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木村 正; 大戸 勤; 宮内 優; 根本 宣昭; 飛田 健治; 深作 秋富; 高橋 邦裕
JAEA-Review 2010-001, 27 Pages, 2010/03
2007年度から開始したJMTR原子炉施設の改修工事に先立ち、JMTR再稼働後も長期的に使用するUCL高架水槽の健全性を評価するため、基礎部について経年劣化の著しい位置を選定して調査を実施した。健全性調査では、基礎ボルトについては劣化の進行している箇所があること、ベースプレート,胴部側板については一部減肉が見られるものの、溶接接合部には特に異常がないことを確認した。その後、調査結果をもとにUCL高架水槽全体について、美観及び塗装の剥離,腐食による減肉等の劣化の進行抑制の観点から、再塗装等の補修を実施した。UCL高架水槽の今後の継続的使用にあたっては、基礎部の定期的な点検及び補修を計画的に実施することが、健全性を維持するうえで重要である。
林 直美
JAEA-Review 2010-002, 269 Pages, 2010/03
保安管理部は、労働安全衛生関連業務,危機管理業務,警備・入構管理業務,所にかかわる核物質防護及び品質保証業務等、多岐に渡る業務を所掌している。本報告は、核燃料サイクル工学研究所保安管理部における平成20年度(平成20年4月-平成21年3月)の業務実績をとりまとめたものである。
柳澤 和章; 菰田 文男*
JAEA-Review 2010-003, 28 Pages, 2010/06
旧日本原子力研究所(JAERI),オークリッジ国立研究所(ORNL)及びカールスルーエ研究所(FZK)の3類似研究機関で実施された水炉安全性研究について、どのような中核技術が25年間で形成され、どのような技術要素が互いに連関しているか、INSPECを使った技術連関手法により調べた。その結果、燃料,材料,熱水力,事故及び研究炉に関して、旧日本原子力研究所は22の中核技術を保有しており、国の安全性研究に対して寄与が大きかった。米国のORNLは19の、ドイツのFZKは20の中核技術を保有していた。ORNLは原子炉運転,FZKは放射線防護の技術要素に特色があった。研究所及び国レベルでは、原子力発電所技術要素(工学計算等)等が重要な共通中核技術であり、原子力発電の安定運転上必要なものであることがわかった。旧日本原子力研究所とFZKは安全性研究分野ではLOFT計画等で国際協力関係にあったが、それを裏打ちするように[事故,工学的計算,燃料被覆管,原子炉冷却]といった4つの中核技術で強い技術連関が認められた。燃料技術要素[燃料被覆管]についてはFZKのほうが旧日本原子力研究所より卓越していた。旧日本原子力研究所とORNLは[計装及び研究炉]の2中核技術で強い技術連関があった。
柳澤 和章
JAEA-Review 2010-004, 61 Pages, 2010/06
旧日本原子力研究所物質科学研究部を、領域I-放射線場物質科学,領域II-極限物性・新材料科学,領域III-アクチノイド化学及び領域IV-施設開発・運転管理に分割した。各領域に所属する研究室の成果を代表した[5キーワード]と各研究室に所属する研究員のうち最も論文を輩出した上位5人すなわち[コア研究員5人]の組合せパラメーターから、社会経済的評価等を実施した。検討期間は旧日本原子力研究所物質科学研究部が存在した平成10年から平成14年の5年間である。(1)研究の優位性に関する論文シェアは、領域III(31%), II(21%), IV(21%), I(17%)となり、領域IIIが優位だった。(2)成果の普及具合では、領域I(28%), II, III(18%), IV(10%)となり、領域Iが優位だった。(3)旧日本原子力研究所オリジナル論文をベースに評価した研究室の活性度は、IV(25%), III(12%), I(11%), II(4%)となり、領域IV(III)が優位だった。(4)外部有識者が実施したピアレビューとの傾向比較では、目的達成度及び成果の普及と波及効果で、本報の結果はピアレビュー結果と一致した。(5)物質科学の経済効果と波及効果では、投入された累積金額は465億円、人数は7,629人・年であり、市場創出効果は769億円であった。
小林 直樹*; 直井 洋介; 若林 修二; 田崎 真樹子; 千崎 雅生
JAEA-Review 2010-005, 50 Pages, 2010/08
供給保証に関する国際的な議論に資するために、日本国政府の「IAEA核燃料供給登録システム提案」(INFCIRC/683)をベースとした供給保証システムについて検討した。本稿では、供給保証に必要な追加的なコストと所要期間の想定を行うなど、より現実的なシステムとして実現可能な供給保証メカニズム全体のシステム提案を試みた。供給保証システムにおける供給保証の定義や消費国,供給国,IAEAと原子力産業界の役割など関連する課題を整理し、幾つかの解決策,供給保証の対象事由の拡大,「供給保証に関する供給国の宣言」,IAEAでの「供給保証発動諮問委員会」の設置,「供給保証基金」の設置等を示した。
社本 真一; 樹神 克明
JAEA-Review 2010-006, 235 Pages, 2010/05
平成21年11月28日に、「鉄系高温超伝導体研究の最前線」"メカニズム及び物性のレビューと展望"と題した研究会が原子力機構システム計算科学センターにおいて開催された。本研究会は日本中性子科学会,物質・材料研究機構,理化学研究所,産業技術総合研究所,原子力機構システム計算科学センター,同先端基礎研究センター,J-PARCセンターの協賛、科学技術振興機構後援のもと、原子力機構量子ビーム応用研究部門により主催され、合計で66名の参加があった。平成20年1月に東京工業大学の細野研究室で発見されたLaFeAsOFに端を発した一連の鉄系高温超伝導体の研究は、日本だけでなく、米国,中国,ヨーロッパで激しい研究競争が今も続いている。ちなみに昨年最も引用された論文は、このLaFeAsOF発見の論文である。この状況下で、物性測定,理論、及び物質合成について、これまでの超伝導と比較した講演があった。
小池 須美男; 五来 滋; 尾上 龍次; 大塚 薫
JAEA-Review 2010-007, 36 Pages, 2010/07
JMTR原子炉施設の改修工事に先立ち、「継続使用する設備・機器」の健全性調査の一環として、一次冷却系の主熱交換器の健全性調査を実施した。調査の結果、顕著な腐食,減肉,割れがないことが明らかとなり、主熱交換器の健全性が確認できた。今後、主熱交換器の長期使用にあたっては、定期的な観察と長期保全計画に基づいた保守管理を行う計画である。
宮内 優; 木村 正; 大戸 勤; 根本 宣昭; 飛田 健治; 深作 秋富; 高橋 邦裕
JAEA-Review 2010-008, 106 Pages, 2010/06
2007年度から開始したJMTR原子炉施設の改修工事に先立ち、JMTR再稼働後も長期的に使用するコンクリート構造物(排気筒,トレンチ,カナル室壁,フィルタバンク廻り)について健全性調査を実施した。健全性調査では、コンクリートの表面劣化,反発度(非破壊強度推定),コア供試体による圧縮強度,静弾性係数,中性化深さ,鉄筋腐食,塩分含有量について、それぞれ調査を行い健全性が十分維持されていることを確認した。その後、調査結果をもとに排気筒とトレンチについて、塗装の剥離等の劣化の進行抑制の観点から、再塗装などの補修を実施した。コンクリート構造物の今後の継続的使用にあたっては、これまで実施してきた建家外表面の塗装を含む定期的な点検及び補修を計画的に実施することが、健全性を維持するうえで重要である。
次世代原子力システム研究開発部門
JAEA-Review 2010-009, 115 Pages, 2010/06
日本原子力研究開発機構では、国家基幹技術である「高速増殖炉サイクル技術」の研究開発として、「高速増殖炉サイクル実用化研究開発(FaCTプロジェクト)」を進めている。FaCTプロジェクトは、当面のマイルストーンである2010年(平成22年)の革新的な技術の採否判断に向け、高速増殖炉サイクルの実用施設及びその実証施設の設計研究とそれを支える要素技術開発を進めており、2008年度までの進捗状況を「中間取りまとめ」として整理した。「中間取りまとめ」に関する技術的内容を中心に関係者に提示するとともに、得られた御意見を今後の研究開発活動へ反映するため、「FaCTプロジェクト中間報告会」を、2009年8月7日(金)に新生ホール(新生銀行本店ビル1階)で開催した。報告会においては、原子力機構,三菱FBRシステムズより「中間取りまとめ」の概要及び技術的内容の報告の後に、総合意見交換が行われた。報告会には、官庁,大学,研究機関,産業界等から200名を超える出席があり成功裏に終えることができた。本報告書は、報告会の開催結果の概要及び発表資料をまとめたものである。
北村 暁; 桐島 陽*; 斉藤 拓巳*; 澁谷 早苗*; 杤山 修*
JAEA-Review 2010-010, 75 Pages, 2010/06
高レベル放射性廃棄物及びTRU廃棄物の地層処分の性能評価に用いるための熱力学データベースの整備の一環として、モリブデンの熱力学データ選定を実施した。熱力学データの選定対象は、放射性廃棄物処分で問題となる環境条件を踏まえ、低モリブデン濃度,中性もしくはアルカリ性水溶液中で生成する化学種及び化合物とした。経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)の熱力学データベース整備ガイドラインに基づき、熱力学データが報告されている文献を広範に調査したうえで、各化学種の熱力学データの選定のために文献の詳細なレビューを行った。レビューの結果、信頼性が高いと判断された文献情報を用いて、25C,イオン強度0における熱力学データの導出を行った。特に、モリブデン酸イオン(MoO)の水素イオン(H)との相互作用によって生成する化学種のレビュー及び熱力学データ選定について、慎重に実施した。
木村 仁宣; 佐藤 宗平; 石川 淳; 本間 俊充
JAEA-Review 2010-011, 147 Pages, 2010/06
国際機関及び諸外国における原子力緊急事態への準備と対応に関する最新の動向を調査し、原子力安全委員会が示す防災指針の技術的・専門的事項に関する課題の検討を行った。まず、IAEAの原子力防災に関する安全要件GS-R-2をはじめとした安全基準文書に示される緊急事態への準備と対応の基本的な考え方及びICRPにおける緊急事態に対する放射線防護の考え方の概要をまとめた。さらに、米国等の緊急時計画と対応にかかわる法的基盤,事故想定と緊急時計画範囲,防護対策と介入レベル,訓練,関係機関の役割を整理した。次に、これらの調査を参考に、防災指針の課題として、緊急事態準備と対応の基本要件,緊急時計画範囲(EPZ),防護対策のための指標,防護措置実施の考え方,専門家支援体制のあり方について検討した。防災指針がこれまで以上に実効性の高いものになるためには、事故の初期段階から解除段階までをあらかじめ見据え、緊急事態準備と対応の基本的考え方を示すことが重要である。そして、緊急事態に対する計画段階では施設に対する脅威の評価方法,緊急事態区分に対する緊急時活動レベル(EAL),予防的活動範囲(PAZ)及び緊急防護措置計画範囲(UPZ)、また、対応段階では、防護措置実施の基本的考え方や運用上の介入レベル(OIL)を整備する必要がある。
高温工学試験研究炉部
JAEA-Review 2010-012, 91 Pages, 2010/06
日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターのHTTR(高温工学試験研究炉)は熱出力30MWの黒鉛減速ヘリウムガス冷却型原子炉で、我が国初の高温ガス炉である。平成20年度は、次年度予定されている熱出力30MWの高温試験運転モードでの連続50日運転に先立ち、第4回施設定期検査受検のため運転を実施する予定であったが、スタンドパイプ固定装置の二重シールリングからの漏えいにより施設定期検査のための運転を延期した。一方、機器の製造,工事等については原子炉保護設備の改造,第2次燃料の搬入・貯蔵作業が終了するとともに、各種点検作業を進めた。本報告書は、平成20年度(2008年)のHTTRの運転と保守及び各種技術開発の状況等について紹介する。
柳澤 和章; 高橋 祥次*
JAEA-Review 2010-013, 29 Pages, 2010/06
歴史的展開の中で永く研究が持続し、その分野が成長しているのかどうか、を研究の主体性と定義してその追跡評価を行った。評価の対象となったパラメータは旧日本原子力研究所(原研)基礎・基盤注力研究分野のうち、Actinides、Positron及びNeutronの3つである。追跡評価対象期間は1978年(昭和53年)から2002年(平成14年)までの25年間である。この追跡評価は計量書誌学的手法によるものとし、評価のツールにIAEA(国際原子力機関)が主管するINISを用いた。追跡評価の結果、原研基礎・基盤研究の主体性を持続的に発展させた要因は、原研コア研究員の使命感に基づく努力,適切な後継者の養成(明確知と暗黙知の伝授)及び原研と協力関係にあった学界及び産業界との知的ネットワーキングの構築であることを計量書誌学的手法により定量化した。逆に、主体性の持続的発展を阻害する要因は、コア研究員の退職,転職,不慮の事故(死)に起因する研究の中断である。対象とした3パラメータにおいては、発展要因と阻害要因の相互作用により研究の主体性に萌芽,発展そして衰退といった事象が起きることを明らかにした。
竹内 真司; 國丸 貴紀; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 早野 明; 竹内 竜史; 三枝 博光; 大山 卓也; et al.
JAEA-Review 2010-014, 110 Pages, 2010/07
独立行政法人日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階;地表からの調査予測研究段階」,「第2段階;研究坑道の掘削を伴う研究段階」,「第3段階;研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる約20年の計画であり、現在は、第2段階である「研究坑道の掘削を伴う研究段階」を進めている。本報告書は、2002年2月に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づき、超深地層研究所計画の第2段階「研究坑道の掘削を伴う研究段階」における2008年度に実施した(1)調査研究,(2)施設建設,(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。
板橋 慶造
JAEA-Review 2010-015, 313 Pages, 2010/06
日本原子力学会の「情報流通」研究専門委員会の第1回第15回(1970年10月1973年3月)の開催の記録と、情報流通特別専門委員会の第1回第115回(1973年4月2009年3月)の開催の記録をまとめた。委員の変遷一覧と委員会の議事一覧、及び議事録を含め、これまでの活動報告を取りまとめた。さらに、国際原子力情報システム(INIS)に関する日本発信の文献集を取りまとめた。
地層処分研究開発部門 東濃地科学研究ユニット
JAEA-Review 2010-016, 37 Pages, 2010/06
1996年に策定された超深地層研究所計画の基本計画は、これまで原子力長計の見直し(2000年)及び研究坑道を設置する場所の変更に伴い(2002年)、その内容を適宜見直すことにより、計画の最適化を図ってきた。今般、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針」及び「特定放射性廃棄物の最終処分に関する計画」の変更に伴う深度300mへの水平坑道の設置などを踏まえ、基本計画の改訂を行った。
大戸 勤; 木村 正; 宮内 優; 根本 宣昭; 飛田 健治; 深作 秋富; 高橋 邦裕
JAEA-Review 2010-017, 21 Pages, 2010/07
2007年度から開始したJMTR原子炉施設の改修工事に先立ち、JMTR再稼働後も長期的に使用する原子炉建家関連施設・設備のうちカナルエキスパンドジョイントについて健全性調査を実施した。健全性調査では、目視による外観観察,サンプリング供試体による性能検査(表面観察,硬さ試験)を行い健全性が十分維持されていることを確認した。カナルエキスパンドジョイントの今後の継続的使用にあたっては、定期的な点検及び補修を計画的に実施することが、カナルエキスパンドジョイントの健全性を維持するうえで重要である。
根本 浩喜; 海老沢 博幸; 小笠原 靖史; 越後谷 進一
JAEA-Review 2010-018, 32 Pages, 2010/07
2007年度から開始したJMTR原子炉施設の改修工事に先立ち、JMTR再稼働後も長期的に使用する原子炉施設のうち一次冷却系統の塔槽類(圧力サージタンク,脱気タンク,処理水タンク)について健全性調査を実施した。健全性調査では、目視による外観観察,浸透探傷試験(PT検査)について、それぞれ調査を行い、健全性が十分維持されていることを確認した。圧力サージタンク,脱気タンク,処理水タンクの今後の継続的使用にあたっては、定期的な点検及び補修を計画的に実施することが、圧力サージタンク,脱気タンク,処理水タンクの健全性を維持するうえで重要である。
綿引 俊介; 浅野 典一; 塙 善雄; 五来 滋; 西山 裕; 坪井 一明
JAEA-Review 2010-019, 65 Pages, 2010/07
JMTR再稼働後の二次冷却系統の長期使用を確実なものにするため、2008年度(平成20年度)から開始したJMTR原子炉施設の二次冷却系統の更新工事に先立ち、二次冷却系配管及び二次冷却系冷却塔について健全性調査を実施した。その結果、二次冷却系配管の配管内面ライニングにクラック、ふくれ、剥離を確認し、また、二次冷却系冷却塔上部の木部について腐朽及び干割れを確認した。今回の調査結果を受けて、一部補修を要する部分が確認されたため、予防保全の観点から補修を行った。
バックエンド技術部
JAEA-Review 2010-020, 93 Pages, 2010/06
本報告書は、日本原子力研究開発機構原子力科学研究所バックエンド技術部における2008年度の活動として、施設の運転・管理,放射性廃棄物の処理と管理、施設の廃止措置、技術開発及び研究の概要を記載した。放射性廃棄物の処理実績は、可燃性固体廃棄物が約384m、不燃性固体廃棄物が約135m、液体廃棄物が約314mで、保管体の発生数は、200Lドラム缶換算で2,391本、2008年度末の累積保管体数は136,971本となった。放射性廃棄物の管理として、埋設処分対応のための廃棄物管理システムの整備及び高放射性固体廃棄物の新管理方式の概念設計と試作試験を実施した。廃止措置では、再処理特別研究棟の解体実地試験を継続し、プルトニウム研究2棟とセラミック特別研究棟の解体を終了し、冶金特別研究棟,同位体分離研究室及び再処理試験室の機器解体を進めた。クリアランスでは、測定評価方法の認可を受け、設備・機器を整備した。研究・技術開発としては、埋設処分のための廃棄物分析,核燃料施設解体に関する調査を実施した。保安の面では、使用を廃止した廃液輸送管の撤去を開始した。
木村 仁宣; 渡邉 憲夫; 本間 俊充
JAEA-Review 2010-021, 54 Pages, 2010/06
国際原子力機関(International Atomic Energy Agency: IAEA)は、安全要件GS-R-2にて緊急時計画の重要性について強調し、防護措置を効果的に実施するための対応を整備することを求めている。また、米国原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)は、緊急時計画の整備は事業者への許認可発給条件の一つとし、緊急時計画に標準的な緊急事態分類及び緊急時措置レベル(Emergency Action Levels: EALs)のスキームを含めることを求めている。本報告では、今後、我が国における防護対策の内容をさらに実効性の高いものにするため、緊急事態の準備と対応に緊急事態分類及びEALを導入する検討に資することを目的に、米国におけるEALのスキームを調査した。ここでは、米国原子力協議会(Nuclear Energy Institute: NEI)が作成したEALのガイドラインであるNEI 99-01「緊急時措置レベルの整備に対する方法論」の概要及び、これまでに米国で緊急事態宣言が発令された8件の事故事例を示すとともに、調査で得られた知見をまとめた。
高原 省五; 木村 仁宣; 本間 俊充
JAEA-Review 2010-022, 87 Pages, 2010/06
原子力緊急事態の長期被ばく状況における放射線防護の計画及び実施と、その課題について検討した。原子力事故後の長期被ばくは「制御可能かつ規制されていない線源」による被ばくである。国際放射線防護委員会(ICRP)のPublication 60に基づく従来の放射線防護体系では、「制御可能かつ規制されていない線源」からの被ばくへの適切な対応は困難である。そこで、ICRPのPublication 103の枠組みをまとめ、チェルノブイリ事故後の防護措置とその導入基準について整理し、事故後に実施された復旧プロジェクトと意思決定プロジェクトを調査して、長期被ばく状況における放射線防護措置の導入や解除に関する決定の合理性について検討した。長期被ばく状況での防護措置の導入においては、放射線による健康影響だけではなく社会的・経済的な補償に関する判断を含む多様な観点が混在しているため、状況の正確な記述と適切な対応が困難な状況である。このような状況での判断は、必ずしも科学的及び数量的な根拠だけで正当化することができない。これを正当化する一つの方法として、多様な利害関係者の合意に基づく手続き的な方法が考えられる。
藤本 望; Wang, H.*
JAEA-Review 2010-023, 11 Pages, 2010/07
高温ガス炉から取り出される高温の熱は、高効率発電のみならず、広範囲なプロセス熱利用、特に、熱化学水素製造に用いることができることから、高温ガス炉への関心が世界的に高まっている。現在、世界で運転されている高温ガス炉は2基のみで、1つが独立行政法人日本原子力研究開発機構のHTTR(高温工学試験研究炉)であり、もう1つが、中国の清華大学核能及新能源技術研究院(INET)のHTR-10である。原子力機構とINETは、1986年の覚書締結以来、これまで高温ガス炉分野、特に、HTTR計画及びHTR-10計画について研究協力を進めてきた。本報は、2009年の原子力機構とINETの高温ガス炉及び原子力水素製造技術開発に関する研究協力活動についてまとめたものである。
原子力科学研究所
JAEA-Review 2010-024, 125 Pages, 2011/01
原子力科学研究所(原科研)は、保安管理部,放射線管理部、工務技術部、研究炉加速器管理部、ホット試験施設管理部、安全試験施設管理部、バックエンド技術部、計画管理室の7部・1室で構成され、各部署が中期計画の達成に向けた活動を行っている。本報告書は、平成20年度の原科研の活動と原科研を拠点とする安全研究センター、先端基礎研究センター、原子力基礎工学研究部門、量子ビーム応用研究部門、バックエンド推進部門、原子力研修センターなどが原科研の諸施設を利用して実施した研究開発及び原子力人材育成活動の実績を記録したものであり、今後の研究開発や事業の推進に役立てられることを期待している。
アジア原子力協力フォーラム(FNCA)研究炉基盤技術プロジェクトグループ
JAEA-Review 2010-025, 197 Pages, 2010/07
アジア原子力協力フォーラム(FNCA)の枠組の中で実施されている研究炉基盤技術プロジェクト(RRTプロジェクト)では、研究炉の炉心管理及び利用のための核計算技術の共通化をテーマとして、2005年度から2007年度にかけて活動を実施した。3年間のRRTプロジェクトの目的は、参加国の炉心管理のための核計算技術を向上させ、安全かつ安定的な研究炉の運転を確実にし、効率的な研究炉利用を促進させることであった。核計算コードSRACコードシステム及びMVPコードを共通核計算コードとして採用した。参加国は、共通核計算コードの自国の炉心解析への適用を実現した。さらに、共通核計算コードの自国の研究炉利用への活用を実現する国もあった。RRTプロジェクトの活動を通じて、参加国の核計算技術の向上を実現した。
米澤 理加; 菖蒲 順子
JAEA-Review 2010-026, 150 Pages, 2010/08
核燃料サイクル工学研究所リスクコミュニケーション室では、住民と協働によるメッセージ作成活動を進めてきた。この活動は、これまでの事業者主体のメッセージ作成から住民主体にすることによって、より住民の視点に立った理解しやすい親しみやすいメッセージを発信することを目的とした。その結果、放射線や環境モニタリング,核燃料サイクルなどに関する数種類のメッセージが完成した。本報告書では、これまでの活動実績を示すとともに活動の効果を考察し、今後の活動の展開についても述べる。
中島 健次; 柴田 薫; 梶本 亮一
JAEA-Review 2010-027, 140 Pages, 2010/08
J-PARCの物質・生命科学実験施設にて、アマテラス,四季,HRCの3台のチョッパー型分光器と逆転配置型分光器DNAの整備が進められている。これらの新しい非弾性散乱装置は、最新の技術を投入した機器や設計に新しい手法等を取り入れることによって、MLFの強力な中性子源の性能と相まって、従来にない高性能で新しい中性子準弾性,非弾性散乱実験の可能性を切り開いていくことが期待されている。これを受け、物性物理から化学,材料,生命科学,産業利用まで広い範囲に渡る研究者を対象にし、最前線の研究の現状とMLFの最新の分光器を用いた研究の展開の可能性について議論を行うことを目的として、2009年7月89日にいばらき量子ビーム研究センターにおいて、「J-PARCの新しい中性子分光器が開くサイエンス」と題するワークショップが開催された。本報告書は、本ワークショップの講演要旨、及び、講演で使用された発表資料を収録したものである。
安全研究委員会核燃料施設性能目標調査専門部会
JAEA-Review 2010-028, 52 Pages, 2010/10
我が国では、核燃料施設に関しても確率論的安全評価(PSA)手法の整備,PSAの実施,運転・保守でのリスク情報活用の試行が積極的に進められている。しかし、リスク情報活用における判断の根拠となる具体的で定量的な基準にかかわる検討はほとんど行われていない。このような状況を踏まえ、日本原子力研究開発機構安全研究センターでは、安全研究委員会の下に核燃料施設性能目標調査専門部会を組織し、核燃料施設の定量的なリスク情報に基づく判断基準等の諸外国の現状を調査し、我が国での性能目標案策定参考となる情報を整理するとともに、基本的な考え方の検討を行った。本報告書は、平成20年度及び21年度での同専門部会で調査,検討した内容をとりまとめ、核燃料施設での性能目標策定手順を提言した。
竹内 真司; 國丸 貴紀; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 早野 明; 竹内 竜史; 三枝 博光; 大山 卓也; et al.
JAEA-Review 2010-029, 28 Pages, 2010/08
独立行政法人日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、地層処分技術に関する研究開発のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階;地表からの調査予測研究段階」,「第2段階;研究坑道の掘削を伴う研究段階」,「第3段階;研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる。2010年度は、第2段階の調査研究を進めていくとともに、第3段階の調査研究を開始する。本計画書は、2010年に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づき、2010年度の超深地層研究所計画の(1)調査研究計画,(2)施設建設計画,(3)共同研究計画などを示したものである。
梅田 浩司; 石丸 恒存; 安江 健一; 浅森 浩一; 山田 国見; 國分 陽子; 花室 孝広; 谷川 晋一; 草野 友宏
JAEA-Review 2010-030, 48 Pages, 2010/09
本計画書は、深地層の科学的研究のうち、地質環境の長期安定性に関する研究における今後5か年(第2期中期計画期間、2010年2014年)の基本計画である。本計画の策定にあたっては、関係研究機関の動向や大学などで行われている基礎研究を精査したうえで、関係法令や報告に留意しつつ、研究の基本的な考え方,研究開発の方向性,研究課題,達成目標,推進方策などを取りまとめた。さらに、実施主体や規制機関のさまざまなニーズのうち重要性と緊急性を考慮して研究計画の重点化を図った。なお、第2期中期計画では、調査技術の開発・体系化,長期予測・影響評価モデルの開発,年代測定技術の開発の3つの枠組みで研究開発を推進していく。
柳澤 和章
JAEA-Review 2010-031, 43 Pages, 2010/08
原研及び原子力先進国を代表する研究機関(米国5施設,フランス3施設,ドイツ2施設)を対象に原子力汎用データベースであるINISとECD、ジャーナル投稿研究論文を特化したデータベースであるWOSとSCOPUSを使い、施設間チャンピオン比較を期間30年(19782007年)で実施した。INISは、JAERI(32,859論文/30年、以下同じ)をチャンピオン、ECDは、ORNL(36,608論文)をチャンピオン、WOSはECDと同様ORNL(34,331論文)をチャンピオン、SCOPUSはORNL(32,728論文)をチャンピオンとした。(2)各々のデータベースは異なる特性があるため、チャンピオンデータ比較では時として計量書誌学的に矛盾した結果が生まれることもある。INIS, ECD, WOS及びSCOPUSについても、5年ごとの論文データが互いに矛盾した評価結果を出しており、この指摘が正しいことを示唆している。評価においては、どのような因子が全体に影響を与えているかを深く考察し、それぞれの状況に沿ったデータ検索及び結果の判断をする必要がある。(3)IAEAに加盟する先進国や開発途上国にとってINISとECDは有益な情報源である。最近、WOSやSCOPUSが世界的に使われる傾向にある。
Jun, B. J.; Lee, B. C.*; 木村 明博; 堀 直彦; 出雲 寛互; 土谷 邦彦
JAEA-Review 2010-032, 26 Pages, 2010/07
HANAROでの(n,)法によるMo製造に関する可能性の検討が韓国原子力研究所(KAERI)により出版された後、世界的にMo供給が不足し、早急に代替のMo供給の必要性が要求されている。以前の研究から、(n,)法によるMo供給が他の製造法よりも早く大量製造に結び付く可能性があることが指摘されていた。各国の放射性同位元素産業が世界需要の重要な項目として(n,)法によるMo使用を容認された時、より現実なものとなる。各地域の高フラックス原子炉による供給システムは、(n,)法によるMoの安定かつ十分な有効性を保証するための必要条件であり、原子炉間の協力が重要である。本報告書は、(n,)法によるMo供給のためのHANAROとJMTRにおける最初の協力として、HANAROにおける経験とMo製造容量を確認し、以前の報告書に基づいて再評価したものである。
柳澤 和章
JAEA-Review 2010-033, 26 Pages, 2010/09
B&W社で作製したシリサイド燃料(熱電対1本付き)及びセルカ社で作製したシリサイド燃料(熱電対無)を、ともに投入反応度1.43ドル()でパルス照射した。得られた発熱量は前者が115cal/gfuel plateで、後者が98cal/gfuel plateであった。両者に関する炉内燃料過渡性能を直接比較するとともに、実施済みの4.8g/ccシリサイド燃料の過渡性能を比較用レファレンスとして使用した。(1)B&W社製の燃料に関する核沸騰離脱温度(DNB)は154Cであり、レファレンスが有するDNB温度の18218Cと比較して低かった。(2)クエンチ時、B&W燃料はクエンチ温度差Tとして269C(破損しきい値は94C)を示し、クエンチ時間tqとして0.079秒(破損しきい値は0.13秒)を示した。このような状況で燃料は破損に至った。破損様式は燃料板貫通割れで溶接熱電対#1の近傍で発生していた。また、未貫通割れが燃料板上部近傍で発生した。CERCA社製燃料板は破損しなかったが、炉内計装が何もなかったため破損メカニズムに関する議論ができない。
安江 健一; 浅森 浩一; 山田 国見; 國分 陽子; 山崎 誠子; 黒澤 英樹; 谷川 晋一; 根木 健之; 草野 友宏; 花室 孝広; et al.
JAEA-Review 2010-034, 42 Pages, 2010/09
本計画書は、高レベル放射性廃棄物の地層処分における地質環境の長期安定性に関する研究についての第2期中期計画期間(平成22年4月平成27年3月)の初年度である平成22年度の研究開発計画である。本計画の策定にあたっては、「地質環境の長期安定性に関する研究」基本計画-第2期中期計画をベースに、第1期中期計画期間(平成17年4月平成22年3月)における研究成果,関係研究機関の動向や大学などで行われている最新の研究,実施主体や規制機関からのニーズなどを考慮したうえで策定した。研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針などの検討・策定に研究成果をタイムリーに反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化,(2)長期予測・影響評価モデルの開発,(3)年代測定技術の開発の3つの枠組みで研究開発を推進していく。
研究協力課
JAEA-Review 2010-035, 185 Pages, 2010/08
本報告書は、平成21年度に実施した高速増殖炉関係,核燃料サイクル関係,放射線安全関係及び地層処分・地層科学関係の先行基礎工学研究に関する32件の研究協力課題の実施結果についてその概要をまとめたものである。
木曽原 直之; 阪本 善彦
JAEA-Review 2010-036, 26 Pages, 2010/09
高速増殖原型炉もんじゅでは、1995年12月に発生した2次冷却系ナトリウム漏えい事故により、原子炉が約10年停止している。事故後、原因究明とプラント全体の安全総点検を実施して漏えいに対するさまざまな対応策を検討し、2005年9月より本格的な改造工事を開始した。「もんじゅ」では冷却材に科学的に活性なナトリウムを使用するため、実験炉「常陽」や海外先行プラントの改造工事の経験や知見を参考に、ナトリウムバウンダリを解放する際のプラバック使用,バック内の酸素濃度管理,系統系カバーガスの微正圧制御,切粉混入防止のためのロールカッタによる押し切り工法等を採用した。これらの導入により、本改造工事はトラブルもなくほぼ計画通り進んだ。
金盛 正至; 白川 裕介; 山下 利之; 奥野 浩; 照沼 弘; 池田 武司; 佐藤 宗平; 寺門 直也; 長倉 智啓; 福本 雅弘; et al.
JAEA-Review 2010-037, 60 Pages, 2010/09
日本原子力研究開発機構は、災害対策基本法及び武力攻撃事態対処法に基づき、「指定公共機関」に指定されており、国及び地方公共団体その他の機関に対し、災害対策又は武力攻撃事態等への対処に関して、日本原子力研究開発機構防災業務計画及び国民保護業務計画に則り、技術支援をする責務を有している。原子力緊急時支援・研修センターは、緊急時には、全国を視野に入れた専門家の派遣,防災資機材の提供,防護対策のための技術的助言等の支援活動を行う。また、平常時には、我が国の防災対応体制強化・充実のために、自らの訓練・研修のほか、国,地方公共団体,警察,消防,自衛隊等の原子力防災関係者のための実践的な訓練・研修並びに原子力防災に関する調査研究を実施する。平成21年度においては、日本原子力研究開発機構年度計画に基づき、おもに下記の業務を推進した。(1)国,地方公共団体等との連携を図った指定公共機関としての技術支援活動,(2)国,地方公共団体等の原子力防災関係者に対する研修・訓練,(3)原子力防災にかかわる調査・研究の実施及び情報発信,(4)国際機関と連携を図ったアジア諸国への原子力防災にかかわる国際貢献。
照沼 章弘; 内藤 明; 根本 浩一; 宇佐美 淳; 富居 博行; 白石 邦生; 伊東 慎一
JAEA-Review 2010-038, 96 Pages, 2010/09
日本原子力研究開発機構では、使命を終えた施設及び老朽化した施設並びに機能の集約・重点化を図った結果不要となる施設に対する廃止措置を中期計画に則り効率的かつ計画的に進めている。原子力科学研究所バックエンド技術部では、第1期中期計画(平成17年度後半平成21年度)中に5つの施設(セラミック特別研究棟,プルトニウム研究2棟,冶金特別研究室建家,同位体分離研究室施設及び再処理試験室)について、管理区域の解除,建家の解体撤去を目途とした廃止措置を実施した。本報告では、これらの廃止措置について、これまでに国及び自治体に報告した内容を整理するとともに、作業を通じて得られた事項をまとめた。
中山 雅; 佐野 満昭; 真田 祐幸; 杉田 裕
JAEA-Review 2010-039, 67 Pages, 2010/10
幌延深地層研究計画は、「地上からの調査研究段階(第1段階)」,「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)」,「地下施設での調査研究段階(第3段階)」の3つの段階に分けて実施している。平成21年度は、「幌延深地層研究計画平成21年度調査研究計画」に従って、「地層科学研究」では、地質環境調査技術開発,地質環境モニタリング技術開発,深地層における工学的技術の基礎の開発,地質環境の長期安定性に関する研究を、「地層処分研究開発」では、人工バリアなどの工学技術の検証,設計手法の適用性確認,安全評価モデルの高度化及び安全評価手法の適用性確認、という研究を実施した。本報告書はそれらを取りまとめたものである。幌延深地層研究計画の成果は、原子力機構における他の研究開発拠点での成果と合わせて一連の地層処分技術として、処分事業や安全規制に適宜反映していく。
山村 司; 松島 英哉; 大塚 直人*; 田崎 真樹子; 水間 英城*; 門田 公秀*; 木本 徹
JAEA-Review 2010-040, 180 Pages, 2010/09
我が国は、1950年代から原子力利用を開始したが、当初から平和利用に徹することを明確にし、透明性を確保した形で平和利用を進めるとともに、国際的な信頼性を確保するための措置を実施してきた。本稿では、これまでの日本の核不拡散対応を7つの措置に分類して整理,分析,評価を行い、それぞれの措置に関して、我が国の原子力平和利用に対する信頼確立の要因となった事項及び今後の課題を抽出した。本稿が、原子力委員会等における原子力平和利用・核不拡散政策の議論に資するものとなり、また、原子力発電の導入等、原子力利用の本格的な開始を計画している国々にとって、参考になることを期待する。
中山 雅; 真田 祐幸; 佐野 満昭; 杉田 裕
JAEA-Review 2010-041, 26 Pages, 2010/10
本計画は、原子力機構が堆積岩を対象に北海道幌延町で実施しているものであり、深地層環境における調査研究を実施し、その成果は地層処分の実施主体や安全規制機関に提供される。研究内容は地層科学研究と地層処分研究開発からなり、地下施設の建設と並行して調査研究を実施している。平成22年度は、研究所用地やその周辺において、地下施設の建設及び第2段階の調査研究を継続し、第3段階の具体的な調査研究計画を策定する。また、完成した一部の坑道を利用して第3段階の調査研究を開始する計画である。なお、本計画で実施する地下深部の地質環境を対象とした研究は、地球科学の幅広い分野にわたり、学術研究の発展にも広く寄与することから、国内外の関連する研究機関の専門家の参加を積極的に得つつ進めていく。
核融合エネルギー工学研究開発ユニット
JAEA-Review 2010-042, 64 Pages, 2010/10
核融合研究開発部門核融合エネルギー工学研究開発ユニットでは、トリチウム安全性試験装置(CATS),核融合中性子源施設(FNS),高熱負荷試験装置(JEBIS),高周波工学試験装置(RFTS),MeV級イオン源試験装置(MTF),ダイバータ受入試験装置(DATS)の6つの核融合工学関係施設を用いて共同研究を実施しており、平成21年度は、20件の共同研究を実施した。本報告書はそれらの共同研究のうち、平成21年度で終了した5テーマの成果をまとめたものである。
井手 広史; 飛田 健治; 遠藤 泰一; 堀 直彦
JAEA-Review 2010-043, 80 Pages, 2010/10
平成16年2月に「試験研究の用に供する原子炉等の設置、運転等に関する規則」が改正され、同規則第14条の2第2項に基づき、原子炉設置者は、運転開始後30年を経過する原子炉について、経年変化に関する技術的な評価を行い、その評価に基づき原子炉施設の保全のために実施すべき措置に関する10年間の計画(保全計画)を策定することが定められた。JMTR原子炉施設の経年変化に関する技術的な評価及び保全計画については、平成17年3月に旧日本原子力研究所より文部科学省に報告した。この評価及び保全計画に文部科学省としての評価,検討を加えることにより、効果的な対策の立案に資するための高経年化対策評価アドバイザー会合が開催された。この会合に対応するために、JMTR原子炉施設の経年変化に関する技術的な評価、平成17年以降に行われた保全活動及び改修期間中に行った健全性調査について再度検討を行った。その結果、評価内容等は妥当であることがわかった。本報告書は、高経年化対策評価アドバイザー会合に向けて行ったJMTR原子炉施設の経年変化に関する技術的評価等についてまとめたものである。
中山 雅; 真田 祐幸; 山口 雄大*; 杉田 裕
JAEA-Review 2010-044, 39 Pages, 2010/11
本計画は、調査研究の開始から調査研究の終了まで20年程度の計画とし、「地上からの調査研究段階(第1段階)」,「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)」,「地下施設での調査研究段階(第3段階)」の3つの段階に分けて実施することとしており、平成20年度は第2段階の4年目にあたる。
技術開発成果編集委員会
JAEA-Review 2010-045, 82 Pages, 2010/11
使命を終了した原子力施設の廃止措置及び放射性廃棄物の処理処分は原子力開発を進めるうえで重要な課題であり、安全を十分に確保したうえでこれらの対策を合理的に進める必要がある。そのためには、技術の開発・改良,適切な技術の選択・適用が重要であり、原子力機構においては、バックエンド推進部門及び研究拠点が一体となって、必要な技術開発を進めている。バックエンド推進部門の技術開発ユニットでは、おもに機構全体に共通する課題を取り上げ、研究開発を進めてきた。技術開発の課題はおもにバックエンド対策の計画的遂行及び費用低減の観点から選択し、廃止措置計画の検討・評価のための支援システム、超臨界二酸化炭素による除染技術、硝酸塩分解技術、セメント固化処理技術、放射能の簡易迅速測定技術、廃棄物処分の安全性評価などが含まれる。本報告書は技術開発ユニットが進める技術開発の概要、平成21年度までの進捗等についてまとめたものである。
北岸 茂; 谷本 政隆; 飯村 光一; 井上 修一; 斎藤 隆; 近江 正男; 土谷 邦彦
JAEA-Review 2010-046, 19 Pages, 2010/11
JMTRは、1968年に初臨界を達成してから、燃材料の中性子照射試験やRI製造等に利用されてきたが、改修のために2006年に一旦停止した。再稼働後のJMTRは、軽水炉の長寿命化(高経年化対策,次世代軽水炉の開発等),産業利用の拡大(医療診断用Tcの製造等)といった幅広い利用ニーズに応えるために、改修工事と並行して、新たな照射試験技術の開発を進めている。本報告書は、JMTRの中性子照射試験で用いる計測機器として開発中のFPガス圧力計,多対式熱電対,ECPセンサー及びセラミックセンサーの開発の現状についてまとめたものである。
小沼 勇一; 岡田 祐次; 塙 博; 土谷 邦彦; 菅野 勝
JAEA-Review 2010-047, 27 Pages, 2010/11
大洗研究開発センターのJMTR(Japan Materials Testing Reactor: 材料試験炉)は、平成23年の再稼働に向けて改修している。照射設備の整備の一環として、新しい照射設備を設置するため、キュービクル内に設置されていた既設照射設備の解体撤去のための技術開発を行っている。これまで開発した手法を用いて、JMTRの地下1階キュービクル内に設置されたOWL-1(Oarai Water Loop No.1), OWL-2(Oarai Water Loop No.2)及びIASCC(Irradiation Assisted Stress Corrosion Cracking)照射設備の解体を行い、汚染した照射試験設備の解体・撤去技術を確立した。
平成22年度バックエンド関連業務報告会実行委員会
JAEA-Review 2010-048, 140 Pages, 2010/11
バックエンド関連業務報告会は、バックエンド技術開発に携わる研究・技術者が一堂に会して、各分野における研究・技術開発の現状と課題を相互に紹介し、情報交換を行うとともに共通認識を持つことを目的としている。本報告会では、廃棄物確認技術,廃棄物処理・処分技術,廃止措置技術の3つのセッションにおいて、計15件の発表があり、活発な質疑討論が行われた。さらに報告会終了後、ポスター討論会を開催することにより、より深い議論が行われた。報告会参加者は、計82名であり、ポスター討論会参加者は35名であった。本稿は、発表者から提出された要旨及びプレゼンテーション資料を取りまとめて公表するものである。
米川 実; 相沢 静男; 加藤 佳明; 柴田 晃; 中川 哲也; 楠 剛
JAEA-Review 2010-049, 18 Pages, 2010/11
材料試験炉(JMTR)のホットラボ施設(JMTR-HL)は、おもにJMTRで照射した照射物を試験するために設置され、1971年から運転を行ってきた。JMTRは2006年8月に、改修のために停止し、2011年より再稼働する計画である。再稼働後のJMTRでは、高燃焼度燃料及び大型試験片の照射試験が計画されている。JMTR-HLは、今後の発電炉の安全性とプラント寿命管理にかかわる技術的価値の高い照射データの要求を満たすため、三次元X線撮影装置をホットセル内に整備した。三次元X線撮影装置は、従来の二次元のものに比べて欠陥形状を、視覚的にかつ細かく観察する利点を有している。三次元X線撮影装置は、CTスキャナ,X線発生部,回転昇降試料台,X線検出器,コリメータ等から構成される。本報告では、三次元X線撮影装置のシステム設計,製作,ホットセルへの設置及び線の影響やX線の透過性能を調べるために、照射済燃料棒やRIを用いたホット性能試験について述べる。この三次元X線撮影装置の整備により、高燃焼度燃料や大型試験片の照射後試験において技術的価値の高いデータを供給することができるようになった。
浅井 秀明; 長谷川 健
JAEA-Review 2010-050, 222 Pages, 2010/11
アクロス(ACROSS: Accurately Controlled Routinely Operated Signal Systemの頭文字をとったもの)は地震研究をその目的とし、日本原子力研究開発機構(当時は動力炉・核燃料開発事業団)東濃地科学センターの陸域地下構造フロンティア研究プロジェクトにおいて1996年よりさまざまな研究開発が行われ、2005年に完了した。そこで培われた技術(信号の送受信技術並びにデータの解析技術)は非常に汎用性に富むものであることから、研究坑道掘削による坑道周辺の地質環境の時間的変化や研究坑道の健全性の監視技術として利用可能かどうかについて2007年度から3年間を目途に検討を進めた。東濃地科学研究ユニットは、今までの検討成果を紹介するとともに、各方面のアクロス技術の研究を紹介して頂き、アクロス技術と今後の展望に関して外部専門家と議論することを目的としたアクロスワークショップ「アクロスの現状と今後の展望」を、2010年2月24日25日に開催した。本報告書は、ワークショップで用いられた発表資料を収録したものである。
板橋 慶造
JAEA-Review 2010-051, 149 Pages, 2010/10
国際原子力機関憲章の機能を実現させるため、1960年代にIAEAは世界の原子力文献情報へ計算機利用アクセスを提供する計画を策定し始めた。1969年2月にIAEA理事会で認可され、1970年5月に最初の製品を産み出した国際原子力情報システムの設立であった。INISは国際協力事業として設計され、INISメンバーの参加を必要とした。当初25か国の参加により運営を開始し、現在のINISメンバーが146か国である。本報告は、INIS創設への道筋について記述する。40年間の情報技術における急速な開発に適合するだけでなく、特にINISメンバーとINISの利用者の要求,能力,ニーズに適合させるため、必要な変更に関して述べる。また、現在のシステムの運営、原子力文献のデータを収集し処理するために使用された方法、利用者向けのシステムのさまざまな製品及びサービスについて説明する。さらに、IAEA以外の原子力関連の情報資源へのアクセスを提供するだけでなく、IAEA内の文献情報,数値データ,刊行物と灰色文献の全文,多言語の原子力専門用語などのさまざまな原子力関連情報へのアクセスを提供することや今後の開発に関する最新の考え方について述べる。
原子炉施設管理部
JAEA-Review 2010-052, 34 Pages, 2010/11
JMTR(Japan Materials Testing Reactor)は、2007年度から2010年度までの予定で改修を行っており、2009年度は、利用運転を行わなかった。原子炉の運転管理では、施設定期検査の受検、施設定期自主検査等の安全を確保するための保守管理,原子炉施設の一部更新を行った。燃料の管理においては、2011年度からの再稼働に向けて燃料の製作を開始した。また、米国DOEとの国際協定に基づいて使用済燃料の対米輸送を行った。照射設備の運転管理では、照射施設の施設定期自主検査及び定期点検,照射設備の整備及び一部更新を行った。ホットラボでは、JMTRで照射された材料試料,燃料試料の照射後試験等を行った。放射線管理に関しては、本体施設,照射施設及びホットラボ施設において、保安規定に定める線量限度を十分に下回り、安全に作業を行うことができた。本報告は、2009年度に行ったこれらの活動についてまとめたものである。
木村 明博; 堀 直彦; 土谷 邦彦; 石原 正博; 山林 尚道*; 棚瀬 正和*; 藤崎 三郎*; 佐藤 裕一*
JAEA-Review 2010-053, 23 Pages, 2010/11
JMTR再稼動後の産業利用拡大の一環として、放射性医薬品の原料となるTcの親核種であるMo製造技術開発を行っている。Mo製造方法として、少ない放射性廃棄物及び簡便な製造工程の観点から(n,)法によるMo製造方法が提案されている。本報告書は、JMTRにおけるMo製造方法の基本的検討として、MoOペレットの製造技術開発及び溶媒抽出法によるTcの濃縮技術開発についてまとめたものである。その結果、SPSにより高密度(95%T.D.以上)を有するMoOペレットの製造が可能であることを明らかにした。また、メチルエチルケトン(MEK)を用いたTc溶液の濃縮が可能であり、理論濃縮度の80%以上の効率で濃縮できる装置の開発に見通しが得られた。
柳澤 和章
JAEA-Review 2010-054, 109 Pages, 2010/11
(1)ニオブ(NbO)添加の非加圧PWR燃料は安全審査で使われる破損しきい値の260cal/g以下では破損しなかった。(2)燃料破損はニオブ添加の有無とは無関係に被覆管の溶融脆化メカニズムで起こった。(3)炉内過渡ふるまいとして、供試燃料は大きな軸方向PCMI(最大18%)を示したが、その径方向PCMIは相対的に小さかった。(4)発熱量276cal/gを超えた領域、すなわち、被覆表面最高温度が1467Cを超えた領域で、ニオブ添加PWR燃料はボンディング、径方向微細割れ、金属凝集物、金属介在物の生成といった組織変化を起こした。
高温工学試験研究炉部
JAEA-Review 2010-055, 114 Pages, 2010/11
日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターのHTTR(高温工学試験研究炉)は、熱出力30MWの黒鉛減速ヘリウムガス冷却型原子炉で、我が国初の高温ガス炉である。平成21年度は、高温試験運転にて50日間の連続運転を行い、炉心の燃焼特性,ヘリウムの純度管理,高温機器の性能,炉内構造物等の健全性等に関するデータを取得・評価するとともに、熱化学水素製造等の熱源として利用可能であることを実証した。本報告書は、平成21年度(2009年)のHTTRの運転と保守及び各種技術開発の状況等について紹介する。
研究炉加速器管理部
JAEA-Review 2010-056, 163 Pages, 2010/12
原子力機構東海タンデム加速器施設は、重イオンを用いた原子核科学や物質科学などのさまざまな分野において原子力機構の職員をはじめ、大学や研究機関,民間企業の研究者に利用されている。本年次報告は、2009年4月1日から2010年3月31日までの期間に、当施設のタンデム加速器,超伝導ブースター及び放射性イオンビーム加速装置を用いて実施された研究活動の要約をまとめたものである。総数57件の要約を以下の7分野に分類した;(1)加速器の運転状況と開発,(2)原子核構造,(3)原子核反応,(4)核化学,(5)原子核理論,(6)原子物理及び固体物理,(7)材料の照射効果。また、発表論文と会議での口頭発表、タンデム加速器に関係する技術者と研究者,委員会,大学等との共同研究課題及び施設共用課題の一覧を掲載した。
佐々木 祐二; 小山 真一; 小澤 正基
JAEA-Review 2010-057, 124 Pages, 2010/12
本報告は2010年7月30日、六ヶ所村スワニーホール・大会議室において開催された第4回先進オリエント研究開発セミナー「先進原子力科学が拓く新資源戦略と課題」で使用された発表資料を収録したものである。本セミナーは放射性廃棄物の放射能の低減及び処理処分における負荷低減のための新しい戦略的構想「先進オリエントサイクル」に基づく研究・技術開発の進捗を報告,議論するものである。核燃料サイクルにおいては、放射性元素の回収・有効利用の可能性があるだけでなく、使用済燃料あるいは高レベル放射性廃液が軽白金族や希土類元素の資源ソースとしての位置づけることもでき、今後原子力・非原子力の専門家との議論を深める必要がある。ポスター発表のセッションを設けるとともに十数名の学生の参加もあり、今後の燃料サイクルのコンセプトや各要素技術について活発な議論が交わされた。
情報システム管理室
JAEA-Review 2010-058, 209 Pages, 2010/11
日本原子力研究開発機構システム計算科学センターでは、スーパーコンピュータをはじめとする大型計算機システムを導入し、研究活動を支援するとともに、計算機システム及びネットワークシステムの運用管理を行っている。本報告集は、平成21年度における日本原子力研究開発機構の大型計算機システムにおける利用実績を集計し、ユーザからの利用報告に基づいた研究内容,利用及びその成果についてまとめたものである。
尾上 龍次; 海老沢 博幸; 深作 秋富; 楠 剛
JAEA-Review 2010-059, 19 Pages, 2010/12
JMTRは、軽水減速・冷却のタンク型原子炉である。1968年3月に初臨界を達成した。JMTRの改修作業は、2007年度初頭から2010年に予定されている。2007年度当初に、JMTR建屋のコンクリート構造物,一次冷却系統のタンク類,熱交換器、等について、健全性を確認するために、高経年化設備について調査を行った。本報では、一次冷却系統の熱交換器及びタンク類の高経年化調査について述べる。一次冷却系統に供えられた3基の熱交換器について、渦流探傷試験,内視鏡を用いた外観検査,浸透探傷試験,胴部の減肉検査を行い、健全性を確認した。一次冷却系統のタンク類に対しては、外観検査及び溶接線に対する浸透探傷検査を行い、健全性を確認した。一次冷却系統の熱交換器及びタンク類は、長期的な保全計画に基づく適切な点検を行い、JMTRの今後の運転で継続使用する。
高原 省五; 松木 良夫*; 本間 俊充; 村松 健
JAEA-Review 2010-060, 73 Pages, 2010/12
各種発電システムに関する比較影響評価の手法と代表的な評価結果を調査・整理した。比較影響評価は幾つかの影響評価手法を用いて実施されるが、一般的な方法として影響経路(損害関数)法が知られている。同手法は、発電所等の放出源から有害物質が環境中を移行して対象に影響を及ぼす過程を評価する。また、評価の目的に合わせて評価範囲(燃料チェーン,時間的及び空間的)を限定すること、評価過程でデータとモデルの妥当性を示すことに本手法の特徴がある。同手法は、国際原子力機関(IAEA)が12か国の研究機関と共同で実施した比較影響評価に関する共同研究プログラム(CRP)及び欧州共同体(EC)の外部性評価プロジェクト(ExternE)において採用され、国際的に広く認識された手法である。IAEAのCRP及びExtern Eの評価結果では、化石燃料(石炭,石油及び天然ガス)チェーンによる影響が特に大きく、その傾向は二次汚染物質や地球温暖化の影響を考慮した場合に顕著である。一方、原子燃料チェーンによる影響は、過酷事故のリスク及び長寿命核種による地球規模の影響評価について議論の余地がある。
東濃地科学センター 施設建設課
JAEA-Review 2010-061, 156 Pages, 2011/01
本工事記録は、瑞浪超深地層研究所研究坑道掘削工事の平成20年度の工事概要、主な出来事、工事工程、工事安全に関する記録をまとめたものである。工事概要は特記仕様書、主な出来事は東濃地科学センター週報、工事工程は約定工程表と東濃地科学センター週報、工事安全に関する記録は施設建設課安全担当による事故・災害・不適合・不具合管理記録に基づいてとりまとめたものである。工事の計画と実績については、平成20年3月16日着工、平成22年3月15日竣工予定の瑞浪超深地層研究所研究坑道掘削工事(その3)のうち、平成21年3月31日までの工事完了部分について記載した。また、平成21年4月1日以降の瑞浪超深地層研究所研究坑道掘削工事(その3)の計画と実績については、平成21年度以降の建設工事記録に記載するものとする。
林 直美
JAEA-Review 2010-062, 399 Pages, 2011/01
保安管理部は、労働安全衛生関連業務,危機管理業務,警備・入構管理業務,研究所にかかわる核物質防護及び品質保証業務等、多岐に渡る業務を所掌している。本報告は、核燃料サイクル工学研究所保安管理部における平成21年度(平成21年4月平成22年3月)の業務実績をとりまとめたものである。
Bolton, P.; 水木 純一郎; 河西 俊一
JAEA-Review 2010-063, 22 Pages, 2011/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)が世界に開かれた研究機構となるためには、JAEAが名実ともに国際化されなければならない。本レポートは、JAEAにおける国際化のあるべき姿を議論することによって現在の問題点を明らかにし、国際化のためにすぐに取り組める項目について提案する。最終目標はJAEA全体の国際化を目指すものではあるが、試行拠点として木津の関西光科学研究所,光医療センターを選び、そこで現在行われている国際化のための活動,改善点,新しい試みを提案し実行する。これらの活動を支援するとともに評価するために拠点に国際化チームを組織することを提案する。また、国際化チームと量子ビーム応用研究部門,国際部との関係も提案する。
小島 久雄
JAEA-Review 2010-064, 27 Pages, 2011/01
フランスの核燃料サイクル諸施設の採用プロセスや公称能力等について、おもに公開資料に基づき整理し、各施設間の能力は十分に整合のとれたものであることを確認した。核燃料サイクルで使用する試薬類のリサイクル利用について、特にフッ素に着目して考察を試みた。また、現存核燃料サイクル諸施設の更新計画を調査し、今後のフランスの核燃料サイクル事業の拡大性について検討した。核燃料サイクル諸施設はほぼフランス全土に分散して立地しているため、核燃料物質の輸送が不可欠な活動となる。限られた情報から、特に再処理工場からのプルトニウムとウランに着目して、輸送の実態と推定される課題等について整理した。
田中 茂
JAEA-Review 2010-065, 217 Pages, 2011/01
高崎量子応用研究所研究年報2009は、同研究所に整備されているTIARA施設(イオン加速器4基)及び電子・線照射施設(電子加速器1基,Co線照射施設3基)を利用して、2009年4月1日から2010年3月31日までの間に行われた研究・技術開発の成果をまとめたものである。この研究年報は、(1)宇宙・原子力・エネルギー,(2)環境・資源,(3)バイオ技術・医療応用,(4)先端材料・計測・基盤技術の4分野に分類した157編の研究・技術開発論文及び8編の施設の運転・管理状況報告からなる合計165編を収録した。また、論文リスト,新聞発表,テレビ放映,出願特許及び研究実施形態・利用施設の一覧表を付録として含めた。
大戸 勤; 木村 正; 深作 秋富; 楠 剛
JAEA-Review 2010-066, 22 Pages, 2011/01
JMTRの改修は2007年度初頭から2010年度にかけて実施する予定である。JMTR原子炉建家等のコンクリート構造物の健全性調査を改修期間の初期に実施した。本報告は、排気筒,トレンチ,カナル室,フィルターバンクの調査結果及び補修に関するものである。調査項目は、コンクリートの表面劣化,反発度(非破壊強度推定),コア供試体による圧縮強度,中性化深さ,鉄筋腐食,塩分含有量とした。調査の結果、これらコンクリート構造物の健全性が十分に維持されていることが明らかとなった。予防保全の観点から、調査結果に基づき、排気筒,トレンチ,カナル室について、再塗装等の補修を実施した。
安全統括部 環境配慮促進課
JAEA-Review 2010-067, 179 Pages, 2011/02
日本原子力研究開発機構(以下、「原子力機構」という。)は、2009年度の環境配慮活動について、「環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律」に基づき「環境報告書2010」を作成し、2010年7月に公表した。本報告書は、環境報告書の信頼性を高めるためにその情報の検証可能性を確保し、また、原子力機構における環境配慮活動の取組を推進する手段として、環境報告書に記載した環境関連情報の根拠となる2009年度の環境報告関連データを取りまとめたものである。
柳澤 和章
JAEA-Review 2010-068, 34 Pages, 2011/01
出力過渡を受けたPWR燃料の健全性につき、水側腐食の程度及び燃料棒の加圧量を実験因子として研究した。(1)加圧PWR燃料は膨れ/破裂メカニズムで破損したが、この破損メカニズムに水側腐食の影響はなかった。非加圧PWR燃料は被覆管の溶融/脆化メカニズムで破損したが、この破損メカニズムに水側腐食は大きな影響を及ぼし破損回避の方向に作用した。腐食膜は被覆管に発生した温度勾配を最小化し、被覆外面にさらなる腐食膜が生成するのを阻止し、クエンチ時に発生する円周応力を低下させた。その結果、腐食膜付PWR燃料の破損しきい値は標準燃料で観察されたものより高かった。(2)加圧燃料の軸最大歪は酸化膜厚の増加とともに増加し、40ミクロンで最大4%となった。加圧燃料の軸最大歪は酸化膜厚とは無関係に1%を越えなかった。
西尾 和久; 弥富 洋介; 島田 顕臣
JAEA-Review 2010-069, 131 Pages, 2011/02
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターにおいては、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(以下、地層科学研究)を実施している。地層科学研究を適正かつ効率的に進めていくため、研究開発の状況や成果、さらに今後の研究開発の方向性について、大学,研究機関,企業の研究者・技術者等に広く紹介し、情報・意見交換を行うことを目的とした「情報・意見交換会」を毎年開催している。本資料は、平成22年10月19日に岐阜県瑞浪市で開催した「平成22年度東濃地科学センター地層科学研究情報・意見交換会」にて用いた発表資料を取りまとめたものである。
柳澤 和章
JAEA-Review 2010-070, 18 Pages, 2011/01
材料試験炉(JMTR)で出力過渡を受けた場合のシリサイド燃料の安全性を研究した。(1)"JMTR初期起動時に発生した制御棒の異常引き抜き(ACRW)"に関する想定実験で究明された燃料板最高温度(PCST)は137度であった。"二次系ループにおける冷水導入(CCI)"に関する想定実験で究明された燃料板最高温度は111度であった。これら想定実験値はJMTR安全審査で使ったEUREKA-2コード計算値よりも高く、保守的であった。(2)両想定実験では最小DNBRは生じなかった。また、両想定実験で用いた燃料板は破損することなく健全性が維持した。すなわち、実験結果はACRWとCCIに関する安全性判断基準をクリアしていた。この実験事実から、ACRWとCCIに関するEUREKA-2計算コード予測は十分安全余裕を有していることが裏付けられた。
永目 諭一郎
JAEA-Review 2010-071, 47 Pages, 2011/02
平成21年度に実施された8件の黎明研究の成果をまとめた報告書である。原子力に関する基礎・基盤研究の発展の一助とするため、本報告書により、得られた成果を公表する。
住谷 秀一; 松浦 賢一; 渡辺 均; 中野 政尚; 藤田 博喜; 河野 恭彦; 檜山 佳典; 吉井 秀樹*; 藤井 純*; 菊地 政昭*; et al.
JAEA-Review 2010-072, 115 Pages, 2011/02
本報告書は、原子力規制関係法令を受けた再処理施設保安規定,核燃料物質使用施設保安規定,放射線障害予防規程,放射線保安規則及び茨城県等との原子力施設周辺の安全確保及び環境保全に関する協定書並びに水質汚濁防止法及び茨城県条例に基づき、平成21年4月1日から平成22年3月31日までの期間に日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所から環境へ放出した放射性排水の放出管理結果をとりまとめたものである。再処理施設,プルトニウム燃料開発施設をはじめとする各施設からの放射性液体廃棄物は、濃度及び放出量ともに保安規定及び協定書等に定められた基準値を十分に下回った。
梅木 博之; 日置 一雅; 大澤 英昭; 藤田 朝雄; 柴田 雅博; 牧野 仁史; 岩月 輝希; 竹内 真司; 石丸 恒存
JAEA-Review 2010-073, 255 Pages, 2011/02
独立行政法人日本原子力研究開発機構(以下「JAEA」)は、国が示した中期目標や関連する計画・方針に従って定めたJAEAの中期計画(平成17年10月1日平成22年3月31日)に基づき、平成21年度までに進めてきた地層処分の研究開発の成果を取りまとめたCoolRep H22を作成し、平成22年3月に地層処分研究開発部門ホームページ上で公開した。本稿では、これまでにJAEA地層処分研究開発部門のホームページで公開したCoolRep H22の内容を示す。
原子力科学研究所 放射線管理部; 高崎量子応用研究所 管理部 保安管理課; 関西光科学研究所 管理部 保安管理課; 青森研究開発センター むつ事務所 保安管理課; 那珂核融合研究所 管理部 保安管理課
JAEA-Review 2010-074, 168 Pages, 2011/01
本報告書は、日本原子力研究開発機構の東海研究開発センター原子力科学研究所, 高崎量子応用研究所, 関西光科学研究所,青森研究開発センターむつ事務所及び那珂核融合研究所における放射線管理に関係する2009年度の活動をまとめたものである。
加藤 智子; 板津 透; 鈴木 祐二*
JAEA-Review 2010-075, 42 Pages, 2011/02
地層処分生物圏評価において対象とする期間は非常に長く、処分場からの核種が表層環境に到達する時刻における生物圏の状態を正確に予測し、モデル構築に反映することは困難である。IAEA-TECDOC-1077では、人間の生活様式や、自然事象に起因する気候,地形,植生,帯水層を含む水循環の変化が予測できる期間においては、実際の環境の特徴もしくは予測できる範囲内での変化に基づくモデル構築が可能であるが、期間が遠い将来に及ぶ場合には、様式化された生物圏評価モデルが必要となることを述べている。このような場合、IAEA BIOMASSプロジェクトで提唱された生物圏評価モデル構築のアプローチ(BIOMASSアプローチ)は、生物圏の不確実性への対処の観点からも特に有効な手法となる。このことから、評価対象期間を、人間の生活様式の変化が予測できる期間、自然事象に起因する水循環の変化が予測できる期間、それ以降に区分し、国内外における生物圏評価の考え方や進め方に関する現状把握を踏まえつつ、BIOMASSアプローチ等にしたがって生物圏評価を行う際に重要となると考えられる課題を整理し、当面5か年で原子力機構において重点的に実施する研究項目と具体的な検討の進め方を示した。
ホット試験施設管理部
JAEA-Review 2010-076, 96 Pages, 2011/03
本報告書は、平成21年度のホット試験施設管理部の各施設(燃料試験施設,WASTEF,ホットラボ等)の運転管理についてまとめたものである。燃料試験施設では、燃料等安全高度化対策事業及び燃料安全研究のための照射後試験、核破砕ターゲット容器材料開発のための照射後試験等を計画に沿って実施した。WASTEFでは、原子力プラント材の照射誘起応力腐食割れに関する試験、炉内構造材の線照射下での腐食試験等、並びにMA含有燃料の各種物性試験等を実施した。さらに、安全性研究センターが進める原子力安全基盤機構、原子力安全・保安院からの受託事業及びJ-PARCセンターが進める核破砕ターゲット容器材料開発に関する各種試験を実施した。ホットラボでは21年度の廃止措置実施計画に基づき、鉛セル内の除染及びセル付帯設備の解体撤去を実施するとともに、コンクリートケーブを含めた管理区域全体の汚染除去の手順等を検討し、その結果を基本シナリオとして策定した。その他、プルトニウム研究1棟,第2研究棟,第4研究棟,JRR-3実験利用棟(第2棟),ウラン濃縮研究棟,高度環境分析研究棟,環境シミュレーション試験棟及び核燃料倉庫の計11施設について施設管理を実施した。
研究炉加速器管理部
JAEA-Review 2010-077, 201 Pages, 2011/06
研究炉加速器管理部はJRR-3, JRR-4, NSRRの研究炉並びにタンデム加速器を運転管理し、それらを利用に供するとともに関連する技術開発を行っている。本報告は2009年4月1日から2010年3月31日までの研究炉加速器管理部において実施した業務活動をまとめたものである。業務内容については以下の5項目に分類した。(1)研究炉及び加速器の運転管理,(2)研究炉及び加速器の利用,(3)研究炉及び加速器利用技術の開発,(4)研究炉及び加速器の安全管理,(5)国際協力。さらに論文,口頭発表一覧,官庁許認可,表彰及び業務の実施結果一覧を掲載した。
佐藤 隆博; 石井 慶造*
JAEA-Review 2010-078, 45 Pages, 2011/03
平成18年度から20年度までの3年間、連携重点研究「マイクロPIXE画像技術の精緻化とその生命科学への応用」が行われた。本研究は、原子力機構と東北大学工学部の共同研究により開発した、細胞内の元素の空間分布を撮像できる大気マイクロPIXE分析システムを医学分野に応用することを目的として、ビーム技術開発や生物・医学分野における元素分布情報の利用技術などについて、7テーマの共同研究から構成された。本研究レビューは、これらの研究成果をまとめたものである。
田上 進; 清水 修; 佐野 成人; 今泉 明子; 飛田 浩; 永崎 陽輔; 黒羽根 史朗
JAEA-Review 2010-079, 90 Pages, 2011/03
バックエンド研究施設(BECKY)は、核燃料サイクルや放射性廃棄物に関する安全研究及び基礎・基盤研究を実施する研究施設として、平成6年から供用を開始している。本施設は、コンクリートセル3基,鉄セル3基,グローブボックス30基,フード20基から構成される汎用性のある大型施設である。本施設の運転・保守及び管理は、保安規定に基づいて実施され、巡視点検,施設定期自主検査,保守点検等を行っている。また、核燃料物質使用にかかわる許認可変更業務を執り行うことで、研究開発を支援している。本報告書は、第一期中期計画(平成17年度平成21年度)のバックエンド研究施設の運転管理についてまとめたものである。