手法活用のあり方,(2)地震起因の事象シナリオと事象発生時の影響の評価手法,(3)リスク低減対策の目標として参照できる安全水準、の3つの観点で調査・検討を行った。

報告書

ボーリングコアを用いた堆積軟岩のAE特性の分析及び原位置測定手法に関する研究(共同研究)

青木 謙治*; 水戸 義忠*; 南 将行*; 松井 裕哉; 丹生屋 純夫*

JAEA-Research 2007-077, 126 Pages, 2007/09

JAEA-Research-2007-077.pdf:16.68MB

新第三紀堆積軟岩を対象とした空洞掘削影響に対するAE測定とDEM解析を併用した評価システム技術の適用性を、先行基礎工学研究として3か年間行った。本研究は、幌延のボーリングコアを用いた原位置応力状態下の高剛性三軸圧縮試験から新第三紀堆積軟岩のEDZ評価に有効なAEパラメータを抽出し(平成16年度)、その有効なパラメータを中心とした原位置AE計測システムや個別剛体要素法による岩盤内の亀裂の発生・進展状況の予測結果から想定される掘削影響の発生メカニズムの検討を行うことにより(平成17年度)、幌延深地層研究計画第2段階以降で計画されている掘削影響試験などで必要な計測・評価システムの概念を構築した(平成18年度)。

報告書

東濃地域における地質環境の不確実性評価; 平成17年度(委託研究)

戸井田 克*; 須山 泰宏*; 森 孝之*; 稲葉 武史*; 渥美 博行*; 田中 俊行*; 小林 一三*; 中嶌 誠門*; 尾方 伸久

JAEA-Research 2007-071, 159 Pages, 2007/09

JAEA-Research-2007-071.pdf:48.05MB

東濃地科学センターにおける地層科学研究では、地質環境特性を明らかにするために必要な調査・解析技術並びにその妥当性を評価する手法の開発を進めている。この研究では、岩盤の不均一性推定に伴う不確実性を定量的に把握するための手法を明らかにし、その不確実性を低減するための合理的な地質環境調査手法の確立を一つの大きな目標としている。平成17年度は、新たに掘削されたボーリング孔などのデータを用い、本評価手法をより高度化することを目指して、知識・情報の整理を進めるとともに、概念モデルの体系的整理と地下水流動解析を行い、本手法の実用化に向けた評価・検討を行った。また、地質環境の不確実性の評価結果を効果的に施設設計に反映するための情報抽出を試行した。本研究成果を取りまとめると、以下のようになる。(1)ボーリング調査により取得された割れ目本数と透水量係数との相関を整理し、NW方向の割れ目系が最も透水量係数との相関が高いことを示した。これは広域の応力場の影響を受けているものと考えられる。(2)概念モデルの体系的整理と地下水流動解析を行うことにより、地質環境の不均一性評価方法の検討手順を取りまとめた。(3)施設設計を高度化する情報として、「不確実性に応じた複数の設計オプションを保有すること」と、「地質環境の不均質性に応じた設計を行うこと」が重要であることを示した。

報告書

スメクタイトと2:1型粘土鉱物の標準生成自由エネルギーの推定手法による誤差について

上野 健一; 柴田 雅博*

JAEA-Research 2007-069, 36 Pages, 2007/09

JAEA-Research-2007-069.pdf:1.49MB

粘土鉱物の熱力学データは、実験的アプローチでの整備が容易ではない。このため、計算手法の検討が行われている。しかし、計算により熱力学データを推定する場合、どの手法を用いたら信頼性が高い値(推奨値)を得ることができるのか、どの程度の誤差が存在するかの議論は行われていない。本報告では、熱力学データのうち、${it $Delta$G$_{f}$$^{circ}$}$について、スメクタイトと2:1型粘土鉱物を対象として、${it $Delta$G$_{f}$$^{circ}$}$推定手法の選定手順を示し、選定された手法から求めた、${it $Delta$G$_{f}$$^{circ}$}$推奨値にどの程度の誤差が存在するかを把握することを目的として、手法のレビューと相互比較を行った。その結果、実験値と推定値の差の平均値,標準偏差($$sigma$$)が小さい手法を信頼性の高い手法とし、その手法から計算される$$sigma$$を推奨値とする考え方を示した。

報告書

TRU廃棄物の処理・処分技術に関する研究開発; 平成18年度報告

亀井 玄人; 本田 明; 三原 守弘; 小田 治恵; 村上 裕; 増田 賢太; 山口 耕平; 中西 博*; 佐々木 良一*; 市毛 悟*; et al.

JAEA-Research 2007-067, 130 Pages, 2007/09

JAEA-Research-2007-067.pdf:28.78MB

第2次TRUレポートの出版を踏まえ、資源エネルギー庁と日本原子力研究開発機構は、我が国のTRU廃棄物の地層処分に関する基本方針及び事業計画を策定し、公表した。この年報は、TRU廃棄物とその地層処分について概要をまとめつつ、そこに示された個別課題のうち、日本原子力研究開発機構に割り当てられたものについて、その目標と進捗を記すものである。その具体的課題とは次のとおりである。TRU廃棄物の処理及び廃棄体化技術,ニアフィールドの力学評価,核種移行データ取得,セメント・ベントナイト・岩盤の変質,硝酸塩の影響,処分システムの性能評価、さらに代替技術としての硝酸塩分解技術である。

報告書

東濃地域における地質環境の不均一性評価; 平成16年度(委託研究)

戸井田 克*; 須山 泰宏*; 森 孝之*; 稲葉 武史*; 笹倉 剛*; 渥美 博行*; 升元 一彦*; 小林 一三*; 岩野 圭太*; 古市 光昭*; et al.

JAEA-Research 2007-065, 210 Pages, 2007/09

JAEA-Research-2007-065-1.pdf:28.82MB
JAEA-Research-2007-065-2.pdf:42.37MB
JAEA-Research-2007-065-3.pdf:24.46MB
JAEA-Research-2007-065-4.pdf:48.78MB

東濃地科学センターにおける地層科学研究では、地質環境特性を明らかにするために必要な調査・解析技術並びにその妥当性を評価する手法の開発を進めている。この研究では、岩盤の不均一性推定に伴う不確実性を定量的に把握するための手法を明らかにし、その不確実性を低減するための合理的な地質環境調査手法の確立を一つの大きな目標としている。本研究においては、これまでにファジー地球統計を基本とした不確実性解析手法を用い、調査の各段階で想定し得る(あるいは否定できない)モデルやパラメータの全体集合を考えることにより不確実性を定量化でき、調査結果に基づき蓋然性が低いと考えられる選択肢を絞り込むことによってその不確実性を低減できるという新たなアプローチを考案している。平成16年度は、平成17年度に行う研究成果の取りまとめに向け、これまで東濃地域で行われた調査結果に基づき、本手法の実用化に向けた評価・検討を行った。本研究成果を取りまとめると以下のようになる。(1)東濃地域の事例を対象とした統合化データフローを活用し、本手法を適用するための知識・情報を整理した。(2)これまでの課題であったパラメータの設定方法とスクリーニング方法を整備した。(3)適用事例を用いて評価・検討を行い、本手法の実用化の目処を得た。(4)本手法(確率的手法)とこれまでに適用されてきた決定論的手法との統合方法を整備した。

報告書

高延性材から脆性材までを対象とした構造健全性確保のための体系的な考え方

鈴木 一彦

JAEA-Research 2007-062, 95 Pages, 2007/09

JAEA-Research-2007-062.pdf:9.8MB

プラント機器の構造健全性確保の考え方は、高延性材だけに限定して開発され、あるいは、脆性材だけを対象にして開発されてきた。しかしながら、使用条件がますます過酷になってきていることから、当初は高延性であっても使用中に延性低下してしまうといったことが起き始めている。また、延性が十分には高くない高強度鋼などが使われ始めている。この結果、材料特性を限定して、あるいは、材料特性が当初から大きく変化しないことを前提として健全性確保を考えていては、技術革新に対応しきれなくなってきている。高延性材から脆性材までを体系的に考えることが重要になってきている。本レポートでは、最初に、これまでの高延性材機器の規格及び脆性材部品の考え方を分析し、背景にある考え方を明らかにした。次に、脆性材部品に対する考え方の課題を明らかにし、解決策を提案した。そして、体系化の考え方を考察しつつ、中間延性材あるいは経年変化により延性低下する場合の構造健全性確保の考え方を提案した。

報告書

ZrC被覆燃料粒子検査手法の検討; SiC被覆燃料粒子に対する検査手法の適用性評価

高山 智生*; 植田 祥平; 相原 純; 安田 淳*; 石橋 英春*; 沢 和弘

JAEA-Research 2007-061, 32 Pages, 2007/09

JAEA-Research-2007-061.pdf:15.93MB

第四世代原子炉の候補の一つである超高温ガス炉(VHTR)の燃料として、既存のSiC被覆燃料粒子とともにZrC被覆燃料粒子が期待されている。ZrCとSiCの材料特性を比較することにより、ZrC被覆燃料粒子の検査方法にSiC被覆燃料粒子の検査方法が適用できるかについて検討した。SiC被覆燃料粒子の断面組織,被覆層厚さ(SiC層),被覆層密度(SiC層及びO-PyC層),露出ウラン率,SiC層破損率の各検査における支配的な因子として、SiCの硬さ,X線吸収係数,密度,耐酸化性,化学的安定性を抽出した。また、上記手法のZrC被覆燃料粒子への適用性を検討し、被覆層密度(ZrC層及びO-PyC層),ZrC層破損率の検査については、SiC被覆燃料粒子の検査方法を適用困難であり、今後解決すべき課題であることを示した。

報告書

深部地質環境の調査解析技術の体系化に関する研究; 平成17年度(委託研究)

小島 圭二*; 大西 有三*; 渡辺 邦夫*; 西垣 誠*; 登坂 博行*; 嶋田 純*; 青木 謙治*; 杤山 修*; 吉田 英一*; 尾方 伸久; et al.

JAEA-Research 2007-060, 210 Pages, 2007/09

JAEA-Research-2007-060-1.pdf:43.82MB
JAEA-Research-2007-060-2.pdf:41.2MB
JAEA-Research-2007-060-3.pdf:6.42MB

地表から地下深部に至る地質環境を把握するための調査・解析技術の体系化を目標に、(1)「第2次取りまとめに基づく深部地質環境の調査・解析技術の実用化に向けた課題に関する研究」,(2)「調査・解析手法の高度化・体系化に関する研究」を、前年度に引き続き実施した。(1)に関しては、前年度抽出した処分技術,安全評価,地質環境の各分野の課題のうち、具体的な試験・計測と解析・分析を実施した。またその成果を踏まえて、それぞれの中間分野の研究課題の抽出と各課題の連携の仕方についての検討を行った。そして、これら3分野を関連づけたニアフィールドコンセプトの再構築に関する検討を行った。(2)に関しては、日本原子力研究開発機構の調査研究計画の中から抽出される課題に基づき、調査・解析技術の高度化・実用化の研究開発の観点から、当研究会のメンバーが従来より実施している基礎的な要素技術の研究開発の成果を取り込み課題の解明に資する研究を実施した。研究開発について、その成果の評価と実用化への道を議論した。またこれらの調査研究の進展と合わせて、日本原子力研究開発機構が実施中の瑞浪超深地層研究所の第2段階の調査・研究課題に関する意見交換を行い、処分技術の実用化への検討を行った。

報告書

TRU廃棄物含有有機物の処分条件下におけるアルカリ分解

大塚 剛樹*; 馬場 恒孝

JAEA-Research 2007-059, 18 Pages, 2007/09

JAEA-Research-2007-059.pdf:4.63MB

これまでアルカリ加水分解挙動についてほとんど検討されていない9種類のTRU廃棄物含有有機物を対象として、その処分環境条件、つまり低酸素雰囲気かつセメント系材料起源のアルカリ性溶液環境の下、90$$^{circ}$$C,91日間で加水分解試験を実施した。セルロース及びプラスチック固化体は比較的分解しやすく、ゴム類は分解しにくいことがわかった。また、有機物のアルカリ加水分解は有機物の有する官能基が起点となって生じ、官能基の種類によって分解の難易が異なるものと推察できた。

報告書

幌延深地層研究計画における不確実性を考慮した安全評価手法の検討(委託研究)

高瀬 博康*; 稲垣 学*; 野口 俊英*; 島岡 晶子*; Martin, A. J.*; 若松 尚則*; 高瀬 今日子*; 田原 道子*; 松井 裕哉

JAEA-Research 2007-066, 215 Pages, 2007/08

JAEA-Research-2007-066-01.pdf:43.05MB
JAEA-Research-2007-066-02.pdf:58.73MB
JAEA-Research-2007-066-03.pdf:13.08MB

深部地質環境の空間的不均質性に起因する不確実性の存在を前提として、安全評価の信頼性を向上するための手法構築を行い、種々の証拠によって最尤と考えられる選択肢のみではなく、可能性は低いが否定することのできない選択肢についても明示的に検討に含めることにより、各調査段階で残されている不確実性の種類や大きさを顕在化することが可能となった。また、このような選択肢を網羅的に抽出し、複数の証拠を用いて包括的に評価を行うための体系的な方法論を明らかにした。さらに、過去数か年に渡って実施した地下水流動解析や物質移動解析等の関連する研究成果を統合することにより、幌延の地質環境を事例とした不確実性を考慮した安全評価手法を具体的に示した。

報告書

HTTR-IS水素製造システムの概念設計

坂場 成昭; 佐藤 博之; 原 輝夫; 加藤 竜馬; 大橋 一孝; 西原 哲夫; 國富 一彦

JAEA-Research 2007-058, 31 Pages, 2007/08

JAEA-Research-2007-058.pdf:16.44MB

原子炉に接続する水素製造施設は、ほかの水素製造法と比較し、商用段階において経済的に競合できなければならない。そのためには、水素製造施設は一般化学プラントとして原子炉に接続させることが必要不可欠である。そこで、高温ガス炉HTTRに接続する水素製造施設に関する安全論理の構築を目指し、水素製造施設に要求される安全機能及び非「原子炉施設」化について検討した。また、水素製造装置の建設コスト低減による経済性向上のため、HTTRに接続させる熱化学水素製造法ISプロセスを構成するブンゼン反応器及び硫酸分解器について、複数の機能を一体化した構造概念を提案し、機器の合理化及び高性能化について検討した。さらにプロセス条件を緩和させることを可能とするヨウ化水素分解器を提案し、汎用材料及び汎用技術採用の可能性を追求した。また、HTTRの中間熱交換器から供される10MWの熱を用いて1,000Nm$$^{3}$$/h規模の水素製造が可能となるHTTR-ISシステムの基本的成立性を確認した。本報は、高温ガス炉HTTRの核熱を用いて熱化学法ISプロセスにより水素製造を実証するHTTR-ISシステムの概念設計について報告する。

報告書

TRU処分システム中のガス移行に関する感度解析評価

棚井 憲治; 山本 幹彦*; 関 義孝*

JAEA-Research 2007-057, 71 Pages, 2007/07

JAEA-Research-2007-057.pdf:1.77MB

放射性廃棄物処分場内では金属の腐食等によって発生するガスにより、処分場内の地下水が排出される、あるいは処分場内の圧力が上昇する可能性が指摘されている。これにより、生物圏に至るバリア中での放射性核種の移行や人工バリア又は岩盤の構造力学的安定性に影響を与える可能性があり、長期的な処分の安全性に及ぼす影響が懸念される。このような問題点を踏まえて、今後のモデル開発及びデータ取得計画に資するために、気液2相流モデルを用いて処分システム中のガス移行について感度解析を行い、各パラメータの影響度に関する検討を行った。その結果、廃棄体/充填材(セメント系材料)に対しては、絶対透過係数及び残留間隙水飽和度の影響が大きく、緩衝材に対してはガスの絶対透過係数,毛管排除圧及び残留間隙水飽和度の影響が大きいことが明らかになった。

報告書

有害性金属元素の降雨時河川流出機構

松永 武; 柳瀬 信之; 半澤 有希子; 都築 克紀; 長縄 弘親

JAEA-Research 2007-056, 143 Pages, 2007/07

JAEA-Research-2007-056.pdf:59.02MB

大気と陸面とを含む物質循環モデルの研究の一環として、森林集水域における土壌から河川への元素流出を研究した。有害性金属元素であるSb, Cu, Cr並びに希土類元素の河川流出は降水により促進されることを見いだした。その降雨時河川流出は、(1)流量と同期した、可動性の高い成分による早い流出と、(2)流量ピークと同期しない、より緩やかな増加と減少を示す流出の2つの流出形式から構成されることがわかった。雨水と河川水の水素並びに酸素同位体比を指標とした手法と溶存有機物を指標とした手法によるハイドログラフ分析の結果、後者の流出形式は土壌の表層からの有機物に随伴した流出であることが示唆された。後者の形式は希土類元素に効果的に作用することが見いだされた。以上の知見は、大気から森林集水域に沈着する人為由来金属元素の流出モデルの構築に有用と考えられる。

報告書

Studies on representative disruption scenarios, associated electromagnetic and heat loads and operation window in ITER

藤枝 浩文; 杉原 正芳*; 嶋田 道也; Gribov, Y.*; 伊尾木 公裕*; 河野 康則; Khayrutdinov, R.*; Lukash, V.*; 大森 順次; 閨谷 譲

JAEA-Research 2007-052, 115 Pages, 2007/07

JAEA-Research-2007-052.pdf:3.58MB

ITERのディスラプション時に炉内構造物や真空容器に働く電磁力や熱負荷などの影響を調べた。DINAコードにより、幾つかの代表的ディスラプションシナリオを設定した。これらのシナリオに対して、3次元有限要素法により電磁力評価を行った。その結果、電磁力は許容範囲にあることが確認されたが、そのマージンはそれほど大きくない。次に垂直位置移動現象(VDE)時や熱クエンチ時の炉内構造物への熱負荷を求めた。さらに、2次元熱伝導コードを用いてベリリウム第一壁及びタングステンダイバータバッフルの浸食量を求めた。この結果、VDE発生時の浸食量は小さく、熱クエンチ時の浸食量は上方VDE発生時で約170$$mu$$m/event(Be)、下方VDE発生時で約240$$mu$$m/event(W)となり相当に大きい。ITERでは、これらVDEは移動時間に0.5秒程度を要するため、その間に大量ガス注入などの影響緩和手段を講じることが十分に期待できる。一方、中心位置ディスラプションでは、ディスラプション発生予測と緩和に失敗する確率をゼロにすることができないため、上部ベリリウム第一壁の浸食量は約(30-100)$$mu$$m/eventとなり、発生予測・緩和の失敗回数を数十回程度に抑える必要がある。

報告書

高速炉核特性に対する評価済み核データファイルのベンチマークテスト

千葉 豪; 岩井 武彦*; 沼田 一幸*; 羽様 平

JAEA-Research 2007-051, 52 Pages, 2007/07

JAEA-Research-2007-051.pdf:12.98MB

世界の最新の評価済み核データファイルJENDL-3.3, JEFF-3.1, ENDF/B-VIIの高速炉核特性に対するベンチマークテストを行った。計算の対象としたのは高速臨界集合体及び高速炉実機で得られた測定データである。その結果、ENDF/B-VIIの高速炉核特性予測精度が、その他の核データファイルと比較して良好であるという結論を得た。

報告書

ナトリウム処理技術の開発; ナトリウム化合物の固化技術に関する試験

松本 寿之; 大浦 正人*; 谷藤 康雄*

JAEA-Research 2007-049, 73 Pages, 2007/07

JAEA-Research-2007-049.pdf:40.32MB

将来国内において、ナトリウム冷却型高速炉プラントの廃止措置に伴い、大量の放射性ナトリウムの発生が予想される。しかし、既存の技術ではこれらの放射性ナトリウムを直接放射性廃棄物として処分する方法が確立していない。放射性廃棄物として処分するためには、長期保管に対して安定な固化体とすることが必要である。ナトリウムの処分方法の一つとしては、放射性ナトリウムを化学的に安定な化合物に転換処理し、さらにこれを固化した後、処分することが考えられる。これには、安全で経済的かつ廃棄物量低減に有効な方法により固化処理することが求められる。そこで、ナトリウムから転換した水酸化ナトリウムに関して、放射性廃棄物として処分可能とする固化処理方法を開発するため、非放射化での基礎試験を実施した。その結果、以下の知見を得た。固化処理法として廃液スラグ固化法を採用して、水酸化ナトリウムの温度,濃度及びスラグ固化材との混練比による固化体の強度への影響を評価した。これにより固化体の圧縮強度(目標値)を満足する水酸化ナトリウムの最大充填条件を得た。これをベースに、小規模固化体の長期保管に伴う外観,比重及び圧縮強度の経年変化、また、実規模レベルの固化体による均質性について確認し、目標を満足した固化体を得ることができた。以上のことから、ナトリウム転換後の水酸化ナトリウムの固化処理方法として廃液スラグ固化法が有効である見通しを得た。

報告書

幌延深地層研究計画 平成19年度調査研究計画

松井 裕哉; 中山 雅; 真田 祐幸; 山口 雄大

JAEA-Research 2007-048, 36 Pages, 2007/07

JAEA-Research-2007-048.pdf:13.4MB

本計画は、独立行政法人日本原子力研究開発機構が堆積岩を対象に北海道幌延町で実施しているものである。本計画は、調査研究の開始から調査研究の終了まで20年程度の計画とし、「地上からの調査研究段階(第1段階)」,「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)」,「地下施設での調査研究段階(第3段階)」の3つの段階に分けて実施することとしており、平成19年度は第2段階の3年目にあたる。平成19年度は、地層科学研究として、地質環境調査技術開発,地質環境モニタリング技術開発,深地層における工学的技術の基礎の開発及び地質環境の長期安定性に関する研究を、地層処分研究開発として、処分技術の信頼性向上及び安全評価手法の高度化についての調査研究を継続する。また、地下施設の建設については、換気立坑と東立坑の掘削を継続するとともに、先行ボーリング調査を実施する。地上施設については、平成18年度に引き続き、PR施設の建設工事及び展示物の製作を行い、平成19年5月末に竣工、夏頃に開館する予定である。また、国際交流施設については、実施設計を行う。

報告書

SIMMER-III/IVのための多ノード集合体管壁モデルの開発

山野 秀将; 近藤 哲平*; 菅谷 正昭*; 神山 健司

JAEA-Research 2007-054, 89 Pages, 2007/06

JAEA-Research-2007-054.pdf:2.57MB

SIMMER-IIIコード及びその3次元版SIMMER-IVは、液体金属冷却高速炉の炉心損傷事故の影響を評価するために開発されてきた。本研究では、同コードを構成する構造材場モデルの集合体管壁モデルの管壁内部を従来の2ノードから多ノード化に拡張した。開発したモデルは手動でノード数を与えることもできるが、自動的にノード数を割り当てるようにモデル化された。本モデルは核加熱や軸方向熱伝達に対しても対応できる。本モデルは基礎的な検証問題でモデルの妥当性を確認した。本モデルによって、従来モデルの限界が解消され、高速炉の安全解析の信頼性及び精度が向上するともに、再臨界排除概念設計研究に対する寄与が期待される。

報告書

幌延深地層研究計画における立坑掘削時の計測計画及び情報化施工プログラム

森岡 宏之; 山口 雄大; 舟木 泰智; 尾留川 剛

JAEA-Research 2007-050, 60 Pages, 2007/06

JAEA-Research-2007-050.pdf:5.29MB

本報告書は、幌延深地層研究計画における地下施設(立坑)の本格的な建設に先立ち、事前設計に基づく立坑掘削時の計測計画及び計測データを当該切羽や後続施工箇所の設計・施工にフィードバックするための情報化施工プログラムについて取りまとめたものである。ここで示す計測計画は、安全かつ合理的な坑道建設のための計測,坑道の設計・施工技術の高度化に向けた研究開発のための計測及び地層科学研究の一環として地質環境モデルの検証のために坑道内で実施する計測を対象とした。このうち、工学技術の基礎の開発の一環として実施する坑道の設計・施工技術の高度化に向けた研究開発のための計測については、現状の研究計画のアウトラインについても記述し、研究上の計測の位置づけを明確に示した。併せて、地下施設建設時の工事請負会社に対する設計・施工監理計画についても記述した。

報告書

核燃料施設の事故影響評価手法に関する調査,1

吉田 一雄; 阿部 仁; 山根 祐一; 田代 信介; 村松 健

JAEA-Research 2007-047, 70 Pages, 2007/06

JAEA-Research-2007-047.pdf:5.63MB

日本原子力研究開発機構では、核燃料施設の確率論的安全評価(PSA)手法整備の一環として、社団法人日本原子力学会に委託し「核燃料施設の事故影響評価手法に関する調査」を実施した。本調査は、核燃料施設(主として再処理施設及び燃料加工施設)でのPSA適用に向けた課題を検討し、これにより、定量的性能目標の策定,リスク情報を活用した安全管理/規制(RIR)の参考となる情報を得るとともに、関係者間での共通認識の醸成に資することを目的としている。調査にあたっては、日本原子力学会が「核燃料施設事故影響評価手法」調査専門委員会を組織し、核燃料施設において想定される主要な異常事象(臨界,火災,爆発等)において放出される放射性物質の環境への上限的な影響を評価するための手法を中心に調査を実施した。本報告書は、日本原子力学会「核燃料施設事故影響評価手法」調査専門委員会が、平成18年度に実施した調査の結果をまとめたものである。

報告書

Na冷却小型炉のシステム設計研究; 経済性追求型炉の検討(共同研究)

相澤 康介; 近澤 佳隆; 臼井 伸一; 此村 守; 安藤 将人*

JAEA-Research 2007-042, 105 Pages, 2007/06

JAEA-Research-2007-042.pdf:3.64MB

実用化戦略調査研究の一環として、小型炉の多様な特徴を活かしたナトリウム冷却炉の概念設計を実施している。本報告書では、基幹電源に匹敵する経済性を追及するために、スケールメリットの観点から発電出力を300MWeまで増大させ、プラント寿命中の燃料交換回数の削減及び炉心のコンパクト化のため金属燃料を採用し、また物量の大幅な削減を狙い主冷却系を1ループとした経済性追求型ナトリウム冷却小型炉の検討を行った。主冷却系を1ループ化したことによる課題を整理し、最も厳しくなる事故事象と評価された1次系配管大規模破損に対して過渡解析を実施した結果、原子炉スクラムなしでも炉心健全性が確保できる可能性を示した。崩壊熱除去系の過渡解析を実施した結果、崩壊熱除去系の成立が厳しくなると想定した全ケースにおいて、原子炉スクラム後の炉心健全性が確保できる可能性を示した。

報告書

CABRI炉内試験等の知見を反映した「もんじゅ」ULOF事象解析

佐藤 一憲; 飛田 吉春; 鈴木 徹; 川田 賢一; 深野 義隆; 藤田 哲史; 神山 健司; 野中 信之; 石川 眞; 宇佐美 晋

JAEA-Research 2007-055, 84 Pages, 2007/05

JAEA-Research-2007-055.pdf:16.66MB

高速原型炉「もんじゅ」の当初安全審査では、「技術的には起こるとは考えられない事象」の一つである「1次冷却材流量減少時反応度抑制機能喪失事象(ULOF: Unprotected Loss of Flow)」の評価を行い、発生する機械的エネルギーが大気圧までの等エントロピー膨張ポテンシャルで約380MJになるとの結論を得ていた。一方、「もんじゅ」は平成7年の2次系ナトリウム漏洩事故以来、10年以上の間プラント停止状態が続いており、この停止期間の間に核分裂性プルトニウムの一部が壊変によりアメリシウムに変わることによって、炉心の反応度特性が変化している。本研究はプルトニウム組成の変化による反応度特性の変化が発生エネルギーに与える影響を評価する目的で、ULOF事象の事象推移解析を行ったものである。ULOF事象推移解析においては、原安全審査以後に行われた安全研究によって得られた新たな知見を反映した解析を行った結果、反応度特性の変化を考慮しても、原申請における解析から得られた機械的エネルギー放出値を超えることはないとの結論を得た。

報告書

地盤統計学的手法を用いた地質環境モデル構築手法に関する研究(共同研究)

本多 眞*; 鈴木 誠*; 桜井 英行*; 岩佐 健吾*; 松井 裕哉

JAEA-Research 2007-028, 91 Pages, 2007/04

JAEA-Research-2007-028.pdf:17.93MB

本研究は、幌延深地層研究計画における「地上からの調査研究段階(第1段階)」で取得される調査データを利用して、堆積軟岩を対象として、地盤統計手法を利用した地質環境モデルの構築手法の確立と情報量とモデルの信頼度の関係を客観的に評価する技術の開発を目的として、平成15年度より実施してきたものである。本報告書は3年目の平成17年度に実施した研究内容を報告するものである。平成17年度では具体的に、2年目までの検討で用いた調査データに加えて、平成16年度に実施されたボーリング調査(HDB-9, 10, 11孔)のデータを用いて、1, 2年目と同様の水理地質環境モデルの構築を実施した。そして調査のステップに応じたデータ及びモデルの更新を実施し、データ量とモデルの信頼度の関係について検討した。また地下水水質モデルでは、溶存成分ごとに比抵抗値との相関関係をもとにモデルを構築し、その特徴を明らかにした。

報告書

拡散計算コードによるHTTRの炉心温度係数算出手法の改良; SRACを用いた温度係数の算出

後藤 実; 高松 邦吉

JAEA-Research 2007-046, 28 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-046.pdf:15.1MB

動特性計算に用いる炉心の温度係数を、拡散計算コードによるHTTRの炉心計算結果を用い、精度よく計算する手法を検討した。具体的には、炉心の中性子スペクトルをより正確に群定数の作成に反映するために、従来の燃料棒格子モデルに代わり、燃料ブロック格子モデルを格子計算に用いた。燃料ブロック格子モデルを用いた格子計算により群定数を作成し、それを用いた拡散計算コードによるHTTRの炉心計算を行った。その結果から炉心の温度係数を算出し、それをHTTRの動特性計算に用いた。動特性計算の結果は、試験結果に対して良い一致を得ており、動特性計算に用いる炉心の温度係数を高い精度で算出できることを確認した。

報告書

幌延深地層研究計画における地上からの調査研究段階(第1段階)研究成果報告書; 分冊「地層処分研究開発」

藤田 朝雄; 谷口 直樹; 松井 裕哉; 棚井 憲治; 西村 繭果; 小林 保之; 平本 正行; 前川 恵輔; 澤田 淳; 牧野 仁史; et al.

JAEA-Research 2007-045, 140 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-045-1.pdf:38.33MB
JAEA-Research-2007-045-2.pdf:44.62MB

本報告書では、堆積岩で塩水系地下水を対象とした幌延深地層研究計画において段階的に得られる地質環境条件を一つの適用例として、第1段階である地上からの調査で得られた情報をもとに処分場の設計技術や性能評価技術それぞれの適用性について論じるとともに、必要に応じて実施した技術の改良や代替技術の開発状況を取りまとめた。処分技術の信頼性向上では、最新の知見を踏まえ第2次取りまとめにおいて示された処分場全体設計フローの更新や人工バリアなどの設計手法の詳細化、並びに設計における地質環境条件の一般的な留意点や設計入力データ項目について整理を行った。また、これらを踏まえ、幌延の地質環境条件を一例とした場合の施設設計,人工バリア設計及び閉鎖設計を通じて第2次取りまとめで採用された設計手法が適用可能であることがわかった。安全評価手法の高度化については、第2次取りまとめにおいて示された安全評価手法を実際の地質環境に適用するために必要な具体的な作業をフローとして構築した。これに基づき、幌延の地質環境条件を一例として物質移行解析を行い、これらの検討を通じて第2次取りまとめの手法を堆積岩地域に適用した場合の調査から解析・評価に至る一連の方法論及び、その過程で得られるノウハウや知見,調査や解析上の留意点を整理した。

報告書

幌延深地層研究計画における地上からの調査研究段階(第1段階)研究成果報告書; 分冊「深地層の科学的研究」

太田 久仁雄; 阿部 寛信; 山口 雄大; 國丸 貴紀; 石井 英一; 操上 広志; 戸村 豪治; 柴野 一則; 濱 克宏; 松井 裕哉; et al.

JAEA-Research 2007-044, 434 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-044.pdf:54.58MB
JAEA-Research-2007-044(errata).pdf:0.08MB

幌延深地層研究計画は、北海道幌延町で進めている堆積岩を対象とした深地層の研究施設であり、第1段階「地上からの調査研究段階」,第2段階「坑道掘削時の調査研究段階」,第3段階「地下施設での調査研究段階」の3段階で20年程度かけて進めているプロジェクトである。本計画では、「深地層の科学的研究」と「地層処分研究開発」の二つの分野の研究開発を進めている。本報告書は、深地層の科学的研究について、第1段階における調査研究の成果を取りまとめたものである。本報告書では、「研究所設置場所の選定プロセス」,「研究所設置地区及びその周辺における調査研究」,「深地層における工学技術の基礎の開発」、及び「地下施設建設に伴う周辺環境への影響調査」に関する具体的な調査内容と結果を示し、第1段階における調査研究の目標に対する達成度を評価するとともに、今後の課題を明らかにした。また、本報告書でまとめた成果は、地層処分技術の知識基盤として整備されるばかりでなく、処分事業と安全規制の両面を支える技術基盤の強化を図っていくうえで、有効に活用されるものである。

報告書

超深地層研究所計画における地表からの調査予測研究段階(第1段階)研究成果報告書

三枝 博光; 瀬野 康弘; 中間 茂雄; 鶴田 忠彦; 岩月 輝希; 天野 健治; 竹内 竜史; 松岡 稔幸; 尾上 博則; 水野 崇; et al.

JAEA-Research 2007-043, 337 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-043.pdf:28.14MB

本報告書は、結晶質岩を対象として、日本原子力研究開発機構が岐阜県瑞浪市で進めている深地層の研究施設計画である超深地層研究所計画における第1段階(地表からの調査予測研究段階)の調査研究成果をまとめたものである。この報告書では、第1段階の目標に対して調査研究の成果を適切に取りまとめるとともに、課題を抽出・整理し、第2段階(研究坑道の掘削を伴う研究段階)以降の調査研究の必要性について言及した。具体的には、結晶質岩(硬岩)を対象とした調査・評価のための方法論を示すとともに、重要な調査技術や解析技術を整備した。また、処分事業の基盤技術となる技術的知見やノウハウなどを整理した。さらに、第1段階において残された課題を整理し、第2段階以降の調査研究の必要性を明確化した。ここで取りまとめる成果は、地層処分技術の知識基盤として整備されるばかりでなく、処分事業並びに安全規制の両面を支える技術基盤の強化を図っていくうえで、有効に活用されるものである。

報告書

非火山地域における地温の特徴

山川 正; 武田 聖司; 木村 英雄; 兵頭 浩*

JAEA-Research 2007-040, 21 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-040.pdf:2.95MB

放射性廃棄物の地層処分では、人間社会への核種移行を評価することが安全性を評価するうえで重要である。本研究では日本列島における第四紀火山地域以外の地域(非火山地域)の変動の一つとして地温を取り上げ、その空間的な特徴を調査した。比較的データの豊富な第四紀火山地域の火山影響範囲の特定とその地温特徴を確認後、日本列島全域より第四紀火山地域を除外し、非火山地域での地温特徴の空間分布を整理した。その結果、第四紀火山地域の火山影響範囲は火山中心より約24kmまでと判断でき、それ以遠の地域、すなわち非火山地域における温泉の泉温と深度の関係が明らかとなった。これよると、非火山地域の一般的な地温勾配は約16$$^{circ}$$C/kmであり、従来の非火山地域における平均的な地温勾配といわれる20$$^{circ}$$C/kmより有意に低い値を示した。地温勾配の頻度分布から判断すると、日本列島の地温勾配異常域は10地域に限られ、これらの地域を別にすると、地温勾配に含まれる標準偏差は温度の不確実性を内包することがわかる。

報告書

地理情報システムによる広域地下水流動範囲の設定方法に関する検討(受託研究)

山川 正; 宗像 雅広; 木村 英雄; 兵頭 浩*

JAEA-Research 2007-039, 26 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-039.pdf:4.68MB

放射性廃棄物の地層処分では、人間社会への核種移行を評価することが安全性を評価するうえで重要である。本研究では既往データを利用して、広域地下水流動の及ぶ範囲いわゆる広域地下水流動範囲を設定する方法について検討することを目的とした。対象地区は、広域地下水流動に及ぼす複雑な要因の少ない阿武隈山地都路地区を選定した。地理情報システムを利用して、おもに地表関連データから推定できる広域地下水流動範囲の設定を行った。その結果、都路村水盆における広域地下水流動範囲は、従来それを取り囲む尾根によって境されるとされてきたが、ポテンシャル流や断裂の存在を考慮すると、大滝根山及び常葉町水盆北部を含む地域に拡張されると理解すべきであることがわかった。

報告書

大量ナトリウムの安定化処理に関する技術開発; ナトリウム転換の手法と基礎特性

松本 寿之; 吉田 英一; 鈴木 重哲*; 安 智久*

JAEA-Research 2007-038, 32 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-038.pdf:5.06MB

ナトリウムを冷却材とする高速炉プラントの廃止措置やウランなどの放射性核種を微量に含むナトリウムを使用した試験施設を解体する際に、放射性物質として取り扱うべき大量のナトリウムが発生すると考えられる。このようなナトリウムを放射性廃棄物として直接処分する技術・方法は、国内においてまだ確立していない。そのため、経済性や安全性等を考慮した処分技術の検討・評価を行うことを目的に基礎的な試験研究を実施した。これまでに海外で先行例のある、ナトリウム-水反応によりナトリウムを水酸化ナトリウムに転換する手法を対象に、ナトリウム転換基礎試験装置を用いて試験を実施した。本試験では、液体ナトリウムを水酸化ナトリウム溶液中に注入し水酸化ナトリウムに転換する際の、水酸化ナトリウム溶液の濃度・温度,アトマイジングガス流量の影響を把握した。注入ナトリウム温度200$$^{circ}$$C,注入流速10kg/hを一定とし、アトマイジングガス流量60$$sim$$100NL/min,水酸化ナトリウム温度70$$sim$$100$$^{circ}$$C,水酸化ナトリウム濃度40$$sim$$60wt%の範囲で、ナトリウム転換処理に与える影響を評価した。

報告書

A Study on timing of rapid depressurization action during PWR vessel bottom break LOCA with HPI failure and AIS-gas inflow, ROSA-V/LSTF test SB-PV-06

鈴木 光弘; 竹田 武司; 浅香 英明; 中村 秀夫

JAEA-Research 2007-037, 150 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-037.pdf:7.55MB

ROSA-V計画で、PWR小破断冷却材喪失事故を模擬したLSTF実験(SB-PV-06)を実施し、以前に行った実験との比較により、高圧注入系の不作動と蓄圧注入系からの非凝縮性ガス流入を想定した場合に、アクシデントマネジメント(AM)策の1つである2次系急減圧操作の実施時期が炉心冷却に及ぼす影響を調べた。破断口は原子炉容器底部の計装管10本破断を模擬したが、これはコールドレグ0.2%破断に相当する。次の点が明らかになった。(1)急減圧操作は炉容器水位が1次系配管以下に低下した時点(4545s)で開始したが、流入ガスにより減圧が阻害され、低圧注入系作動以前に全炉心露出に至った。(2)急減圧開始の代替方策として、蒸気発生器出口プレナムの水位低下検出(2330s)によると、炉心露出は限定されるため、より有効なAM策の指標になると予測される。本報告書は、本実験結果とこれらの急減圧操作開始時期の効果をまとめたものである。

報告書

幌延深地層研究計画における地下水流動解析; 平成17年度までの調査結果を踏まえた再解析

操上 広志

JAEA-Research 2007-036, 39 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-036.pdf:13.39MB

日本原子力研究開発機構幌延深地層研究センターでは、地層科学研究の一環として岩盤の水理に関する調査研究・モデル構築を実施している。岩盤の水理モデルは、調査の進展とともに更新し、その不確実性の低減を目指している。本報告書は、平成17年度までの調査結果を踏まえて既存の岩盤の水理モデルを更新し、地下水流動解析を実施したものである。声問層,稚内層の透水係数のデータが増え、それに伴ってそれらの地層の透水係数の深度依存性の見直しを行い、また、大曲断層の透水係数についても再検討を行った。更新された透水係数データをもとにまず感度解析を実施し、その後感度解析を踏まえた最適化を試みた。今回のモデルでは、前モデルよりも実測の全水頭分布をよりよく表現できたと言えるが、HDB-4孔,7孔などの浅い箇所やHDB-10孔での低い水圧,HDB-1孔,11孔の深部での高い水圧などを表現できなかった。今後、支配方程式などの条件の見直しも考慮しつつ精度の高いモデル化を進めていく予定である。

報告書

ローカルスケールの地下水流動解析; サイトスケールにおけるステップ4の地下水流動解析の境界条件の設定

尾上 博則; 三枝 博光; 大山 卓也

JAEA-Research 2007-035, 63 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-035.pdf:20.36MB

日本原子力研究開発機構が、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発の1つである深地層の科学的研究の一環として、東濃地域を事例として進めている広域地下水流動研究並びに超深地層研究所計画では、空間スケールに応じた地質環境の体系的な調査・解析・評価技術の整備を主な目標としている。本検討では、超深地層研究所計画の第1段階におけるステップ4の調査結果に基づいたサイトスケールでの地下水流動解析のための境界条件の設定を目的として、サイトスケールを包含する領域であるローカルスケールを対象とした水理地質構造のモデル化及び地下水流動解析を実施した。その結果、ステップ3からステップ4への調査の進展に伴いローカルスケールの水理地質構造モデル及びサイトスケールの境界条件の不確実性の低減が確認されるとともに、サイトスケールを対象としたステップ4の地下水流動解析を実施する際の境界条件となる全水頭分布を算出することができた。

報告書

繰り返しアプローチに基づくサイトスケールの水理地質構造のモデル化・地下水流動解析,ステップ4

尾上 博則; 三枝 博光; 大山 卓也; 遠藤 令誕*

JAEA-Research 2007-034, 106 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-034.pdf:32.86MB

日本原子力研究開発機構が、岐阜県東濃地域において実施している超深地層研究所計画では、結晶質岩を対象とした深部地質環境の調査・解析・評価技術の基盤の整備を目標の一つとして設定している。この目標を達成するため、深部地質環境を対象とした調査から評価に至る一連のプロセスを繰り返すアプローチに基づいて調査研究を実施している。本研究では、超深地層研究所計画の地下水流動特性評価に関する調査研究の一環として、繰り返しアプローチに基づき第1段階のステップ4を対象とした水理地質構造モデルの構築・更新及びそれに基づく地下水流動解析を実施した。その結果、第1段階における各ステップの進展に伴う水理地質構造モデルの不確実性の低減が確認されるとともに、その不確実性を効率的に低減させるための技術的知見をとりまとめた。また、第2段階以降の主な課題としては、研究坑道の建設に伴う地下水流動場の変化を捉えるためのモニタリングの実施や、本研究で構築した第1段階におけるサイトスケールの水理地質構造モデルの妥当性の確認及び更新が挙げられた。

報告書

Development of ACROSS (Accurately Controlled, Routinely Operated, Signal System) to realize constant monitoring the invisible Earth's interiors by means of stationary coherent elastic and electromagnetic waves

熊澤 峰夫; 國友 孝洋; 中島 崇裕; 鶴我 佳代子*; 羽佐田 葉子*; 長尾 大道*; 松本 裕史*; 笠原 順三*; 藤井 直之; 茂田 直孝

JAEA-Research 2007-033, 155 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-033.pdf:11.04MB

本件は、アクロス(Accurately Controlled, Routinely Operated, Signal System)と呼ばれる新しい地下探査技術の開発に関する成果報告書である。アクロス研究は、1996年6月から2006年3月まで、陸域地下構造フロンティア研究プロジェクトとして、東濃地科学センターが主体となって行ってきた。アクロスは、地下の構造と物理的な状態とを探査あるいは監視するために考案された理論体系に基づいて、それを実現するためのさまざまな要素技術を一つの技術体系として統合したものである。本報告書では、東濃鉱山のテストサイトで行われたさまざまな研究を中心に紹介する。また、10年間に及ぶ開発成果を応用して、幌延深地層研究センターで地下の時間変化を捉えようとする「遠隔監視システムの開発」や静岡県における東海地震の想定震源域の常時監視研究などが進められている。アクロスの技術としての熟成は、日進月歩で進んでおり、地下の研究に加えて、建造物などのヘルスモニタリングへの適用なども開始されてきている。

報告書

Fundamental study on flow characteristics of disrupted core pool at a low energy level (Joint research)

守田 幸路*; Liu, P.*; 松元 達也*; 福田 研二*; 飛田 吉春; 佐藤 一憲

JAEA-Research 2007-032, 47 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-032.pdf:4.04MB

液体金属高速炉の低エネルギー損傷炉心における炉心物質の流動性をモデル化するため、液体プール中における固体粒子層の圧力過渡に対する運動挙動について研究を行った。圧力源として加圧窒素を用い、初期圧力,固体粒子層高さ,固体粒子タイプをパラメータとした一連の実験とともに、高速炉安全解析コードSIMMER-IIIを用いた数値シミュレーションを実施した。SIMMER-IIIコードを用いた実験解析の結果は、本コードの物理モデルや手法が実験で観察された固相の割合が高い多相流の過渡挙動を適切に表現できることを示した。多相流における固体粒子相の過渡挙動を取り扱ううえで重要なSIMMER-IIIのモデルの妥当性についても議論した。

報告書

硝酸溶液中のステンレス鋼の腐食に及ぼすネプツニウムイオンの影響

本岡 隆文; 石川 明義; 沼田 正美; 遠藤 慎也; 糸永 文雄; 木内 清; 木崎 實

JAEA-Research 2007-031, 20 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-031.pdf:2.0MB

硝酸溶液中のステンレス鋼の腐食に及ぼすネプツニウムイオンの影響を腐食試験により評価した。9規定硝酸溶液にネプツニウムイオンを含有する試験液を用いて、SUS304L鋼の試験材を浸漬及び伝熱条件で腐食試験を実施した。その結果、ネプツニウムイオンによりステンレス鋼の腐食が促進されることを見いだした。この知見は、再処理プロセスにおける材料の検討に資されると期待される。

報告書

ウラン廃棄物の余裕深度処分概念の検討,3

辻村 誠一; 船橋 英之; 石橋 純*; 高瀬 敏郎*; 黒沢 満*

JAEA-Research 2007-030, 105 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-030.pdf:7.72MB

ウラン廃棄物は、その主要核種が長半減期のウランであり、また、廃棄体からの放射線の影響をほとんど考慮しなくて良いという特徴を持っている。これまで、このような特徴を考慮に入れて、合理的な余裕深度処分についての検討を実施しており、その中で合理的な余裕深度処分システムの成立性が示唆された。しかし、この検討は特定の環境を想定した限定的なサイト条件評価である。そこで本研究では、核種移行に関するパラメータの不確実性を考慮した解析を実施し、被ばく線量とパラメータの相関関係について検討した。その結果、被ばく線量と大きな相関関係にあるパラメータは「施設近傍の地下水流速」及び「天然バリアにおけるウランの分配係数」であることがわかった。

報告書

表層での水理・物質移行を考慮した生物圏における評価に関する検討

稲垣 学; 加藤 智子; 吉田 英爾*; 小山田 潔*; 深谷 友紀子*; 鈴木 祐二*; 大井 貴夫

JAEA-Research 2007-029, 81 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-029.pdf:10.88MB

高レベル放射性廃棄物地層処分の性能評価では、処分事業が立地の段階を迎えている。そのためこれまでのジェネリックな地質環境での評価から得られた成果の実地層への適用性の検討が第2次取りまとめ以降進められている。生物圏評価においても、被ばく経路の特定や環境中の核種濃度の推定方法に対して、具体的な地質環境の反映が必要となる。本研究では、特定された地質環境において生物圏における核種の挙動評価と被ばく経路を特定するための検討を進める端緒として、(1)生物圏における諸外国の評価に関する文献調査,(2)地下深部から地下水により運ばれる放射性核種の利水環境への放出地点の推定手法の検討,(3)利水環境での核種の希釈・分散効果を評価するための水収支の推定に必要となるデータの検討、を実施した。

報告書

腐食性ガスを用いない方法による塩化ガドリニウムの調製

柴田 裕樹; 林 博和; 湊 和生

JAEA-Research 2007-027, 17 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-027.pdf:1.4MB

高純度なマイナーアクチノイド(MA)塩化物調製への適用を目指して、塩素,塩化水素などの腐食性ガスを用いずに酸化物から塩化物を調製する方法を検討した。また、MAの模擬物質としてガドリニウムを用いたコールド試験により、調製条件の最適化を実施した。濃塩酸に酸化ガドリニウム(Gd$$_2$$O$$_3$$)と塩化アンモニウム(NH$$_4$$Cl)を溶かし、窒素気流中で加熱することで無水の複塩((NH$$_4$$)$$_2$$GdCl$$_5$$)を得ることができた。さらに、得られた無水複塩を真空下350$$^{circ}$$Cで加熱することで複塩を含まない高純度な三塩化ガドリニウム(GdCl$$_3$$)を得た。

報告書

JMTR照射イナートマトリクス窒化物燃料の照射後試験

岩井 孝; 中島 邦久; 菊地 啓修; 本田 順一; 畠山 祐一; 小野 勝人; 松井 寛樹; 荒井 康夫

JAEA-Research 2007-026, 75 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-026.pdf:13.6MB

マイナーアクチノイドをプルトニウムで模擬し、ZrN及びTiNを母材としたイナートマトリクス窒化物ペレットを燃料ピンに封入したうえで、01F-51Aキャプセルに組み込み、JMTRで照射した。(Zr,Pu)N及び(TiN,PuN)ペレットの平均線出力及び燃焼度は、それぞれ、408W/cm, 約30000MWd/t(Zr+Pu)(約132000MWd/t-Pu)並びに355W/cm, 約38000MWd/t(Ti+Pu)(約153000MWd/t-Pu)に達した。照射キャプセルを燃料試験施設に搬入して、非破壊及び破壊試験を実施した。照射後の燃料ピンに有害な欠陥はなく、健全性が確認された。FPガス放出率は約1.6%と極めて低い値であった。ステンレス鋼被覆管内面に有意な腐食は観察されなかった。

報告書

加速器駆動炉の出力分布平坦化のための核設計

岩永 宏平; 西原 健司; 辻本 和文; 倉田 有司; 大井川 宏之

JAEA-Research 2007-025, 42 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-025.pdf:3.37MB

マイナーアクチニド(MA)核変換による高レベル放射性廃棄物の処理・処分の負担軽減を目的として、日本原子力研究開発機構では加速器駆動システム(ADS)の研究開発を行っている。ADSは炉心中心で大強度の陽子加速器による核破砕中性子の供給を受けているため、炉心中心部分に高い出力ピークを持つ。このことは、燃料被覆管表面の最高温度が高くなる要因となるため、高温における腐食性の高い鉛ビスマス溶融金属(LBE)冷却材を使用する際の課題となっている。本研究では、出力ピーク低減を目的とした幾つかの炉心設計手法を検討し、それぞれの被覆管温度低減効果とビーム電流に対する影響を示した。手法として、燃料希釈材割合のサイクルごとの調整,燃料希釈材含有量,プルトニウム富化度、又はピン径の調整による炉心多領域化,ビーム入射位置の変更、そして、中央燃料集合体の短尺化を検討した。その結果、燃料希釈材割合のサイクルごとの調整と希釈材含有量又はピン径についての多領域化を組合せることで、被覆管表面最高温度を従来設計に比べて最大110$$^{circ}$$C低減可能であることなどを示した。

報告書

花崗岩質岩石のマトリクスにおける拡散深さに関する研究

栃木 善克; 甲川 憲隆*; 向井 悟*; 神徳 敬*; 笹本 広; 柴田 雅博; 油井 三和

JAEA-Research 2007-024, 27 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-024.pdf:1.83MB

高レベル放射性廃棄物地層処分の安全評価において、母岩中の放射性核種の拡散挙動を理解することは、核種の遅延効果を評価するうえで重要である。本研究では、複数種類の拡散深さを想定した花崗岩質岩石のサンプルを用いて非収着性イオンの非定常拡散試験を行い、マトリクス拡散深さを実験的に評価した。試験の結果、花崗岩質岩石中の未変質部において非収着性イオンが少なくとも200mm程度の深さまで拡散し得ることを確認するとともに、試料の長さに依存しない、ほぼ一定の拡散係数が得られることがわかった。このことから、核種は花崗岩質岩石のマトリクス部を数100mmの深さまで拡散する可能性があることが示唆された。

報告書

処分システムに求められる閉鎖性能の考え方; 処分場パネル規模の水理に関する試解析

杉田 裕*; 高橋 美昭*; 浦上 学*; 北山 一美*; 藤田 朝雄; 油井 三和

JAEA-Research 2007-023, 70 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-023.pdf:26.16MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分における安全評価においては、処分場の閉鎖性能が極めて重要である。原子力発電環境整備機構と日本原子力研究開発機構は、地層処分システムに求められる閉鎖性能の考え方を示し、そこで示される坑道の埋め戻し材や粘土プラグ等の閉鎖要素の設計要件を明らかにするとともに今後の技術開発等の方向性を導出することを目的に、協力協定に基づき、共同で検討していくための場として2004年度から「処分場の閉鎖技術に関する検討会」を設置した。2005年度である本件等は、初年度に坑道交差部を対象として得られた知見をもとに、水理解析の対象を坑道交差部から処分場パネル規模へと拡張を行った。処分場パネル規模での水理解析では、処分パネルを構成する35本の処分坑道をモデル化する必要があり、モデルの構造が複雑になることから、坑道周囲に対して等価透水係数の考え方を適用した。解析では、粘土プラグの設置位置、埋め戻し材の透水係数、処分坑道の透水係数、動水勾配の方向をパラメータとした。その結果、処分坑道の流量は、動水勾配の方向、処分坑道への粘土プラグの設置の有無、主要坑道の透水係数の大きさが影響することがわかった。

報告書

低酸素濃度環境における純銅の腐食挙動に及ぼす硫化物の影響と銅オーバーパック寿命の超長期化の可能性

谷口 直樹; 川崎 学*; 内藤 守正

JAEA-Research 2007-022, 64 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-022.pdf:11.4MB

銅は一般的に、低酸素濃度条件では熱力学的に安定であり、水の還元反応をカソード反応とした腐食を起こさない。しかし、硫化物が存在する環境ではこの性質が失われて腐食することが知られており、銅をオーバーパックとして使用する場合には硫化物による腐食挙動への影響を把握する必要がある。本研究では、硫化ナトリウムを含む人工海水中において純銅の浸漬試験及び応力腐食割れ試験を実施するとともに、銅オーバーパックの超寿命化の可能性を検討した。その結果は以下のようにまとめられる。(1)低酸素濃度条件において緩衝材中における浸漬期間2年間までの浸漬試験を行った結果、硫化ナトリウム濃度の高い条件ほど腐食速度は大きくなった。硫化ナトリウム濃度0.001Mでは0.55$$mu$$m/y、0.005Mで2.2$$mu$$m/y、0.1Mでは15$$mu$$m/yと推定された。(2)銅試験片表面には黒色$$sim$$黒灰色の皮膜が形成されており、X線回折によりCu$$_{2}$$S(Chalcocite)が同定された。(3)低歪速度試験による応力腐食割れ試験の結果、硫化ナトリウム濃度が0.001Mではほとんど割れ感受性を示さなかったが、0.005M以上の濃度条件では明瞭な亀裂が観察された。(4)浸漬試験及び応力腐食割れ試験結果から、処分環境において硫化物濃度が0.001M以下であれば腐食速度は非常に小さく、かつ応力腐食割れを起こさないため1000年を大きく超える寿命を期待できる可能性がある。

報告書

結晶質岩における閉鎖要素に期待すべき性能要件

藤田 朝雄; 須山 泰宏*; 戸井田 克*

JAEA-Research 2007-021, 41 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-021.pdf:4.51MB

本報告書では、第2次取りまとめ以降の地層処分場の閉鎖技術に関する課題に基づいて、地下実験施設における止水プラグの原位置適用性試験結果などを踏まえ、結晶質岩における閉鎖要素に対して期待すべき性能要件及び閉鎖システムの考え方を取りまとめた。その結果、止水プラグ,強度プラグ及び粘土グラウトに関して、現状技術を組合せることにより施工が可能であり、止水プラグ周辺部での低透水性能を把握することができた。また、結晶質岩を対象に処分場で考えられる閉鎖にかかわる事象を抽出し、その事象が発生する部位,要件及びその対策について整理するとともに、これらに対して原位置試験結果から得られた知見と今後個々の閉鎖要素の設計で検討すべき課題を抽出した。さらに、そのように性能が期待できる個々の閉鎖要素を処分場レイアウト規模に適用していく閉鎖システムとしての考え方を整理し、課題を抽出した。

報告書

圧縮成型ベントナイトの透水係数に及ぼすNaNO$$_{3}$$濃度の影響

三原 守弘; 小林 一三*

JAEA-Research 2007-020, 45 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-020.pdf:10.2MB

本研究では、圧縮成型ベントナイトの乾燥密度を1.8Mg/m$$^{3}$$として通液の硝酸ナトリウムの濃度を変化させて測定し、硝酸ナトリウム濃度が透水係数に及ぼす影響について実験的に調査を行った。通液の硝酸ナトリウムの濃度が高くなるに伴い圧縮成型ベントナイトの透水係数が大きくなった。透水係数の増加は、硝酸ナトリウム濃度が0$$sim$$2mol/Lまでは著しいが、2mol/Lを超えてもほとんど変化しなかった。高塩濃度においても、処分施設内の地下水の移動を抑制するための透水係数の性能目標値10$$^{-11}$$m/sを下回った。乾燥密度を大きくすると、透水係数の絶対値が小さくなるとともに、通液の塩濃度の影響を受けにくくなる。硝酸ナトリウム水溶液の濃度がベントナイトの透水係数に及ぼす影響のうち、硝酸ナトリウム水溶液の粘性の影響は小さいことが確認された。

報告書

高速増殖原型炉もんじゅの長期保管燃料の経年的影響の考察

加藤 優子; 梅林 栄司; 沖元 豊; 奥田 英一; 高山 宏一; 小澤 隆之; 前田 誠一郎; 松崎 壮晃; 吉田 英一; 前田 宏治; et al.

JAEA-Research 2007-019, 56 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-019.pdf:6.79MB

「もんじゅ」の運転再開にあたって、今後新たに製造する燃料に加え、平成7年に実施した性能試験で燃焼を経験した燃料及び本格運転以後に使用する予定で保管されている燃料についても利用する計画である。これらの燃料については、製造後、既に10年を越えてナトリウム中(原子炉容器及び炉外燃料貯蔵槽)、あるいは大気中に保管された状態にある。これら燃料の保管中における経年的影響について燃料の機械的な健全性の確保の観点から、技術的検討・評価を行った。具体的には、これら長期保管状態にある燃料集合体について、経年的な影響を放射線による影響,環境による影響,機械的な影響等に着目して、熱,流動,構造強度,材料等の観点から、網羅的に整理して考察した。その結果、長期保管状態にある燃料集合体が有する機械的健全性は損なわれておらず、使用上での要求機能,性能を確保していることが明らかとなった。

報告書

鉄型化ベントナイト水熱試験,2; 低酸素雰囲気,150$$^{circ}$$Cにおける鉄型化ベントナイトの変化の同定

陶山 忠宏*; 柴田 雅博; 上野 健一; 笹本 広

JAEA-Research 2007-018, 31 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-018.pdf:4.79MB

雰囲気制御グローブボックス(酸素濃度1ppm以下,N$$_{2}$$雰囲気)内において、Na型ベントナイト(クニピアF)にFeCl$$_{2}$$溶液を混合することによりあらかじめ鉄型化したベントナイトを温度制御した条件(150$$^{circ}$$C)において、長期間(1年及び1年8か月(20か月))静置させ、鉄型化スメクタイトの長期挙動を把握するための実験を実施した。その結果、Fe型化したスメクタイトが溶解することにより、膨潤を妨げる物質が生成してスメクタイトに付着するものの、スメクタイトの構造(2:1型の2-八面体構造)や特性(膨潤特性及び陽イオン交換能)は維持されていたことを確認した。250$$^{circ}$$Cにおける試験で同定された非膨潤性粘土鉱物の生成は、XRD分析等では確認されなかった。

報告書

塩濃縮シミュレーションに関する研究(共同研究)

藤田 朝雄; 油井 三和; 鈴木 英明*; 藤崎 淳; 九石 正美*

JAEA-Research 2007-017, 47 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-017.pdf:9.27MB

本報告書は、財団法人産業創造研究所と日本原子力研究開発機構との共同研究「塩濃縮シミュレーションに関する研究」の成果を報告するものである。室内において塩濃縮実験を実施した結果、加熱部近傍で、Na$$_{2}$$SO$$_{4}$$やCaSO$$_{4}$$が濃縮することが確認され、この事実に基づいて塩濃縮現象のメカニズムを仮定し、モデルを作成した。次に、既存の地球化学解析コード、PHREEQCを用いて、飽和系での塩濃縮に関するシミュレーションを実施した結果、定性的な挙動の評価は可能であったが、定量的な挙動の評価のためにはさらなるモデル化の検討が必要であることがわかった。さらに、熱-水-応力-化学連成解析コードを用いた解析評価を実施した。この解析は、gypsumの濃縮に着目して実施し、その結果、濃縮現象の傾向は実験結果のそれと一致した。しかし、gypsumの緩衝材中の分布形状に関しては、一致していない部分もあり、境界条件設定の再検討や連成解析モデル/コードが有する課題検討が必要であることが明らかになった。

報告書

亀裂を有する軟岩の水理・物質移行特性データの取得・解析(委託研究)

下茂 道人*; 熊本 創*; 前川 恵輔

JAEA-Research 2007-016, 141 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-016.pdf:20.36MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分サイトの性能評価にあたっては、天然バリアを構成する岩盤中における水理・物質移行特性を適切に評価することが重要である。これまで軟岩における物質移行現象は、粒子間間隙を主な移行経路と考えてきた。しかし亀裂が発達した軟岩では、亀裂が卓越した水みちを形成する可能性がある。本研究は、亀裂を有する軟岩中における水理・物質移行特性の解明を目的とし、軟岩試料を対象とした室内試験及び解析を行った。幌延深地層研究センターの試錐孔(HDB-9$$sim$$11孔)で採取されたコア試料を対象とした室内試験(透水試験,トレーサー試験,拡散試験)を実施し、深度,地層の種類や年代,続成作用等が試験結果に与える影響を検討した。さらにブロック型の自然亀裂試料を用いた透水試験,トレーサー試験を実施し、試験規模の違いによる水理・物質移行パラメータの変化について検討した。また、実スケールの岩盤を想定した亀裂を有する軟岩中の流れと物質移行現象の概念モデルに関する数値解析的検討を行い、岩盤のモデル化手法に関する考察を行った。なお、本研究は旧核燃料サイクル開発機構の成果である。

報告書

前進的モデルを用いた不均質性堆積岩評価手法の研究,3(委託研究)

原 彰男*; 星 一良*; 加藤 新*; 前川 恵輔

JAEA-Research 2007-015, 104 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-015.pdf:25.1MB

堆積岩の不均質場の特性を実測データに基づき定量的に把握する手法を開発することは、高レベル放射性廃棄物の地層処分におけるサイト特性調査及びそれに基づく性能評価解析において重要な課題となる。本研究では、堆積岩の不均質性評価手法を開発する目的で、幌延地域の珪質泥岩を対象に、堆積過程とその後の埋没過程とを考慮した堆積モデリングソフトウェアを開発し、機能の追加と操作性の向上を図った。具体的には、二次堆積物の堆積様式の追加及び、海岸線移動の計算時に堆積盆の基盤岩の隆起・沈降の影響を考慮できる機能並びに、市販の図化ソフトウェアに適応した書式で計算結果を出力する機能を追加した。操作性の向上としては、入力データ構築支援用のGUI(Graphic User Interface)の開発を行った。改良した同ソフトウェアを用いて、幌延地域を対象としたシミュレーションを実施し、2つのリアライゼーションを示した。その結果、実ボーリング孔から離れた地域での砂質堆積物の堆積の可能性を示唆する結果が得られた。これらの結果に基づき、前進的モデリング手法の優位性及び同ソフトウェアの汎用性の検討を行った。

報告書

ENGIN-X型1次元シンチレータ中性子検出器の製作と性能試験

中村 龍也; 坂佐井 馨; 片桐 政樹; 美留町 厚; 細谷 孝明; 曽山 和彦; 佐藤 節夫*; Shooneveld, E.*; Rhodes, N.*

JAEA-Research 2007-014, 14 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-014.pdf:1.9MB

ENGIN-X型1次元シンチレータ中性子検出器を試作しその検出性能試験・評価を行った。試作した検出器は英国ラザフォードアップルトン研究所にて開発されたものでISISパルス中性子源ENGIN-X装置にて稼動しているものと同型である。試作した検出器はENGIN-X装置の1検出器モジュールであり、幅3mm,高さ196mmの中性子有感ピクセルが240チャンネル配置された構造を有する。検出器性能試験を行った結果、試作検出器が位置分解能3mm,中性子検出効率64%(中性子波長1.8${AA}$)、計数ユニフォーミティー6$$sim$$7%、$$^{60}$$Co $$gamma$$線感度$$sim$$5$$times$$10$$^{-7}$$を有することを確認し、大強度陽子加速器計画における残留応力解析や粉末回折実験装置に必要な1次元シンチレータ中性子検出器の国産化の見通しを得た。

報告書

Am含有MOX燃料におけるO/M比にかかわる挙動評価

佐藤 勇; 関 崇行*; 石 洋平; 門藤 健司; 吉持 宏; 田中 健哉

JAEA-Research 2007-013, 63 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-013.pdf:4.89MB

Am-MOX燃料は、空気中にてその重量が比較的速やかに増加する。重量増化速度は、初期O/M比に強く依存し、初期O/M比が低い方が早い。ところが、Amをほとんど含まない燃料においても同様の挙動が見られたことから、Amの影響以外にも原料粉の差も影響する挙動があり、MOXにも同様の挙動が見られる。重量変化の最中のX線回折ピークを観察したところ、有意な変化が生じており、上記の重量変化がO/M比の変化による結晶学的なものであることがわかった。O/M比変化速度は、雰囲気の水分濃度に依存している。雰囲気の水分濃度を極めて低く抑えること(例えば、1ppm以下)でO/M比変化を抑制できることを示した。格子定数のO/M比依存性に関してはAm(IV)の存在を仮定するより、Am(III)とU(V)の存在を仮定した方がO/M比=2.00付近におけるO/M比依存性をうまく説明できる可能性を示した。

報告書

硫黄添加二酸化チタン繊維の可視光触媒効果(共同研究)

武山 昭憲; 山本 春也; 吉川 正人; 長谷川 良雄*; 粟津 賢史*

JAEA-Research 2007-012, 29 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-012.pdf:3.77MB

ゾル-ゲル法によってプレカーサー繊維を作製し、それを硫化水素雰囲気で熱処理後、引き続き酸素雰囲気中で熱処理することによって、硫黄添加二酸化チタン繊維を作製した。繊維の結晶構造は二酸化チタンのアナターゼ構造であり、光触媒効果の発現に適した結晶構造であることがわかった。光学特性の評価の結果、硫黄添加二酸化チタン繊維はアナターゼ構造よりも見かけ上約0.06eV短いバンドギャップを持ち、より多くの量の可視光を吸収できることがわかった。元素分析の結果から、繊維中には硫黄原子が約0.58原子%添加されており、また二酸化チタンの酸素原子と置換した位置に添加されていることがわかった。この硫黄添加二酸化チタン繊維を用いてトリクロロエチレンの分解実験を行ったところ、可視光照射下においてトリクロロエチレン濃度の減少と二酸化炭素の発生が確認された。このことから、硫黄添加二酸化チタン繊維が可視光照射下で光触媒効果を発現可能であることがわかった。

報告書

放射線感受性の高い基底細胞を考慮した膀胱簡易モデルにおけるベータ線放出核種のエネルギー付与解析

渡部 陽子; 木名瀬 栄; 斎藤 公明

JAEA-Research 2007-011, 19 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-011.pdf:1.21MB

本報告書は、放射線診断による吸収線量が他の臓器よりも高くなる傾向にある膀胱の線量評価について述べるものである。より適切な線量評価を行うために、膀胱の放射線感受性の高い細胞である基底細胞を考慮した膀胱簡易モデルを構築し、光子,電子に対する基底細胞や膀胱壁全体の比吸収割合(SAF)をモンテカルロシミュレーションにより評価した。また、評価したSAFを用いてベータ線放出核種36核種における単位放射能あたりの標的組織の平均吸収線量(S値)を求めた。その結果、より信頼性の高い膀胱の線量評価をより正確に行ううえで、標的組織として基底細胞の深さを決定することやベータ線スペクトルなどの放射線エネルギー情報を考慮することが極めて重要であることがわかった。

報告書

地層処分における微生物影響評価に関する研究,1(共同研究)

栃木 善克; 吉川 英樹; 青木 和弘; 油井 三和; 本條 秀子*; 萩沼 真之*; 川上 泰*; 鈴木 和則*

JAEA-Research 2007-010, 51 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-010.pdf:4.82MB

本報告では、日本原子力研究開発機構及び産業創造研究所による共同研究「地層処分における微生物影響評価に関する研究」の平成17年度における成果をまとめた。同研究は、地層処分場のバリア性能に及ぼす微生物活動の影響評価技術を高度化し、処分技術の信頼性向上に資することを目的として実施した。平成17年度は、幌延深地層研究センターの調査フィールドに設けた新規の観測井を利用した地下水・岩石試料採取と化学分析、並びに微生物影響を考慮した数値解析コード(MINT)を使用して既存の観測データを用いた感度解析を実施した。前者の成果として、水質・微生物代謝活性等の分析を行い、数値解析コードに反映・活用するためのデータを取得したことが挙げられる。後者では、既存の測定データを初期値として感度解析を行い、微生物影響による地下水水質の変化や、地下水水質の変動による微生物活動への影響を評価するための結果を得ることができた。

報告書

臨界警報装置に与える宇宙線の影響に関する調査; 単一検出と宇宙線との関連

井崎 賢二; 鈴木 秀樹; 椿 裕彦; 大関 清

JAEA-Research 2007-009, 40 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-009.pdf:4.17MB

核燃料サイクル工学研究所内における約20年間の臨界警報装置の運用において、3台1組で構成される検出部のうち1台の検出器で、年に数回の頻度で「単一検出」と呼ばれる検出器出力の一過性の変動が施設の放射線レベルとは無関係に発生している。放射線管理部ではこれまでにノイズ対策を含めて単一検出の発生原因について調査・検討を行っており、今回、単一検出の発生原因として考えられる「宇宙線」の影響を調査するため、保守用(予備品)の臨界警報装置の検出器を用いて長期的な観測を行い、宇宙線検出の観点から観測データを解析した。本報告書では、観測結果及び解析結果を示すとともに、宇宙線が単一検出の発生に寄与している可能性が高いことを述べる。

報告書

SCCき裂先端における変形挙動のマルチスケール解析,2(受託研究)

加治 芳行; 三輪 幸夫; 塚田 隆; 早川 正夫*; 長島 伸夫*

JAEA-Research 2007-008, 69 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-008.pdf:25.87MB

本報告書は、IGSCCプロジェクトにおいて得られるSCCき裂進展特性の妥当性をSCCメカニズムの観点から評価するために、CT試験片き裂先端の変形解析や組織観察をナノレベルまで踏み込んで詳細に調べ、ナノ,メゾ,マクロ領域での硬さを統一強度指標として採用し、必要な基礎データ(主として、マクロな塑性域の大きさとその中での粒内・粒界における結晶方位,歪み,転位等の組織データ)を取得することを目的として実施したSCCき裂先端における変形挙動のマルチスケール解析に関する研究結果をまとめたものである。本年度は、昨年度確立した手法を用いて、さまざまな条件で発生させたIGSCC先端の塑性変形領域の状態を調べ、き裂進展挙動や応力拡大係数との関係を検討した。特に、IGSCCプロジェクトにおいてSCC進展試験を実施した、硬さの異なる2タイプの試験片に対して、詳細に検討した。

報告書

幌延堆積岩へのCs収着挙動に対するイオン交換反応に基づくモデルの適用性検討

土井 玲祐; Xia, X.*; 柴田 雅博; 北村 暁; 吉川 英樹

JAEA-Research 2007-007, 21 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-007.pdf:1.57MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分システムの性能評価に対する信頼性向上の観点から、地層処分環境下での放射性核種等の移行評価が重要である。収着は核種移行を遅延させる主要なメカニズムの一つであり、その指標として分配係数(K$$_{d}$$)が用いられる。地層処分システムの性能評価において、このK$$_{d}$$の予測が不可欠で、その予測方法の確立が必要である。本研究では、Cs収着が試料中のイライトにおけるイオン交換反応に支配されるというモデルを幌延堆積岩へのCs収着試験結果に対して適用し、このモデルの適用可能性を検討した。イライトへの収着に関してCsと競争する陽イオン(K$$^{+}$$, NH$$_{4}$$$$^{+}$$, Na$$^{+}$$)とのイオン交換反応に基づき、平衡時の液中Cs濃度をモデルに基づく計算により求めることでK$$_{d}$$を算出した。このK$$_{d}$$について実験値とモデル計算値で比較した。K$$_{d}$$のCs濃度依存性については、平衡Cs濃度が高くなるとK$$_{d}$$値が減少する実験結果をモデル計算で説明できた。しかし、K$$_{d}$$の実験値と計算値には一桁程度の差が認められた。

報告書

光学的手法を用いた亀裂開口幅測定及び亀裂内濃度分布測定手法の開発

佐藤 久; Xiao, J.; 澤田 淳

JAEA-Research 2007-006, 53 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-006.pdf:6.15MB

亀裂内の透水・物質移行特性は、亀裂内の不均質な開口幅分布に強く影響を受けることから、その影響を検討するためには、亀裂開口幅分布を詳細に測定する必要がある。開口幅測定手法には幾つかの手法があるが、光学的手法は測定解像度が高い、亀裂内のトレーサー移行を観察できる等の利点があることから、光学的手法による亀裂開口幅及び亀裂内のトレーサー濃度の測定装置を開発し、透明レプリカ試験体を対象に、開口幅測定及び亀裂内トレーサー濃度分布の測定を行った。その結果、光学的手法による亀裂開口幅測定の有効性を確認できた。また、亀裂内のトレーサー濃度分布も亀裂開口幅分布の不均質性による影響を除去した濃度分布を取得できることが確認できた。

報告書

分子動力学法による乾式再処理電解浴中の金属イオン環境シミュレーション

岡本 芳浩; 鶴岡 卓哉*; 矢板 毅; Madden, P. A.*

JAEA-Research 2007-005, 25 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-005.pdf:1.8MB

使用済核燃料の乾式再処理の中心的プロセスである溶融塩電解においては、電解浴中に金属イオンが微量溶け込んだ環境の把握が重要となる。本研究では、電解浴としてLiCl-KCl共晶塩を、研究対象塩化物として代表的な希土類元素塩化物であるLaCl$$_3$$を選び、分子動力学計算を実施した。LaCl$$_3$$は、単独塩融体の状態において最近接La$$^{3+}$$-Cl$$^-$$対の配位数がおよそ8であることが知られている。アルカリ塩化物との混合によって、LaCl$$_3$$は最近接相関距離が短くなり、また配位数を減らして、6配位八面体構造を形成して安定化していくことがわかった。これは、もともと6配位構造をとり、アルカリ塩化物との混合によってそれが安定化するだけのYCl$$_3$$系の混合挙動とは異なる。また、混合の相手がLiClとKClでは混合挙動が異なる結果が得られた。KClは6配位構造を安定化させるのに対して、LiClでは配位数は7以下にはならず6配位構造にはならないことを確認した。これは、LaCl$$_3$$とLiClではCl$$^-$$イオンの数密度にほとんど差はないため、さらに小さなLi$$^+$$イオンがLa$$^{3+}$$イオンに接近して、そのクーロン力で配位構造の形成や安定化を阻害するためと考えられる。

報告書

ニアフィールドの長期力学連成解析手法の構築

西村 繭果; 棚井 憲治; 高治 一彦*; 重野 喜政*; 下河内 隆文*

JAEA-Research 2007-004, 87 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-004.pdf:14.61MB

本稿ニアフィールドにおける力学的相互作用を評価する連成解析手法を構築した。連成解析モデルは、人工バリア,処分坑道,周辺岩盤を含む3次元解析モデルで、オーバーパックの自重沈下,腐食膨張及び岩盤クリープ挙動を考慮してニアフィールドの力学的挙動を評価する。連成解析モデルへの拡張に際して生じる問題点と新たな課題として、(1)岩盤の力学モデルをコンプライアンス可変型構成方程式として導入,(2)コンクリート支保の劣化挙動モデルの導入,(3)オーバーパックの腐食膨張模擬方法の検討,(4)岩盤内水圧挙動の影響検討、及び(5)埋め戻し材の構成モデルパラメータの設定を行い、これらの成果を反映して連成解析のプロトタイプを作成した。作成したプロトタイプによる解析を行った結果、従来の2次元モデルの解析結果と比べて、岩盤及び埋め戻し材モデルの挙動や拘束条件を適切に反映した挙動を示しており、本解析手法により、ニアフィールド全体の力学挙動を把握できることが示された。

報告書

ニアフィールド岩盤の長期力学挙動予測評価手法の信頼性向上に関する検討

平本 正行; 小林 保之; 青柳 茂男*; 宮野前 俊一*; 森田 篤*

JAEA-Research 2007-003, 54 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-003.pdf:3.67MB

ニアフィールド岩盤の長期力学挙動予測評価手法の信頼性向上に関する検討として、おもに以下の2つの内容について検討を行った。(1)では、既存の山岳トンネルの計測データをもとに、ニアフィールド岩盤の長期健全性評価を行う際の初期期間を対象としたコンプライアンス可変型構成方程式の適用性を検証した。その結果、岩盤や支保工の物性の一部について仮定した部分があるものの、内空変位や支保工軸力に関する計算値は、計測値とおおむね一致し、コンプライアンス可変型構成方程式を用いた解析手法は、ニアフィールド岩盤の長期安定性評価のみならず、トンネル掘削時の挙動を表現することにも適用可能であることがわかった。(2)では、地山の時間依存性挙動に配慮して最適な支保パターンや変形余裕量を定量的に評価した修正設計手法が現状では見あたらない中、コンプライアンス可変型構成方程式を用いた情報化施工方法を提案した。この方法は、実際の処分場建設の際にも利用することができ、初期の段階で地山の挙動に応じた支保工に修正することで、閉鎖以降の千年,万年といった長期評価の信頼性を向上させることに大きく繋がると考える。

報告書

核燃料施設の確率論的安全評価に関する調査(II)

吉田 一雄; 阿部 仁; 山根 祐一; 田代 信介; 村松 健

JAEA-Research 2007-002, 127 Pages, 2007/03

JAEA-Research-2007-002.pdf:6.64MB

日本原子力研究開発機構安全研究センターでは、核燃料施設の確率論的安全評価手法整備の一環として、社団法人日本原子力学会に委託し「核燃料施設の確率論的安全評価に関する調査」を実施した。本調査は、核燃料施設でのPSA適用に向けた課題を検討し、これにより、定量的性能目標の策定,リスク情報を活用した安全管理/規制(RIR)の参考となる情報を得るとともに、関係者間での共通認識の醸成に資することを目的としている。調査にあたっては、日本原子力学会が「核燃料施設事故影響評価手法」調査専門委員会を組織し、核燃料施設において想定される主要な放射性物質の環境への放出を伴う異常事象(臨界,火災,爆発等)の環境への上限的な影響を評価するための手法を中心に調査を実施した。本報告書は、日本原子力学会「核燃料施設事故影響評価手法」調査専門委員会が、平成17年度に実施した調査の結果をまとめたものである。

報告書

Horonobe Underground Research Laboratory Project; Investigation program for the 2006 fiscal year (Translated document)

松井 裕哉; 新里 忠史; 山口 雄大

JAEA-Research 2007-041, 40 Pages, 2007/02

JAEA-Research-2007-041.pdf:13.17MB

本計画は、独立行政法人日本原子力研究開発機構が堆積岩を対象に北海道幌延町で実施しているものである。本計画は、調査研究の開始から調査研究の終了まで20年程度の計画とし、「地上からの調査研究段階(第1段階)」,「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)」,「地下施設での調査研究段階(第3段階)」の3つの段階に分けて実施することとしており、平成18年度はその第2段階の2年目に当たる。平成18年度は、おもに北進地区にある研究所設置地区(主たる調査研究の展開場所、2$$sim$$3km四方程度)とその周辺地域において調査研究を継続する。また、地下施設の建設を継続するとともに、第2段階の調査研究を継続する。また、第1段階の研究成果の取りまとめを行い、報告書として公開する。地上施設については、平成17年度に引き続き研究管理棟及び試験棟(コア倉庫・ワークショップ棟を試験棟に名称変更)の建設工事を行い、平成18年5月に竣工予定である。また、PR施設の建設工事を行うとともに展示物の製作を開始し、国際交流施設の基本設計を行う。

報告書

切込付炉心上部機構に適合した新型燃料交換機の開発; Naベーパを含むArガス中実規模軸受試験

近澤 佳隆; 臼井 伸一; 早船 浩樹; 此村 守

JAEA-Research 2007-001, 91 Pages, 2007/02

JAEA-Research-2007-001.pdf:9.42MB

高速増殖炉サイクル実用化戦略調査研究では原子炉容器をコンパクト化する観点から切込付炉心上部機構と単回転プラグを組合せた燃料交換方式が採用されている。本研究では切込付炉心上部機構に適合した新型燃料交換機の開発を行った。この概念では、燃料交換機は切込部にアームを伸ばすことにより燃料交換を行うため、地震時に燃料交換機アームと炉心上部構造が接触することが懸念される。これまでの検討により、地震時の燃料交換機アーム部の変位量を低減するために、燃料交換機軸受部の内部すきまを低減することが有効であることがわかってきた。また、燃料交換機軸受部は原子炉容器カバーガス中に設置されるため、グリースなどの一般的な潤滑剤を使用することができず、内部すきまを低減したうえで固体潤滑等を使用した条件で軸受の耐久性(耐摩耗性)を確保する必要がある。このような背景から、平成16年度には、実機の候補となる軸受に対して、種々の潤滑条件で予備試験を実施したうえで軸受型式,潤滑仕様の選定を行った。本年度(平成17年度)は、選定した軸受型式について、実規模試験体を用いた高温Arガス(Naベーパを含む)中での耐久性試験を実施した。

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