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園部 一志
JAEA-Review 2008-001, 37 Pages, 2008/03
高レベル放射性廃棄物の安全研究は、国が行う安全基準,指針類の策定への寄与等を目的に、国内の研究機関の間で進められてきた。日本原子力研究開発機構においても、これまでにその前身である旧法人(動力炉・核燃料開発事業団,日本原子力研究所,核燃料サイクル開発機構)の頃から、精力的に進めてきており、得られた成果は、高レベル放射性廃棄物の処分にかかわる安全規制の基本的考え方の策定などの検討に反映されている。高レベル放射性廃棄物を取り巻く情勢は、安全規制と事業化に関する展開が同時に進んでおり、これらを支える研究開発の成果はそれらへの反映が求められる。これらの状況を踏まえ、日本原子力研究開発機構の前身である動力炉・核燃料開発事業団、核燃料サイクル開発機構では、処分事業と安全規制の両者に反映させることを視野に入れ、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発を進めてきた。ここでは、安全研究に着手した旧法人に遡り現在に至るまでの間、国の動向なども交え、高レベル放射性廃棄物に関する安全研究の方針,計画,成果を整理するとともに、今後の進め方について検討を加えた。
システム計算科学センター
JAEA-Review 2008-002, 49 Pages, 2008/03
本報告書では、平成18年度における日本原子力研究開発機構・システム計算科学センターの研究開発活動について報告する。これらの研究開発は、高度計算科学技術開発室とシミュレーション技術開発室により執り行われた。その主な成果は、仮想振動台のためのシミュレーション技術開発,原子力研究開発のための高度インフラ整備,計算によるDNA修復機能の予測,物性モデル開発による中性子検出デバイスやき裂進展,核燃料中での気泡発生のシミュレーションである。
連携重点研究第8サブグループ
JAEA-Review 2008-003, 76 Pages, 2008/03
連携重点研究「放射性廃棄物処分安全研究のためのネットワーク」の1つのサブテーマである「ガラス固化体の長期溶解/変質の地球化学的機構の評価とモデル化」のもとで実施してきた、平成18年度の活動を報告する。このサブテーマでは、処分の安全評価において核種放出のソースタームとなるガラス固化体からの核種浸出について、その長期挙動評価の信頼性を向上させることを目的とし、固化体の長期溶解/変質の地球化学的機構の解明とそれをもとにした長期浸出モデルの検討を進めることを計画している。18年度は2回の研究会を開催し、ガラス固化体の長期溶解/変質に関するこれまでの多くのデータを整理するとともに、それぞれ進行している研究結果に関する議論を行った。これら研究会の資料,議論内容などをまとめて示す。
量子ビーム応用研究部門; 先端基礎研究センター
JAEA-Review 2008-004, 139 Pages, 2008/03
日本原子力研究開発機構では、量子ビーム応用研究部門及び先端基礎研究センターに合わせて13の中性子研究・開発グループがあり、研究用原子炉JRR-3を利用した研究と開発を行っている。分野は中性子散乱(固体物性,高分子,生物,残留応力),即発線分析,中性子ラジオグラフィ,中性子光学,装置・検出器・デバイス開発と多岐に渡る。本報告書は、これらのグループの活動報告に加えて、2006年4月から2007年3月までの期間に行われたこれらのグループの中性子科学研究,原子力機構外との協力研究・共同研究の成果として78編の研究報告を収録する。
原子力研修センター
JAEA-Review 2008-005, 98 Pages, 2008/03
本報告書は、日本原子力研究開発機構原子力研修センターの平成18年度における業務概況をまとめたものである。平成18年度は、日本原子力研究所国際原子力総合技術センターと核燃料サイクル開発機構人事部人材開発課技術研修チームが、前年度半ばに統合してから2年度目にあたる。原子力研修センターにおける研修業務は順調に遂行され、国内研修コースの受講者数は518人、職員等を対象とした技術研修の受講者は545人であった。新規の研修としては、第3種放射線取扱主任者講習を開講し、技術士第1次試験対策講座を所内開催した。また、職員向けに実施されてきた国家試験受験講座を、一般開講するための準備を進めた。国際研修も年度当初の計画に従って実施され、タイのOngkharak,ベトナムのDalatに新しく研修拠点を立上げるための支援を行った。平成17年度から開講した東京大学大学院工学系研究科原子力専攻学位課程(原子力専門職大学院)についても、実習関係の協力活動などを継続した。
原子炉施設管理部
JAEA-Review 2008-006, 41 Pages, 2008/03
2006年度は、第162サイクルから第165サイクルまでの計3サイクルの利用運転を行い、軽水炉炉内構造物の照射誘起応力腐食割れ(IASCC)の研究,核融合炉ブランケットの開発研究,材料基礎研究,放射性同位元素(RI)の製造・開発等を目的とした照射試験及び照射後試験を実施した。原子炉の運転は、当初計画とおり165サイクルをもっていったん停止し、JMTR改修に向けての準備,施設保全,維持管理が開始された。
原子力科学研究所
JAEA-Review 2008-007, 114 Pages, 2008/03
原子力科学研究所(原科研)は、保安管理部,放射線管理部,工務技術部,研究炉加速器管理部,ホット試験施設管理部,安全試験施設管理部,バックエンド技術部,計画管理室の7部・1室で構成され、各部署が中期計画の達成に向けた活動を行っている。本報告書は、平成18年度の原科研の活動と原科研を拠点とする安全研究センター,先端基礎研究センター,原子力基礎工学研究部門,量子ビーム応用研究部門,バックエンド推進部などが原科研の諸施設を利用して実施した研究開発活動の実績を記録したものであり、今後の研究開発や事業の推進に役立てられることを期待している。
井田 瑞穂; 中村 博雄; 千田 輝夫*; 宮下 誠; 古谷 一幸*; 吉田 英一; 平川 康; 三宅 収; 平林 勝; 荒 邦章; et al.
JAEA-Review 2008-008, 38 Pages, 2008/03
国際核融合材料照射施設(IFMIF)の工学実証・工学設計活動(EVEDA)が実施中である。IFMIFは核融合炉材料の開発のための十分な照射体積を有する強力な加速器型中性子源である。このような中性子を発生させるために、最大エネルギー40MeV,最大電流250mAの重水素ビームを、最大流速20m/sの液体リチウム流ターゲットに入射させる。ターゲット系では、中性子の核発熱によりターゲット背面壁に熱応力が発生する。さらに、ベリリウム-7をはじめとする放射性核種が発生する。本報告では、平成18年度の原子力機構におけるターゲット系の主要な活動として、核発熱条件下でのターゲット背面壁の熱応力解析,その材料の溶接後の機械特性の試験,リチウムループ内でのベリリウム-7挙動とそれによる作業員被曝の評価、及び原子力機構を中心に実施予定の工学実証・工学設計タスクの検討結果を取りまとめた。
次世代原子力システム研究開発部門
JAEA-Review 2008-009, 129 Pages, 2008/03
日本原子力研究開発機構では、長期的エネルギー安全保障,地球環境問題への対応のため、国家基幹技術に選定された高速増殖炉サイクル実用化研究開発(FaCTプロジェクト)を進めている。同プロジェクトの情報発信とご意見を伺う会として、FaCTセミナーを2007年11月30日(金)に大阪科学技術センターで開催した。セミナーにおいては、文部科学省,経済産業省,原子力機構からFBRサイクル研究開発への取組み状況と今後の計画が報告された。また、FBRサイクル研究開発に関する国際協力の進め方についてのパネル討論を行い、競争と協調を峻別しつつ技術確立に努めるとともに、国際的な連携体制の構築・維持の重要性等の意見が述べられた。セミナーには、官庁,大学,研究機関,産業界等から260名を超える出席があり成功裏に終えることができた。
西尾 和久; 弥富 洋介; 尾方 伸久
JAEA-Review 2008-010, 149 Pages, 2008/03
独立行政法人日本原子力研究開発機構(原子力機構)東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)を実施している。地層科学研究を適正かつ効率的に進めていくため、研究開発の状況や成果、さらに今後の研究開発の方向性について、大学,研究機関,企業等の研究者・技術者等に広く紹介し、情報・意見交換を行うことを目的とした「情報・意見交換会」を行っている。本資料は、平成18年10月19日,20日に岐阜県瑞浪市で開催した「平成18年度東濃地科学センター地層科学研究情報・意見交換会」にて用いた発表資料を取りまとめたものである。
社本 真一; 新井 正敏
JAEA-Review 2008-011, 195 Pages, 2008/03
2008年12月14日15日に茨城県北茨城市五浦において、第2回科研費特別推進研究・研究会「量子ビームによる高温超伝導機構の解明」が開催された。この研究会科研費特別推進研究「4次元空間中性子探査装置の開発と酸化物高温超伝導体の研究」平成17年度21年度、代表・新井正敏)の第二回研究会であり、第一線の研究者30名の出席のもと、酸化物高温超伝導研究の現状,課題,今後の研究の方向性を実験・理論の両側面から明らかにすることを目的としたものである。本報告書は本ワークショップの講演要旨及び講演で資料された発表資料を収録したものである。
草野 譲一
JAEA-Review 2008-012, 104 Pages, 2008/03
本資料は大強度陽子加速器施設(J-PARC)の各施設で使用が予想される各種材料・機器等の耐放射線特性について、これまでに公表されている特性試験報告を用途・材料別に分類してとりまとめたものである。J-PARC加速器はビーム出力1MWと従来加速器の10倍以上のビーム強度を扱うため、必然的に発生するロスビームが引き起こす材料の放射線損傷の影響に関し、広い範囲の機器について検討を必要とされている。その使用予定材料,機器の耐放射線特性は施設稼働後の各装置の寿命・交換時期の評価、さらには保守作業における作業員の放射線被曝予測評価に極めて重要である。本資料の作成作業はJ-PARCにおける高放射線環境に予定される機器の信頼性を調査する意味から、これまでに公表されている各種材料・機器の耐放射線特性についての収集と第一次編集を(財)放射線利用振興協会に依頼し、第二次編集をJ-PARCセンターで担当しまとめたものである。
Mozumder, A.*; 横谷 明徳; 勝村 庸介; 籏野 嘉彦
JAEA-Review 2008-013, 37 Pages, 2008/06
このReviewは、標記の課題について、A.Mozumderによるセミナー等の研究集会における講演と横谷明徳, 勝村庸介, 籏野嘉彦等と行った情報・意見交換の内容をまとめたものである。A.Mozumderは日本学術振興会外国人招へい研究者(短期)(受入研究者:籏野嘉彦、期間:2007年9月27日から11月17日まで、研究課題:「荷電粒子及びフォトンと物質との相互作用」)として日本原子力研究開発機構先端基礎研究センターに招へいされた。標記の課題は、上記の相互作用のいずれの場合においても共通に生成される反応分子種のうちから最も重要なものとして電子を選んで、特に凝縮相におけるその振る舞いについて述べたもので、A.Mozumderが行った本機構(東海及び高崎地区)及び国内の諸大学、研究機関でのセミナー等の講演、本センターが主催した国際シンポジウムASR2007及び放射線化学討論会(京都)での招待講演、本センターの勝村・横谷グループと頻繁に行った情報・意見交換の内容をまとめたものである。
薮田 尚宏*; 河合 潤*; 氷川 珠江*; 時澤 孝之; 佐藤 和彦; 古賀 修
JAEA-Review 2008-014, 133 Pages, 2008/11
人形峠環境技術センター(以下、センター)及び岡山県と鳥取県に跨り点在する核原料物質鉱山関連施設を廃止するにあたって、以下の検討を行い、周辺住民や自治体の理解を得ながら円滑に措置を進めるためのリスクコミュニケーション活動を実施した。リスクコミュニケーションの実践策として、人形峠におけるウラン燃料の開発事業を題材に、地元の高校生がエスノグラフィ手法を用いて調べた。ウランの開発に取り組んだ技術者や地元の人々といった社会集団に焦点を当て、50年前にウラン鉱床の露頭が発見されてからの人形峠の歩みや今日の状況について描出した。また、高校生によるこうしたエスノグラフィ研究の取り組みにより、次の4つの効果が見られた。(1)高校生の視点から、人形峠ウラン開発事業の意義が確認されたこと。(2)地域とセンターとの現状の相互の立ち位置,隔たりが再確認されたこと。(3)地域とセンターとのコミュニケーションを行う素地を作るための道筋が得られたこと。(4)高校生によるエスノグラフィプログラムが実践されたこと。
薮田 尚宏*; 河合 潤*; 氷川 珠江*; 時澤 孝之; 佐藤 和彦; 古賀 修
JAEA-Review 2008-015, 92 Pages, 2008/11
人形峠環境技術センター及び岡山県と鳥取県に跨り点在する核原料物質鉱山関連施設を廃止するにあたって、以下の検討を行い、周辺住民や自治体の理解を得ながら円滑に措置を進めるためのリスクコミュニケーション活動を実施した。リスクコミュニケーションの実践策として、人形峠におけるウラン燃料の開発事業を題材に、地元の高校生がエスノグラフィ手法を用いて調べた。ウランの開発に取り組んだ技術者や地元の人々といった社会集団に焦点を当て、50年前にウラン鉱床の露頭が発見されてからの人形峠の歩みや今日の状況について描出した。津山高校の社会問題研究部によるエスノグラフィ・プログラムは平成18年度の取り組みで2年目を迎えた。今回は研究成果の発表に加え、同種の取り組みを開始している他校との交流会も行い、意義や課題などを具体的に見据えた活動実績を得た。
佐々木 康雄; 虎田 真一郎; 沼田 良明
JAEA-Review 2008-016, 69 Pages, 2008/03
地層処分研究開発部門が実施している地層処分研究開発のうち、主として東海研究開発センターにおいて実施している研究課題について審議検討を頂き、客観的な助言を得て計画に反映し、優れた成果を効率的に得るとともに、これを処分事業や安全規制等に時宜よく反映していくため、大学や関連研究機関における専門家による「地層処分研究開発検討委員会」を設置している。本資料は、2007年3月に開催した第2回委員会の会議報告を行うものである。
産学連携推進部
JAEA-Review 2008-017, 164 Pages, 2008/03
核燃料サイクル創造的工学研究(旧社内公募研究)制度は、旧サイクル機構が取り組むすべての研究開発分野を対象として、社内の研究者及び技術者から独創性や新規性に富んだ新概念の創出、技術のブレークスルーを目指す研究テーマを募集し、その研究の遂行を支援する制度として平成13年度に導入され、平成19年度末に終了することとなった。この間の総応募件数は37件で、採択され実施に移された研究テーマは14件であった。研究成果としては、14件の研究テーマの合計で、筆頭著者のものだけでも学術誌論文は47件,学術会議論文は32件,学会等口頭発表は99件となっている。また、学術誌解説・総説,依頼講演,特許,受賞は合計でそれぞれ13件,30件,8件,3件となった。これらのことから、本制度による研究成果は総じて高水準のものであり、本制度導入時の"創造的な研究活動の活性化を図る"という所期の目的を達成したと評価できる。ここでは、本制度の概要を述べるとともに、14件の研究テーマの総まとめとしてそれらの最終報告書を記載した。
高温工学試験研究炉部
JAEA-Review 2008-018, 68 Pages, 2008/03
日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターのHTTR(高温工学試験研究炉)は、熱出力30MWの黒鉛減速ヘリウムガス冷却型原子炉で、我が国初の高温ガス炉である。平成18年度は、中性子検出器交換作業及び反応度制御設備の分解点検作業を実施するとともに、施設定期検査の合格証を取得した。また安全性実証試験として、制御棒引抜試験,循環機回転数低下試験,循環機停止試験を実施した。本報告書は、平成18年度(2006年)のHTTRの運転と保守及び各種技術開発の状況等について紹介する。
藤本 望; 橘 幸男; 坂場 成昭; 日野 竜太郎; Yu, S.*
JAEA-Review 2008-019, 194 Pages, 2008/06
高温ガス炉から取り出される高温の熱は、高効率発電のみならず、広範囲なプロセス熱利用、特に、熱化学水素製造に用いることができることから、高温ガス炉への関心が世界的に高まっている。現在、世界で運転されている高温ガス炉は2基のみで、1つが独立行政法人日本原子力研究開発機構のHTTR(高温工学試験研究炉)であり、もう1つが、中国の清華大学核能及新能源技術研究院(INET)のHTR-10である。原子力機構とINETは、1986年の覚書締結以来、これまで高温ガス炉分野、特に、HTTR計画及びHTR-10計画について研究協力を進めてきた。本報は、2007年の原子力機構とINETの高温ガス炉及び原子力水素製造技術開発に関する研究協力活動についてまとめたものである。
小島 久雄
JAEA-Review 2008-020, 28 Pages, 2008/07
採鉱されたウラン鉱石は、精錬工程により不純物が除去され、ウラン含有率を60%程度に高めたイエローケーキとなる。その後、転換工程にて、ウラン濃縮の原料であるUFとなる。ウラン濃縮工程では、Uの割合が高められ、その後、UOに再転換し、ペレット状に成型・加工され核燃料となり、原子力発電所で使用されることとなる。ウラン濃縮法は世界的に遠心分離法が主流となっている。核燃料サイクルとは、原子力発電所からの使用済燃料を再処理し、ウラン,プルトニウムを回収して、燃料として再び使用する一連の流れである。再処理の方法としては、TBPを抽出溶媒とするPUREX法が主流である。我が国においては、東海再処理工場の経験を経て、民間の六ヶ所再処理工場が2008年の本格操業開始を目指し、試験運転を進めている。再処理の工程には、前処理工程として、せん断工程,溶解工程,清澄工程があり、また、化学処理工程として、溶媒抽出工程,濃縮・脱硝・混合転換工程がある。その他、硝酸・溶媒のリサイクル工程,ガラス固化工程などがある。高速増殖炉燃料の再処理は基本的にPUREX法により可能であるが、高いプルトニウム含有率,高い燃焼度及び集合体構造の違いなどを考慮した改良が必要となる。さらに一層の経済性向上や廃棄物負担の軽減,核不拡散性向上の達成を目指した新しい技術の採用が検討されている。
石川 正; 深澤 剛靖
JAEA-Review 2008-021, 50 Pages, 2008/05
日本原子力研究開発機構における研究者の学術雑誌に対するニーズを定量的に明らかにするため、平成18年に1年間にわたってエルゼビア社発行の電子ジャーナル1,783誌を利用して、ダウンロード数などのデータを収集し調査した。研究者は自然科学から社会科学まで広い分野に渡る雑誌を利用したが、年間総ダウンロード数の80%は102誌の雑誌(本稿では「コアジャーナル」という)に集中していることがわかった。この事実から研究者のニーズを充足するためには、利用データに基づいてコアジャーナルを的確に選定することが費用対効果の観点から重要であることが確認できた。
草野 譲一
JAEA-Review 2008-022, 134 Pages, 2008/03
本資料は大強度陽子加速器施設(J-PARC)の各施設で使用が予想される各種材料・機器の耐放射線特性について、主として原子力機構高崎量子応用研究所のコバルト照射施設を用いて実施した照射試験の報告集である。J-PARC加速器はビーム出力1MWと従来加速器の10倍以上のビーム強度を扱うため、必然的に発生するロスビームが引き起こす材料の放射線損傷の影響に関し、広い範囲の機器について検討を必要とされた。その使用予定材料,機器の耐放射線特性は施設稼働後の各装置の寿命・交換時期の評価、さらには保守作業における作業員の放射線被曝予測評価に極めて重要である。材料の耐放射線特性の検討では、使用目的により機械的,電気的,真空的特性などの変化状況の把握と許容限界線量が求められる。それらは放射線の種類・エネルギー,放射線の強度等の違いに大きく依存し、かつ、同一材料であっても使用目的により許容限界線量は異なる場合が多い。本資料では、試験対象材料及び機器の使用目的と線照射試験の目的を明確にし、照射試験の結果とその評価、さらにその後の展開についてまとめた。
塙 善雄; 出雲 寛互; 深作 秋富; 長尾 美春; 河村 弘
JAEA-Review 2008-023, 55 Pages, 2008/06
2008年度から開始されるJMTRの二次冷却系統の更新工事に先立ち、JMTR再稼動後の二次冷却系統の長期使用を確実なものにするため、二次冷却系配管の健全性調査を実施した。その結果、二次冷却系配管の配管内面のライニングには、クラック、ふくれ、剥離が確認されていたが、二次冷却配管に腐食はほとんど発生していなかったことを確認した。JMTR再稼動後の使用に関しては、JMTR改修期間中に配管内面ライニングを補修しておくことが必要であり、また、補修後もライニングの健全性を定期的に点検する必要がある。
横山 須美
JAEA-Review 2008-024, 29 Pages, 2008/06
大型加速器施設では、高エネルギー粒子と施設内の構造物や空気との核破砕反応等により、さまざまな放射性核種が生成される。これらを吸入摂取した場合の内部被ばく線量を実際的かつ適切に評価するためには、生成核種の性状(粒径分布や化学形)に関する知見が必要になる。これまでに加速器施設で生成される浮遊性放射性核種の性状、特に、放射性粒子の生成機構,粒径分布,放射性ガスの性状に関する研究等が実施されてきた。本報告書では、近々J-PARC施設の運用が開始されるにあたり、J-PARCにおける内部被ばく線量評価へのこれらの研究成果の適用について検討を行い、その検討結果について取りまとめた。
田中 桃子
JAEA-Review 2008-025, 47 Pages, 2008/06
X線レーザーは数ピコ秒のパルス幅,狭い波長幅,高コヒーレンスといった性質を持った特徴的な光源であり、EUVリソグラフィー分野をはじめとしてさまざまな分野での応用研究が期待されている。しかしながら、X線レーザーの発光計測分野への実用例は乏しかった。本研究は、X線レーザー励起による発光計測の実用化を目的とし、従来方式のX線レーザーの問題点であったビーム発散角の大幅な改善を行い、これを励起光源として固体の時間分解発光分光を行った。X線レーザーのビーム発散角は、2つの利得媒質を用いたダブルターゲット方式により0.2mradまで改善することに成功した。また、発光計測の対象としては、ZnO単結晶の波長13.9nm励起による紫外発光の計測を行い、EUVシンチレーターとして好適であることを見いだした。時間分解計測については、X線レーザーのパルス幅が数ピコ秒程度であることから、高速のストリークカメラと組合せることにより高い時間分解能の計測が可能となる。今後、さらに高速のシンチレーション物質の探索や、従来は可視光の多光子励起により行われていた透明材料の発光計測など、さまざまな応用が期待される。
西尾 和久; 弥富 洋介; 尾方 伸久
JAEA-Review 2008-026, 103 Pages, 2008/05
独立行政法人日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(以下、地層科学研究)を実施している。地層科学研究を適正かつ効率的に進めていくため、研究開発の状況や成果、さらに今後の研究開発の方向性について、大学,研究機関,企業等の研究者・技術者等に広く紹介し、情報・意見交換を行うことを目的とした「情報・意見交換会」を行っている。本資料は、平成19年10月19日に岐阜県瑞浪市で開催した「平成19年度東濃地科学センター地層科学研究情報・意見交換会」にて用いた発表資料を取りまとめたものである。
山本 一也
JAEA-Review 2008-027, 54 Pages, 2008/06
原子力緊急時の住民避難計画の策定に関して公開文献を中心とした調査を実施した。フランスで導入された即時対応フェーズは、早い放射性物質の外部放出が予想される事故に対処するため、まず半径2kmの範囲について即時に屋内退避を実施し、その後、放射性プルームの通過を待って避難を実施するという対応がなされる。また、この対応には、当該区域に対して安定ヨウ素剤の事前配布を実施することが前提となる。フランスの原子力緊急時の住民避難は、我が国と同様にバスで避難者を移送するが、その受入れ施設は、屋内退避措置が想定されている範囲、原子力発電所の場合10kmの外に設置される。避難時間評価に関する米国の実例から、避難時間評価は、外的条件のパラメータとして、季節,平日/週末,昼/夜,天候,行事等を設定し、あらかじめ作成した避難区域パターンについて実施される。国勢調査データではわからない住民行動に関する情報は電話調査によって取得している。避難時間評価において、避難対象になっていない住民が自発的に避難を始めてしまうことの影響は重要である。また、我が国においては、一般道に関する広域の交通シミュレーション技術が重要である。
細川 甚作; 出雲 寛互; 石塚 悦男
JAEA-Review 2008-028, 39 Pages, 2008/06
JMTRに設置する新しい照射設備の技術開発に資するため、オーストラリアOPAL炉の医療用RI製造用Mo製造設備,シリコン半導体製造設備,気送管照射設備,RI取扱設備について調査した。本報告書は、これら照射設備について、設備の構造や安全設計の考え方等の調査結果をまとめたものである。
松木 良夫*; 高原 省五; 本間 俊充; 村松 健
JAEA-Review 2008-029, 111 Pages, 2008/05
各種エネルギー産業(石炭,石油,天然ガス,水力及び原子力)における大規模事故事例及びリスク評価事例を調査し、その結果を分析した。大規模事故事例は、スイスのPaul Scherrer Instituteの調査及び国際原子力機関が整理した情報を中心に整理し、また原子力発電所における大規模事故に関して、米国における大統領委員会報告及び欧州における幾つかの研究報告を整理した。調査結果は、事故の被害(死亡者数,負傷者数,避難者数及び損害額)を指標として整理し、この結果をもとに、原子力発電とほかのエネルギー産業における事故の規模を比較した。原子力産業における事故事例は、ほかのエネルギー産業における事故と比べて特に損害額が高くなる傾向があるが、死亡者数や負傷者数に注目した場合には、ほかのエネルギー産業と比べて原子力発電における事故の方が大規模な被害を伴うという傾向は確認できなかった。一方、ほかのエネルギー産業の事故と比較した場合、原子力事故は、事故の影響範囲が非常に広く、長期間に渡り影響を及ぼす点で特徴がある。
佐藤 公一; 加藤 浩; 石川 文隆; 長谷川 信; 中崎 正好*
JAEA-Review 2008-030, 112 Pages, 2008/09
日本原子力研究開発機構では、人材育成を目的として、原子力教育大学連携ネットワークを構築し、遠隔教育システムを使用した共通講座及び学生実習を実施しており、平成20年度からは新規大学の参加を予定している。そこで、さらなるネットワーク拡大を目指して、大学における原子力教育を行ううえでの課題,将来構想等、また原子力教育の現状を把握することにより、今後の活動に反映させていくために、原子力関連講座を有する大学を対象として、原子力教育の内容,他機関との連携,人材育成の意識等についてのアンケート調査を実施した。結果として、体系的な教育カリキュラムを維持・継続していくために他機関との連携を希望する大学は約80%を占めており、原子力教育大学連携ネットワークへの参加については、学生実習,相互講師派遣,共通講座の順に要望が多いが、課題として遠隔教育システムとの整合性,講師派遣における学内の調整,旅費等が挙げられた。
社本 真一; 樹神 克明
JAEA-Review 2008-031, 320 Pages, 2008/07
「アモルファスから結晶にわたる物質の構造解析に関する国際ワークショップ」(SABAC2008)と題される国際会議が2008年1月10, 11日にテクノ交流館「リコッティ」において開催された。光メモリ材料,熱電材料,水素貯蔵材料,イオン伝導体など近年の工業的な機能材料にはその原子配列に乱れを持ち、さらにその乱れがそれら物質の機能の本質を担っている場合がある。しかしこのような原子配列の乱れはリートベルド解析に代表される通常の構造解析手法を用いて調べることは不可能である。同様のことは機能性ナノ粒子に対しても言える。今回の国際会議ではこのような物質系の構造を調べるための新しい試みとその研究成果が報告され、活発な議論が行われた。本報告書は本会議の講演要旨及び講演で使用された発表資料を収録したものである。
研究協力課
JAEA-Review 2008-032, 32 Pages, 2008/07
本報告書は、平成19年度に実施した産学連携協力研究員による5件の研究テーマの実施結果についてその概要をまとめたものである。
鈴木 美寿; 堀野 浩一*
JAEA-Review 2008-033, 22 Pages, 2009/03
日米間GNEPアクションプランに基づく保障措置及び核物質防護ワーキンググループの研究協力の一環として、次世代保障措置システム開発のためのソフトウエア開発について検討している。本分野のソフトウエアに対するニーズを調査するために、日米双方でお互いの国の中における関連ソフトウエアの在庫調査を行った。本報告書は、調査結果に基づいてソフトウエアの分析を行い、次世代ソフトウエア開発についてのニーズを調べる。保障措置のソフトウエアツールに関する情報を交換し、汎用の保障措置ツールを開発するためのこれからの研究開発プログラムについて議論することは、保障措置システム設計に貢献するとともに将来の核燃料サイクル施設についての保障措置システムを評価するのに必要不可欠なことである。
鯉渕 浩人; 土肥 輝美; 石黒 秀治*; 林 勝*; 千田 正樹*
JAEA-Review 2008-034, 59 Pages, 2008/12
日本原子力研究開発機構(以下、「機構」という。)は、機構をはじめ、大学・民間等の研究所等から発生する極低レベル放射性廃棄物及び低レベル放射性廃棄物(以下、「研究施設等廃棄物」)の浅地中処分の埋設事業計画を策定する。その際、機構以外を発生源とする廃棄体形態等を想定した廃棄物の受入要件は、本事業の許認可における安全評価等の観点で重要となる。したがって本調査において、国内外の低レベル放射性廃棄物の受入れ基準,医療廃棄物の管理状況,我が国の「研究施設等廃棄物」のうち、「RI廃棄物」を除いた「研究所等廃棄物」に関する基礎データ等について調査・整理を行い、埋設事業計画策定時に必要とされる廃棄体(廃棄物)受入要件等の検討を行った。我が国の低レベル放射性廃棄物の受入れ基準に関しては現行法規を、諸外国の同基準に関しては、代表的なアメリカ,フランス,イギリス,スペイン各国について文献等を参考に整理した。研究所等廃棄物に関しては、浅地中処分を対象とする廃棄物の物量や特徴を整理した。また、有害廃棄物,二重規制対象廃棄物の取扱い,廃棄物所有権の取扱いなど、今後の検討課題も挙げた。以上の調査結果等をもとに、研究所等廃棄物の受入要件に関して法規上、技術上必要となる対応策,整備事項などを報告する。
鯉渕 浩人; 土肥 輝美; 中越 章雄*; 雨宮 清*
JAEA-Review 2008-035, 21 Pages, 2009/02
我が国では、原子炉施設から発生する炉内構造物等廃棄物及び再処理施設,混合酸化物燃料加工施設から発生するTRU廃棄物の一部について、余裕深度処分を行うことが提案されている。現在、事業の実施に向けて安全規制を含めた制度の整備が行われているところである。これらの状況を踏まえ、安全な処分を実現するためには、既に余裕深度処分相当の廃棄物処分を実施している諸外国の事例が参考となる。したがって本報告書では、実施国の中でも埋設深度や処分対象廃棄物等が日本と類似しているフィンランドとスウェーデンを調査対象として、廃棄物の分類,処分の考え方,処分施設の構造等の調査結果に基づき、両国の余裕深度処分概念について以下のとおり報告する。フィンランドでは、放射性廃棄物の管理,処分方法は原子力エネルギー法や政府の方針により定められている。対象廃棄物は、原子力発電事業者によって、各々の発電所サイト内地下100m前後の岩盤空洞内において処分されている。スウェーデンでは原子力活動法により、原子力発電所の事業者が使用済燃料及び原子炉廃棄物の安全な取扱いと処分に対して責任を有している。対象廃棄物は、原子力発電事業者の共同出資により設立された会社を実施主体として、海底下約60mの岩盤空洞内に処分されている。上記のほか、両国の余裕深度処分相当以外の処分事業,関連法規制,資金計画,研究開発の概況なども本報告書にまとめている。
新井 正敏; 相澤 一也; 中島 健次; 柴田 薫; 高橋 伸明
JAEA-Review 2008-036, 162 Pages, 2008/08
2008年2月27日29日に日本原子力研究開発機構J-PARCセンターにおいて、「生命科学分子動力学研究のための背面反射型分光器」に関するワークショップが開催された。本ワークショップは、J-PARC/MLFに建設が計画されているダイナミクス解析装置DNAの仕様検討に資することを目的に、米国・フランス・スイスの三国において稼働中の同型の実験装置(背面反射型分光器)に造詣の深い著名な4名の研究者を国際アドバイザリ委員(委員: Dan Neumann博士(委員長); Ferenc Mezei教授; Hannu Mutka博士; Philip Tregenna-Piggott博士)として招聘し、前半を講演形式、後半を委員会形式で開催された。本報告書は、国際アドバイザリ委員会の要旨、及び委員会・ワークショップで使用された発表資料を収録したものである。
湿式分離プロセス化学研究グループ
JAEA-Review 2008-037, 702 Pages, 2008/10
「再処理プロセス・化学ハンドブック」第1版(JAERI-Review 2001-038, 2001年刊行)に対し、新しいデータを加えるとともに、内容を精査して、この第2版を作成した。第1版の「再処理プロセス・化学ハンドブック」は、専門家で構成される編集委員会により、平成5年度より平成12年度にわたって収集,検討されたプロセス及び基礎化学データをまとめたものである。これに、湿式分離プロセス化学研究グループ及びその前身の旧日本原子力研究所安全性試験研究センター燃料サイクル安全工学部プロセス安全研究室で取得したデータや文献調査で得られた新たなデータを加え、誤植等記述の誤りを修正して、湿式分離プロセス化学研究グループで編集作業を行って第2版としたものである。湿式再処理技術に関するプロセス及び化学の基礎情報をまとめたデータベースの整備は、UO燃料の高燃焼度化やMOX燃料の利用など、燃料の高度化に対応する再処理プロセス及び核燃料サイクルを開発・評価して、湿式再処理技術の利用を拡大していくために重要であり、本ハンドブックはこれに貢献することを目的にまとめたものである。
巽 雅洋*; 兵頭 秀昭*
JAEA-Review 2008-038, 95 Pages, 2008/08
炉定数調整法に基づく高速炉核特性予測精度向上において、実機燃焼データを活用するためには、燃焼核特性の感度解析(以下、燃焼感度解析と呼ぶ)を行う必要がある。これまでに、燃焼感度解析を実施するためのコード(SAGEP-BURN)の開発が行われ、その有効性が確認されている。しかしながら、この燃焼感度の理論の複雑さと、システム上の制限から、ユーザへの負担が大きく解析作業が極めて非効率的であるという問題があった。また、システムの巨大化により機能の拡張が難しくなっているため、今後の機能拡張のために整理・統合が必要となっている。このため、オブジェクト指向とスクリプト言語の技術を利用して、燃焼感度解析コードのシステム化作業を実施した。(注:本報告書は2005年2月に発行された報告書(JNC TJ9410 2004-002)の翻訳である。)
中司 昇; 野原 壯; 梅田 浩司; 石丸 恒存; 花室 孝広; 齋藤 龍郎; 安江 健一; 丹羽 正和
JAEA-Review 2008-039, 19 Pages, 2008/09
我が国は変動帯に位置しており、安定大陸にある欧米諸国に比べて、地震や火山活動等が活発である。地質環境の長期安定性に関する研究においては、地層処分の場としての地質環境に重要な変化をもたらす可能性のある天然現象に着目して、それらの特徴を明らかにするとともに、それらが地質環境に及ぼす影響を評価するための調査技術・手法にかかわる研究開発を進めている。平成20年度においては、以下の項目について調査・研究を行う。地震・断層活動については、断層の発達履歴や活動性に関する調査技術の整備、断層帯における影響評価モデルの開発に関する事例調査を実施する。火山・地熱活動については、第四紀の火山・地熱活動(特に低温領域の熱履歴)や地下深部のマグマ・高温流体等の基礎的な探査技術の適用性を検討する。隆起・侵食/気候・海水準変動については、古地形・古気候を復元する調査技術の整備や地形変化をシミュレートする技術の開発を行う。地質環境の長期安定性にかかわる総合評価研究については、熱水活動等に伴う地質環境条件の変化に関する情報の整備、地殻変動及び気候変動などを考慮した地下水流動解析手法の開発を行う。また、これらの研究に必要なデータ取得を行うための分析技術開発の整備を行う。
木曽原 直之; 小竹 庄司; 阪本 善彦
JAEA-Review 2008-040, 67 Pages, 2008/08
(1)超臨界炭酸ガスタービンシステムを採用した2次ナトリウム系削除型SFRプラントの設計を行った。発電効率は約42%であり、2次ナトリウム系及び蒸気システムを保有するSFRに比べ、原子炉建屋容積は約20%低減する。(2)超臨界炭酸ガスループを模擬した試験装置を製作した。臨界点近傍で圧縮機の高い効率が得られることを確認した。PCHE再生熱交換器の温度効率は98-99%であり、高い伝熱性能を示した。運転性試験では、不安定現象は発生しなかった。(3)ナトリウムと炭酸ガスの反応試験を行った。連続的な反応は、570-580C以上で発生し、反応生成物はNaCOとCOであった。反応熱は50-75kJ/Na-molであった。(4)シェルアンドチューブ型ナトリウム/炭酸ガス熱交換器における、伝熱管1本ギロチン破断時の安全解析を行った。この結果、1次ナトリウム系の圧力最大値は構造健全性に影響ないこと,炉心への気泡移行による反応度上昇も炉心安全に影響のないことがわかった。また反応生成物による炉心閉塞しない見通しである。(5)超臨界炭酸ガス環境下において材料腐食試験を行った。600C-5000hrでの12Cr鋼、及び316FRの腐食量はそれぞれ、180g/m, 5g/mであり、316FRは高い耐食性を示した。
技術開発成果編集委員会
JAEA-Review 2008-041, 59 Pages, 2008/07
使命を終了した原子力施設の廃止措置及び放射性廃棄物の処理処分は原子力機構において重要な課題であり、安全を十分に確保したうえでこれらの対策を合理的に進める必要がある。そのためには、技術の開発・改良、適切な適用が重要であり、バックエンド推進部門では必要な技術開発を進めている。技術開発の課題はおもに費用低減の観点から選択し、廃止措置計画の検討・評価のための計算機システム、超臨界に二酸化炭素による除染技術、か焼処理技術、放射能の簡易迅速測定技術、廃棄物の放射能特性の評価などが含まれる。本報告書は技術開発ユニットが進める技術開発の概要、平成19年度までの進捗等についてまとめたものである。
研究協力課
JAEA-Review 2008-042, 184 Pages, 2008/10
本報告書は、平成19年度に実施した高速増殖炉関係,核燃料サイクル関係,放射線安全関係及び地層処分・地層科学関係の先行基礎工学研究に関する32件の研究協力課題の実施結果についてその概要をまとめたものである。
核融合研究開発部門
JAEA-Review 2008-043, 116 Pages, 2008/08
日本原子力研究開発機構核融合研究開発部門における平成18年度の研究開発(R&D)活動の主な成果と進捗について、所内の他研究所や機構内の研究開発部門及び所外の研究機関並びに大学との協力により実施された研究開発を含めて報告する。
武石 稔; 中野 政尚; 國分 祐司; 河野 恭彦; 前嶋 恭子*
JAEA-Review 2008-044, 93 Pages, 2008/10
東海再処理施設は、我が国初めての商業用軽水炉型原子力発電所使用済燃料の再処理施設として建設され、1977年9月にホット試験を、1981年1月から本格処理運転を開始し、2006年度までに1,000トンを超える使用済燃料を処理してきた。排水は、保安規定に定める放出基準を十分に下回っていることを確認した後、海中放出管を用いて東海沖の海洋へ放出してきた。さらに、放出に起因して環境に予期せぬ影響が生じていないかどうかを海洋環境放射能モニタリングにより確認してきた。2006年3月をもって、軽水炉型発電所からの使用済燃料の役務処理運転が終了し、研究開発運転にその目的を変更した。本報告は、1977年のホット試験開始から実施してきた海水,海底土,海産生物などを対象とした海洋環境放射能モニタリング結果について、包括的に取りまとめ評価したものである。
JT-60チーム
JAEA-Review 2008-045, 142 Pages, 2008/10
2005年及び2006年のJT-60Uの実験結果をレビューする。本実験期間では、核融合炉の実現とITERの物理基盤の確立に向けて、先進定常トカマクシナリオの開発において大きな進展を得た。トロイダル磁場リップルを低減して高速イオン損失を低減するために、フェライト鋼板を設置した。この結果、自由境界理想MHD限界を超える高規格化ベータ値(4.2)を達成した。また、高規格化ベータ値(2.3)と高閉じ込め改善度(HH1)を同時に23.1秒間維持することに成功した。一方、高密度のELMy Hモード放電では、壁排気がない状態でダイバータ排気を用いて約30秒間の密度制御を実証した。
林 直美
JAEA-Review 2008-046, 182 Pages, 2008/10
保安管理部は、労働安全衛生関連業務,危機管理業務,警備・入構管理業務,所にかかわる核物質防護及び品質保証業務等、多岐に渡る業務を所掌している。本報告は核燃料サイクル工学研究所保安管理部における平成19年度上半期(平成19年4月平成19年9月)の業務実績を取りまとめたものである。
花木 洋*; 三田 敏男*; 大橋 正久*
JAEA-Review 2008-047, 266 Pages, 2008/10
「常陽」等の実機燃焼データを設計で有効に活用するためには、燃焼核特性に対する核データ感度係数を解析し、これを用いて炉定数調整を実施する方法が最も有力である。そこで本研究では平成4年から燃焼核特性に対する核データの感度係数を解析するシステムの整備を実施してきた。2年間のシステム整備の成果は次の通りである。(1)燃焼核特性の感度係数を、複数サイクル及び燃料交換を考慮して解析可能なシステムを整備したことにより、実機燃焼データを用いた炉定数調整及び設計対象である大型炉の予測精度評価が可能となった。(2)直接計算との比較により、整備したシステムの妥当性を確認した。(注: 本報告書は1994年3月に発行された報告書(PNC TJ 9124 94-007 Vol.2)の翻訳である。)
高下 浩文; 米澤 理加; 菖蒲 信博; 菖蒲 順子; 郡司 郁子; 浅沼 美鈴
JAEA-Review 2008-048, 204 Pages, 2008/10
核燃料サイクル工学研究所リスクコミュニケーション室が、主体となって実施してきたリスクコミュニケーション活動をまとめた。これまでの主な活動は、リスクコミュニケーションに関する調査、メッセージの作成、情報発信ツールの開発、リスクコミュニケーションの実践である。メッセージについては、図やイラストを多用したメッセージを300枚程度作成し、メッセージ素材集としてまとめた。さらに、メッセージを住民と協働で作ることで、より住民の視点・ニーズに合ったわかりやすいメッセージを作成した。情報発信ツールの開発に関しては、原子力以外に交通事故など日常的なリスク情報も提供するリスクポータルサイト「リスク情報なび」を開発してきた。情報発信ツールとして、パネル,クリアホルダー,かるた,ビデオ等を作成した。リスクコミュニケーションの実践として、原子力機構職員が地域住民と少人数のグループを作り直接対話する「さいくるフレンドリートーク」を実施してきた。その他、従業員に対するリスクコミュニケーションや公募型研究を行った。本報告書では、個々の活動内容を示すとともに、活動の効果と評価を考察する。そして、今後の展開について述べる。
高温工学試験研究炉部
JAEA-Review 2008-049, 132 Pages, 2008/10
日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターのHTTR(高温工学試験研究炉)は、熱出力30MWの黒鉛減速ヘリウムガス冷却型原子炉で、我が国初の高温ガス炉である。平成19年度は、高温ガス炉開発のための運転データを取得し、蓄積することを目的に、熱出力30MWの定格30日連続運転を達成した。引続き施設定期自主検査を開始し、1次ヘリウム循環機のフィルタ交換作業,原子炉圧力容器の供用期間中検査等を実施した。また、反応度制御設備の分解点検作業で発生した制御棒の不具合を受けて、取替用制御棒の製作の準備を進めた。本報告書は、平成19年度(2007年)のHTTRの運転と保守及び各種技術開発の状況等について紹介する。
山口 真; 油井 三和
JAEA-Review 2008-050, 61 Pages, 2009/01
高レベル放射性廃棄物の地層処分において、廃棄体からの放射線が処分システムの化学的環境に与える影響について検討した既往研究を調査した。地下水の放射線分解で生成した過酸化水素や酸素がニアフィールド中を拡散し、含鉄鉱物と反応し酸化還元フロントを形成する可能性は、1980年代にスウェーデンのNeretnieksにより指摘された。1990年代に実施された使用済燃料地層処分の総括的安全性能評価によれば、燃料表面で生成した酸化性化学種の全量が緩衝材に移行するという保守的な仮定では、酸化還元フロントが数百年で岩盤中に達し、酸化還元鋭敏核種の線量当量が数十倍高くなるという結果が得られた。一方、使用済燃料の溶解試験の結果から、燃料表面での地下水の放射線分解による酸化的溶解は、溶存水素の存在下で著しく抑制されることが明らかとなった。また、貯蔵容器の鉄は還元剤として働くことが期待できるが、その量は放射線分解による酸化性化学種に対して著しく過剰であることから、1990年代後半以降に実施された総括的安全性能評価では、地下水の放射線分解による酸化還元フロントの影響はほとんど考慮されていないことがわかった。
竹本 紀之; 出雲 寛互; 井上 修一; 阿部 新一; 那珂 通裕; 明石 一朝; 近江 正男; 宮澤 正孝; 馬場 治*; 長尾 美春
JAEA-Review 2008-051, 36 Pages, 2008/10
JMTRでは、2011年度の再稼動に向け原子炉施設の改修を行っている。改修後のJMTRは、(1)軽水炉の長期化対策,(2)科学技術の向上,(3)産業利用の拡大,(4)原子力人材育成等の役割を担う。再稼働後のJMTRにおいては照射需要の増大が見込まれるため、安全かつ安定的な運転に加えて、高稼働率(5070%)であることが必要である。このため、本報では、再稼働時に安全かつ円滑に運転を行うための運転体制等を提案するとともに、JMTRにおいて材料試験炉として世界レベルの稼働率を実現するための運転方式の検討を行った。その結果、再稼働後には、安定的に年間210日運転(稼働率60%)を行える見通しを得た。
核融合エネルギー工学研究開発ユニット
JAEA-Review 2008-052, 91 Pages, 2008/11
核融合研究開発部門核融合エネルギー工学研究開発ユニットでは、トリチウム安全性試験装置(CATS),核融合中性子源施設(FNS),MeV級イオン源試験装置(MTF),高熱負荷試験装置(JEBIS),高周波工学試験装置(RFTS)の5つの核融合工学関係施設を用いて共同研究を実施しており、平成19年度は24件の共同研究を実施した。本報告書はそれらの共同研究のうち、平成19年度で終了した8テーマの成果をまとめたものである。
情報システム管理室
JAEA-Review 2008-053, 213 Pages, 2008/11
日本原子力研究開発機構システム計算科学センターでは、スーパーコンピュータをはじめとする大型計算機システムを導入し、研究活動を支援するとともに、計算機システム及びネットワークシステムの運用管理を行っている。本報告集は、平成19年度における日本原子力研究開発機構の大型計算機システムにおける利用実績を集計し、ユーザからの利用報告に基づいた研究内容,利用及びその成果についてまとめたものである。
研究炉加速器管理部
JAEA-Review 2008-054, 149 Pages, 2008/11
原子力機構東海タンデム加速器施設は、重イオンを用いた原子核科学や物質科学などのさまざまな分野において、原子力機構の職員をはじめ、大学や研究機関,民間企業の研究者に利用されている。本年次報告書は、2007年4月1日から2008年3月31日までの期間に実施された研究活動の要約をまとめたものである。総数49件の要約を下記の7部門に分類した。(1)加速器の運転状況と開発,(2)原子核構造,(3)原子核反応,(4)核化学,(5)原子核理論,(6)原子物理及び固体物理,(7)材料の照射効果。さらに、発表論文と会議での口頭発表,タンデム加速器に関係する技術者及び原子力機構の研究者並びに大学等の共同研究者の一覧を掲載した。
田中 茂
JAEA-Review 2008-055, 229 Pages, 2008/11
高崎量子応用研究年報2007は、同研究所にあるTIARA施設(イオン加速器4基)及び電子・線照射施設(電子加速器1基,Co線照射施設3棟)を利用して2007年4月1日から2008年3月31日までの間に行われた研究・技術開発成果をまとめたものである。この研究年報には、(1)宇宙・原子力・エネルギー,(2)環境・資源,(3)バイオ技術・医学応用,(4)先端材料・計測・基盤技術の4分野に分類した166編の論文及び8編の施設の運転・管理状況報告からなる合計174編の論文を収録する。また、論文リスト,新聞発表,テレビ放映,出願特許、及び研究実施形態・利用施設を付録として含む。
海老原 充*; 初川 雄一; 大島 真澄
JAEA-Review 2008-056, 65 Pages, 2009/01
原子力機構と東京大学大学院原子力専攻は協力して「連携重点研究」を実施している。「連携重点研究」は原子力機構と大学の研究者が連携し、さらに民間企業等の研究者の参加を募って、原子力分野にかかわる公募型の共同研究を行うもので、保有する人的資源や先進的研究施設・設備などの物的資源、及び外部資金を効率的に活用することにより、原子力分野における科学技術振興に寄与するものである。本報告書は平成20年2月19日に開催された「連携重点研究」のテーマの1つである「多重ガンマ線検出と即発ガンマ線分析によるリアルタイム非破壊超微量元素分析法の開発と実試料への応用」の成果報告会についての発表の概要をまとめたものである。
武石 稔; 松浦 賢一; 渡辺 均; 中野 政尚; 竹安 正則; 磯崎 久明; 磯崎 徳重; 森澤 正人; 藤田 博喜; 國分 祐司; et al.
JAEA-Review 2008-057, 155 Pages, 2008/11
核燃料サイクル工学研究所では、「日本原子力研究開発機構東海研究開発センター核燃料サイクル工学研究所再処理施設保安規定、第IV編 環境監視」に基づき、再処理施設周辺の環境放射線モニタリングを実施している。本報告書は、2007年4月から2008年3月までの間に実施した環境モニタリングの結果、及び大気, 海洋への放射性物質の放出に起因する周辺公衆の線量算出結果について、取りまとめたものである。なお、環境監視計画の概要、測定方法の概要、測定結果及びその経時変化、気象統計結果、放射性廃棄物の放出状況の内訳等については付録として収録した。
原子力緊急時支援・研修センター
JAEA-Review 2008-058, 86 Pages, 2008/12
日本原子力研究開発機構は、災害対策基本法及び武力攻撃事態対処法に基づき、「指定公共機関」に指定されており、国及び地方公共団体その他の機関に対し、災害対策又は武力攻撃事態等への対処に関して技術支援をする責務を有している。原子力緊急時支援・研修センターは、緊急時には、全国を視野に入れた専門家の派遣,防災資機材の提供,防護対策のための技術的助言等の支援活動を行う。また、平常時には、我が国の防災対応体制強化・充実のために、自らの訓練・研修のみならず、国,地方公共団体,警察,消防,自衛隊等の原子力防災関係者のための実践的な研修・訓練並びに原子力防災に関する調査研究を行った。平成18年度及び平成19年度においては、日本原子力研究開発機構の中期計画に基づいておもに下記の業務を推進した。(1)国,地方公共団体等との連携を図った指定公共機関としての技術支援活動,(2)国,地方公共団体等の原子力防災関係者に対する研修・訓練,(3)原子力防災にかかわる調査研究の実施,(4)国際機関と連携を図ったアジア諸国への原子力防災にかかわる国際貢献
石原 正博; 柳原 敏; Karlsson, M.*; Stenmark, A.*
JAEA-Review 2008-059, 81 Pages, 2009/01
スタズビックグループと日本原子力研究開発機構との間の原子力開発分野における協力のための実施取決めに基づき、情報交換と今後の進め方に関して議論するための第1回定例会合を行った。本会議では、研究協力テーマである「リサイクルを含む放射性廃棄物処理技術」及び「照射試験炉における中性子照射試験に関する技術開発」に関し、双方から現状と課題等について報告した後、今後の研究協力の進め方等についての議論を行った。本報告書は、情報交換の内容等についてまとめたものである。
武石 稔; 松浦 賢一; 渡辺 均; 中野 政尚; 河野 恭彦; 檜山 佳典; 藤井 純*; 菊地 政昭*; 佐川 文明*; 大谷 和義*
JAEA-Review 2008-060, 131 Pages, 2008/12
本報告書は、原子力規制関係法令を受けた再処理施設保安規定,核燃料物質使用施設保安規定,放射線障害予防規程,放射線保安規則及び茨城県等との原子力施設周辺の安全確保及び環境保全に関する協定書並びに水質汚濁防止法及び茨城県条例に基づき、平成19年4月1日から平成20年3月31日までに実施した日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所から環境へ放出した放射性排水の放出管理結果をとりまとめたものである。再処理施設,プルトニウム燃料開発施設をはじめとする各施設の放出した放射性物質は、濃度及び放出量ともに保安規定及び協定書等に定められた基準値を十分に下回った。
核融合研究開発部門
JAEA-Review 2008-061, 119 Pages, 2009/01
日本原子力研究開発機構(原子力機構)、核融合研究開発部門における平成19年度の研究開発活動の主な成果と進捗について、原子力機構内の他の研究開発部門及び原子力機構外の研究機関並びに大学との協力により実施されたものも含めて報告する。2007年10月に、ITER協定が発効し、原子力機構は日本政府より日本の国内機関に指名された。2007年6月には、原子力機構は幅広いアプローチ活動の実施機関に指名された。JT-60では、運転領域を拡大して、高閉じ込めで高規格化ベータ値()を長時間維持すること()に成功した。核融合炉工学では、ITERに向けて170GHzジャイロトロンにおいて1MWで800秒の定常運転を実証した。また、核融合プラズマの理論解析研究,原型炉の設計研究においても、著しい進展があった。
吉田 善行; 渡部 和男; 伊藤 光雄; 上野 隆; 竹下 英文
JAEA-Review 2008-062, 34 Pages, 2009/01
近年、使用済燃料(SF)の分析法が急速に刷新されている。それは、アクチノイド(U, Np, Pu, Am, Cm)及び核分裂生成物の核種分析に用いられる誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)が著しく進歩したことによる。ICP-MSは基本的に、分析に必要な試料量、すなわち分析対象元素の絶対量及び試料溶液の容量のいずれもが極少量で済むため、強い放射能を有するSFの分析に多大な威力を発揮する。すなわちICP-MSを適用することによって、分析作業者の被ばく線量の低減化が可能になり、分析操作で生じる放射性廃液の量を大幅に削減することが可能となる。さらに、ICP-MSに先立って、同法による核種分析において妨害となる同重体を有する元素を分離しておく必要があるが、その分離法においても顕著な進歩がみられる。本総説では、このような目覚ましい進展がみられるSFの分離法,核種定量法に焦点を当て、50数編の論文に基づいてこの分野の最近の進歩をまとめ、あわせて今後の展望,課題などを明らかにする。
原子力科学研究所 放射線管理部; 高崎量子応用研究所 管理部 保安管理課; 関西光科学研究所 管理部 保安管理課; むつ事業所 管理部 保安管理課
JAEA-Review 2008-063, 161 Pages, 2009/01
本報告書は、日本原子力研究開発機構の東海研究開発センター原子力科学研究所, 高崎量子応用研究所, 関西光科学研究所及び青森研究開発センターむつ事務所における放射線管理に関連する2007年度の活動をまとめたものである。
中野 純一
JAEA-Review 2008-064, 175 Pages, 2009/01
照射誘起応力腐食割れ(IASCC)は、高温高圧水といった腐食環境中で、中性子や線等の放射線と溶接による残留応力等が材料に重畳して作用することで生じる劣化現象の一つである。冷却材として水を使用した原子力環境におけるステンレス鋼の応力腐食割れ(SCC)特性及びIASCC特性に及ぼす各種の影響を明らかにすることは、軽水炉をはじめとする原子力システムの安全性及び信頼性向上の観点から重要である。本研究では、微量添加元素,熱処理,冷間加工及び中性子照射量がIASCC挙動へ及ぼす影響を評価するため、照射材用の低ひずみ速度引張試験装置を開発し、照射後試験を行った。本論文では、IASCC研究から得られた結果を元に、IASCC感受性,き裂発生及び進展挙動に関する考察を総合的にまとめた。
山本 一也; 住谷 昭洋
JAEA-Review 2008-065, 95 Pages, 2009/02
2008年7月のメキシコで行われた原子力発電所事故対応演習に合わせて、IAEAは国際緊急時対応演習ConvEx-3(2008)を実施した。本調査報告は、このConvEx-3(2008)における演習上の事故発生国であるメキシコの現地活動とIAEA本部の事故・緊急時センターの国際緊急時対応活動について、2か所で同時に視察調査を行い、その結果をまとめたものである。
池添 博
JAEA-Review 2008-066, 55 Pages, 2009/02
平成19年度に実施された9件の黎明研究の成果をまとめた報告書である。原子力に関する基礎・基盤研究の発展の一助とするため、本報告書により得られた成果を公表する。
研究炉利用課
JAEA-Review 2008-067, 482 Pages, 2009/01
平成18年度における研究炉(JRR-3, JRR-4)での実験利用,照射利用を行った利用者(原子力機構外も含む)からの成果の提出を受け、これを取りまとめたものである。
佐々木 康雄; 沼田 良明; 虎田 真一郎
JAEA-Review 2008-068, 23 Pages, 2009/02
原子力の利用に伴う廃棄物発生とその処分については、これまでの原子力利用にも増して社会の受容の視点を重視しつつ、処分施設の建設を柱とした計画推進を図っていかなければならない。また、その計画推進に必要な期間が長期に渡るため、世代間の知識や意識の共有や技術情報を継承する人材の確保についても適切に対処していかなければならない課題といえる。その方策の一助として、研究部門の研究者みずからが次世代を構成する学生世代を対象に、廃棄物処分に関連した研究成果について科学的解説や意見交換を行う機会をつくることが有効と考え、原子力や理科教育に関心が高いと思われる教育機関に向けて、研究者による講演と意見交換を呼びかけた。併せて原子力や処分についての講演や説明の内容理解を図るためのコミュニケーションに資するよう、その反響や受け止められ方についてアンケートや意見聴取をもとに検討したので報告する。
ホット試験施設管理部
JAEA-Review 2008-069, 92 Pages, 2009/02
本報告書は、平成19年度のホット試験施設管理部の各施設(燃料試験施設,WASTEF,ホットラボ等)の運転管理についてまとめたものである。燃料試験施設では、前年度に引き続き、燃料等安全高度化対策事業として搬入した欧州からの照射済燃料について、反応度事故及び冷却材喪失事故を模擬した軽水炉燃料の事故時挙動に関する照射後試験を実施した。WASTEFでは、材料研究関連で原子炉構造材料の高温高圧水中複合環境下での低歪速度試験及び単軸定荷重引張試験,高性能燃料被覆管の応力腐食割れ試験等、燃料研究関連では、NSRRパルス照射燃料の発熱量測定を実施した。ホットラボでは、廃止措置計画に基づき鉛セルについて、不要機器の撤去を実施した。また、未照射核燃料物質一括管理工事では貯蔵室の改修工事を完了し、平成20年3月末から運用を開始し、研究目的の終了した未照射ウランの搬入を実施した。その他、プルトニウム研究1棟,第2研究棟,第4研究棟,JRR-3実験利用棟(第2棟),ウラン濃縮研究棟,高度環境分析研究棟,環境シミュレーション試験棟及び核燃料倉庫の計11施設について施設管理を実施した。
システム計算科学センター
JAEA-Review 2008-070, 43 Pages, 2009/02
システム計算科学センターにおいては、「独立行政法人日本原子力研究開発機構の中期目標を達成するための計画(中期計画)」に基づき、シミュレーション工学研究に関する研究開発を実施している。この研究開発の効率的・効果的推進に資することを目的として、機構外の有識者・専門家による研究評価及び示唆を受けるため、機構の原子力コード研究委員会の下に原子力計算科学研究評価専門部会が設置された。本報告は、平成19年度にシステム計算科学センターにおいて実施されたシミュレーション工学研究の実績を原子力計算科学研究評価専門部会が評価した結果をとりまとめたものである。
放射線管理部
JAEA-Review 2008-071, 144 Pages, 2009/02
本報告書は、平成19年度に核燃料サイクルエ学研究所放射線管理部が実施した施設の放射線管理及び個人被ばく管理,放出管理及び環境放射線の監視,放射線管理用機器等の保守管理,安全研究及び技術支援等の業務について取りまとめたものである。
西尾 和久; 大山 卓也; 見掛 信一郎; 水野 崇; 三枝 博光; 竹内 竜史; 天野 健治; 鶴田 忠彦; 濱 克宏; 瀬野 康弘; et al.
JAEA-Review 2008-072, 28 Pages, 2009/02
独立行政法人日本原子力研究開発機構(原子力機構)東濃地科学センターでは、地層処分技術に関する研究のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」,「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」,「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる約20年の計画であり、現在は、第2段階である「研究坑道の掘削を伴う研究段階」を進めている。本計画書は、2002年2月に改訂した「超深地層研究所基本計画」に基づき、2008年度の超深地層研究所計画の(1)調査研究計画,(2)施設建設計画,(3)共同研究計画等を示したものである。
西尾 和久; 松岡 稔幸; 見掛 信一郎; 鶴田 忠彦; 天野 健治; 大山 卓也; 竹内 竜史; 三枝 博光; 濱 克宏; 吉田 治生*; et al.
JAEA-Review 2008-073, 99 Pages, 2009/03
独立行政法人日本原子力研究開発機構(原子力機構)東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、第1段階「地表からの調査予測研究段階」,第2段階「研究坑道の掘削を伴う研究段階」,第3段階「研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる約20年の計画であり、現在は、第2段階である「研究坑道の掘削を伴う研究段階」を進めている。本報告書は、2002年2月に改訂した「超深地層研究所基本計画」に基づき、超深地層研究所計画の第2段階「研究坑道の掘削を伴う研究段階」における2005年度に実施した(1)調査研究,(2)施設建設,(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。
原子力基礎工学研究部門; 次世代原子力システム研究開発部門; J-PARCセンター
JAEA-Review 2008-074, 246 Pages, 2009/03
日本原子力研究開発機構では、2000年3月に原子力委員会・原子力バックエンド対策専門部会の取りまとめた「長寿命核種の分離変換技術に関する研究開発の現状と今後の進め方」に基づき、高レベル放射性廃棄物に含まれる長寿命核種の分離変換技術に関する研究開発を進めてきた。本報告書は、分離変換技術の導入効果及びコストの検討状況、並びに、国際的な研究開発動向をレビューするとともに、分離プロセス及び核変換サイクルに関する研究開発の進展と今後の計画、並びに、大強度陽子加速器施設J-PARCの第II期計画である核変換実験施設をはじめとするインフラ整備の必要性について取りまとめたものである。
安全統括部 環境配慮促進課
JAEA-Review 2008-075, 149 Pages, 2009/02
原子力機構は、2007年度の環境配慮活動について、「環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律」に基づき「環境報告書2008」を作成し、2008年8月に公表した。本報告書は、環境報告書の信頼性を高めるためにその情報の検証可能性を確保し、また、原子力機構における環境配慮活動の取り組みを推進する手段として、環境報告書に記載した環境関連情報の根拠となる2007年度の環境報告関連データを取りまとめたものである。
井手 広史; 那珂 通裕; 作田 善幸; 堀 直彦; 松井 義典; 宮澤 正孝
JAEA-Review 2008-076, 442 Pages, 2009/03
水冷却型試験研究炉用原子炉施設に関する安全設計審査指針は、試験研究の用に供する水冷却型原子炉の設置許可申請にかかわる安全審査において、安全確保の観点から設計の妥当性について判断する際の基礎を示すことを目的として取りまとめられたものである。改修を機にJMTR原子炉施設が現行の指針に適合していることの確認を目的として指針に関する設置変更許可申請書の本文及び添付書類並びに関連資料における記載事項の調査を実施した。調査の結果、設置変更許可申請書等にその適合性に関する記載があり、安全機能を有する構築物、系統及び機器等については適切に設計及び工事の認可を受けていることから、「安全設計指針」に適合し、かつ、その性能についても満足するものであることを確認した。
原子力研修センター
JAEA-Review 2008-077, 94 Pages, 2009/03
本報告書は、日本原子力研究開発機構原子力研修センターの平成19年度における業務概況をまとめたものである。原子力研修センターにおける研修業務は順調に遂行され、国内研修コースの受講者数は466人、職員等を対象とした技術研修の受講者数は694人であった。新規の研修としては、これまで職員向けに実施してきた核燃料取扱主任者受験講座、放射線取扱主任者受験講座及び18年度に職員向けに試行した原子力・放射線部門技術士試験準備講座を一般向けに開講した。大学との連携協力では、東京大学大学院原子力専攻(専門職大学院)及び同国際専攻への協力、連携大学院は新たに2校加わり、14大学への協力、さらに1大学の学部への協力も開始した。また、19年度より開始した文部科学省・経済産業省の「人材育成プログラム」への協力も実施した。大学連携ネットワークでは、18年度までに整備したカリキュラム等により3大学と遠隔教育システムによる共通講座を開始するとともに、新規大学向けに試行版実習を実施した。国際研修も文部科学省からの受託により、年度当初の計画に従って実施し、インドネシア, タイ, ベトナムを対象に、講師育成研修,講師海外派遣研修を実施した。さらに、アジア原子力協力フォーラム(FNCA)人材養成ワークショップを開催し、人材養成ニーズとプログラムの調整のためのアジア原子力教育訓練プログラム(ANTEP)を進展させた。
佐々木 康雄; 虎田 真一郎; 沼田 良明
JAEA-Review 2008-078, 51 Pages, 2009/03
原子力機構では、地層処分研究開発部門が実施している地層処分研究開発のうち、主として東海研究開発センターにおいて実施している研究課題について、大学や関連研究機関における専門家による「地層処分研究開発検討委員会」を機構内に組織し、審議検討を通じて客観的な助言をいただくことにより、研究開発の効率的な展開と、その成果による処分事業や安全規制等への技術基盤の確立に資することができるよう、時宜よく研究開発計画の実施にあたって反映させている。本資料は、2008年3月に開催した第3回委員会の会議報告を行うものである。
原子炉施設管理部
JAEA-Review 2008-079, 27 Pages, 2009/03
2007年度は、JMTR(Japan Materials Testing Reactor)改修により停止中のため利用運転は行わなかった。原子炉の運転管理では、施設定期検査の受検,施設定期自主検査等、安全を確保するための保守管理を行った。照射設備の運転管理では、照射施設の施設定期自主検査及び定期点検を行った。ホットラボでは、JMTRで照射された試料の照射後試験,RIの搬出等を行った。また、施設の保守管理のため施設定期自主検査等を行った。本報告は、2007年度に行ったこれらの活動についてまとめたものである。
木村 正; 大戸 勤; 出雲 寛互; 長尾 美春; 河村 弘
JAEA-Review 2008-080, 16 Pages, 2009/03
JMTR原子炉施設においては、原子炉一次冷却水及びプール・カナル水の精製にイオン交換樹脂を使用している。その使用済みのイオン交換樹脂については、廃液貯槽に貯蔵しており、その貯蔵量は、施設の運転に伴い増加している状況にある。使用済みのイオン交換樹脂を処理するための方法として、海外委託による処理方法について調査した。その結果、海外委託により処理する場合の技術的,法規的,社会的課題を抽出するとともに、委託処理を実現するための条件を確認した。
照射試験炉センター
JAEA-Review 2008-081, 30 Pages, 2009/03
材料試験炉(JMTR)は、1968年3月に初臨界を達成して以来、原子炉の燃料・材料の耐久性,健全性の試験や基礎研究,ラジオアイソトープ(RI)の製造等に利用されてきた。2006年8月の第165サイクルの運転をもっていったん停止し、現在、平成23年度からの再稼働に向けて原子炉機器の一部更新及び照射設備の整備を進めている。また、JMTRの再稼働にあたり、利用者からの利用性向上にかかわる強い要望に応えるため、原子炉稼働率の向上を目指した検討や早く結果が得られるようターンアラウンドタイムの短縮等の検討を進めている。本報告は、平成19年度に行ったJMTRの改修・再稼働についてまとめたものである。
照射試験炉センター
JAEA-Review 2008-082, 30 Pages, 2009/03
材料試験炉(JMTR)は、1968年3月に初臨界を達成して以来、原子炉の燃料・材料の耐久性,健全性の試験や基礎研究,ラジオアイソトープ(RI)の製造等に利用されてきた。2006年8月の第165サイクルの運転をもって一旦停止し、現在、平成23年度からの再稼働に向けて原子炉機器の一部更新及び照射設備の整備を進めている。また、JMTRの再稼働にあたり、利用者からの利用性向上にかかわる強い要望に応えるため、原子炉稼働率の向上を目指した検討や早く結果が得られるようターンアラウンドタイムの短縮等の検討を進めている。本報告は、平成19年度に行ったJMTRの改修・再稼働についてまとめたものである。
佐々木 祐二; 山岸 功; 小澤 正基
JAEA-Review 2008-083, 182 Pages, 2009/03
2008年11月7日、日本原子力研究開発機構リコッティ多目的ホールにおいて第2回が開催された。本セミナーは第1回が平成19年5月に原子力機構大洗研究開発センターで開催し、50名強の専門家や一般からの参加があったが、本年は原子力機構原子力基礎工学研究部門が主催し東海村での開催となり、昨年を越える63名の参加があった。核燃料サイクルは放射性元素の回収・有効利用のみならず、軽白金族や希土類元素資源ソースとしての研究を進めることもでき、今後原子力・非原子力の専門家との議論を進める必要がある。そのため本セミナーでは国内外の大学や研究機関の専門家を交え、燃料サイクルのコンセプトや各要素技術について議論を行い、研究に役立てることを目指す。本報告書は本セミナーの講演要旨及び講演で使用された発表資料を収録したものである。
東濃地科学センター 施設建設課
JAEA-Review 2008-084, 82 Pages, 2009/03
瑞浪超深地層研究所研究坑道掘削工事において、掘削時の湧水抑制対策について大学や研究機関における専門家による助言を得て計画に反映していくため、「湧水抑制対策検討委員会」を設置した。本資料は、2006年2007年度に開催した委員会の会議報告を行うものである。